匿名。 2014-12-15 00:21:12 |
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む…、チョコとバニラ…
(ゆったりと流れる穏やかな時間に意識が侵されているのか、感覚の鈍った第六感では気付かれていたことには気付かない。それでも、相手の動きはどことなく不自然に見えた気がして、気のせいか…?、などとほんの僅かに疑問を抱いた。しかし、その違和感もすぐに忘れてしまう。理由は、目の前に差し出されたアイス。2つ並んだそれに言わずもがな喜色を見せれば、好みを問うてくる言葉に本気の迷いを滲ませた声音で上記をぽつり。悪魔の実なんかは兎も角として、食べ物は見境なく好きなのだ。迷って当然。それでも、高々アイスぐらいでそこまで悩む姿は、やはり子供っぽくもある。それが分かっているからか否か。ちらりと菜々へ視線を遣れば「半分こっていう選択肢は……?」なんて尋ねてみて)
(おーおー、顔真っ赤。耳まで赤いぜ?(自然となってしまう相手からの上目遣いに、ドキリとする。それも、顔が赤いから尚更。自然、脈は早くなった。柔らかな笑顔で揶揄するような言葉を告げては、菜々の耳の縁をそっと指先でなぞってみて))
此方こそ、別にいいんだ。忙しくたって……いや、忙しいからこそ、無性に菜々に会いたくなるんだからよ(にししっ)
楽しみにされりゃあやっぱり嬉しいし、自然と返事を書く手が進むってもんだよなぁ(ふ、)
へ?…あははっ、ん、いいよ?半分こね?
(いつだったか友人に男は女の“ちょっとちょうだい”が嫌いだと聞いたことがあった。それ故相手の提示した半分こ、という選択肢は無意識のうちに己の頭から消していて。意外な返答に思わず間抜けな声を漏らしてしまいながら、次の瞬間には笑ってしまって。馬鹿にしている訳でもなく、ただなんとなく。とりあえず、とチョコアイスを差し出せば自身の元へはバニラアイス引き寄せ、「ん、じゃあまずはチョコどうぞ。」と微笑みかけて。こんな他愛もない、何の変哲もないやり取りが今の自分にはとても楽しくて、幸せで。少しでもいい、エースも同じ思いを抱いてくれてればいいな、なんて少々高望みかもしれない思いを密かに抱きつつ己のバニラアイスに手を付け始めて。)
(誰のせい?…んっ…(揶揄われる前から己の顔が真っ赤なことなど百も承知。恥ずかしさからジトりと恨めしげに目を向けるも、エースの指先がなぞる耳が擽ったくて思わず身を捩ってはその手をそっと握り、「だーめ」と))
ふふっ、もうー、嬉しいこと言ってくれるんだから。私もエースに会いたくて堪らないし、エースとの時間、ほんと大切よ?
…いつもありがとう、エース。(微笑)
やった!
(半分こしてくれるという相手の言葉にパッと表情明るくすれば、思わず、といった体で嬉しげな言葉を零す。相手の笑いの意味が分かっているのか、それについては何も言わないでいた。差し出されたチョコアイスを受け取ると、肌から伝わる冷たさにさえ嬉しさを感じながら、ゆっくりと包装を取り外して。体温の高い自分は、どうしようにもすぐにアイスを溶かしてしまうことが多い。そうなる前に、とかぶりつくようにしてアイスを口に含めば、至福とばかりにとろりとした笑みを浮かべる。己の一口が大きいのか、はたまた少し急いて食べ進めたからか。半分はすぐに食べ終わる。菜々が半分食べ終わる頃合いを見計らっては「はい、交換な」と軽い口調で半分になったチョコアイスを差し出し)
