ブラック 2014-10-18 07:11:51 |
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付いて行った先にはやっぱり中庭があり、これから何をするのだろうと思いつつも笑顔を崩さずに蜻蛉様を見つめる。
そして、春の風が吹き付ける中、蜻蛉様は後ろを向いたまま、「双熾、私はお前が好きだ」と口を開いた。
表情はいつも分からないが、きっといつのも表情ではないんだろうという事ぐらいは、何となく想像することが出来た。
「はい。僕も蜻蛉様の事は凜々蝶様の婚約者として好んでおります」
笑顔を貼り付けながらそう述べると、蜻蛉様は違うと言いたげに、肩を揺らし、手を振った。
「中々のドS。しかし、私はそういう意味でお前が好きなのではない――双熾、どうやら私はお前に恋をしてしまったようだ」
驚いた。
あの蜻蛉様が凜々蝶様にではなく、自分に恋をしたというのだから、何ともいえない気持ちになった。
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