xxx 2014-12-29 00:12:16 |
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>露木
( 突如腕を取られ先程から傷んでた靴擦れの事に触れられては軽々と抱えられ思わず息が止まる。
心臓が煩い程に騒ぐもカフェにと連れられ絆創膏を貼られてはわなわなとしながら「あ………ありがと」と小さな声で礼を言う。
細かな優しさやその立ち振る舞いに改めて相手に言い寄る女子の気持ちが深く理解出来ては自分も女だったら上手く行ってたのかな、なんて考えて。
苗字の事に触れられどうしようかと迷い“妹”と言おうとした所で唇を噛む。
妹だなんて言ってしまえば名前や年齢に関してが面倒な事になる、「…えと、多分他人…」と意味の分からない事を言っては羞恥を隠す様にカプチーノを冷まし飲んでは悟られない様に相手をチラリと見て。
相手からの誘いに嬉しい反面元々の約束を思い出しては胸が痛む、正直とても楽しみにしてた事もあり相手との距離が遠のいたのはとても悲しかった。
しかし未練がましく相手との時間を過ごしたいと思ってはこの姿ならば一緒に居られるだろうかと。
「………分かった、…どうせ暇だし」
( 顔が赤らむのを隠す様に俯けば隣で若頭が分かり易く頬を膨らませる。
『ちょっと!!!いくら何でも露木に手を出したら怒るからね』
( 軽く頬を引っぱられてはムスッとした表情で若頭を睨むも相手との時間に胸が弾んだりして。
( カフェを後にしては若頭が相手に張り付くのをどこか悔しそうに見詰める。
相手と若頭の後を後ろから着いて行くも僅かに身長の高い相手を見上げてはたまに振り向くその優しい表情に尚惹かれる。
慣れないスカートに寒さを感じつつヒールに転びそうになっては咄嗟に相手に抱き着く様に掴んでしまって。
「あ………ごめん、気を付ける」
( 相手の顔を直視出来ずにパッと下に顔を向けるも熱くなる頬を誤魔化す様にして。
若頭の膨れ面が目に入るも微妙な表情で答えては不意に携帯のバイブがなり携帯を取り出す。
あの男子学生からのメールに眉を寄せては渋々開いて。
《露木今日合コンで会った女とデートだってよ、お前に邪魔されなくて嬉しそうにしてたぜ》
( 嫌味のメールに溜息を付くも人のアドレスなどどこから手に入れたのだと。
携帯をしまい相手と若頭の後を着いて行きながら“そう言えば寮に戻る時人に見られないように気を付けなきゃな”と呑気に考えて。
>桐崎
(相手とも知らずに一つ一つの仕草が可愛らしく見えてはこの後一緒にいられると思うと嬉しく思う。
反面、此れが相手だったら…と思う自分も居て、相手から嫌われているのに何考えているんだと溜息を吐き。
そんな時、不意に抱き着かれカァと頬が熱くなるも躓いただけと分かれば何勝手に舞い上がってるのだと平静を装って「おっちょこちょいだな」と軽く額を小突き、若頭の腕をほどいては然りげ無く相手の隣に並び腕を絡めて。
「…我慢しろよ。これ以上あんたに転ばれて怪我されたら困るから」
(羞恥を隠して述べつつ俯く相手の耳が赤いことに気付いてはこんだけ可愛いのに男に免疫ないのかなと不思議に思い。
その時、相手が取り出した携帯を見た瞬間、あれと思い「……その携帯、“彼奴”と一緒」と声を漏らすも単なる偶然かと思えば適当に流しこの後連絡がとれたほうがいいだろうと思い「そう言えばさ、アドレス教えてくれない?」と相手の心中など知らずに問い掛け。
しかし若頭も流石に直ぐバレるのは詰まらないと思ったのかグワッと自分と相手の間に入ってきて『露木!僕のアドレス教えて上げる。てゆーかさ、ここからは僕と二人で遊ぼうよ』と相手から引き剥がされ“男”の力で横道に連れて行かれ。
(自分が若頭と渋々話しながら相手の元に戻れる隙を窺うころ、相手のもとにあの男子学生が相手とも知らずに軽いノリでナンパしてきていて。
『わぁ、すっげー可愛いじゃん。髪もイケてるし。一人なの?』
『俺達と一緒に遊ぼうぜ。いいこといっぱい教えてやるよ』
(三人で相手を囲んでは厭らしく細い腰に腕を回し相手の頬を手の甲で撫で上げ『ほら来いよ』と無理矢理相手の手を引いて路地裏に連れ込み華奢な身体を壁に押さえつけると首筋に指を通わせ『続き、別の場所でしようか?』と路地奥のホテル街に目配せして。
>露木
( 携帯に触れられては一瞬冷汗を感じるも次に言われた言葉に本格的に焦りを感じる。
アドレスならば既に相手の携帯に登録されてるし、しかし断って相手に嫌なイメージを植えるのも困る。
懸命に思考を巡らせるも若頭が咄嗟に相手の話を逸らすのに安堵の息を漏らしては遠目に相手と若頭を見詰め、やはりこうしてるのも切ないなと。
女の身体と言うのは思ってたよりも不便、早く戻らなければと考え溜息を付いてた所、見慣れた顔の男子学生に囲まれては変わらない無愛想で見上げる。
路地裏に連れて来られては段々と状況を理解しキッと睨み付けては素早く男子学生の一人に蹴りを入れる。
………が、所詮非力な女の力。
易々と足を取られては体制を崩してしまいこれは流石に不味いと。
「触んな!!!離せってんだろうが!!!」
『うわ、お前口悪いな』
『黙らせれば良いだろ、さっさと連れてくぞ』
( 思考が焦りに支配されまともな判断が付かず軽々と抱えられては悪寒が走り必死に抵抗する。
しかし抵抗も虚しくホテルの入口まで連れられては血相を変え何とか逃げ出さなければと。
女の身体で好き勝手されるなんて耐えられない、しかし今この身体の力では男三人になど敵わない。