(間違いなく、おれのせいだよな。(にぃ、と口角を上げた不敵な笑みを浮かべると、どこかお茶目に発言して。そのままの調子で握られた手をやんわり解けば、今度はこちらから菜々の手を包み込むように握って「これならいいだろ?」などと、許しを得ようと僅かに首傾げ))
大切、なんて言われると照れるじゃねぇか(頬掻き)
おれも、菜々と接するのは好きだぜ。なんかホッとするし、そんでもってドキドキするし、何しろ楽しい。こんな大切な時間がずっと続けばいいよな。…こちらこそ。いつもありがとう、菜々(微笑/ぺこり)
ん、交換。
(半分こをオーケーしただけで反射的なのだろう、嬉しさ表すエースの様子につい微笑ましくなり。エースのペースに合わせたかったが瞬く間に半分食べ終わるエースには到底敵わず、結局少々待たせてしまった。それでも此方に気を遣わせないでおこうとの気遣いか自身のタイミングを窺ってくれているらしい様子を見れば何だか健気に感じ、それだけでも思わず頬が綻びそうになる己は末期なんだろう、なんて感じてしまう始末で。交換、と差し出してくれたチョコアイスを空いた手で受け取りながらもう一方の手からはバニラアイスを差し出す。一人で一つ食べ切ってしまうより、こうして分け合うだけで何故こうも美味しく感じるのだろう、と疑問を抱きつつ受け取ったバニラアイスをぺろりと一舐めしては、「甘いね」なんて分かりきった感想をぽつり。)
(ん、いいけど…(何故こうもエースは己の心を乱してくれるのだろう、このままじゃ心臓が保たなくなる、なんて大袈裟な事思いつつこくり頷くも、歯切れ悪く返事を返したかと思えばそっとその手を解き、俗に言う恋人繋ぎに繋ぎ変えれば「こっちの方がもっといい」と悪戯な笑み浮かべてそっと握り))
うん。私もずっと、ずーっと続いてほしい。…なんて我儘かな?(くす)
エース…、エースが私のこと、嫌になっちゃうまでは側に居させてね…?(首傾げ/ネガティブ)
へへ、…甘ぇな。
(アイスを受け取ると、ぱくりと大口を開けてまずは一口。口いっぱいに広がるミルク感とバニラの風味をしっかり味わうと、不意に笑い声が漏れる。そして、相手の口から零れた感想に、こちらからも続けて同じ感想をぽつり。この甘さは幸せの味。なんとなく、そんな気がしたのだ。二口、三口とテンポ良く食べ進めていれば、チョコアイスの時と同様、すぐに食べ終えてしまった。舌を出してぺろりと唇を舐めれば「ごちそうさま」と満足気に挨拶を。――さて、今からどうしようか。頭の中でそんなことを考えれば、ちら、と壁に掛かった時計を仰ぎ見る。そんなに遅い時間帯ではない。帰宅するまでに色々あったがために今の時刻はもっと遅いものだと思っていたのだが、その色々にそこまで時間を割いていたわけではなかったようだ。再度菜々の方へと視線を向ければ「明日も仕事だろうし、菜々が先に風呂入るか?」と問いかけ)
(やった。(歯切れの悪さに一度は疑問を抱くも、嬉しさ故の言葉を漏らす。しかし、相手の方から解かれた手が恋人繋ぎへと変わると、初めての経験に目をぱちくりと瞬かせ、次の瞬間にはどこか照れくさそうに焦った様子で「え、あ……じゃあ、次からはこれ、で」と、相手よりも歯切れの悪い返事を))
いいや、我儘なんかじゃねぇよ。おれも同じことを思ってんだ、お互い様ってことで…な?(にっ)
む……嫌になることなんて絶対にねぇよ。縁起でもねぇこと、言うなよな(菜々の額に軽くデコピン/…)
ん、じゃあお言葉に甘えて、そうしてもいい?
