匿名。 2014-12-15 00:21:12 |
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菜々が幸せってんなら、おれも幸せだ。
(相手が喜んでくれたり笑ってくれたりするだけでこんなにも、心が温かくなる。溢れんばかりのその温かさは、“愛情”、あるいは“幸せ”なのだろう。誰かの幸せは自分の幸せだ。そんなふうに思うだけでもとめどなく笑顔が溢れて。それでも、それを御することもせずに言葉を紡ぐ。自身の身体よりも一回りほど小さい菜々の身体は、抱き締めてからほんの少ししてから、僅かに身動ぎをしたように思われた。嫌がることはないだろうと予測していたため、居心地が悪いのだろうか、などと思ったのだが、どうやらそれとも違うらしいと、彼女自身の高鳴る鼓動が教えてくれた。「ははっ…ドキドキしてんのか?」なんて、思わず笑いと言葉を零しては抱き締める力を少しだけ強め)
(……言ってくれてもいいんだぜ?(勿体ぶられると余計に聞きたくなる。そんな欲を孕みつつも何処か落ち着いた声音で上記を紡げば、相手の後頭部にやんわり片手を添えつつ「おれ、そろそろ我慢できねぇよ」なんて、力ない笑いとともに余裕なさげな吐息混じりの言葉をひとつ、ぽつりと))
そういうこと言わないのー。
(エースからの言葉を聞くと、残念ながらどうやら自身の願いは届かなかったらしいと推察できて。改めて実感したそんな羞恥から小さく首を後ろに捻っては片手伸ばし、軽く相手の頬抓りながらむすり拗ねた表情で文句を。本当なら否定したいところだがこの状況を思えば無駄なこと、それはよく分かっていた。それならせめてもの、と捻った首に力を入れてぐ、と伸ばすと同時に頬を抓っていた手を離しその場所にそっと口付ける。「…仕返し。」唇を離すと同時に囁いたその言葉通りのつもりで。)
(…我慢できないならエースから言ってくれてもいいのに。(聞こえたエースの呟きに答えるように言葉を返す。売り言葉に買い言葉、とはまさにこのこと。けれど我慢できないのは己も同じ。この際どっちが先でも…なんてつい楽観的になってしまえば、相手の言葉に促されるままにそっと顔を上げてエースを見つめ、「エース…、大好き。」その口から目一杯の愛しさを込め、ついに己の想いを紡いで))
っ!……今のって…
(痛みにある程度慣れている、ということもあったが、相手が手加減してくれていることには簡単に気が付いて、頬を抓るその力は弱いと感じた。それでも、突然そんなことをされれば無意識の内に言葉を漏らしてしまうというもので、パッと笑いを納めつつ「おま…っ」と言いかけた時だ。先程よりも唐突に、柔らかくて温かいものが頬に触れたのは。それは一瞬のようで、とても長かったような気がした。まさかの出来事に惚けていれば、相手からの囁きにようやくハッとした様子を見せつつ、照れや嬉しさ、戸惑いを隠せぬままに上記の言葉を零す。そうして思わず、例えるならば本能のままに動く獣のように相手の唇へと己のそれを近付ければ、触れる直前で一度止まって「……しても、いいか?」と瞳の奥をゆらり、炎の燃えるが如くゆらりと揺らして)
(おれも、菜々が好きだ。(己を好きと言ってくれる菜々が、度し難い程に愛おしい。一瞬泣きたいぐらいに堪らなくなって、その高まった感情を伝える為に口を開けば、相手の想いに返答するかのように上記を紡ぐ。それでも有り余る想いは「…大好きだ!」なんて、続けて放った言葉に詰め込んで))
うん…。
