演劇部部長と王子様

先輩。あれが痴漢だとしたら、見るのは上半身の背中です。私に告白してくる男に言わすと、うなじとか、肩幅は女の子なんですって。（背を向けて、うなじを見せ）まあ、それでも、こんな背の高い女に痴漢するなんて変わってますけど

俺、脚派だから（相手の背中やうなじを見るとしれっとした顔でそう言い「お前も大分変わってるけどな。俺を女扱いしてるだろ」と半目で相手を見て

足も綺麗らしいですよ？（スカートを捲って足を見せて）まあ、堀ちゃん先輩、私のこと、顔しか見てませんもんね。隠さなくてもわかってますよ！お姫様になりたいんでしょう？（にっこりと微笑んで）

お姫さまなんかになりたくねぇよっ！（相手の言葉を聞くと右手を拳に変えて相手の脇腹を何度も殴り「お前には周りにいつもお姫さまが居るじゃねぇか」と周りの女達を思い出し

うぐ！！（脇腹を押さえて）もぅ、照れなくて良いのに。あー……便利なんですよね、名前覚えてなくても誤魔化せて（にっこりと微笑んで）

照れてねぇよっ！たくっ…（軽く溜め息をすれば相手を見て「おま…それ意外と酷いぞ」と苦笑いをしながら相手に言い

だって、沢山いるんですもん。時々来る子の名前とか忘れちゃうんですよね。アドレスも交換してないし（うーんと考えて）あ、そう言えば、先輩、一般生徒の中では、私と先輩って秘密の婚約者同士らしいですよ？吃驚しました（さらりと話して）

王子としてそれはどうなんだ…（王子らしからぬ行動をしているのでどうかと思い「なんだよその秘密の婚約者って…お前が流したんじゃないのかよ？」初めて聞いたことに驚き相手に聞いて。相手ならしかねないと思い聞いてみて

何で私が流すんですか。（むうと頬を膨らませて）まあ、先輩となら結婚しても構いませんけど、寧ろ、先輩にウェディングドレスを着せてあげられる嫁は私しかいないとは思っていますが、私は先輩の結婚式で踊りたいんです。主役じゃ出し物出来ないじゃないですか。ほら、先輩、一応は女の私を容赦なく殴りとばすでしょう？（思い出させるように人差し指を真上に立てて）

お前を結婚式に…つか、彼女にも会わしたくねぇよ（なに言ってんだこいつという顔で相手を見るとそう言い。こいつと彼女を会わせたら完璧彼女取られるな。と思えば絶対会わせないと決心し

……先輩、酷い！（うるりと瞳を潤ませて）ともかく、先輩が遠慮なく女である私を殴るから、傷物にしても問題ない仲だと思われているみたいです。ちゃんと責任取る仲だからって。（普通、結婚前から殴りまくる男を旦那に選ばないと思うんですけどねと苦笑して）

殴るのはお前だけだよ（部活をサボるからな！っと内心思いながら言えばそろそろ朝練が終わる頃で、生徒が登校し始めれば鞄を持って「じゃ、俺教室行くわ」とドアを開けて教室を出ようとし

だから、余計にですよ。誰彼構わず女の子殴ってたら、先輩最低です。私が特別なんですよね？愛ですね！（出て行く相手の腰にぎゅっと抱きついて）

うおっ!?誰が愛だ！だぁぁぁ！離れろぉぉぉっ！（外に出ようとした瞬間いきなり腰に抱きつかれては驚き、相手を振り払おうと相手の腕をつかむが意外にも力が強くて外れず「何でお前こんなに力が強いんだよ!?」

愛の力ですよ（嬉しそうに抱き着いて）昔、御子柴に言われたんですよね。アピールが足りないから、先輩が何処かに行きそうになったら全力で止めろって。（へへーっと笑って）でも、受験生の先輩を遅刻させるのもいけないので、教室までついて行きます！このままで！

はぁっ!?つか、何処かにってただ単に教室に向かうだけだろがっ!?（相手のこのまま教室に行くと言うことばを聞けば一瞬想像してしまい、その格好がとても恥ずかしく。どうしても離れない相手をみると片腕を相手の首に巻き付けてだんだん絞めていき

ぐっ！せ、先輩･････！苦し･････あ、でも、先輩に殺されるなら本望ですね。（首を絞められながらも、幸せそうに微笑んで）

なに言ってんだよ、変態かっ！（溜め息をつけば離して。仕方なくそのまま教室へと続く廊下を歩いていると周りからすごい目線かま集まりとても恥ずかしく

あ、そうですよね。先輩はこの方が良いですよね！（はたと気付き、腰から離れて、お姫様だっこをして）教室までお送り致しますよ、姫（プリンススマイルを見せて）

ちょっ!?お、おい!?降ろせよ!!（お姫さまだっこされるとジタバタ暴れて相手の腕の中から降りると「それにな、俺は姫じゃねーよ」と相手の顔にビシッと人差し指をさして