(相手が食べ終えた今でも自分のアイスはまだ少し残っていて。先程同様互いのペースの違いを実感しつつ、溶け始めているため少々慌てて食べ進めながら、相手からの問い掛けを耳にし吊られるようにして時計を確認する。実際まだ寝る程の時間ではないものの、まだ仕事の時のまま着替えられていないというのが少し気になり、相手の気遣いに甘えておくことにして。こくりと小さく頷きつつも申し訳なさも感じて最終確認を問う。そうしているうちに溶けて指先まで垂れてしまった一筋のアイスもぺろりと舐め取り、「こんな行儀悪いの、ほんとはだめなんだけどね。」なんて悪戯に笑っては漸く食べ終え、「ごちそうさま。」と相手同様挨拶してはゴミ箱にそれを放り込み。)
(ふふっ、また立場逆転。(幸か不幸かエースが顔見せてなんて強請ってくれていたものだからその焦った様子もしっかりと目で確認することができ。そんな己の先程までの恥じらう様子は何処へやら、今はもうくすくすと満足気に笑っていて))
いたっ、…だって…私から嫌になることなんてあり得ないんだもん。(その箇所押さえ、モゴモゴ言い訳/…)
おう、了解。
(菜々とは反対に、自分はどうせ明日も暇なのだ。風呂の時間や寝る時間は多少ずれても構いはしない。そう考えての提案だったこともあり、確認を取る相手の頭を無意識に二、三度ポンポンと撫でては“勿論”とばかりの肯定を示す言葉を素直に告げて。菜々は仕事で、己はぐうたらと時間を食い潰す。頭の中で繰り返すその対比に、あぁ、甘えてばかりじゃ駄目だな、なんて今の自分の状況を憂う。そして、明日は菜々の為に、何か一つでも出来ることを増やそうと心に決めた。…指先を舐める彼女の悪戯気な笑みを見れば、不意にとくりと脈が乱れる。やっぱり菜々は可愛い。彼女である、という贔屓目もあるのだろうが、ふとした時にそう感じてしまう己は、きっともう既に末期。「でも、少しでも無駄にするよりはいいだろ」行儀悪い、と口にする菜々に自分の持論を告げれば、つられたように薄く笑みを零し)
(っ、またか……!(相手の言葉にハッとすれば、押されている状況はやっぱりまた悔しいのか、不満気に空いた手で頭を押さえながら“しまった!”というような表情を見せ。しかしそれもつかの間。ふ、と諦めたように溜め息零せば「恋愛初心者に対して、ずりぃの…」などと子供のように拗ねた様子を垣間見せ))
ったく、仕方のねぇ奴だなぁ。……おれだってそんなことはあり得ねぇよ、安心しろ。(呆れたように柔く笑みつつ)
ふふっ、でしょ?倹約家だから、私。
(自身の頭を撫でながら肯定を示してくれるエースの言動に自然と頬は緩み、ありがとう、の意を持って微笑を返す。エースと出会ってから自分に笑顔が増えた気がする。このまま頬が緩みっ放しのだらしない女にならないだろうか、なんて無意味な心配さえしてしまうほど。アイスを舐め取ったことでさえ、持論告げて肯定してくれるエースにくす、と笑み浮かべては冗談めかして上記返しつつキッチンの水道で軽く手を洗い。「じゃ、お言葉に甘えて先入っちゃうね?」と断りを入れた後、寝室から着替えを持ってきてそのまま浴室へと姿を消し。)
(私だって別に手慣れてるわけじゃないもん。(分かりやすく拗ね抗議の言葉投げ掛けてくる相手に対し、未だ満足げに、その上何処か可笑しそうに笑いながら自分だって恋愛上級者どころか相手とさして変わらないのだと告げては態とらしく肩竦めてみせ))
ん、ありがとう。(眉下げ何処か情けなくへらりと笑ってはお礼の意味込めぎゅ、と抱き着いてみて)
いってらっしゃい。
(わざわざ断りを入れて浴室へと向かう相手の背に、一言、そう告げる。菜々が風呂から上がるのは案外早いため早々に寝室から着替えを持ってきては、暇になった少しの間、またテレビを見始めて。ニュースのアナウンサーの冷静な声が告げるのは「通り魔がすれ違った一人の女性を刺した」といったもの。確かにいけないことではあるし、見かければ止めるだろう。しかし、心の片隅では“その程度”のことで報じるのか、と己としては疑問に思うところもあった。別に命を軽く見ているわけではないのだが、やはりこの世界はあちらに比べて平和なのだろう。ふ、と溜め息にも似た吐息を漏らすと、気まぐれにチャンネルを変え、偶然にも海の特集をしていたドキュメンタリー番組を食い入るように見始めて)
(でも、ずりぃ…(肩竦める相手の言葉に対しても、未だ子供のようにもごもごと言葉を漏らす。言ったところで立場が入れ替わるわけでもないのだがそれでも言わずにはいられなくて。子供っぽいのは自分でもわかっているらしく、へらりと笑いを零し))