男子学生達の手から逃れようとした際に携帯を落ちては男子学生達はそれを拾い上げ取り上げて。
『デザイン随分と男っぽいの使ってんね』
『助けとか呼ばれたら面倒だからな』
( キッと睨み付けては伸ばされた手を払い除け何とか逃げようと逃げ道を探して。
( その頃、若頭は相手のアドレスに大袈裟な程に喜んでたがふと自分の姿が無い事に気付いてはゆるりと首を傾げ『あれ??帰っちゃったのかな』と。
二人だけになれたね、と再び相手に張り付き二人も寮に戻ろうとした所、裏路地を通りがかった所で若頭が自分に買い与えた女性物のピアスを見付けてはそれを拾い上げる。
『これ桐崎に買って上げたんだけど…もう、落としたのかな。折角ブランドの買って上げたのに』
( 口を尖らせながらそれを拾い上げるも路地を抜けたホテル街に目が行けば若頭は漸く表情を引き攣らせ。
>桐崎
(相手の姿が無いことに落胆するが若頭の表情が僅かに険しくなったのに気付いては、どうしたと訪ねようとするも其の前に路地の入口で女達がそわそわし『さ、さっきの子、大丈夫かしら』『無理矢理、だったわよね』と話しているのが聞こえ。
嫌な予感がしてはその女達に状況を聞き出し相手だと分かるとサァとの血の気が引く。
「あんたは此処で待ってろ」と一応若頭を女として扱ってその場に残すと路地裏を抜けホテル街に向かう。
何件も立ち並ぶホテル、いったいどれだと焦るも『彼奴等いい女連れてたな。此れからお楽しみかぁ、羨ましい』という声が聞こえ直感で相手だと思えば話されていたホテルに駆け込み受付に相手の部屋を聞き出し。
が、そう簡単に教えてくれる筈もなく舌打ちしては財布に入っていた札を全部だし部屋番を吐露させるとルームキーを手に部屋に乗り込んで。
ベッドに三人掛かりで組み伏せられ服を乱される相手の姿。
あまりにも惨い光景に唇を噛み締めては男子学生達を睨みつけて。
「……あんた等いい加減学習したらどうだ。こんなことが学校にバレたらどうなるか想像つくだろ?」
『チッ、またお前かよ。チクるチクるってうっせーな。此れからいいとこ何だよ、邪魔すんな!』
『お、おい。流石にやばいって。……俺パス!』
(サッと一人が顔色を変え逃げれば他も悔しさに表情を歪め部屋を出て行き、静かになったところで小さく息を履いては相手をあまり見ずに自分のジャケットをやんわり投げつけ。
「………一人にして悪かった。もっと早くに気付くべきだったよな」
(なるべく優しく声をかけるも所詮自分は男。
今の相手にとって恐怖の対象でしかないだろうと思えば転がる相手の携帯を手に取り「……誰か友達呼ぶか?」と威圧感が出ぬよう腰を屈めて相手に渡す。
しかし中々掛けない様子に困っては少し考えた後、元々此れから会わせるつもりだった人物、幼馴染に電話を掛けて「……もしもし、ちょっと頼みがあるんだけど」と詳細は伏せて兎に角、一人匿って欲しいと相手にとっては余計なお世話になりかねないとも知らず「大丈夫だから」と一定の距離を保ちつつ安心させるよう微笑み。
>露木
( やはり力では敵わず一番使いたく無かった手だが能力を解放しようとした所、部屋に乗り込んで来た相手により助けられては飛んで来たジャケットを受け取り相手をぼんやりと見詰める。
若頭の能力により散々な目に合わせられたとどこか冷静に考えるも大きく感じる相手のジャケットを羽織り“友達を呼ぶか??”と言う問い掛けに言葉を詰まらせ。
目前で相手が電話を掛けたのが幼馴染みだと気付き大丈夫だろうかと言う不安を感じながら沈黙を守り。
( 服の乱れを直しホテルの外に出ると若頭が近付いて来ては『もう、びっくりさせないでよ。………で、大丈夫な訳??』と耳打ちして来て。
「巫山戯んなよ、…この身体じゃ全然太刀打ち出来なかった」
『当たり前でしょ、女の子は非力なんだから』
( 暫くして幼馴染みが訪れると幼馴染みは相手に目を向け自分とどのような関係なのかを相手に問い詰めるが幼馴染みの性格上か、直ぐに優しい笑みを向けられ女子寮に連れてくと言われて。
流石に女子寮は不味いだろ、と慌てて断ろうとするがそれが裏に出てしまい。
『っていうか貴方も女子寮よね、部屋どこ??一緒に居てあげるわ』
「いや………、え‐っと………」
『あ!!!き…桐崎なら僕の部屋に連れてくから…』
『何言ってるの男子寮だなんて危険じゃない』
( “男子寮”と言う言葉に若頭は僅かにムスッとするも兎に角は幼馴染みの部屋に入れて貰う事になり。
( 幼馴染みの部屋にて色々聞かれるも適当な答えを告げ何とかやり過ごす。
やはり異性の部屋に長居するのは気が引けて、もう平気だと告げては改めて礼を言い人目を気にしながら大学生男子寮へと向かっては若頭に詰め寄る。
「早く戻せ!!!こんなの耐えられない!!!」
『だから3日は無理なんだってば。早く戻す手もあるけどそれでも丸1日はその格好だよ』
「2日目に戻るって事??…どうすれば」
『異性とキスすれば何とかなるよ、こうなったのも僕のせいだし協力してやっても良いよ。………って言いたい所だけど僕のファーストキスは露木のだから』
「………いい、適当に男引っ掛けるから」
『それでも良いけどキスした相手がいきなり男になったらびっくりすんじゃない??』
( 話にならないと若頭と別れては真っ直ぐ兄の部屋の戸を叩く。
「綸!!!俺だ、繿だ!!!ちょっと助けて欲しい!!!」
( 兄が自室に相手を招き入れてた事など知らずに上記を言ってはドンドンと部屋を叩いて。
