演劇部部長と王子様

あ……すみません。（慌てて脇に手を入れて持ち上げようとして）痛っ！！（足に響いて、足を押さえて）……そういえば、先輩、あの木台、釘が緩くなってたみたいですよ？

………お前が重すぎたんじゃ…？（と首を少し傾げながら言えば普通に失礼なことを相手に言い

さっきは軽いって言ってたじゃないですか！せめて50キロは耐えるように作らないと危ないですよ！……というか、私最近、誰かに嫌われているみたいで……。経験がないので戸惑ってます（苦笑して）

あー？誰にだよ？（こいつが嫌われる…ねぇっと思いながら顎に手を当てて少し考えてみるも分からず、相手に聞いてみて

それがわからないんですよ。（再び、相手の腕に捕まり歩き出して）そもそも嫌われているのかどうかも微妙なんですよね。受け取り方に寄っては贈り物ですし……。なんか、ロッカーに真っ赤な薔薇の花束が入ってたり、着替え中の写真が入ってたり、かと思えば、靴に山盛りの画鋲が入ってたやり、机に菊の花が一輪入っていたり、『愛してる』って、書かれた手紙の中にまち針が沢山入ってたり、私には似合いそうに無い、スケスケの下着が届いたり……。隣の席の御子柴が怯えてました。好かれていると思います？嫌われていると思います？（苦笑いをしながら問い掛けて）

あー……ん～……それ、ストーカーだな（しれっと真顔で言えば相手の顔を見て。「つか、学校の奴じゃねぇのか？今の姿も見られたりしてな」冗談半分でそう言えば少し笑い。「つか、こえーな。そんな奴ホントに居るんだな。まぁ、俺は脚派だけど…合宿の時はほとんど脚見てたし」とどや顔しながら最低なことを言い

（すいません、今日はこの辺で寝ますね。お相手ありがとうございます!!）

え、ストーカーなんですか！あれ！（目を丸くして）……（ぎゅっと服を握る手に力を込めて）……自分がされるとなると、流石に気味が悪いですね。私、投げ飛ばされるのは慣れてますけど、投げ飛ばすのはちょっと……。っていうか、先輩、何で私の足は見てくれないんですか！本当、顔ばっかで！（変な方向に怒り出して）

（おはようございます、今日も構って頂けたら光栄です！）

エ、ミテルミテル、メッチャミテルゼ（物凄く片言で言えば相手の顔を見て「つか、投げ飛ばされるのが得意って…お前おかしいんじゃねーか？」と主に投げ飛ばしているのは自分なのだが相手を変なものを見るような目で見て

（えー、どうしようかなw）

そりゃもう、先輩の愛の形ですからね！（嬉しそうに胸を張り、頬を染めて微笑んで）

（わー…小悪魔さん……）

お前がサボるし俺をからかうからだろ（と何言ってんだと言う目で相手を見ては相手の脇腹を軽く突き

（サタンの間違いでは？）

えー……だって、王子としてはお姫様に憂い顔はさせたくありませんし。その辺がお姫様と友達の差ですよね。千代ちゃんはむしろ、『部活に行きなよ』って、叱ってくれますし。（うんうんと頷きつつ）

（サタンにしては可愛過ぎます）

なら、お前友達が少ないって事だぞ？（そう言えば相手を見て、こいつにしたらほとんどの奴がお姫様になるんだろうなと思いながら言い

（子供のときのサタンだからw）

男友達は多いですよ？女友達は千代ちゃんと、結月（せんせい）くらいかな。もの凄く貴重ですよ（えへへと照れ笑いをして）

（サタンJr.ですね。）

あー……男友達は多そうだな（中性顔だし、親しみやすいんだろうなと思い相手の顔を見ながら言い

（サタンの子供になってるw）

……先輩とも、同じ歳がよかっな……（相手の頭に頬を寄せて）……あ、でも、そしたら、私、浪漫学園入ってないや。逢えなかったかも知れませんね。先輩で良かったのか（ふと気が付き、頷き）

（お父さんはサタンじゃないんですか？）

あー、たしかそれが理由で来たんだったな。いや、俺は一目でお前の才能を見抜いたけどな（自分の頭に頬を寄せてくる相手の頬を邪魔だと言わんばかりにグイッと押して

（違いますよ？）

むぅ。弱ってる時くらい、甘えさせて下さいよ～（頬を膨らませて）才能は堀先輩が見出してくれたんですよ？（嬉しそうに微笑んで）

（サタンの子供がサタンになるんじゃないんですか？コエンマ様如く！）

いつもベタベタしてるだろ（相手の頬を押すのを止めると次は人差し指を伸ばして相手の頬をつつき「このまま帰るか？それとも学校に戻るか？」と頬をつつきながら聞き

（違います～w）

そんなにしてませんよ！いつもはベタベタというより、引きづられてるんです！私、お姫様みたいに甘えるなんて出来ませんから……（肩を竦めて竦めて）学校に戻りましょう。皆に心配かけたと思いますし、練習すれば痛みも消えるかも知れません！（ぐっと手を握り、意気込んで）