へへ、どういたしまして。(柔らかな笑みを浮かべると、抱き着いてきた菜々の身体包むようにして抱き込め)
ふぅ…、おまたせー。
(シャワーを浴び、浴槽にゆっくり浸かって1日の疲れを癒す。暑くなるとシャワーのみに、なんてのもよく聞く話ではあるものの、自分は浴槽にのんびり浸かるこの時間も癒しの一つであり、1年中浴槽にもお湯を張ることにしていて。暫しその癒しの時間堪能しては浴室を出てTシャツとショートパンツというラフな部屋着に着替えては、暑さのせいでついドライヤーをサボりバスタオルで濡れた髪の水気拭いながらリビングへ。後ろから相手に声掛けつつ視線を辿れば海に関するドキュメンタリー番組が。やっぱり海が好きなんだ、なんて再確認しては自分でも頬が緩むのが分かった。後ろからそっと近付いてテレビ画面に視線遣れば、「海かー、そういえばもうすぐ海開きだもんね。…ね?今度クルージング行く?泳ぐのは無理でも船なら大丈夫でしょ?」なんて提案してみて。)
(ふふっ、残念でしたー。(ずるくて結構、と言わんばかりににぃ、と口角上げては相手に吊られてか此方も子どもっぽく言葉を返し。握った手改めてぎゅ、と握っては愛しげにとろりと視線向けるもやはりその言葉はまだ言わずにいて))
! おう、おかえり。
(ぼんやりと画面に集中していたせいか、後ろから唐突に掛けられた声に心臓が一瞬飛び上がったような気がした。視線だけを相手に向ければ、笑みとともに上記の言葉を返し――と、そこで投げかけられた提案。「え…?」と何とも情けない驚いた声を漏らすと、それに比例するような何とも言えないとぼけた表情を見せる。そうして相手の言葉を理解するとじわじわ嬉しさが競り上がってくるのだが、それと同時にどこか申し訳なさもあって「…いいのか?」と、確認の言葉を問いかけて。その間にも、テレビからは絶え間なく海の映像が流れている。こぽり、ごぽり、ゆったり響く水の音に自然と導かれるがままテレビ画面の方へと視線を戻せば「おれは勿論行きてぇけど…」と自分の意志を伝え)
(ほんっと……敵わねぇな、菜々には。(絡んだ指にふと、力が込められたのが分かった。どこか柔らかい菜々からの視線が己の視線とかち合うと、何だか心が温かくて、ただ、愛しくて。…惚れた弱み、とでもいうのだろうか。そんなふうな言葉を思わず零しては、菜々の額にそっとひとつ、口付けを落として))
私から言い出したのにだめなんて言うわけないでしょ?
(申し訳なさそうにしつつも嬉しさも隠し切れない様子のエース。そのまま視線がテレビへと戻されてしまえばふ、と口元緩め無性に相手が愛しく感じてきて。考えるより行動、というのはこういうことだろうか?気付けばその背にゆるり抱き付いていた。勿論行きたい、その言葉がエースの口から紡がれたのを耳にすれば「ん、じゃあ決まりね?」と半ば強引に話を進める。これ以上我慢も遠慮もして欲しくなくて。暫くこうして相手の温もりを感じていたかったものの、自身の髪はまだ濡れており、そもそもこの暑い中エースにとっては動きにくい上少々鬱陶しくもあるかもしれない、と判断しては名残惜しげにそっと離れ、「はい、じゃエースもお風呂入ってきて?」と入浴を促し。)
(ん…、ふふっ、私も、案外敵わないかも。(額への口付け、ただそれだけでもどくん、と心臓が脈打ち鼓動が速くなる。それを気取られぬよう照れ笑い一つ溢しつつ、ぽつり、独り言のように小さく呟いて))
そりゃあそうだけど……。
(唐突なことに思わず脈が早くなるのを自分でも感じてか、抱きつかれたのを理解するのにそう時間はかからなかった。相手との距離感に緊張して体が強ばっているからか、振り返りたいのに振り返れない、抱き締め返したいのに動けない。そんな状況に戸惑いを覚えつつ、そっと僅かに目を伏せるとただその温もりに心を委ねる。少々強引に取り決められた案に、躊躇いがちではあるがこくりと肯定を示す頷きを見せると「…おう、ありがとな。楽しみにしてる」そんな言葉とともにゆっくり、ひだまりに花が咲いたような柔らかな笑顔を溢れさせて。そうして、静かに離れていく体温。入浴を促す声に「んー」と唸るような曖昧な返事を返せば、僅かに考える間を置いて菜々の方を再度振り向き「菜々、ちょっと後ろ向いて座ってくれよ」なんて先の会話とは何の関係もないお願いを。)
(なぁ、菜々。おれ、ちゃんと“彼氏”出来てるか?(菜々の呟きが聞こえていたのか否か、緩い笑い声をつられて響かせる。ぽろりと零した問いについては、なんてことは無い。ただ恋人らしく出来ているのかどうかが少しばかり不安なようで))
ん?なーに?
