桜宮サーガ雑談

日本の医療は崩壊してるんじゃないかな。
桜宮サーガすべてはまだまだ読めてないけどドクターヘリ導入だってまだ足りてない地域や地方もあるし『沈黙』でも小児科医療のことが題材になってたし『極北クレイマー』でも地方医療の問題が題材だったし日本の医療はあちこち問題ある。
昭和から平成になる時代を舞台にした『ブラックペアン1988』では医療ミスが物語のラストを飾るし。
海堂尊先生の作品は医療が基本物語の根幹にあるから知らない人が読んでも楽しめる

久しぶりに『チーム･バチスタの栄光』を読むと田口先生と高階病院長との会話が冒頭にくる。
出世に興味なくても高階病院長には学生時代のとあることから顔が上がらないんだけどこれにはしっかりオチが用意されてる
たいしてバチスタチームの桐生恭一の方が普通の作品なら彼が“主役”だろうね。凱旋も速水先生も本来は主役型な人物だし

桜宮サーガを読まれてる方いませんかね

小説、ドラマ、映画とちがいあるけど小説版はだいたい上巻が田口先生単独、下巻になってから白鳥さんが現れる(笑)
ドラマは田口先生･白鳥コンビが比較的最初から登場してる。
『チーム･バチスタの栄光』の小説読むと大学病院の難しさやバチスタチームの人間関係が露呈してゆく。
その辺が謎解きにも関わってゆく

『チーム･バチスタの栄光』ようやく下巻。
だけど田口先生と兵藤勉くんの関係はさりげなくおもしろいもの(笑)
兵藤くんは出世したくて田口先生を陥れようとしたけどかえって田口先生の上手な考えによってほどほど痛い目に遭いながら医局長の地位を手に入れ田口先生はささやかなしあわせを手に入れるどんでん返し。
物語の内容が濃いから先に読んだ作品は忘れてしまう(>_<)
でも兵藤くんいないと田口先生は院内の情報が入らないからある意味、彼は物語の大切なキーパンソンだね(笑)

『チーム･バチスタの栄光』はなんだかんだで白鳥さんがあらわれてから真骨頂ですネ。
白鳥さんのアクティブ･フェーズとバッシブ･フェーズを巧みに使いながらバチスタメンバーから聴取しながら真犯人を探り寄せる(笑)
白鳥さんがシリーズ通してどこまで本当に考えてる行動か行き当たりばったりかは謎だ……w
可能性を仮定しながら探ってゆくのは後々の作品でも見受けられる。

『チーム･バチスタの栄光』ですでに医療システムが医療や人間が崩壊してるという警鐘は鳴らされてるとあらためて実感(--;)
『バチスタの栄光』を読んで思うのは氷室先生がもともと殺人者だったのか実験体にされる犬たちと共に過ごし実験しながらなにを思ったのかというのがひとつの鍵だろうな
だけど作品中では後日談となる『イノセント･ゲリラの祝祭』で裁判が進むなかでも氷室先生はなにひとつ語っていないという。
氷室先生の立場から読んだら比較的に『バチスタの栄光』の早いうちに彼はぼろを出してることに気づかされる。
だけど作品内の田口先生をはじめとした登場人物にはわかっていない。
ちょくちょく手元にある桜宮サーガは読むようにしよう

ようやく『ジェネラル･ルージュの凱旋』。
文庫版のカバーはおしゃれだわ。『凱旋』は上下でドクターヘリのイラストが合わさるようになってる。
けど内容はシビア。救命救急が冒頭にいきなりきてるしジェネラル･速水と佐藤先生の緊迫さが伝わる
救命救急の難しさ、ベッドが空いていないや安易に患者を助けることの難しさなどが冒頭に書かれている
海堂尊先生がいろいろ医療現場を知ってるからでしょうと思いしる。

『凱旋』を読むと田口先生の立場からしたら同期の親友速水を調べなければならない立場。
速水先生のドクターヘリ導入宿願を知りながらそれを阻むかも知れないという難しさ。
また官僚である三船事務長の登場など『バチスタ』とはまた毛色がちがう。
『凱旋』のテーマは救急医療、贈賄、そしてドクターヘリと多く絡む。
速水先生は『バチスタ』の桐生先生とはまたちがうタイプでの“主役型”それが目を惹く。
『凱旋』は硬派なイメージある作品(笑)

田口先生がエシックス･コミュニティに向かう途中で思いを馳せる“男”は誰なんだろ
まだまだ桜宮サーガは読めていないからな(--;)

『凱旋』での藤原看護師によるナースネットワークはあらためて読むと凄さが伝わる。
女性は女性同士ということだろうかな。
『凱旋』では速水先生を巡っての花房看護師と如月翔子の恋愛関係ももうひとつテーマだったのを忘れてた(笑)

『凱旋』はエシックス･コミュニティやリスクマネジメント委員会の会議の場面が多いけどそれもまた魅力だろうね。
前半は医師といえども会議の前には書類作りに奔走しないというごく普通のサラリーマンと変わらない日常もあるというのもおもしろい
もちろん如何なる収賄や贈賄もいけないけど速水先生のエシックスコミュニティの壊し方もまさに破壊神(笑)
速水先生の前だとシステムや秩序は崩壊する。もちろん必ずしもすべてにおいていい意味ではないけど（苦笑）
『凱旋』は『伝説』あってこそ成り立つのもある。
反面、黒崎教授が“大人”であるという潔い態度なのもなんとなく理解する。
たがいに速水先生と相容れないからこそ理解もする。
『凱旋』は“男”という感じする作品

