土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
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ダイナミックのダイナだよ。ダイナマイトのダイナ……そして、大好きなダイナ
『ウルトラマンダイナ』最終回・第51話「最終章3 明日へ……」ミドリカワ・マイ
音叉の響きに導かれ、翔子は男の後を追う。小夜は一瞬、躊躇する。自分の中の負のベクトルが一瞬、光を放った。だが、小夜は一歩を踏み出してしまう。
結界が揺れた。すべては、小さな一歩から始まるものだ。
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』本文から
このまま突っ込む!ターミナルモード進入!全車両停車。
うわぁ〜、やりました!
激しくカイカン
これよりターミナルは特別モードに移行する。
『お下がりくださ〜い。ただいまハイパーレッシャターミナルは特別移行モードに参りま〜す!どんどんついちゃいます』
左右確認よし!
立った……
……だけなのか?
ああ……
『烈車戦隊トッキュウジャー』第35駅「奪われたターミナル」トッキュウジャー、車掌&チケットくん、ワゴンさん、総裁、モルグ公爵、ネロ男爵、ノア婦人
--患者への過度の感情移入は危険。共感は大切だけど、過度だと看護が壊れる。
猫田師長の言葉。その言葉を聞いた時は意味が全くわからなかったけれど、今ならよくわかる。
窓を開ける。真冬の朝の冷気が部屋に流れ込む。再び、猫田の言葉が甦る。
--迷った時は患者に還ること。医療の原点は患者にあるの。
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』本文より
猫田は不思議そうな顔で、答える。
「あら、みんなはもう忘れてしまったの?自分が子供だった頃のこと。子供は大人と同じくらい複雑な感情世界に生きている。愚痴どころか権謀術数、三角関係、足の引っ張りあい、何でもありだったでしょ」
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』本文、猫田麻里の台詞より
田口はアツシの大きな眼を見て、その眼が失われるという不条理に胸を痛める。
「ところで、アツシ君はどうしてアツシ君って名前なの?よければ教えて」
アツシはこっくりする。ててて、と机を回り、田口の側にやってくる。田口の耳許に両手を添えて、ひそひそ声で言う。
「誰にも言っちゃダメ、ってママに言われているけど教えてあげる。アツシって、ママがとっても好きだった人の名前なんだって。アツシって呼ぶと、ママは素敵な気持ちになれるんだって。内緒だから、誰にも言わないでね」
秘密の重さに途方に暮れた田口は、むやみに他人の生活に足を踏み入れるものではない、と自戒した。
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』本文 より 田口公平、アツシ少年
キミがデビルマンだったのか……。
ああ、だがオレは人間というものを知った。人間には愛がある涙がある。
それ以来、オレはデーモンハンターを名乗るようになったのさ。
デーモンハンター……。
それよりマジンガーZはいつ空を飛べるんだ?
映画『マジンガーZ対デビルマン』兜甲児、不動明 より
ため息のような由紀の言葉がこぼれ落ちる。
「この部屋は、私の窓なんです」
由紀はやがてくる未来図、医療の密室に幽閉される自分の姿を予見している。
長い沈黙の後、由紀はふっと笑う。
「こういう時に何も言わないでいてくれる人は、初めてです」
田口が言う。
「黙って立っているだけなら、案山子にだってできる、と言われたことはありますが」
由紀は一人の女性として田口の前に座る。それならせめて、華やかな女性が経験する輝かしい未来のひとかけらでも、ひとときに凝縮に感じさせてあげたい。この時間はきっと天の配列だ。
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』本文 田口公平、杉山由紀 より
田口は、紙片にメモ書きをする。
「私の携帯の番号です。独り身ですからニ十四時間いつでもかけていただいて構いません」
「ひとりで飲んでいて淋しくなった時でも、かけていいんですか」
田口は一瞬、ぎょっとして翔子を見つめる。それからゆっくり笑顔になる。
「おじさんをからかうものではない」
海堂尊『ジェネラルルージュの凱旋』第ニ部 戴冠 16章 旧友(オールド・フレンド)本文 田口公平、如月翔子 より
し、茂ぅ……
へっ、おやっさん。なに泣いてんだよ。
俺はまだやられたわけじゃねえよ……。
変身っ!ストロンガーっ……!!
天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ、悪を倒せと俺を……呼ぶ。
俺の名は、仮面ライダーストロンガー……!!