僅かに高い女の声に疑問を持ちつつ兄は玄関口へと向かって。
>桐崎
(女(相手)のことが気にかかりつつ初対面の男の自分がこれ以上でしゃばる訳にはいかないと自室へと戻ろうとするも、兄にいつものノリで部屋に引きずり込まれては仕方なく兄の話に付き合い。
しかし頭の中は銀髪の女と相手のこと。
まさか女が相手とは思わないが、少し相手と重ねていたことは否めない。
相手に嫌われて失望した筈なのにこんなにも相手(男)を想ってしまう自分はどうかしていると兄の前にも関わらず大きく溜息を吐き。
そんな時、扉が叩かれては幼馴染の所にいる筈の“女”の声が聞こえ驚くがそれよりもその内容に耳を疑い混乱して。
兄も訳が分からないと肩を竦めて少しだけ扉を開く。
そして相手の姿を見た瞬間、一瞬目を丸くするも心当たりがあり何となく状況を理解したのかヒューと口笛を吹きクスクスを笑って。
『我が弟ながら見惚れちゃったよ。あ、妹か。……で、木ノ宮の仕業でしょ?』
(相手にだけ聞こえる声の大きさで告げては自分に気付かれぬよう相手に部屋の中を覗かせ自分がいることを見せて『今の聞かれちゃったよ?どうする?すっごい難しい顔してるけど』とどこか楽しむように笑み。
『…もしかしなくても俺にキスして欲しくて来た?今元に戻ればなんとか菊をごまかせるかもよ?でもどーしようかなぁ、ご褒美くれるなら考えてあげなくもないけど?』
(相手は既に男物の服を着ており、覚悟さえ決めればすぐに戻れる状況。
兄もなんだかんだ弟を不憫に思い協力するつもりでいるのか扉を少し開けた状態のまま相手の顎を持ち上げ口付けようと。
が、自分も女の声で“繿だ”と叫ばれじーっと黙っていられるほど我慢強くなくまさしく兄と相手と唇が触れ合うか否かのところで扉を開き。
>露木
( 意地の悪い笑みを浮かべる兄に苛立つも相手が兄の部屋に居た事を理解してはサッと青ざめる。
女の身体になったのを利用しただなんて絶対に嫌われる、こうなったら兄にさっさと男に戻して貰い全速力で逃げようと。
しかし開いた扉の前に立つ相手に目を見開いてはどうしようと兄に目を向ける。
居ても立ってもいられず逃げ出そうと試みるがどちらにしろ男の身体に戻った方が良いに違いない。
相手が言葉を発する前に背伸びをし兄の唇を奪おうとするが兄は意地の悪い笑みを変えぬままフイと顔を逸らしてはこちらを見下ろす。
わなわなと震えながら兄に「お前…戻ったらマジ許さねぇからな!!!届かねぇんだよ屈め!!!」と訴えるも兄はクスクスと笑うだけで屈んではくれず。
『さて、ゆっくりお話しようか』
( ひょいと兄に抱えられ部屋に入れられては相手と3人という気不味い雰囲気が流れる。
まずはちゃんと説明しなきゃならないのだろうが相手は自分(男)とは顔も合わせたく無いのだろうと。
言葉を発せずに居た所、兄が大袈裟な溜息を漏らしては不意にこちらに近付き軽く首筋のボタンを開けて。
「何すんだよ離…」
『一発で理解させる方法だよ、…菊、そろそろ分かったかな??この火傷の痕、これなら分かるよね』
( 兄の言葉にハッとしながら俯くと黙り込んだまま膝の上で拳を握る。
兎に角この姿で居るのは流石に恥ずかしいし話をするのだとしても取り敢えず男の姿に戻りたい。
「………綸、まず俺戻りたいんだけど」
『駄目、まだなんの話もしてないじゃん』
( 困った様に眉を寄せ、そこでふと携帯にメールが入っては自然とそちらに目をやる。
赤城からのメールにハッとしては赤城ならば素直に引き受けてくれるのでは無いかと。
直ぐに電話を掛けようとも兄に携帯を取られてはそれも敵わず眉を下げる。
おずおずと相手に向き直っては「………ごめん、聞きたく無いだろうけどちゃんと話す。………でも俺こんな格好であんたと話したくないんだ」と。
キッと兄を睨んでは「もういい、赤城に頼むから」と言い兄の部屋を出ようと。
>桐崎
(ありえない事態に混乱する中、何を理由に何故そうなったかは不明なものの目の前の女が相手でキスをすれば元に戻れることは理解でき。
昼間の相手への対応を思い出し見られたくないところを見られた気がして微妙な気持ちになるも青年の元へ行こうとする相手に何故か焦り咄嗟に腕を掴んではその勢いのまま引き寄せ軽く、長く口付けて。
ゆっくり唇を離してから数秒後、見慣れた相手の姿になれば事態は本当だったのだと驚くと同時に、自分が取った行動に狼狽し相手からサッと身を離し。
「……わ、悪い……、不快だよな…」
(以前男子学生から聞かされた“相手の言葉”が過っては、相手は相当気色悪く思った筈だと。
それでも相手が自分でなく青年に頼ろうとするのが悔しくて青年が相手に口付けすると思うと我慢ならなかった。
しかしそんなこと言えるはずもなく…。
「………さっきの格好で男子寮うろつかれたら絶対面倒なことになるだろ。それに巻き込まれるのは御免だから」
(咄嗟に嘘を吐くもモヤモヤは膨れ上がる一方で、相手の腕を掴むと兄の部屋を出て強引に自室に押し込みバタンと後手に扉を閉ざして。
「………なんで、…女の格好の時、俺を避けずに誘いに乗ったんだ?………俺が、嫌いなんだろ?……尻軽で汚れてるってやっぱり思ってるんだろ?!」
(僅かに声を荒らげてしまってはグッと唇を噛み締め顔を横に逸し「…誤魔化しても無駄だからな。…ボイスレコーダーであんたが俺を悪く言うの聞いたんだ。……………食堂で言ってくれた言葉…信じてたのに……」
