演劇部部長と王子様

あ…？そんな着ぐるみねーなよ！
（背中にいきなり抱きつかれば相手の顔をグイグイと押して自分から離れさせようとして

ほら、なんか、呪いか何かで、玉子になってしまった王子様とか、ないんですか！？
(抱きついたまま真剣な瞳で問い掛けて)
早く呪いを解かないと、食べられちゃう的な！

ねーよっ！
（相手を自分から離せば軽く息が上がり、はぁっと溜め息をつけば、早く練習に戻れと相手にしっしと手払いして

はーい。（仕方がなく練習に戻り、部活が終わり）先輩！今日、お迎えなしで部活に来たので、御褒美ください！公園でお汁粉飲みたいです！（部誌を書く相手の背に抱き着いて）

あ？迎え無しで来るのが当たり前なんだよっ
（相手に抱きつかれるが書く手は止まらず、たんたんとそう言って「まぁ…でも、たまには奢ってやるよ」軽くため息をつけば、書き終わり、相手の方を見てそう言って

本当ですか！？やったぁ！（嬉しそうに微笑んで）放課後デートですね、先輩！

あー、そうだな
(軽く受け流しながら相手に言えば鞄にガサガサと荷物を入れていき入れ終われば立ち上がって教室を出て

わーい！あ、待ってくださいよ！堀先輩！（腕にぎゅうと抱き付いて）……堀先輩って可愛くて抱き着いたら飛びそうなのに、筋肉はしっかりあるんですよねぇ……そうだよなぁ……筋肉ないと私なんて振り回せませんもんねぇ……（腕を見詰めて）
（去年はお世話になりました。今年も宜しくお願いします）

なんだよ、急に
(いきなり腕に抱きついてきた相手を見れば相手の顔をぐいっと押して離れるようにし。「で、何処行くんだよ？」学校の門から外に出ればボーッとしながら相手の顔を見

(いえいえ、こちらこそお世話になりました。お世話になりました。)

だから、公園ですって。駅の近くが良いな。自動販売機もありますし。……先輩、何か虚ろですね？もしかしてお熱でも……（そっと額を合わせて）

あぁ、そうだったな
(相手の言葉を思い出せば駅に向かって歩きだして。「なっ!?ねぇよっ！」いきなり額を合わせられると相手の頬をぐいっと押して相手をどかし、一人でずんずん歩いていくと駅の近くの公園に着き

あ！もう、先輩！置いて行かないで下さいよ！！（後を追い掛けて）つっかまえた！（腰を抱き締めて）あ、自動販売機！先輩！お汁粉、お汁粉！……そういえば、場所に寄っては善哉って言うんでしたっけ？（抱き着いたまま話して）

こしあんか、つぶあんかの違いだろ？
(自販機に近づけば相手の言う通りお汁粉があり、じっと見ながら違いを述べて。「つか…王子様がお汁粉って…」ボソッと呟けば自販機に小銭を入れてお汁粉を買い、相手に渡して

そうでしたっけ？わーい！ありがとうございます！（嬉しそうに微笑んで）ええ！王子だってお汁粉位飲みますって！何か、小豆って高価なイメージありませんか？……パフェの方が王子っぽくないですよね……。

どっちかって言うと、バフェなんじゃねーか？洋菓子だし
（王子が西洋のため、和風というより洋風だろと思い相手に言えば、踵を返して公園へと歩きだし。近くのベンチに座れば公園内を一通り見て

そうですかね？頂きます（ベンチに座るとプルタブを開けようとして）……あれ？（力を入れて）……時々、きついのありますよね（苦笑して）

なんだよ、開かないのか？貸してみろよ
(相手から缶を受けとればなんのことなくプルタブを開けて。開ければそのまま相手に返し

……あ、ありがとうございます。……先輩って、手先まで力ありますよね。……やっぱり、男の人だな……（じっと見詰めて）

普通だろ…たまに開けにくい缶があるだけで
(何言ってんだといった顔で相手を見れば手をブンブン振りながら否定し。

そうですよね！先輩はちょっと器用なだけで可愛いお姫様です！（お汁粉を飲んで微笑んで）