karasu925 2014-12-04 17:24:52 |
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「これが全ての質問に直結する答え。私は研究会会長、姫ヶ崎怜一の孫娘で、山田君を研究会から逃がした。これが質問の答えだよ。」
「………ふむ…君は僕の命の恩人?なのかな?」
「まぁ、そうなるかな…」
そういうユカリは悲しそうな顔をしていた。確かに、自分の祖父があんな団体を取り仕切る最も上の存在ともなれば、その悲しみは計り知れない。しかし、優璃にはまだ2つ、聞いていないことがあった。
「…まだ、聞きたいことがあるんだ。」
テストで『リアス海岸』って書くところを、何を思ったのか『ギアス海岸』って書いたって人いたwwwwコードギアスにハマってたのかなwww
狙撃するぜ!
「……何かな?」
「僕を助けた理由は何なんだ?」
世界的な研究団体である『異端者特別研究会』には、優璃の他にも多くの異端者がいた筈なのだ。それなのに自分を助けたわけを知りたかった。単に、ただ目に留まっただけかも知れないが、優璃には何か理由があるのではないかと思えた。そして、その答えは直ぐに明らかになった。
「それは………君が“世界最年少の異端者”であり、“世界で一番危険な能力”の保持者だから……かな……」
「……世界…最年少…?」
優璃は現在、17歳である。それでも世界最年少の異端者だなどとは、信じ難い話だった。この世界中を捜せば、自分より年下の異端者ぐらい居そうなものだ。しかし、ユカリは自分が世界最年少の異端者だと言った。困惑する優璃に、ユカリは口を開いた。
「世界最年少の異端者ということの説明がもっと必要だね。山田君が異端者としての能力が使えるようになったのはいつかな?」
「…確か僕が5歳のときだった筈だね……」
「そう、山田君が5歳のときには、既に研究会が山田優璃が異端者であると認識していたんだ。」
「………なる程、その時の僕が世界最年少の異端者だった…だから僕が世界最年少………か…」
成る程、と優璃は納得したようだった。そして同時に新たな疑問が出た。
「けど、どうしてその時研究施設に僕を監禁しなかったんだ?」
「……それは、君が『多重能力所持者』だったから…」
つまりはこうだ。研究会は山田優璃が『異端者』になった5歳の時から目をつけており、『多重能力所持者』という稀少な人材と判明したので能力の増幅のため今まで放置していた、ということらしい。何とも自分勝手だ。自分勝手の筈なのに……
「………そうか…まぁ、過去のことだし、仕方ないよ。」
「………………え?」
文句の一つでも言うかと思っていたユカリは、驚いた。文句どころか、仕方ないと言うのだ。ユカリは疑問に思った。なぜ受け入れられるのか、なぜ不満を洩らさないのか、なぜなぜなぜ…
「…なぜ…そんなに冷静でいられるの…?」
「…………」
「なぜ、そんな諦めたような目をしているの…?」
「…………」
逆に疑問をぶつけるユカリ、しかしそれに答えない優璃。このまま何もない無言が続く……と、思ったその時、不意に優璃が口を開いた。
「…君は……11年前の旅客機の墜落事故を知ってる?」
「…いいや、しらないけれど……」
「だろうね……実は僕、その事故が起きたオーストラリア行きの旅客機に家族全員で乗ってたんだ…」
「……それって……」
今から丁度11年前の10月、当時6歳の優璃はオーストラリア行きの便に家族全員で搭乗していた。しかし、空港まで残り2時間と言うところで事故が起きた。旅客機はそのまま墜落、乗客214人中、213人が死亡し、一人が奇跡的に生き残ったという事故で、その生き残った一人が山田優璃である。
「……そのときに僕は一人になった…」
「………」
「…そして、その事故は僕が関係しているんだ」
「え………」
優璃は、旅客機が墜落する数時間前、機内のトイレへ行っていた。そこで優璃は柄の悪い外国人にぶつかり、怒った外国人にそのままトイレの奥へ連れて行かれたという。外国人は相当イラついていたのか、6歳の優璃を叩きつけ、殴り、首を絞めたりと、暴行を行つた。
「その時に能力の一つ、『空間断絶』…空間を歪める力が暴走して旅客機を墜落させたんだ…全て…僕が悪かったんだ……」