今朝、起きた時に一瞬緑内障かと思った
ただ単に寝ぼけてて目の焦点が合ってなかったみたいだけど、『バチスタ』の桐生先生があたまによぎってしまった。
歳だろうかね（苦笑い）

『ジェネラル･ルージュの凱旋』は書類作りや会議の場面が多いけど土壇場で覆る面白さがある。
黒崎教授と速水先生が互いに相容れないからこその面白さ。
堅くルールを守る黒崎教授、ルールを現場や患者の生命を救うために破る速水先生。
どちらもある意味において正しいんでしょうね。
医療現場の難しさもあり救急現場はほとんど収益がでない難しさもある。

贈賄、収賄は社会的にいけないけど親友田口先生が土壇場で速水先生を救う見事さ

如月翔子看護師にはいずれ速水先生より“いい男”が現れたのか(笑)

生･老･病･死にラストに触れられているのも『凱旋』は実に興味深い。
医療がただ怪我を治療したり生命を救うだけではない奥深さ

読むたびに考えさせられる。

おはようございます。

ドラマのバチスタシリーズも再放送されないでしょうかね
実はまともに見たのは『チーム･バチスタの栄光』と『螺鈿迷宮』くらいだけだから(>_<)

小説とドラマではかなり展開ちがいますけどそれがまた魅力になる

『ナイチンゲールの沈黙』の方が先だったのを忘れてて『ジェネラル･ルージュの凱旋』を先に読んでしまった。
読まれた方はご存じと思いますが『沈黙』と『凱旋』はクリスマス前後に起きる事件が同時間軸で進行してるんですよね
田口先生や白鳥さんは同じ時間の流れで一方は殺人事件、一方は収賄事件に大なり小なり関わってる。
特に田口先生は速水先生の収賄事件をおさめようとするなか殺人事件の謎も解いてゆき小児科愚痴外来もしてゆく(>_<)
多忙このうえない(笑)

桜宮サーガはひとつひとつ作品がほんとう丁寧に書かれている

医師が現場に直面してる場面はもとより『伝説』と『凱旋』を比べると通信機器の描写が明確にちがう
ちゃんと時代の流れを昭和から平成にかけて追ってるんだと実感させられる。
ポケベルからホットラインの直通電話に思いを馳せる速水先生の思いたるや……短い場面ひとつにも配慮されている。

まだまだ読めてない作品があるから桜宮サーガのパズルのピースは埋まらない

『伝説』もまた読んでおかないといかないな

『伝説』に収録されてる三編はどれもまた印象に残る。
若き日の速水先生の自惚れと挫折、田口先生とのふれあい(笑)救命医療の大事故の際の困難さ。昭和から平成になってゆくなかでの時代と人の流れ。
三船事務長は白鳥さんとくらべなければ優秀な官僚とおもうし現場と官僚の疎通の難しさもあるとおもう。
彼が『凱旋』の時には東城医大の内部事情を把握してなかったのもあるが、『伝説』の一編では彼からの視点で書かれてる
官僚の難しさもあると伝わる
そして速水先生からあとを託された佐藤先生と如月翔子看護師、取材を受ける救命スタッフたち。また取材をする側の小松ディレクターたち。
速水先生が残したものが如何に東城医大や桜宮市にとって大きいものか……。
テレビドラマには嘘はあるけど海堂尊先生は嘘を作品内では書かない。
医療のなかで助けられるもの助けられないものがある境界線
そして佐藤先生から今回はオンエアをしないでくださいと願い出たのをやむ無く受け入れる小松ディレクター。
『伝説』の三編もまたそれぞれ視点がちがう。

桜宮サーガを読むとたしかに“悪役”はいる。だけど彼らとて好き好んでの“悪役”ではないように思う。
東城医大や霞ヶ関にしても“必要悪”としても存在してる気はする。
たしかに己の既得権益や事情もあると思われるけど
『凱旋』での沼田先生たちはたしかに“悪役”だけどイコール医者として優秀ではないとは評価されてない。
それは『祝祭』での八神課長たちもおなじように思われる。
どちらにせよ“ロジックモンスター”白鳥さんが跡形もなく粉砕してゆくからすえおそろしい。
“悪役”の立場から煮え湯を飲まされるおもいもあるだろうけど彼らにだって理念や信念がないわけではない。
社会の難しさが見えてしまう

桜宮サーガはまだまだ謎が多い
過去、現在、未来と空白のピースがまだまだある。
個人的に共感したのは『ナイチンゲールの沈黙』の小児科病棟の看護師たちの献身的な姿と癌に犯され治そうとしてゆく子供たち。『極北クレイマー』は地域医療だからどこの地域地方でもあることだからあまりにリアルに身近に感じてしまうこと。
まだまだ読めてない作品もあるから海堂尊先生はどこまで書き続けるんだろうか

『ナイチンゲールの沈黙』を読むと小児科医療の難しさが伝わる。
作品内でも記されているけど官僚が作り上げたシステムだけが現場と解離してるんだろうな

加納警視正は本当優秀な官僚刑事と思う。現場をちゃんと隅から隅まで捜査してDMA（デジタル･ムービーアナリシス）を使いこなす
玉村刑事は地味ですけどポジション的には田口先生によく似てる(笑)

『沈黙』の事件の解決の一端を玉村刑事は担っている。

桜宮サーガは所々に他の作品への伏線を張ってる