苗菜 2014-12-20 22:59:06 |
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クリスマス近いから
<アルアサ>
今日はクリスマスイブ。
待ちに待ったクリスマスだ。
そして、
恋人アーサーとの初デートの日である。
「あれ、アル~今日は仕事するの速いじゃないか」
昼頃、いつもは避けていたデスクワークをこなしていると、上司は驚いた様で声を掛けてきた。
「今日はクリスマスイブだからね!ヒーローには予定があるんだ!」
「彼女とデートかい?いいねぇ、最近の若いモンは…」
なんて愚痴をこぼし出したので「あー!もう仕事しないと!」と打ち切ると、「いつもそのくらいやってくれりぁいいのに…」と吐き出して何処かへ去った。
全く、時間を無駄にしたではないかなんて文句をたらしながら、アルフレッドは仕事を片付けた。
午後四時頃
「今の経済についてですが、我が国の財政は…」
アルフレッドは溜め息を吐いた。
毎日同じ様な会議をして飽きないのかなんて思う。国自身、こんなことを言うとかなり怒られるのだが、経済など良く解らないし、この会議に意味はあるのかと思う。若さ故なのだろうが、アルフレッドは会議が嫌いだ。軍事についてなら喜んで参加するのだが。
(つまんないんだぞ…)
この会議はアルフレッドが仕切る訳では無い。それにアルフレッドが発言する意味さえ無い。お飾りなのだ。だからこそ、つまらないと思う。
(これも大事なことなんだぞ…)
そう言い聞かせてみるも効果は無く、眠気を感じる。
早く終わってしまえば、アーサーとデートだ。我慢我慢。
アルフレッドはまた溜め息を吐いた。
「えっ?」
やっと仕事が終わり、帰ろうとした時だった。
「書類、三枚程打ち間違えてます。お気の毒ですが、全部直してください」
「何とかならないかい?」
「大事な書類なので…」
「そうかい…」
肩を落とした。
あぁ、俺ってばやる気が空回りして、カッコ悪いぞ。
「すぐに直すよ」
「お願いします」
自分のデスクに座り、PCを起動する。その間に端末を取り出し、メール制作画面を開いた。
ごめんね、
仕事でミスして遅れるかも
本当にごめん。
それだけ打ち、送信した。
ギュッと端末を握りしめる。
アーサーとせっかく会えるのにな、自分は何をやっているのだろう。
駄目だ、自分を責めたら涙が流れそうになった。
そんな時、
端末が震えた。
アーサーからの返信だ。
本当、タイミングが良いんだか悪いんだか…。
そうなのか
適当に時間潰してるから心配すんな、
仕事、頑張れよ
思わず口元が綻ぶ。
可愛いなぁなんて思いながら「ありがとう」と返した。と同時にメールが来たので焦った。
相手はアーサーではなく、フランシスだった。何だこの髭、楽しい時を邪魔しやがって。
本文Fa*kまみれにしてやろうかなんて考えていたが、内容に驚いてそれどころでは無かった。
アル坊ー眉毛のTL荒れてるよ(笑)
「ばかばか!アルのばかぁ!」
「寂しい…」
だってーmg(^点^)プゥクスクス
何…だって!?
この髭は後で血祭りにあげるてして、ツイッターかな?慌ててツイッターの画面を開く。
TLでは
「寒い…アルはやく来いよばかぁ」
の文字が。
「あああああああああああああああああ!!?」
思わず声を上げて叫んでしまった。
可愛い!可愛い!ねぇ、菊!これが前言ってたモエってやつなのかい!?
眠たいからまた明日…
って、そんなこと考えてる場合じゃない。
既に起動しているPCに向き直り仕事を始めた。
「遅い…」
待ち続けて、一時間は経った。
先程から荒れていたツイートも、髭の消失により、すっかり収まった。
腐ってもあのフランシスだ。彼女でも居るのだろう。
帰ろうかな…
ふと、そんな考えがよぎった。
いや、駄目だ。初めてデートをするんだし、半日までかけてアメリカに来たんだ。帰る訳にはいかない。
はぁ、と溜め息を吐いた。
周りには楽しそうな人、カップルや家族。
一人寂しく佇む自分は、酷く場違いに思えた。
何だか惨めにさえ思えてくる。
じわり、
鼻がツンと痛む。視界が揺らぐ。
泣くな、こんな大勢人が居る前で、
そんな思いなど通じず、溢れんばかりに涙がこぼれる。
しゃくりあげるのを抑えられず、「うぅ…」と声を漏らして泣いた。
ポン、と肩に手を置かれた。
やっと来たのかと思い、目元を拭ってから振り返った。
「どうしたの~クリスマスなのに泣いちゃって!約束でもすっぽかされた?」
誰だ、こいつ?
「そんな酷いやつほっといてさ、俺と遊ぼうよ!」
あぁ、これはいわゆるナンパってやつか。
アルに話したらなんて言うだろうか。
笑みがこぼれそうになるのを抑え、手を弾き相手を睨み付けた。
「気安く触ってんじゃねぇよクズ。お前なんかお呼びじゃねぇ、失せろ」
男の顔が引きつった。
こんな挑発に乗るなんて、単純な奴だな。
「大人しく黙って言うこと聞いてくれたら痛いことしないからさ、ねぇお兄さんと一緒に遊ぼうか」
「俺は此処で人を待ってんだ。とっとと消えろ」
「いい加減にしろよクソガキ」
恐ろしいくらい低い声だった。
思わず肩が跳ねる。
「いい気になりやがって。黙って大人の言うこときいてりゃいいんだよ!」
殴られる…!