(自分が騙されているだけなのに相手を責めるように言っては目を逸らしたまま「……なんで女の時、俺を避けなかった?」と相手の心情も知らずに再度同じ問いをして。
>露木
( 突然の相手からの口付けに目を見開き驚いては“戻れた”なんて喜ぶ余裕すら無く。
謝罪の言葉と共に述べられた次の言葉に相手にとって特別な意味が合った訳じゃ無いのを思い知れば再び胸が痛むも俯いては顔を逸らす。
これでもう相手と関わるのは出来なくなった、そう思うと寂しくもなりなんならばあの姿で嘘を通し続けるのも良かったのかもしれないと。
相手の部屋に連れてかれたと思えば珍しく感情を顕にする相手を見詰めるも言ってる事は理解出来ずに。
言葉を無くし、次の問いに漸く口を開いては眉を寄せ再び視線を逸らす。
「…木ノ宮に無理矢理やられたんだよ。………彼奴あんたの事気に入ってるらしくて、…そんで…あんたの事呼び出してって頼まれて………。この身体ならあんたの側に居てもバレないだろうからって…………」
( 言い掛けた所でハッとしては自分は何を言ってるんだろうと青ざめる。
明らかに最後の一行は要らなかった、改めて後悔に駆られては高い身長から相手を遠慮がちに見詰め「………ごめん、本当ストーカーって言われても仕方無いよな。………今のは忘れて。………っていうかさっきボイスレコーダーとか言ってたけど何の話だよ。それに尻軽ってどういう事だ。自分の事だとしてもそんな最低な事言うのは許さない」と。
相手を睨み付けては「あんたは尻軽なんかじゃないだろ、汚れてなんかない。………次に言ったら本当殴るからな」と相手の心情など知らずに言ってた。
互いの勘違いに気付けないまま一呼吸置いては嫌いな奴を部屋に置いとくのも嫌だろうと相手の横を通り過ぎ相手の部屋の玄関に手を掛ける。
「………一応、キス………助かった。問題にならない様にしただけなの分かってるから、…あんまり気にしてないし。………あんたもしてないだろ??」
( 僅かに声が上擦るも必死に誤魔化しては逃げる様に相手の部屋を出て。
廊下にてばったりと相手に出会しては少しがっかりした様な視線を向けられ『え‐、戻っちゃったんだ。俺妹欲しかったのに』と。
「あんたがさっさと戻してくれないからだろ!!!」
『だってキスした瞬間戻るんでしょ??キスしてる間に自分と同じ顔の弟になられたら萎えるって』
( ムカムカとしながら兄をキッと睨むもまさか相手の部屋での会話を全部聞かれてたとは露知らず、去って行く自分の後姿を見詰めては『木ノ宮、ねぇ。面白い能力だなぁ』と呟き若頭を携帯で呼び出しては相手の部屋へと向かって。
『ねぇ菊、繿がどこでどんな事言ってるのか全部聞いちゃえば良いよ!!!…ただ協力する代わりに一週間俺の恋人ね、今ここに木ノ宮来るから』
( 早口で言えばどこか楽しそうに相手の髪を撫でて。
>桐崎
(どこか辛そうに此方を睨んでくる相手の言葉はとても嘘とは思えない。
しかし確かに携帯から聞こえた声は相手のものだった。
相手を信じたいのに信じるのを恐れる自分が居て相手が逃げるように去ったあと力無くその場に座り込み。
それから暫く、兄が訪れ提案されたことにこれ以上詮索して相手と会話も出来なくなるのは嫌だと首を振るも程なくして訪れた若頭によっていとも簡単に性別を変えられて。
始め自分の身に起こったことが分からず茫然とするも、明らかに自分じゃない身体や胸下まで伸びた髪に蒼白になり若頭に掴み掛かって。
「なにするんだよ!あんたは関係ないだろ!」
『えー、だって協力したら露木からのファーストキス貰える約束だもん』
「……綸!!」
『俺は菊を思って……っ?!!』
(兄が言い終わる前に唇を塞いではどうだと兄と若頭を睨みつける。
誰かれ構わずキスするなど絶対に嫌だったが今は緊急事態なのだと。
しかし若頭はおかしそうに笑って。
『ごめんごめん。自分からキスしても元には戻れないよ。相手からちゃんと誠意のこもったキスをされなきゃね』
『そういうことみたいだから。……………ねえ、菊。繿のこと知りたいんでしょ?ここは我慢して俺に付き合ってよ?どうせ三日は戻れないんだし』
「…………だからってこんなやり方じゃなくても……」
(言葉を詰まらせ俯くも確かにこの格好なら相手のことを知りやすいかもしれない。
先刻の相手の切なげな表情を思い出してはこのままではいけない気がして小さく頷き。
『よし。じゃあそうと決まればお着替えしなきゃね。……って随分小さくなったね。僕よりちょっと低いくらいかな。まあ服は僕のを貸すよ』
「…………風呂は、どうすればいい」
『え、普通に入れば?そんなに嫌なら目瞑って入ればいいし。……ていうか菊、まさか女は母親しか知りませんってことないよね?』
「…んなわけあるか!………ッ、…で、どうすればいいんだ?」
(羞恥で真っ赤になりながら恐る恐る兄に尋ねては楽しげに微笑まれ『とりあえず明日、繿のバイト先行こうか。まあ、朝のうちに会っちゃうかもだけど』何故かいつになくニコニコする兄に今の格好を馬鹿にされているのだと思えば軽く睨みつける。
が、明日からのことを考えると憂鬱で妹よりも背が低くなったことに軽くショックを受けながら重たい溜息を吐いて。
(/すすすすみません(滝汗)今更ですが若頭さんの能力、キスされてから元に戻るのは二日目でしたね;ついうっかりしてまし(殴)次からは気をつけます!そしてキスは受け身ではないと戻れないという設定を勝手に付け加えさせて頂いたのですがよろしかったでしょうか?
>露木
( / 全然大丈夫ですよ‐!!!