漫画『仮面ライダーSpirits』城茂、立花藤兵衛 より
「どうしてみんな、答えばかりを求めて急ぐんだろう。あわてなくて、すべては二、三日のうちに明らかになるのに……」
白鳥はくもり硝子から柔らかく差し込み陽射しをぼんやり見遺る。
「もうすぐクリスマス。その時にすべてはっきりします。主、イエスが真実に導きたまうでしょう」
藤原看護師が驚いたように尋ねる。
「白鳥先生って、クリスチャンだったんですか」
白鳥は笑う。
「いいえ、僕は無神論者でして」
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』第二部 ナイチンゲール・ラプソディ 28章 幼き容疑者 本文 白鳥圭輔 藤原真琴看護師 より
「いいか医学生、麻酔や麻薬に限らず、すべからく薬というものは使わないで済むなら使うな。薬とは役に立つ毒だ。毒であることには変わらない。よくおぼえておけ」
僕は巌雄の言葉に圧倒される。理屈はわかるが、一患者として心情的には全く納得できない。
海堂尊『螺鈿迷宮』九章 桃色眼鏡の水仙 本文 桜宮巌雄の台詞 より
「人は誰でもしらないうちに他人を傷つけている。存在するということは、誰かを傷つける、というのとと同じだ。だから、無意識の鈍感さよりは、意図された悪意の方がまだマシかもしれない。このことがわからないうちは、まだガキだ」
海堂尊『螺鈿迷宮』十章 屍体の森 桜宮巌雄の台詞 より
「おい、そこのできそこないの医学生、これが最後だから、耳をかっぽじいてよく聞けよ。死を学べ、死体の声に耳を澄ませ。ひとりひとりの患者の死に、きちんと向き合い続けてさえいれば、いつか必ず立派な医者になれる」
僕はうなずいた。この時僕は巌雄から、とてつもなく大きな何かを受け取った学べ巌雄は僕がそれを受け止めたのを見て、微かに笑う。
海堂尊『螺鈿迷宮』三十四章 か牛炎上 本文 桜宮巌雄 の台詞から
患者の創傷処置を終えると、昼食前だ。包交車を戻し、汚れガーゼを汚物入れに捨てる。要は看護師の代行だが、屈辱ではない。大学病院ではよくさせられていたものだ。こうしてみると大学病院にもいい点はある。
大学病院は医師の無用なプライドを、波が貝殻を砕くように砕き続ける組織だった。
海堂尊『極北クレイマー』七章 放縦の代償 本文より
後藤は小声で反論する。
「やっぱ結局、あんたも医者っていうブランドが好きなんだな」
並木看護師は言い返す。
「人の話をよく聞きなさい。あたしは、あたしを口説いたあんたがたまたま医者だったから、医者の例を言っただけ。別に医者じゃなくてもいい。左官でも、漁師でも、そんなのどうでもいい。あたしは極北の女だからね。あんたはそんなんで他人の人生背負えるの、と聞いたのよ」
後藤の返事はなかった。並木看護師はびしりと言い放つ。
「女を口説くなら、身ひとつで口説きなさい」
海堂尊『極北クレイマー』第十九章 黄金週間の宴 本文 より
「しかし、日本の土台は法律が……」
「つくづく物わかりの悪い人だなあ。たとえ国家は滅びても医療は必ず残る。医療とは人々の願いであり、社会に咲いた大輪の花札なんです」
穏やかな彦根の口調が、最後に一転、炎のように華やかに激する。
「医療という花に、欲にまみれた愚鈍な手で触るな」
海堂尊『イノセント・ゲリラの祝祭』第39章 イノセント・ゲリラの咆哮 本文 彦根新吾 より
「白鳥調査官は携帯が大嫌いなはずなのに、よく持たせることができたな」
「そうか、それでか……」
彦根は呟くと、俺に言う。
「終わった後で、まるで一刻も手放したいと言わんばかりに投げ返してきたから変だなとは思ってたんだけど、白鳥さんって実は携帯アレルギーなんだ」
さすが病理医、たった一言で、白鳥の症状を診断してしまう。彦根はくすりと笑う。
「実はもうひとつ妙なことがありまして。白鳥さんから携帯を返してもらってからというもの、携帯の『圏外』表示がなぜか『論外』になってしまうんです。」
俺と彦根は顔を見合わせて、黙り込む。次の瞬間、ふたりして大笑いした。
海堂尊『イノセント・ゲリラの祝祭』終章 海風の行方 本文 田口公平 彦根新吾 より
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