(大胆過ぎたかな、なんて少しの照れ臭さを感じるも、直後そんな己以上に照れているらしいエースの反応を見ればそんな思いも吹き飛び、してやったり、と悪戯に口角を上げてみせ。しかし目の前のエースはそれだけでは終わらず、極自然に、流れるように自身の唇に顔を寄せてきて。自分よりも大胆なその行動に、途端に頬赤らめてしまえば余裕を見せるように上がっていた口角も今ではそうはいかなくて。互いの吐息がかかる程の至近距離まで近付いて確認のため問われた質問。拒否するつもりなど毛頭なく、結局は何処かしおらしくなってしまいながらこくりと頷きそっと静かに瞳を閉じて。)
(ふふっ、やっと両想い。(伝えられた言葉は己の想いと同じもの。それが驚く程すんなりと、でもじんわりと染み込むように耳に届けば喜ぶなという方が無理な話で。思わず頬緩めながらくすくすと笑み零し、こつん、と互いの額同士を合わせて))
…、……ありがとう、菜々。
(ひとつの返事と共に落ちてゆく相手の瞼を目で追えば、自然、赤らんだ頬にも目がいってしまう。その流れで彼女の唇も見てしまうわけだが、やはり、至近距離は駄目だ。素直に委ねられたことも相俟って、破壊力、とでも言えばいいのだろうか。いつもは可愛く見えるのに、今はやけに色っぽく見える。それに狼狽えたのか、許可をくれた相手に少しの間を置いて、と言うよりも遅れて礼を言う。そうして、相手の頬に自然な様子で片手を添えつつ自身も緩く目を瞑れば、そっと、柔らかく食むような優しい口付けを送って。そんな口付けを数度、角度を変えながらしつこくないぐらいに繰り返す。己はそう我慢強くはない。故に、元より一度で済ませられるとは思っていなかったのだ。唇を離す間際、相手の唇をぺろりと僅かに舐め上げては「ご馳走様!」なんて悪戯気な声音で、でも何処か大人っぽい笑みを浮かべて告げて)
(へへっ…今まで伝えられなかった分、これからはいっぱい伝えてやる。だから、さ……覚悟しとけよ、おれの愛しい菜々さん?(この和やかな雰囲気は、微温湯に浸かっているような安心感があった。ほっこりというか、じんわりというか、そんな安心感が。額に菜々の体温を感じれば、此方も思わず頬が緩んでしまうというもの。いつかの台詞をアレンジして告げれば、相手の後頭部へと手を回し、ゆるりと撫で))
ん、……っ、こ、此方こそ…?
(瞳を閉じて数秒後、エースの口から紡がれる己への礼と共にそっと柔らかく、暖かく唇が触れ合う。どきりと心臓が高鳴って煩いくらいに跳ね続けるのに、一方でどうしようもない安心感と愛しさが全身を包み込むような、矛盾した感覚に襲われて。数度繰り返されるそれに蕩けてしまいそうな思いさえ抱いていれば、不意打ちとでもいうべきか、離す間際にぺろりと相手の舌先が己の唇を撫でてしまえば驚いてぴくりと肩が跳ね、思わず目を開いてしまって。ぱちぱちと数度瞬いてエース見つめてみれば、いつもとは少し違う、年下と思えないような大人びた雰囲気を纏った彼の笑顔があり。戸惑いがちに視線を落としながら、答えとして合っているのか定かでない言葉を返して。)
(それ、こっちの台詞。もう遠慮しないから。(エースからの言葉にどくん、と心拍が上がるも、受け身でばかりはいたくない。何より己も同じ想いを抱いているのだから。後頭部の手が心地よく、とろりと瞳細めながらも何処か悪戯な笑みを浮かべては挑戦的な言葉を返し)
ごめんね、最近返事遅れ気味で…。暑さのせいかな、頭が重くてなかなか思考回路が回らなくて…。(苦笑)そのうち治ると思うから気長に待ってて、くれる…?(おずおず))
ぷ、…ははっ!
