捨て猫→拾い猫[NL]

――…へった…おなか……ごはん、ん…？ごじょー…たかゆき、どこ？
(お昼を回った頃ぐきゅるると
空腹を訴える自らの音に目覚め身を起こすと覚めきらない目を擦りながら本能のままポツリポツリぼやき、ふと眠った時と違う室内に小首を傾げ見回し)


(/ おやすみなさいませ～

…
(雑誌を読み終わってしばらく経った頃、そろそろお昼時なので昼ごはんの準備をしていて

……ひとりぼっち、やだ…
(寂しさが押し寄せじわりと涙の膜が張り歪む視界のなか鼻をすすりながら部屋を後にすると先ずは玄関の靴を確認して)

うし、これでいいかな
(相手のことを考えてまた焼き魚を焼いて、そして簡単なスープとご飯を炊けば、昼ごはんの完成で「小咲ー？ご飯だよー」と台所で食卓を整えながら呼びかけるように言って

いた…！ごじょーたかゆきっ、ごじょー…！
(物音を聞き拾うと同時に漂う匂い、想い人の存在を確信すると喜色満面な笑みを浮かべ呼び掛けに重なって名を連呼しそこへ向かえば食卓前の相手の背へドンっと飛び付き)

うお！？
(食器を並べていれば後ろからドンと衝撃が走り後ろを向いてみれば案の定だ「あのなぁ、危ないだろ？」と半ば呆れながら言って「ほら、ご飯出来たぞ」と相手頭を撫でて

ごはーん…魚、すき。ごじょーたかゆきも…すき
(賑やかな机の上の品々に唾液が溢れるも離れていた間を埋めるよう回した手に力を込めぐりぐり頭を擦り寄せ座る気配なく)

はいはい
(相手が回した手に力を込めてぐりぐりと頭をすり寄せる相手が好きという言葉を発すると「子供の言うことだろう」と思い、軽く受け止めて、座る気配がない相手に相手のポジションはもう把握したのか先に椅子にすわり「ほら、座れって」と膝をポンポンと叩いて

いっぱい、たべるー…あーん？(定位置なる場所へ当たり前のように腰を下ろし背を凭れさせると嬉しそうに見上げ、いよいよ空腹も限界か焼き魚を指差し口を開け)

あぁ、一杯食べるんだぞ
(当たり前のように腰を下ろして背中を凭れさせる相手が嬉しそうに見上げてくると上記を述べ「そしておっきくなるんだぞ」と付け加えて、焼き魚に指を指して口を開ける相手に「はいはい」と苦笑して食べやすい大きさに切り分け、「ほら、あーん」と相手の口に運び

こさきが、おっきくなったら…うれしい？ん…あー…
(何気ない言葉を不思議に思い、切り身が近付くとジっと湯気が出ていないか温度に警戒しつつ恐る恐ると舌を伸ばし、食事は食べさせてもらうモノだと覚えパクンと食い付いては次を強請り)

うーん、そうだな、嬉しいな
(不思議そうに問いかけてくる相手に少し考える素振りを見せて上記を述べて、魚にパクンと食いついて次を強請ると「はいはい」と今度は白米を相手の口に運んで

じゃあ、これから、もっとたくさん…食べる。……ん、とれない
(相手が嬉しいならばと閉じかけた口を開き魚以外も食べ、使いこなせぬ箸を握ると自分の魚をぶっ刺し与えようと、しかし、貫通し穴が空くだけで何度も試す内にそれは見るも無残ボロボロな姿となり)

偉い偉い
(相手が口を開いてたくさん食べるというと微笑みながら上記を述べて、不意に相手が魚を箸でさしまくり無残な姿になった魚を見て「あーあー、何やってんだよ」と呆れ、「箸はこう持つんだ」と相手の手を取り教えてやって

こー…？
(教わるが無駄な指先に力が入っているのか持ち方が崩れコロコロと箸が転がり、そうこうしていては誘惑に逆らえず空いてる方の手で魚を摘み食い)

そうそう
(相手が箸を掴んで見せてくるがまだ慣れてないのか箸をポロっと落として、コロコロと転がり、片方の手で魚をつまみ食いすると「こら、行儀が悪いぞ」と軽く叱るようにして

ごめんなさい…？
(箸を落とした方がはたまた手掴みか、どちらか分からぬまま謝罪を口にしながらパクンッと無意識に切り身を口に運ぶことを止めず)

もう…
(謝罪を口にしながらご飯を食べすすめる相手を見ながら呆れていて、「ほら、あーん」と箸でご飯を掴んで相手の口に向けて

ん、おいしいねー？
(パクリと食い付きやはり相手から与えられる方が良く満足げに足を揺らしていたも「んーん、いらない」半分も食べた辺りで満腹になると口に向けられるご飯に首を横に振って)

よかった
(相手が満足気に脚を揺らすとどうやら自分が作ったものは気に入ってくれたらしく、相手が首を横に振ると「そうか、案外入らないんだな」と言うと今度は自分の分を食べていき