それ以来自分に希望が見出だせなくなったんだ、と優璃は自嘲気味にいった。対するユカリは何をいえば良いかわからないという、自分に何が言えるかわからないという顔をしていた。
「…話が逸れたね…で、最後に質問があるんだけど」
「………何、かな…」
ユカリは、重い話から抜け出したことにほっとしつつ、優璃の質問に備えた。
「これから僕をどうするんだ?“あの力”があるから、何が起こるか分からないよ?」
“あの力”とは、先程ユカリが言った優璃を助ける理由の一つ、『世界で一番危険な能力』のことだ。この力を優璃は一度しか使ったことがない。使ったのは優璃が9歳の時で、無意識に使用された。そのとき見た力の恐ろしさに、優璃は一生この力を使いたくないと心に誓った程だ。
「その力があるからこそ助けたってこと。研究会がもし山田君を手に入れたら、利用するだけ利用して、最後はホルマリン漬けだよ…」
「な、何だよそれ……ホルマリン漬け…?人間を…!?酷すぎるよ…研究会はそんなことを平気で……」
「やっているよ。自分達の研究欲のままに…だから、私は君と一緒に『異端者特別研究会』そのものを抹消するつもりだよ。」
優璃には、ユカリがとんでもないことを言い出したように思えた。いや、実際にとんでもないことだろう。しかし、研究会を抹消するということは、自分の祖父である異端者特別研究会会長、姫ヶ崎 怜一を敵に回すということでもあった。
「そんなことをすれば、君の居場所が無くなるんじゃないのか?君の両親も黙ってはいないんじゃ……」
「私の両親なら、お祖父様に…姫ヶ崎怜一に殺されたよ…」
今度は優璃が絶句した。両親を祖父に殺された?一体何があったんだ?と、優璃は動揺を隠せずにいた。
面白いね~。続き期待しとるで~。俺もあの小説の続き暇になったらうpするからの~。どうでもいいけど「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」全部見たど~。
どうでもいいけど各キャライラストを見たいです。
「実は、私の父は異端者だったんだ」
「君の…お父さんが……?」
ユカリは、「うん」と頷いて話を進めた。とても辛そうに、とても悲しそうに…
「お祖父様は自分の娘が…私の母と結婚した父が異端者だと分かった途端、直ぐに父を研究施設に監禁した……そのとき私は10歳だった。」
「……………」
「母はお祖父様に研究施設から父を出してくれって必死でお願いしたけど、お祖父様はまともに取り合わなかった…そしてあの日、父が実験中の事故で亡くなったって報せが私と母はもとへ来た……」
聞いているだけで、ユカリの悲しそうな顔を見ているだけで胸が締め付けられる。家族を失う悲しさはとてもよくわかる。ましてや、自分の祖父が見捨てたのだ。悲しさや絶望はかなりのものだろう。
「…それで、君の母親は……?」
「父が亡くなったショックが大きくて、自殺したよ……」
「………」
「なのにお祖父様は……あの男はッ!お父さんが死んだのに!『この約たたずが』って…!お母さんの葬式にも出席しないでッ…!」
ユカリの目には涙が溜まっていてる。それはどんどん増えていき、やがてユカリの頬を伝って床に零れ落ちた。
「う、うぅぅ…山田君…私……私は……!!」
「…もういい…もう何も喋らなくていい……」
「……ッ」
優璃はそっとユカリを抱き締め、優しく頭を撫でる。ゆっくりと、慰めるように。
「まだであってすぐだけど、親がいないっていう同じ境遇だと、分かることがいろいろあるさ……僕らは似た者同士なんだ……でも、君はまだ泣ける…僕と違って君はまだ泣けるんだ。今のうちに、泣けるだけ泣くといいさ……」
まだ互いのことをよく理解できたわけではない。しかし、共通するところがあるだけで、わかり会えることもある。優璃はユカリが落ち着くまでずっと、優しく頭を撫でた。
プロローグ
完。
思いつきで書いてるけど、なかなかいける!
山田優璃の能力その1『空間断絶』
一種の空間歪曲現象。空間に穴もあけられるが、世界一危険ではない。
ゆーり君!狙撃するぜ!!
(優瑠君)
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