(ちょっとした悪戯に驚きを見せた相手を見れば、すぐにその大人びた笑顔は無邪気なものへと様変わりを果たした。吹き出すようにして笑いを零せば、落ち着きを取り戻すかのように一度だけ深い呼吸を挟む。そうしてチラリ、近くにあった時計へと目を遣れば、結構な時間を割いていたことに気付いた。相手との遣り取りは楽しくて、嬉しくて、思わず時間を忘れさせるのだ。さて、と気を取り直したかのような声を漏らすと、ゆっくりとその場から立ち上がりつつ「そろそろおれも風呂入ってくる」と告げて。取り敢えず使用済みのバスタオルを片手に寝室へと向かうと、寝巻きに使っている甚平を含めた着替えの物を引っ掴み、リビングを通って「んじゃ、行ってきます」と笑顔で菜々に声を掛ければ、ようやく風呂場へと足を進め)
(おう、勿論だ。どーんと来い!(挑戦的な彼女に、ふふん、と此方も強気で少し勢いづいた様子を見せて受けて立つ。己と相手が持つ打てば響くような子気味の良さは、やはり会話も心も弾むというもの。あからさまな好意をわざわざ抑える必要も無くなった今では「やっぱり菜々、かわいい」なんて言葉も、一寸の躊躇いさえも無いまますんなり口から出すことが出来て)
いいや、おれだって返す時間帯はバラバラなんだ、気にすんなよな!それに、体調だったり何だったりは仕方がねぇよ。心配だけど、ちゃんと待ってるから安心してくれ(にっ))
(っ!…もう。エースがかっこいいの。(さらりとかわいいなんて口にしてくれるエースに対しほんのり頬が赤く染まる。どうにも慣れない。この先何度言われても、この照れ臭さや嬉しさは消えないのだろう、そんな自信さえあって。少々視線泳がせながらぽつ、と相手への本音を口にしてはちらりと反応伺い)
ごめんね…、軽い熱中症なのかも。(苦笑)
まだ善くはならないんだけど、だからってエースと長く話せないのはつらいし、でも下手なロルで返したくもなくて…、結果的に下のにだけ返事しちゃった。
また調子戻ったら上のも返すから、もうちょっと待って、くれる…?(おずおず))
(ははっ!…それはそれは、勿体なきお言葉で。(後頭部へと回した手とは反対側の手を赤らんだ相手の頬へと添えれば、そのままゆるりと親指を這わせ、断りを入れることなく一度だけ唇に口付けを落とす。かっこいい、なんて言葉は確かに照れを誘うものではあるが存外嬉しさの方が勝ったようで、にぃ、と口角釣り上げては不敵な笑みをひとつ)
あー……菜々ってほんと、嬉しいこと言ってくれるよな(微苦笑) 確かに長い間話せないのは辛い。でもだからって、絶対に無理だけはすんなよ?菜々って小さいし、細いし、心配で心配で堪らねぇんだよなぁ…(頬ぽり、) 勿論待ってるからよ、返事は遅れても大丈夫だ。愛しの菜々さん、どうかお大事に、な…?)
ん、いってらっしゃい。
(照れる此方とは対照的に、まるで悪戯が成功した時の子どものような無邪気な、それでいて何処か大人の異性の魅力も兼ね備えた、そんな矛盾したエースの姿に目を奪われて。時間にすればほんの一瞬、エースには…多分気付かれずに済んだはず、なんて、少々気恥ずかしさを覚えながら風呂場へ向かう彼を見送る。「……私、中学生みたい。」エースの居ないリビングで一人零したのはそんな独り言。無意識に唇を指先でなぞってしまうのは先程の名残りを求めてしまっているからなのだろう。今度仕返ししてやる、立場逆転してやるんだから、なんて頭の中で悶々と考える、こんな時間でさえ愛しくなりつつあって。)
(ん…、…不意打ち、狡い。(唇に触れる柔らかな感触にただそれだけで思わず脳が蕩けてしまいそうになる。かわいいなんて言葉に続き、次はこれ。どれだけ夢中にさせれば気が済むのか、なんてつい悪態をつきたくなって。赤らんだ頬に似合わない、むすりと拗ねた表情浮かべ相手を見つめてみせ)
遅れちゃった、ごめんね…?(苦笑)こっちが遅れといてこんなこと言うのも可笑しいけど…会いたかった、エース。(ぎゅ)
聞いた話じゃ今年は特に熱中症の人多いんだって。私が言えた事じゃないけど、エースも気を付けてね…?(眉下げ))
――……キス、か。…まさか、しちまうなんて…
(脱衣場にて使用済みのバスタオルを洗濯用の籠やらなんやらに早々と押し込んでは、衣服を脱ぎ捨てるようにして取り払い、浴室へ。慣れた手つきで蛇口を捻ってお湯と水で温度を調節すれば、シャワーヘッドを高い位置へと掛けて頭から水気を浴びる。先程のことが不意に頭を過ぎった。綺麗に色付いた彼女の唇は、風呂上りということもあってかしっとりと柔らかくも温かくて、それがとても心地が良くて……。無意識に指がなぞった己の唇は、相手の温もりをしっかりと覚えていた。思わずと言ったように言葉が零れる。比較的温度を低く設定した水は熱の篭った心身を冷やしてくれるようで、水気を飛ばす犬のようにぶんぶんと頭を振っては、煩悩ごと洗い流すかの如く直ぐに身体を清めて風呂を出る。身体を拭いた後、緩く甚平を身に纏うと、髪を拭くのもなあなあに脱衣場を出てリビングへと一直線に歩みを進め)
菜々ー、髪拭いてくれ!