寧ろ素敵な設定にニヤニヤ止まりませぬ 殴
二日目設定自分で切り出しといてすっかり忘れてt←
こちらこそ申し訳無いですorz
菊君女体化キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と言う感じになってる興奮気味な背後、相変わらずのぶっ飛んだロルになるかもですが宜しくお願いします…
( 翌朝、食堂に怠い足取りで向かうもやや騒付く食堂内が気に掛かっては騒めきの中心に目を向ける。
あまりの可愛らしさに一緒見惚れるも何処か相手の面影を写す姿に首を傾げる。
最初こそ相手の妹かと思ったが妹とは少し違った雰囲気を纏う様子と身長からそれは違うと。
ふと時計に目をやりバイトの時間が近い事を思い出しては慌てて朝食を済ませ知り合いの先輩に貰ったバイクでバイト先へと向かって。
( 朝から夜までの仕事に疲れを感じつつ手早さと慣れた様子を認めて貰え研修を終わらせて貰う。
異例の早さに驚かれるも認めて貰え休憩を終えては夕方からの仕事に取り掛かって。
扉の鈴がカラン、と音を立てたのに気付き「いらしゃいま…………」と声を止めては今朝の女(相手)の隣に立つ上機嫌な兄を見詰めて。
『お疲れ様‐、頑張ってる??』
「何しに来たんだよ…っていうか誰??」
『可愛いでしょ、俺の彼女』
「あんた露木が好きなんじゃ無かったの」
『好きだよ??』
( 真実が分からない故に“矛盾してるじゃないか”と思うも兄の隣の華奢な相手に目を奪われる。
落ち着いた色の髪と柔らかそうな肌、自分の身長と相手の身長が違い過ぎる為に相手に上目遣いをされる様な捉え方になっては僅かに頬を赤らめる。
『ちょっと、何その顔。…俺の彼女だよ??』
「こんな男と付き合ってるとかあんたも物好きだな」
( 相手を見下ろしへら、と緩い笑みを浮かべると渋々二人席へと案内する。
メニューを開き先に飲物を注文する兄のオーダーを聞きながら相手に目をやると酒類のページは開いておらず。
『お酒弱いんだよね、そんな所も可愛いなぁ』
( デレデレとする兄を鬱陶しそうに見詰めては相手に向き直り「ここの店のミルクティー喫茶店並に旨いんだ、サービスするから飲んでみろよ」とさりげなく進めて。
>桐崎
(兄と恋人設定ということに不満を持ちつつ相手のバイト先に行きバレないかヒヤヒヤしていたが意外と気付かれず席に座ることができ。
更に大きくなった身長差、相手はどこから見ても恰好良い。
そりゃ女になってもあんなに可愛いわけだと兄の話を聞き流していると突然相手に話しかけられ、それだけで顔が赤くなるのを感じて。
「……それじゃあ…飲んでみようかな」
(目を合わせられずぎこちなく答えては相手が調理場へ行ったのを確認しホッと息を吐く。
その後ミルクティが届き、そのほのかな甘さにほんの少し緊張が解けては店内でそつ無く丁寧な接客を行う相手に見惚れる。
途中、女子客にアドレスが書いてある紙を勝手に腰エプロンのポケットに入れられているのが目に入ればきっと日常茶飯事なんだろうなと嫉妬して。
暫くしてお手洗いに席を立ってはいつもの癖で男子用に入りそうになり慌てて女子用に足を向ける。
が、不幸なことに相手にその場を見られていてサァと血の気が引いては瞳を泳がせ「……ちょ、ちょっと酔っちゃったのかな」と一滴も酒を飲んでいないのに酔った振りをしては顔が赤くなるのを隠してトイレに逃げ込み。
なぜお手洗いにこんな神経を使わねばならないのだと今更女になったことを後悔し兄と若頭を恨むも此処まで来て相手に女姿を晒すだけで終わるわけにはいかない。
なにか行動を起こさねばと思いお手洗いから出ると店の隅に立っていた相手にそろりと近付き。
「………あの、桐崎、君だよね?……少し話したいことがあるんだけどバイト終わるの待っててもいいかな」
(普段子供達に話すような口調でぎこちなく話してはチラリと相手を見上げるもその見慣れている筈の端正な顔立ちを直視できずサッと目を逸し返答を待たずに席に戻って。
『おかえりー。トイレ間違えかけたでしょ』
「うるさいっ、習慣なんだから仕方ないだろ」
『気をつけてよー、ふとしたとき癖が出てるから。で、繿とは何はなしてたの?』
「……別に。…ただバイトのあと話せないか聞いただけ。……二人で話したいからあんたは先に帰ってろ」
『ええーー、俺達恋人同士だよ?』
「俺に協力してくれるのが条件だったよな?」
『…“私”ね。……仕方ないなぁ。話が終わったらすぐに連絡頂戴ね。迎えに行くから』
(兄の言葉に頷いては残ったミルクティをゆっくり飲んで時間を潰し、あまり長居しては店側に迷惑がかかると外に出てバイト終了時刻ギリギリまで兄と話し、相手が出てくるころに兄はその場を去って。
>露木
( 相手からの誘いに鼓動が騒ぐも何とか自分を抑えるとコクリと小さく頷いて。
相手が兄の元に戻るのを見詰めては先程気掛かった事がどんどんと根を張り首を傾げて。
普通に考えてトイレを間違うだなんて可笑しい、しかし扉が似ていたからかなと深く考えない様にしては真面目に仕事に取り掛かって。
( 仕事を終え相手の席に向かうと兄は居らず「あれ、綸は帰ったの??」と問い掛けては小さな相手と共に居酒屋を後にして。
待たせてしまって悪いなと思いつつ流石に外で話す訳にも行かずにファミレスに入っては温かい飲物を注文し二人用の席へ座って。
「…で、話したい事って何だよ」
( 相手を見詰め問い掛けるも飲物を冷ます可愛らしさに頬を緩めてはやはりどこか面影を写し、それに更に愛しさを感じて。
「あんたさ、兄妹とか居る??………すごい似てる奴居るんだよね」
( まさか相手が自分の二の舞になったとは思わず鈍感にも上記を問い掛けては頬杖を付く。
