朱 2014-10-04 02:05:26 |
通報 |
優也が私の方をジッと見て、何やら考え事をしているようだ。
そして、カバンを席に置くと、私の方に近付いて来て話しかけて来た。
「ヒカリんちのおばさん、風邪でも引いたか?」
「・・・なんで?」
「お前んちのおばさん、毎朝玄関の掃除してるだろ?今日は見かけなかったし・・・。
それに、ヒカリも何だか元気なくね?」
普段は能天気で煩い奴だけど、人の事を良く見ていて、何も言わなくても、その人の気持ちを察し気を使う事が出来るやつだ。
こういう所は優也の長所だろう。
私は思わず本当のことを言ってしまった。
「・・・母さんが・・・家でしたんだ・・・」
微かに触れた優也の温かさに、ヒカリの目が霞む。
トピック検索 |