(じゃあ、不意打ちじゃなければいいのか?(拗ねた様子の菜々からゆるりと顔を遠ざければ、何やら真剣そうな、ともすれば深刻そうな表情で「うー」やら「あー」やらと意味の無い声を零した後に上記を。どうやら菜々の好ましい方を選びたいらしい。詰まるところ、好きな人に染められたい、というやつだろうか。その間、頬や後頭部へ添えていたはずの手持ち無沙汰な手は、片方はそのまま後頭部に、もう片方は髪を梳くように撫でていて))
…ったく、謝るな。わざわざ報告してくれたんだし、少しの間待つくらいならお手の物だ。忠犬舐めんなよ?(ふふん、) …そうだな、おれも会いたかった(ぎゅ、ポンポン)
身体はもう平気か?熱中症ってなぁ怖いよなー。ま、適度な睡眠休養に水分補給はしっかりしてるから大丈夫だ。比較的身体は強い方だし、心配ご無用ってな(にししっ) と、言っちゃあいるけどおれも人間だからなぁ…やっぱり体調崩すこともある。自信があってもそうなっちまえば駄目だし、体調管理は常日頃心掛けとくべきだよな(うんうん)
ん、はーい!
(元気なエースの声が耳に届けば、それまでの時間、何をするでもなくただ惚けてしまっていた自分を自覚する。そんな自分に改めて苦笑い浮かべた後、一度小さく深呼吸して気持ちを切り替えて。にっこりと微笑んで返事を返せば両腕を広げ、「おかえり。おいでー?」なんて招き入れる準備を。子ども扱いしてるように見えたかな?と自分の行いについて思い返すも時既に遅く、やってしまったものは仕方がない。エースが不満そうにしたらその時はその時。ま、いっか、と持ち前の楽観的な考えで片を付け、今はただエースが自分の側に、手の届くところに戻ってきてくれるのを待ち。)
(え?…あ、ううん。…あの、えっと…、ず、狡いって言っただけで、嫌じゃないから。(自分が照れ隠しにとついた悪態でどうやらエースは真剣に悩んでしまっているらしい。意外な反応にぱちぱちと数回瞳を瞬けば、降参、とばかりに小さく口元に笑み携え、それでも照れ臭さは拭いきれぬままにそれを反映したような途切れ途切れの言葉ながらも自身を撫でるその手に最後の後押しをされたような気分で自分の思いを伝えてはちらりと相手の反応確認し))
ふふっ、ありがとう。それじゃ忠犬でいられたいい子にはご褒美あげよっか?(よしよし)
うん、もう大丈夫。(にこ)…ただまだちょっと外での1日仕事とかあるから油断は出来ないけどね。(苦笑)そうよ?エースだって人間なんだから、ちゃーんと気を付けなきゃ!私とおそろい。(くすくす)あ、一番下の蹴ってくれていいよ?(首傾げ)
ん、ただいま!