不意に男子学生からのメールに眉を寄せてはどうせまた嫌味だろうと考え携帯を取らずに。
頭に浮かぶのは相手(男)の姿、今は何してるのだろうかと考えては相手をジッと見詰めて。
「なんかさ、まぁ…友達だったっつ‐か…いきなり不仲になっちまった奴が居てさ。………ごめん、いきなり何言ってんだろうな。………それなりに仲良くしてたつもりだったんだけど、…いきなり嫌われたんだよ」
( 話し易さから不意に相手の事を言いかけるも「…やっぱ何でも無い、そいつあんたに似てたから何となく思い出しただけだ。それで…話って??」と改めて問い掛けて。
>桐崎
(緊張しながら相手の後をついていきファミレスに入っては、以前相手が女になった時自分がした同じ問いかけにドキリとするも「兄妹はいない…」と短く答え続く相手の話に耳を傾ける。
状況からしてもしかして自分のことかと期待するもまだ其れを聞き出す勇気はなく話を振られれば小さく深呼吸し相手を見て。
「……実は、自分の友だちの話なんだけど。…桐崎…君、露木って人が知り合いにいるよね?……その人がね、最近、桐崎くんと上手くいってないって落ち込んでて……」
(気まずさから伏せ目がちにポツリポツリと話すもこの姿のせいか割りかし話しやすくチラと相手を見て。
「……桐崎くんのことが分からないって。こっちは真剣に向き合ってたつもりなのにいきなり“無理するな”って言われて。それだけじゃなしに影で悪口言われて…。……其のくせ自分の前では辛そうな顔するから放おって置けなくなる……、嫌いになんてなれない…」
(途中から感情が溢れ“自分”のことのように話してしまっては慌てて「そ、そう言ってた…。……でも桐崎くん良い人そうだし本当のところどうなのかなって……、自分なんかが出る幕じゃないし失礼かと思ったんだけど気になってさ…」と言い繕い相手の反応を窺い。
とその時ファミレスの扉が開いて客が入ってきたかと思えばあの男子学生達で、自分たちを見るなり店員の案内を無視して此方に近付いてきて机にバンッと手を置かれ。
『よう、桐崎。なにメールしかとしてんだ?急ぎだっつったよな?』
『で、仲良く女とデートか?……つーか、この女も物好きだな。この化物のどこがいいんだよ。あ、もしかして無理矢理付き合わされてんの?』
『どうせこの後良い思いして用が済んだら捨てるつもりなんだろ?』
(ゲラゲラと下品な笑いを店内に響かせその後も相手を侮辱し続ける学生達に始めは我慢していたがついに耐え切れなくなればガタンと立ち上がり男達を睨み上げ。
「桐崎を馬鹿にするな!!此奴は化物じゃないし、自分がいたくて一緒にいるんだ!!邪魔するなら帰れ。他の客にも迷惑だ」
(つい感情的になり言葉を荒らげてしまっては咄嗟に口元を押さえるも、男達の怒りに振れてしまったようで『なんだ、この生意気な女』と掴みかかられそうになる。
が、冷静な一人がその腕を掴み『おい此処じゃまずいって。…………邪魔して悪かったな。まあせいぜい柄の悪い奴同士楽しめよ』と嫌味を吐き捨て店を出て行き。
静かになった店内、相手の見られず立ち尽くしてしまうも流石に今のは不審に思われバレたに違いないと。
まだ相手の答えを聞けていないが場の空気に耐えられず財布からお金だけ出して「……御免、用事思い出したから帰る」と早口で述べ店を出ようとして。
>露木
( 目前の相手の言葉に何故相手が悩むのかと疑問に思いつつ“悪口”と言う単語に眉を寄せては思考を巡らせるも思い当たりは無く。
悪口を言う様な性格では無いつもりだし興味が無い人間には構わない性格。
どこか自分の事の様に話す相手によっぽど相手(男)と仲が良いんだなと鈍感な考えを浮かべつつ色々擦れ違ってる事を理解しては改めて自分の本音を話そうと。
しかしそこで思いがけない邪魔が入ってはどうせいつもの嫌味だろうと黙ったまま受け流す。
今日出会ったばかりの女の前で嫌味を言われるのは嫌だが対抗すれば面倒な事になる。
厭らしく相手の肩に腕を回す男子学生に怒りを見せ離そうとした所、先程の柔らかい声色を微塵も感じさせない強気な言葉に男子学生達が去って行くのを呆気に取られた様子で見詰めて。
暫し気まずそうにしてた相手が帰ると言ったのを咄嗟に引き止めては先程の男子学生の事もあり取り敢えずこの店には居られないと判断して。
渡された金を相手に返しては「こういうのは男がやるもんだろ」と言い二人分の料金を払う。
「まだ…話して無い。俺に聞きたかったんだろ??さっきの話」
( 夜と言う事もあり適当なカラオケ店へと足を運んでは個室で改めて話をしようと。
流石に男子寮へと連れてく訳にもいかずに相手と向き直っては表情を緩め柔らかく笑う。
「びっくりした、…あんた大人しそうに見えて割と勇敢だな。さっきの………ありがとな。結構嬉しかった」
( 照れ臭さから頭をガシガシとしては僅かに穏やかになった雰囲気に紛れ話し出して。
「………さっきの話、露木から聞いたのか??………ちょっと悪口ってのが分からない、…俺が彼奴の悪口なんて言う筈無いし。………あんたもここまで話してくれたんだもんな、俺も話すけど露木に言うなよ??………さっきの奴等に忠告されたんだよ。“露木は無理して俺に構ってやってる”って。………彼奴優しいから我慢して俺と居たのかと思うと申し訳無くてさ」
( まさか目前の女が相手だとも気付かず素直に話す事が出来ては「前は“嫌いじゃない”なんて遠回しな事言ったけど………俺結構彼奴の事好きだから悪口なんて言う訳ない」と。
“友達”としてなのか“特別な意味”としてなのかは分からない言い方をし立ち上がれば「こんな時間まで付き合わせて悪いな、送ってく」と告げて。
兄が同じ学校だと言ってた事から向かう先は同じだろうと考えては微妙な顔をする相手の柔らかい頬を軽く引き「あんたみたいなのが一人で歩ってたら攫われるぞ」と言い相手と共に寮へと向かっては大学生寮の玄関口に到着し、女子寮と男子寮の境目まで送る。
