karasu925 2014-12-04 17:24:52 |
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「小癒希は元男なんですから…」
「……は?え?あれか、ニューハーフか!?」
「誰がニューハーフですか!!俺は姫野小癒希!正真正銘の男だ!!」
小癒希はそう言うが、事情を知らない従業員達は信じられないという顔をしている。そこに、ルミナが割り込んできた。
「えー、コホン!その事について私とソーニャ君が説明しましょう!」
「………」
ソーニャは海鮮丼を食べながら、面倒だな、と言わんばかりのジト目で相変わらずの余所見をしている。
ルミナが事情を、彼女の基準で簡単に説明するが、頭がついていかない、または信じられないといった視線を向けられる。
「空間の歪みって……そんなん有り得るん?有り得んやろ、普通。」
「しかし、男の頃の証拠写真と、今の小癒希くんも髪の色とか、顔立ちとか、いろいろ似てるしねぇ…」
真実か否か、どちらとも言えなそうな状況だ。しかし、ここで大本命が動いた。ソーニャである。
「……空間は歪められる。」
「ん?どうしたんだ?」
ソーニャは立ち上がると手を誰も居ない方向に向けると、そのまま握った。
「うおッ!?な、なんじゃありゃ!?!?」
「え?え!?」
「は!?」
途端、驚きの声が上がる。皆が目を向ける先には、まるでガラスのように空中にひびがはいっていた。
「おいおい…マジかよ…」
「こんな事って…」
「す、すげぇ!?」
「……これは一番分かりやすい歪み。これ以外のもある……」
それだけ言ってソーニャは再び椅子に座り、海鮮丼をモグモグと食べ始める。ひびはやがてゆっくりと消えていった。
「百聞は一見にしかずとはこのことか…」
「信じてくれるのか…?」
「あぁ、もちろん!そこで提案だが、俺と付き合わな…」
「お断りしますッ!」
「あらら、残念。」
若い従業員の申し出を即答で却下した。大笑いになったのは言うまでもない。
そんなこんなで楽しい食事の時間も終わり、会計は店長直々に支払ってくれた。実に太っ腹である。皆、店長や従業員の方々にお礼を言って店を出た。
「あ~、食った食ったぁ~」
「美味しかった~」
「ちょっと食べ過ぎたかな…?」
「最後のクレープ美味しかったー!」
「……それ私がたのんだやつなんだけど。」
「たまには外食も良いね~」
「はぁ~うまかったぁ~!けふっ…」
「小癒希さんをお持ち帰りしたいッ!!!」
「みんなで食べるのも良いねぇ、そう思わないかい、ソーニャ君?」
「………」
皆、満足そうに言う。ソーニャは相変わらずだが、どこか機嫌が良さそうだった。
「あ、そう言えばこのあとみんなはどうするんだ?」
不意に一鷹がそんな質問をする。皆、そう言えばという顔をして立ち止まる。そして全員が口を揃えて「どうしよう?」と言う。
「あ!ちょっと待って!!明日ってゴールデンウィークじゃない!?」
唯が思い出したように言うと、全員、思い出したように顔が明るくなった。ソーニャは一切変化ないが。
「あ、じゃあ一鷹、お前俺ん家に泊まってく?」
「お、それ乗った!」
小癒希は何気なく誘いの言葉を言ったが、しかしそれが着火材となってしまった。
「ち、ちょっと待ったぁ!!私も!私も泊まるぅーッ!!!」
一鷹が賛成した途端に、唯がいきなりそんなことを言い出し、ジリジリと小癒希に詰め寄った。小癒希は圧倒されたようにこくりと頷く。
「お~?何だか面白そーだし、あたしも泊まるー!」
「えッ!?」
優美子の言葉に、唯が驚いて振り返る。すると続けて月漓も「私も泊まる。暇だから。」と言い出した。恐ろしい連鎖だ、と小癒希は思った。
「え?ちょ、俺は良いけど大丈夫なのか?」
「問題ないよ、既に手は打ってあるのだ!!」
「同じく。」
スマホ片手に言っている辺り、メールを送ったのだろう。しかし、小癒希は更にその後ろにはまだ魅織にルミナとソーニャが残っていることを思い出してそちらを見る。
「私をお持ち帰りして下さいッ!!!」
「この私が行かないと思っているのかい!」
「…………」
案の定、全員が小癒希の家に泊まることとなり、小癒希と唯た大きなため息をついたのだった。
その後、小癒希の家に着く頃には既に時刻は22:00を過ぎていた。全員は今、リビングの椅子なりソファーなりでくつろいでいる。その間に美花と小癒希が部屋の準備なり、風呂場の準備をしていた。
「…あの、お尋ねしたいことが……」
魅織が急に一鷹に質問をしてきた。一鷹はなんなりとどうぞ、と質問に構える。しかし、痛いところをつかれた。
「…小癒希さんと美花さんのご両親はどちらに?」
「………そう…ですね…一応、お話ししておきます」
「…?」
「実は……」
一鷹は語り始めた。ここ、姫野家についてを。
*
*
*
~小癒希にトラウマを作ってみた結果~
1.伊々島ルミナ
2.市ヶ谷魅織
3.Gさん
1の刻
小癒希「うぁ~…暇だぁ~……」
伊々島「お?暇してるね!」
小癒希「え?いや、ちょっ!?!?」
伊々島「だったらデータ採取にご協力を~♪ちょっと注射するよ~」
小癒希「ひっ!?や…ちょ…ヤダァ!!!来ないでぇぇぇ!!!」
2の刻
小癒希「ポップコーン美味しいなぁ~♪」モグモグ
魅織「小癒希さぁぁぁぁぁんッッ!!!!!お持ち帰りぃぃぃぃぃッ!!!!!!」
小癒希「ひぃぃッ!?!?」
3の刻
小癒希「おーい、ソーニャー?」
G「やぁ☆」
小癒希「」
G「おーい?」
小癒希「ひやぁぁぁぁぁッッッ!?!?!?」
ソーニャー「…殺虫スプレーでもくらえ」シューーー
G「ひぎゃぁぁ~~ッッ!?!?」
シェルン「よーし!今年は痛チョコ作ってみんなに自慢するぞ~!」
小癒希「板チョコなんて誰でも作れそうだけど?」
一鷹「いや、彼の言っている『いた』は、痛いの『痛』だ。」
ソーニャ「……痛い人か?」
シェルン「違います。人違いです。」ジー
伊々島「ん?なんだい?ジーっとこっちを見て?」
月漓「『痛チョコ』がどんなモノか、分からない人は検索するといい。」
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