(両腕を広げて出迎えてくれると、相手の心配を他所に嬉しげな様子で懐へ飛び込むようにして抱き着き、ふわりと笑んで上記を。しかし、肩に掛けたバスタオルは勿論のこと、自分の髪も未だ濡れたまま。相手を濡らしてしまうのは申し訳ないと慌てて離れれば、水気を飛ばさないようにゆっくりと相手に背を向けて「お願いします」と声をかけ、うきうきとした気持ちを隠そうともせずに拭いてくれるのを待ち構えて。女性に拭いてもらうことなんて、幼少の頃は兎も角として、殆どなかった。兄弟達に任せると強引だし、ということでそもそも今まで拭いてもらったことさえ少ないかもしれない。だからこそ、だろうか。菜々に髪を拭いてもらえるのがとても嬉しいらしい)
(ははっ…なーんだ、良かった。嫌だったら直そうかと思ってたのに、考えるだけ損したぜ。(ぽつぽつと時折途切れながらも伝えられた言葉を聞けば、ぷは、と吹き出すようにして安堵からの笑いを漏らす。相手の後頭部に添えていた手を自然な様子で離せば、最後に緩慢な手付きで髪を撫でた後にもう片方の手も下ろして))
ふふっ、なーんかエース、可愛い。
(どうやら己の心配は不要だったらしい、それを確認させてくれるエースの嬉々とした様子に、合間に垣間見える己への気遣い。それらが堪らなく嬉しくて。膝立ちしてエースの髪を拭きやすい高さに合わせた後、濡れるのも気にせずに背後からぎゅ、と一度だけ抱き締める。可愛くて、でも格好良くて、何より愛しくて。何とも言えない想い抱いた故の半ば無意識の行動だった。エースの折角の気遣いを無下にする訳にもいかないと直ぐさまぱっと離れればバスタオルをエースの視界の邪魔にならない程度にそっと被せ、その上から痛くない程度に押さえたりがしがしとマッサージするように指先を動かしたりして己とは違う短い髪の水気を少しずつバスタオルへと移していき。)
(女心は複雑なのー。(エースからの安堵の返事聞けば冗談めかして態と拗ねた表情浮かべながら言葉返してみるも、堪え兼ねてくすり、吹き出してしまい。今に始まったことではないが、やはりエースの手は自身に安心感を与えてくれる、どうしようもないくらいに。依存症なんじゃ、なんて密かに思ってしまう程で))
…へへ、気持ちいいな。
(可愛い、という菜々からの言葉に、格好良くはないのかよ、なんて拗ねるような本当に小さな文句を零そうとしたその時だ。背後からの突然の抱擁。ふわりと流れてきた菜々の香りに、密かに癒される。酷く温かくて優しくて、大事にされていることは身に身に染みて感じたから、文句なんてものはその一瞬のうちに消されていた。己の気遣いを汲んでか背中から直ぐに失せてしまう温もりを残念に思うものの、髪を拭う手に癒されて、またその残念な想いも直ぐに無くなる。力を抜いているからか、相手の手の動きだけでも身体は不安定に揺れた。上記のように素直且つ簡潔な言葉を紡げば、へにゃりとした柔い笑顔を咲かせて)
(へぇー…女心“は”複雑、か。(相手の言葉を聞けば、“は”という一文字を強調して楽しげに復唱する。やっぱり菜々は笑顔が一番可愛い、などと一寸の間で思案をしつつ会話を続けるために口を開けば「確かに、男心は単純明快だからなぁ」なんて肩を竦めて笑い、そりゃあ個人差もあるけど、と付け足しの言葉をぽつり))
でしょ?誰かに…、大切な人に髪触られるの、気持ちいいの。
(後ろからでは表情こそ見えないものの、その声色だけで相手が笑顔なのは明白で。そんな小さな勘付きでさえ、出来るようになったことが嬉しく、つい頬が綻んでしまう。エースといると緩みっぱなし、なんて内心自分に呆れつつも、返答としての言葉に、そっとエースへの想い、そして彼も同じように想ってくれてたらいいな、という細やかな願いを込めた。そんな小さな試みを試すうち、短い相手の髪は直ぐにその水気をバスタオルに吸われてしまい、自分の時より些か早く拭い終えてしまう。何となく残念な気もしながらそっとバスタオルを相手の頭から取り去ればそれを手にしたまま「はい、終了。」と最後に手で直接その頭に触れ軽く撫でながら終わりを告げて。)
(エースも単純明解?(エースからの返答を耳にすれば、何となく男を馬鹿にしたみたいになっちゃったかな、なんて疑問をつい抱いてしまい。続けて聞こえた個人差、という言葉。単純に、それならエースはどうなのか、と気になってしまって。覗き込むように少しだけ距離を縮めて小さく首を傾げて問い掛けてみて))
ん、ありがとう。
(相手からの返答に、菜々もそう思ってくれていたのか、と思えば自然と心が温かくなるというもの。そのまま目を瞑ってぼんやりと心地良さに身を委ねていれば、穏やかな微睡みの中へと引き込まれていくような気がした。とはいえ、それも束の間。終了を告げる相手の声に意識を引き上げられては、己の頭を撫でてくる滑らかな手に犬の如く僅かに擦り寄り、静かな声音ながら嬉しげに上記を。そして、ゆっくりと身体を動かして菜々へと向き合えば、その手を己の両手で包み込むようにして取り、手の甲にひとつ、腕にひとつ、合わせて2回の軽い戯れのような口付けを贈って)
さて、と……そろそろ寝るか?