高校生寮の門限が閉まってる事から連絡通路へと向かっては言葉にしただけ僅かにすっきりとし。
>桐崎
(相手に寮まで送られるまでの間、カラオケで話されたことが頭の中を巡っては相手は自分のことを嫌っていないのだと信じる気持ちが強くなる。
全部あの男子学生たちの陰謀できっとあの相手の声も何かの偽装なのだと。
今直ぐにでも相手を引き止めて“無理などしてない”と言いたいのに今の姿で言うのが恥ずかしく礼しか言えず、人目に付かぬよう注意を払いながら自室に戻って。
扉を閉ざしベッドにストンと据わっては相手の“好きだから”という言葉を思い出し一気に頬が火照るのが分かり、何女みたいに喜んでるんだと必死で気持ちを落ち着かせる。
そんな時、『菊!開けてー』と兄が扉を叩いてきて開いた途端、不満そうに見下げられ。
『迎えに行くって言ったじゃん』
「…あ、悪い。……彼奴が送ってくれたから」
『…で、どうだったの?』
(兄の問いかけに再び顔が熱くなるのを感じては「……まだ分からないけど……彼奴の気持ち、分かった気がする。……あんたのおかげだ。…ありがとう」と素直に礼を述べるも相手に気持ちを伝えたい衝動は収まらず兄をジッと見て。
「……今、元に戻りたい」
『えー…、だって戻ったら繿のところ行くでしょ?』
「……そのつもりだ」
『じゃあ駄目。期限までは女で居て?…協力して上げたでしょ?』
「…………分かった」
(渋々頷くもずっと一緒は御免のため一度兄を部屋に戻させ、意を決してシャワーを浴びては部屋着に着替える。
やはり性別が違うだけでかなり神経を使い無駄に疲れベッドに横になるころにはヘロヘロで。
はやく元に戻って相手に自分の気持ちを素直に伝えたいと思いつつ相手の言葉を再び思い出しては微かに頬を緩ませる。
そしてつい我慢出来なくっては携帯を取り出し《あんたとちゃんと話がしたい。多分、俺のこと誤解してる。このまま嫌なんだ。桐崎とは良い関係でいたいから》とメールを送り。
もっとしっくりくる言葉が頭に浮かんでいたがそれは直接言いたくて。
ただ今自分が女の姿で話せない状況にあるのにメールしてしまったことには浮かれていた為気付かずに。
>露木
( 部屋に戻りふあ、と欠伸をしながら身の周りの事を終わらせベッドへと潜り込んだ所で不意に携帯が鳴り出してはそちらに目をやる。
相手からのメールにガバッと起き上がってはゆっくりとメールを開きその内容に互いの誤解が解けるかもしれないという期待に胸が膨らむ。
《明日の朝食、あんたと時間合わせるから》と短く無愛想なメールを送りベッドに戻っては寝息を立てて。
( 翌朝、着替えを済ませやや早足で食堂へと向かうも相手の姿は無くそこに居たのは相手と昨夜の女の姿で相手が来るにはまだ早かったのだろうかと。
そわそわとしながら相手(女)に過剰な愛を示す兄を呆れた様に見詰めては相手が来るのを待つ。
しかし兄に捕まっては『おはよ!!!早起きなんて珍しいね!!!それより見て!!!今日はワンピース!!!もう何着ても可愛くて困るな』と相手を見せ付けて来て。
小さな相手の頭にポン、と手を乗せては「似合ってる」とだけ告げ再び食堂の入口に目を向ける。
昨日のメールは夢じゃないよなと馬鹿な事を考えては携帯のメールを開き確認する。
しかし突如背後から携帯を取られては男子学生が見下す様な笑みを浮かべて来て。
『お前露木にすっぽかされたんじゃね??すっげぇ嫌われてるもんな』
『っていうか露木に付き纏うの止めたんじゃねぇのかよ、マジ露木可哀想だわ』
( トゲトゲとした嫌味をぶつけてくる男子学生から視線を逸らしてはいつも通りにやり過ごす。
自分をいびるのに飽きた男子学生達が去って行くのを見送った後、一向に現れない相手に段々と不安になっては大人しく一人席に付きコーヒーを飲んで。
携帯を気にしながらトーストを齧り、近所に座ってた女学生にヨーグルトを手渡しては結局現れなかった相手にがっかりを隠し切れず。
そんな事を知らない兄は相手にデレデレしながらしっかりとナンパの手を防いでいて。
食堂を出ようとする自分を呼び止めては『あれ、もう行くの??』と聞かれ軽く頷いて。
こちらを見詰める(女)の視線に気付き見れば見る程相手と重なっては何気なく相手の頬に触れる。
しかし兄にその手を取られては『俺の彼女だよ』とムスッとした表情を向けられ軽く微笑しては食堂を後にしようと。
>桐崎
(翌朝目を覚まし相手のメールに気がついてはその内容を見た瞬間冷や汗が伝う。
自分の阿呆さを責めつつボサボサの髪を梳かし嫌々ワンピースを着てはスースーする慣れない感覚に眉を潜めて。
食堂にて相手と鉢合わせてはどうしようと焦ってしまい兄と居てもソワソワして食事どころではなく。
男子学生の言葉は此方にも聞こえて来て悔しい気持ちになっては奥歯をグッと噛む。
頬に触れられついに去ろうとする相手にこのままではずっとすれ違ってしまう気がして相手の腕を掴み引き止めて。
「………ちょっと、……来て」
(何を言っていいか分からずかなりどもっては兄に“御免”を目で伝え、相手の手を引き共同スペースに来ては敷居のある奥まで来て。
始めどうして良いのか分からなかったが覚悟を決めると相手を見上げワンピースのポケットから相手がくれたストラップをつけなおした携帯を取り出し。
「…黙ってて御免。……一昨日の夜、木ノ宮に……」
(“女にされた”とは気恥ずかしさから言えず、顔が赤くなるのを俯いて隠すもちゃんと相手の目を見て伝えたくゆっくりと顔を上げ。
「騙すみたくなって…ほんと悪い。……でも…あのままじゃ、きっと素直になれなかった。……俺……あんたの前だと…あんたのことになると普通じゃいられなくなるんだ。…まともに考えれなくなる」