そう思い、とっさに目を瞑り、後悔した。
しかし、
肝心の痛みはやって来ない。
おそるおそる目を開ける。
「ヒーローは遅れて来るもんなんだぞ!」
男の拳を片手で抑える、アルフレッドの姿があった。
「遅すぎだ!ばかぁ!!」
「ごめんごめん、でもちゃんと来たじゃないか!さて…」
「ヒッ…!」
「悪者はヒーローが倒す!反対意見は認めないんだぞ!」
「やっやめ!」
哀れな男の断末魔が響いた。
「あそこまでやる必要はなかったんじゃねぇか?」
「何言ってるんだい!アーサーに手を出したんだから、あれぐらい当然だよ!」
「なっ!ばかぁあ!!」
終われ\(^q^)/←
反省会
眠たすぎて何書いてるか解らなくなって書き方変わってた←
というよりネタがありきたりだな、うん
ハッピーエンドだよ、良かったねアーサー(=_=)
お兄さん書くの楽しかったな
Q.メリカの上司、どんな口調?
A.知らん
最近流行ってますよね…
インフルエンザ。
だから、熱ある猿美のお話し
<猿美>
「…38.4℃…え?」
季節はもう12月中旬。
余計寒くなり、体調を崩しやすかった。
たかが風邪だと思っていたのでなんの予防も対策もしなかった。
それが原因だとでも言うのだろうか、
これはさすがに、風邪が悪化し熱が出たとしか言いようがない。
おいおい、マジかよ?
八田はゆっくりと体を起こした。
だるい。
とにかくだるい。
もう一度体温計を見る。
38.4℃
見間違いではないなら、計り間違えたのではないだろうか?
試しに、もう一度計ってみる。
結果は変わらない。
それどころか、少し上がっている。
「マジか…」
思わず顔を手で覆う。
じんわり汗ばんでいた。
熱があるのを決定つけている様に思える。
とりあえず、草薙に連絡をしなくては。
あの人のことだ、来なかったら何かあったんだ、ちゃんと連絡しろだの言うに違いない。
もぞもぞとベッドから這い出て、端末を探り当てる。
わ、何か上げてもらえてた
ありがとうございます、嬉しいです
さすがに間を開けすぎて何書こうとしてたか忘れたけれど(←自業自得)頑張ります
誰も見てないと思うけれど、自己満足だし…ね←←
「もしもーし、八田ちゃん?どないしたん?」
「あー…何か熱出たみたいでー」
「熱ぅ!!?馬鹿は風邪引かんとちゃうんか?」
何だこの人、
真っ先に出たのは悪口か。
あ、そういえば
昨日草薙と喧嘩した気がする。
きっとまだ怒っているんだ。
ただ、八田には謝る気力も言い返す気力も無かった。
「とりあえず、それだけッス。じゃ、」
そうして、会話を終了させようとした時、「ちょい待ち」と草薙が遮った。
「…何スか」
やや不機嫌そうに言った。
草薙は、「はぁ…」と溜め息を吐いた。
「すまんな、さすがに…大人気悪かったわ…」
「いや…俺も、」
「看病な、暇そうな奴に声掛けてみるわ」
「あっ、すんません。助かります」
「えーよ、それじゃお大事にな」
「はい、それじゃ」
端末の電源を切り、その辺に投げ出すと、八田は眠りについた。
助けを呼んで30分…
玄関から鍵の開く音が聞こえ、目が覚める。
「……え?」
何で、鍵開いてんだ…?
頭の中は?でいっぱいになった。
ガチャリ、
扉が開いた。
ま、まさか泥棒!?
そう思い、起きあがろうにも、体に力が入らない。
どうしよう…
嫌な汗が額を伝う。
ぎしり、
床がきしむ音。
泥棒が入ってきたんだろう。
八田は覚悟を決めた。
「こんちくしょうがぁああああああああ!!!!」
「いきなり叫んでんじゃねぇ馬鹿!!!」
「……へ?」
何と、
そこに居たのは恋人である伏見だった。
「さ、る?」
「ったく、熱なんか出しやがって。馬鹿は風邪引かねぇんじゃねぇのか?」
「うるせぇ!風邪引いたんなら俺は馬鹿じゃねぇってことだろ!」
「ハッ!どうだかなぁ?」
しばらく睨み合いが続き、互いにそっぽを向いた。
沈黙が二人を包んだ。
何だか先に喋ったら負けた様な気がして、八田は口を固く閉ざした。
折れたのは伏見だった。
呆れた様に、わざとらしい溜め息を吐き、
「熱、あんだろ。大人しく寝とけ」
とぶっきらぼうに言った。
喧嘩をふっかけてきたのはそっちだろ、という言葉を飲み込んで、やや荒れた寝具を整えた。
八田がきちんと布団に入るのを見てから、伏見は立ち上がり、台所へ向かった。
「ッチ、空っぽじゃねぇか…」
どうやら冷蔵庫の中を見たのだろう。
八田は基本、バーで食事をとるか、カプメンで生活しているので、常にと言っていい程冷蔵庫は空だ。
「買い物行ってくるけど、何か欲しいモンあるか?」
八田の側に座り、おでこに濡れタオルを置き、伏見が八田に尋ねた。
「じゃあ…アイス食いたい」
「何味がいい?」
考えることなく、八田は直感的に答えた。
「バニラ」
伏見はくくっと笑った。
不思議そうに八田が首を傾げると、「あー、悪ぃ」と伏見は言った。
「いや…ずっと前に俺が熱出した時も同じモン頼んでたなって」
やたー、やたー
やっばりか!今度は何だよ!
あと、アイス。なんか、うっすいバニラのやつ
そんなんあるか!普通ので我慢しろ!
「そういや、そうだな…」
どこか遠い目をして、八田は微笑んだ。
end
という名の強制終了(笑)
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