(あー……どうだろうなぁ。馬鹿、直情的、欲には忠実、とかならよく言われるけど。(投げかけられた問いに此方も首を捻っては、そっと腕組みをして分からないとばかりに困り顔を見せつつ、周りの者からの今までの評価を素直に口に出して。周囲からそう見えているのならば己はそうかもしれないな、と))
!…ふふっ、うん。寝よっか?
(頭を撫でていた手を包み込まれ、予期せぬその行動にきょとりと不思議そうな表情をしながらその手を目で追っていれば間も無くそこに落とされる口付け。擽ったいような暖かいような、それでいて照れ臭いような…そんな思いに包まれることで自然と溢れるようにして出てくる笑み。それを隠すことなくくすりと微笑浮かべては相手からの問い掛けにもこくりと頷いてゆっくりと立ち上がり。側にあったリモコンを手にして何時の間にか夜のニュース番組へと切り替わっていたテレビの電源を切る。明日も仕事、それを思えばただそれだけで憂鬱になりそうで、今はそれも考えないことにして。)
(欲には忠実?猪突猛進みたいな?(周囲に言われていたらしい評価を口にする相手にくすくすと思わず笑みを零しながら首を傾げ。エースなら回りくどいのなんてやめてただ真っ直ぐに進んでくんだろうな、なんてそんな自分自身からの評価も込めた四字熟語で相手の反応を待ってみて))
あー…ねみぃ。
(相手の笑みと返答を確認した後、我慢をしていたのかふわりと大きな欠伸をし、目尻に浮かぶ涙を手の甲で拭きながらぽつり。目に掛かる自身の髪をさらり掻き上げると緩慢な動きでその場から立ち上がり、テレビの電源を切る菜々の様子を確認しては柔らかい笑みを浮かべて昨晩の様にそっと寝室へと誘うように手を差し出す。「今週の仕事は明日で終わりだろ?」相手が考えないようにしていることを頭の片隅で何処か察しつつ、だからこそ、些末ではあったがどうしても言いたいことがあったらしい。少しの間を置いて再度口を開くと「…頑張れよ、菜々」なんて、落ち着いた声音で応援の言葉を贈り)
(ははっ!確かにそんな感じかもしれねぇな。(四字熟語で表されると自身でも納得した様子で素直にその評価を受け取り、上記のような楽しげな反応を示して。回りくどいことが嫌い…というよりも苦手であるのは確かな様子。そっと腕組みをやめると、菜々にはどんな言葉が当て嵌るだろうか、なんて密かに考え))
…うん。ありがとう。
(差し出された手を握り、にこりとはにかんだ笑顔を見せる。続く応援の言葉にきょとりと何処か呆気に取られたような表情で数秒固まった後、今度はふわりと、柔らかく微笑んでこくりと頷いて。憂鬱な筈の仕事。なのにエースにたった一言かけてもらえただけで、ただそれだけで頑張れる気がした。「明日1日仕事したら、土日は休みだから。2人でゆっくりしようね。」留守番ばかり任せて退屈させてしまっているであろう相手にあと1日、と言葉紡げば、だからあと1日我慢してね、なんて意を含み。何より自分自身、明日1日頑張ってから得られる休日が、エースと過ごせる休日が楽しみで仕方がなく。)
(私は何でしょー?、なんちゃって。(何となく、本当に何となく、相手が考え事をしているのは見て取れた。きっと自分のこと、何の根拠もないがそんな気がしては自身を指差しながら悪戯に質問投げ掛けてみせ))
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