(ゆっくりとした口調で自分の想いを話しては相手の手をグッと握り「……“無理してる”とか“迷惑してる”みたいに言ってたけどそんな事思ってないし、彼奴等とも話してない。………俺は、あんたのこともっと知りたくて…もっと近づきたいと思った。………あんたが女のときキスしたのも赤城にさせるのが嫌だったからで……」そこまで話してふと相手の“無理するな”と言う言葉が過っては微かに眉を下げ。
「……でも、…今の言葉も上っ面に聞こえるのかな。仕方なく言ってるって。………俺は嫌いなやつに買い物付き合って欲しいなんて言わない。……気に入ってるやつにしか言わないよ」
(相手に伝わっているか不安で瞳が揺らぐもしっかりと相手の目を見詰め。
しかし今の自分の姿を意識してしまっては羞恥から顔を俯かせ。
>露木
( 突如腕を引かれ共同スペースに連れて来られたものの
相手の言葉に驚きつつ昨日話した事を思い出しては沸々と羞恥が沸き上がって来て。
相手の携帯のキーホルダーと若頭の能力を思い出し直ぐに全部の辻褄が合っては小さな顔を軽く持ち上げて。
プッと吹き出しては女体の相手の柔らかい頬に触れたりして「随分可愛くなったもんだな」と。
唇を奪おうとした顔をサッと離すともう少しこのままの姿でも面白いな、なんて考えて。
そこで扉がガラッと開き疲れを切らした兄が相手をバッと奪って来ては『ナンパしないでくれない??』と。
もう全て分かったと言う事を兄に話すとか『あ、なんだもう仲直りしたの??』と。
小さな身体を抱き締める兄から相手を奪っては「今日一日くらい貸せよ」と。
騒ぐ兄を放ったらかしに相手の腕を掴み一度男子学生寮の相手の部屋に送っては「出掛ける、昨日出掛けたのはあんたであってあんたじゃ無かったし………付き合えよ」と無愛想に告げて。
自分も軽い用意を済ませやや強引に出掛けると自分と居るにも関わらず言い寄るナンパに眉を寄せる。
興味本位で女体の相手を連れ出した訳だがやはり男の相手と居た方が胸の高鳴りは大きい。
小さな手を繋いではさり気なくナンパを払いながら適当なカフェに入り相手の向かいに座ってはマジマジと見詰め再びクスクスと笑みを浮かべては「どうせ明日には戻っちまうんだろ??」と。
「まぁ…やっぱ見た目もあるけど中身は同じだもんな。どっちのあんたでも良いけど」
( 姿容姿が違う事から大胆な事を平気で言ってしまい飲物を飲んでは意地悪い笑みを浮かべ「やっぱ女子はスイーツが好きなんだろ??」と相手にメニューのスイーツのページを見せて。
周りの女子高生やらも『ねぇ、あの子すっごい可愛くない??』『本当だ、モデルさんかな??』と相手に魅了されていて。
>桐崎
(相手に気持ちが通じ躊躇いなく近付く唇に胸が高鳴るがその唇が触れることはなく続く言葉に驚いて。
あれよという間にカフェに連れられてはからかってくる相手に自分(女)が自分で(男)であると分かられているだけで羞恥は何倍にも膨れ上がり恥じらいながら相手の軽く睨み。
「…あのな、一応言っておくけど中身、男だから。……というか平気なの?一緒にいて気持ち悪いとか思わないわけ」
(外と言うこともあり少しだけ言葉遣いに注意しながら述べては見せられたスイーツメニューに視線を落とす。
甘い物は並に好き。だが味覚まで変わったのかいつもよりスイーツ達が輝いて見えればちゃっかりコーヒーとチーズケーキのセットを頼み。
届いたケーキを頬張りつつ相手を見てはいつもより楽しげな様子にからかうのを楽しんでいるだけかと思ったがそれは自分が女の姿だからではないかと思い。
やっぱり相手も男。世間の目的にも女といるほうが楽しいに決っている。
相手のこんな楽しそうな笑顔が見られるなら女でもいいかもなんて思って…。
「……周りから見たらさ、自分達…カップルに見えるのかな」
(周囲の席でカップル達が楽しげに話すのをぼんやり見ながら無意識に呟いては相手に視線を戻し「……桐崎は、自分(女)だから一緒にいるの?それとも…俺、だから?」と真剣な声色で述べまっすぐに相手の瞳を見詰め。
しかし何を聞いているんだと我に返っては慌てて視線を外しフォークで残っていたチーズケーキを刺すと開きかけた相手の口にねじ込んで。
「今のは忘れて。先、出てるから」
(女のせいか平静を上手く取り繕えず赤くなる顔を隠しては、伝票を手に席を立ち会計を済ませ外で待つと暫くして出てきた相手に「…昨日“男”なのに奢って貰ったから」と気にしていたことをボソリと呟き。
(それから何をするでもなく街を歩くも気恥ずかしさからついつい早足になる。
が、歩幅が小さいからかすぐに相手に追いつかれやっぱり女の身体は不便だとうんざりして。
そんな時、相手と同じ年代ぐらいのチャラチャラした男子達が近付いて来ては相手を見るなり目を丸くして『あれ、もしかしてお前桐崎じゃね?』『あーそうだよ、桐崎繿!うわ、久しぶりじゃん』と馴れ馴れしく相手の肩に手を回す。
男子達は相手のスキャンダルを知る中学時のクラスメイト。誰だろうと思いつつ邪魔になると思い少しだけ後退しては話を聞かないよう視線を遠くへやる。
その間、元クラスメイト達はさも仲が良かったように相手との再会を喜びつつ、相手にだけ聞こえるよう耳元に口を寄せ『もしかしてお前の彼女?…“化物”の癖に?』『親から見捨てられた可哀想な“ワンちゃん”が恋愛かよ』『…で、あの女にいくら出したの?』と昔の集団虐めを彷彿させる口調で相手を煽っては『相変わらず“獣臭い”のな』『…うわ、また毛ついてるよ』と相手の肩を撫で上げケタケタと笑い。
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