出来心でちょっとチャレンジw

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「自分についての作文を6枚書きなさい、かぁ。」
海は自分の部屋の布団に寝転がりながら白紙の原稿用紙を上にし、がっかりした顔をして、そう呟いた。海はこの手の宿題が大の苦手である。
夏実からSNSで返信が来た。すると彼女の意識は一瞬にしてそちらの方へ向いてしまった。やはり彼女は年頃の女の子である。一時間ほど二人はSNSでチャットを何時もにように楽しんでいた。
すると夏実が今日出された夏休みの課題について話し始めたのだ。夏実は、自分はこういった自己の考えなどを書くのは苦手で困っている、という風に言ってきた。が、そんなのは建前である。彼女はいつも出来ないとか分からないとか自信がないなどと言いつつ、毎回良い結果を残す。時々それは海の癪に障ったが、彼女達はそれなりに仲の良い、恐らくは友達というやつだ。
海は拗ねた。尚且つ腹が立ち思わず、あんな課題は9月までには、確実に終えられるから心配ない、というふうに打ち返した。
そもそもなぜ彼女はそこまで「自分のことについて、自分が一体どのような人間であるか」について書くことを嫌がるのだろうか。それは単純に何を書けば良いのかが解らないわけではないのだ。それ以前に海は海がどんな事を感じていてどんな性格でどんな良いところやわるいとこがあるのか分からないからだ。