(此方から入浴促す声を掛けるも曖昧な返答を返す相手に、あれ?お風呂嫌いだっけ?なんて的外れな疑問抱いていれば唐突に相手からお願いが。瞳を大きく丸くして数度瞬けばきょとり、不思議そうな顔をして小さく首を傾げる。相手の意図するところは分からないが別に嫌な内容でもない。その上何故だかエースに頼まれると断れない、という最近生まれたばかりの自身の性格も相俟って言われた通りに相手に背を向けてその場に座る。「こう?」何せ正解が分からないため、本当にこれでいいのかと少々不安になれば背を向けたまま背後にいるであろうエースへと確認の問いを投げ掛けて。)
(ん?出来てるんじゃない?…少なくとも私にとっては最高の彼氏だけど。(頭上から降ってきた問い。顔を上げて相手見つめれば、当然、というかのようにけろりと答える。一般の“彼氏”なんて知らないが、自分にとっては紛れもなく最高の彼氏であることは確かで。ふわり微笑して答えれば「私には勿体無い。」なんて付け加えて))
あぁ、それでいい。
(此方からのお願いに嫌な様子も見せず素直に従ってくれる相手の不安を解消させるような答えを返せば、自分も体ごと菜々の方へと向け。そうして、相手の肩に掛かっているバスタオルへと手を伸ばす。僅かに濡れたそれをそっと取って「よし、じゃあ拭くぞー」なんて緩い声を掛けると、菜々の髪をやんわり、優しく拭き始めて。ぽたりぽたりと髪から落ちゆく雫を眺めつつ一束、また一束、丁寧に拭っていくその手付きに、自分でもどこか驚く。おれ、こんなにも人に優しく出来たのか、なんて。頭を濡らしたまま長居させるのは風邪を引く原因にも成り得るため、僅かに拭く速度を上げては「どうだ、気持ちいいか?」などと問いかけてみて)
(…そっか。良かったー、安心した!(柔らかい笑みを見れば、にししっ、と言葉通り安心したような笑みを見せる。照れた、というのもあるが、何より嬉しい、というのが先に来たようで。そうして再度口を開けば「ったく…菜々って本当に良い女だよなー、おれには勿体無い」なんて、お茶目に此方も言葉を付け足して))
!…ん、気持ちいい。
(それでいいとの答えが耳に届けばとりあえず体制としては間違えてないんだろう、と一先ず安心して。とはいえ何があるの?との疑問は拭えぬままじっとしていれば拭くぞとのエースの声と共に優しく拭われる髪。そういうことか、なんてすぐに納得しては思わず頬が綻びだらしなく口角が上がる。以前誰かに女の子は髪を触られるのが好き、なんて聞いたことがあるがそれはどうやら本当らしい。…エースだから、という理由が一番にあるからかもしれないが。その気持ちを素直に言葉にしてはそのまま身を委ね、そっと瞳を閉じる。その手の感触を確かに感じ、頭に刻み込むように。「エースがこうして拭いてくれるならドライヤーなんていらないね。」勿論冗談ではあるが、その心地よさから再び目を開いた時には悪戯にそんなことを告げていて。)
(へっ!?べ、別に良い女じゃないよ、私は。普通だって。(エースから告げられた言葉は自身が告げたものと意味の近しいものではあったものの照れ臭さは拭えずにいて。頬をほんのり赤く染め少々瞳泳がせながらいい良い女だなんて勿体無いと首をふるり横に振り))
そうか。それなら良かった!
(誰かの髪に触れるのは、存外嫌いじゃなかった。いや、寧ろ好きな方かもしれない。それでも、菜々の髪だと思えばそれよりももっと、更に好きで。しっとりと濡れてはいるが触り心地の良いそれをまた一束手に取ると、思わずといった様子でそっと顔を近付け、相手に悟られぬよう音も立てずにほんの一瞬、優しい口付けを送って。相手が笑んでいる姿なんて背を向けられている此方からは見えるはずもないが、相手の言葉と声音とで喜んでくれていることは感じた。そうして漸く、此方もふわっと大きな笑みを浮かべて上記を述べる。――丁度3分の2程度が拭き終わった頃だろうか。冗談のように紡がれた言葉が耳に入れば「だな。何なら、これからは毎日拭いてやろうか?」なんて、此方もどこか悪戯気に告げてみて)
(いいや。こんな良い女、どこの世界を探したってお前しかいねぇよ?(相手の言葉に散りばめられた謙遜。それらを真っ向から否定するようにゆうるり、少々大仰な様子で肩を竦める。愛しげに目を細めて先の笑みとはまた違った穏やかな笑みを浮かべると、本心からの言葉を紡ぎ))
ほんと?それならエースの髪は私が拭いてあげる。
(相手に送られた口付け。それはほんの一瞬の出来事で当の本人である己は気付くことが出来なくて。それでも心穏やかに共に過ごせるこの時間が貴重であることに変わりはなく。そんな中自身の冗談めかした言葉に乗ってエースの口から紡がれた言葉。たとえ冗談であってもこの先が改めて約束されたようで、これからも一緒、との意味も籠っているような気さえして、只それだけで嬉しくて。此方からも似たような返答を返す。くす、と口元に笑み携えては、「でもそれじゃ平等じゃないね。髪の長さ全然違うんだもん。エースが不利になっちゃう。」なんて続けては肩を竦めて見せ。)
(〜っ、…ばーか。見る目ないよ、エースは。(否定した此方の言葉に更に否定を重ねるどころかその意味は重みを増し、加えて向けられるエースからの視線に自然と心臓は高鳴り。自分は単なる一般市民、それは謙遜でも何でもなく、本心から出た言葉。そこに照れも重なっては思わず悪態ついて返しつつ額を相手の胸元に預け))
…ったく。菜々が喜んでくれるんだったら、おれは不利でも構わねぇの!
(肩を竦めた相手に、笑顔を絶やすことなくビシッと勢いづいた言葉を返す。それは無論、本心からの言葉。確かに、己と相手の髪の長さを比較すれば己の方が勿論短いし、菜々の方が髪を拭き終えるまでの労力は確実に少ないだろう。しかし、世話になり始めてからのことを考えると、此方が圧倒的に菜々へ負担をかけてしまっているのだ。これぐらいでは恩返しにも成り得ないのだが、それでも、これぐらいのことはしたい。そんな考え事をしつつもようやく拭き終えれば「菜々に拭いてもらえるってだけで十分だ」なんて、先程の言葉に付け足すようにして。…無防備な目の前の華奢な背中を見ていると、何だか無性に触れたくなった。そっと抱き着く、というよりかは相手の体をすっぽり抱き込めるようにしてみれば、相手の反応を密かに伺い)
(なっ、……ひでぇの。(悪態をつかれれば、ふは、と声を出して小さく笑いながら発言を。顔を隠すように胸元へと距離を詰めてきた相手を、戸惑うことなく、むしろそれが当たり前のことであるかのように両手を背中に回して受け止めると「あー、もうずっとこうしてたいなぁ…!」なんて独占欲を見せ))
!ふふっ、あははっ!もうー、ほんと、私ってば幸せ者ね。
(勢いづいた言葉返ってくれば目を丸くして数度瞳を瞬き、エースには見えないであろうところで驚きを表し、直後には小さく吹き出してつい笑ってしまい。幸せってこういうこと言うんだろうなー、や、幸せな時勝手に笑っちゃうってほんとだったんだ、なんて、浮かんでくるのは“幸せ”という単語ばかりで。それを恥じらうことなくそのまま言葉にしてみせた。自分がそう感じていることを少しでも伝えられればと。なんて考えていれば不意にエースの温もりに包まれる背中、というよりすっぽり覆われてしまう全身。どきりと心臓高鳴れば自然と心拍は早くなる。どうかそれがバレませんように、打って変わって生まれた恥じらいからついそんなことを思うあまり少々俯き加減になってしまいながらも、一方で自然とだらしなく緩んでしまう頬を律する手段さえ見つけられずにいて。)
(ん、私も同感。(独占欲垣間見られる言葉が上から振ってくればそれを肯定するように小さく頷き。同時に相手の胸に預けていた額を浮かせると今度は肩口に顔を寄せ、自然と近くなった距離のまま囁くように、「……んー…、言っちゃいそう、だけど…やっぱりまだ我慢。」なんて勿体ぶった言葉呟いて))
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