捨て猫→拾い猫[NL]

いやだからだめだって、ちょ…！
（人目の着くところではダメと伝えたいのだが、それでも懲りずに咥えたパンをこちらに向けてきて迫られると強引にパンを食べさせられて、渋々とパンに食いついていき

ほいひいねー？
(まぐまぐ頬張っていくも上手く食べるのが難しく、左右から食べていくのも原因か形が崩れパンから焼きそばが垂れてきて「あー、ぐたぐたなるの」と落ちた物を平気で口へ運び

あ、それ食べちゃダメ！
（相手が落ちた麺を口に運べばその手首を掴んで止めさせて、「それは汚いの」と言って、落ちた麺をパンの包紙に入れて残りのパンを食べれば「次は…CDショップにでも行くか」と立ち上がって

たかゆき…おこってる？
(猫のときは地べたに落ちた物を口にするのが普通だった為に大きな声音を出す相手に驚き、シュンと肩を落としたまま立とうとせず

怒ってないけど…
（自分としては大声を上げたつもりではなかったのだが肩をシュンと落として立ち上がらない相手を見れば「さ、早くいこ」と頭を撫でて機嫌をよくしてもらおうとしていて

ん、いくー。
(たったそれだけだが、相手に撫でられれば自然と笑みが浮かび上がりぎゅっと両手で相手の手を握り締め椅子から下り「たのしいねー？おみせたくさん。」と行き先も知らず次の場へ足を向けて

なんか行きたいところとかあるかー？
（CDショップまではかなり距離があって、少し道草を食うのもいいだろうと思いながら相手に問いかけて、ふと相手の髪が目につき「小咲の髪切りたいけど耳でばれるよなぁ」とため息をつくようにして

あっち、あっちいくー。まるいふわふわ、こさきもほしいー。(行き交う人の大半の子供が風船を手にしており、その流れを辿るように足を早めつつ聞こえた溜め息に相手を見上げ「かみー？たかゆき、きってきって」と禄にクシでとかしていないからか毛先は絡まり放題で

ん、風船か
（相手が指を刺せば子供が風船を手にしていて、周りを見渡せば近くの店員が風船を配っていて、そのもとへ行けば一つだけ貰い、相手に渡して「そうだな、切ってみようか」と自分が切る以外に方法はないので帰ったら切ってみようと言って

ふーせ……あっ！
(散髪より店員の持つ風船の数にキラキラと目を向け聞いていなければ、渡された風船の糸を掴み損ねスルリと宙へ浮き上がって遠のいていき「こさきの～たかゆき、とってとって！」と天井高くでふよふよと幾つか漂っていて

よっ…と…！
（相手が風船を取り損ねばそれに早く反応してジャンプすればなんとか捕まえて、「ほら、もう離すなよ」と相手に渡して、「ほら、行こう」と相手の手を引いて

ん、はなさない。たかゆきすごいねー？
(手元に戻ってきた風船をしっかりと手に、キラキラとした眼差しは相手に向けられ「どこいくー？おいしいとこ？」と先ほど言っていた場所など忘れて食い気ばかりで

そうでもないよ
(キラキラした眼差しがこちらに向けてくれば上記を述べて、すっかり食い気ばかりの相手に対して「違うよ、楽しいとこ」とあわよくば帽子の上からでも視聴出来るだろうと思っていて、すると突然人だかりができて巻き込まれれば「小咲!離すなよ!」とてをしっかり握って

（あげます

え、わっ…！た、たかゆき…っ！
(握っていた手が何らかの拍子で離れ慌てて手を伸ばすが人の波に流されてしまい、気付けばポツンと見知らぬ場所で「たかゆきー…？」とその場に佇み不安げに見回し


(/遅くなりました…!

うお…！
（どうやら食品売り場でタイムセールがあるらしく、その波に押されれば手に握る感覚がなくなり。やっと落ち着いたと思えばその場に相手はいなく「小咲ー」と呼ぶも返事がなく、どうやらかなり離れてしまったようで

（だいじょうぶですよー

いない…どこ、たかゆきー…。
(騒がしい周りの音に耳を済ませど、これだけ広く人が多い場所では匂いも様々で相手を感じることが出来ず段々と焦り始め、探しに向かい

どこだ...?
(自分と離れた相手は今ごろ不安がっているのではないか。なれない場所に一人という状況で相手は寂しがっているだろうと思い相手を探すために駆けずり回って。泣き声でも聞けたら吹っ飛んでいくのだが

ん…っ、ひっく…。たかゆき…たかゆきぃ…。
(心細く胸が締め付けられるも相手との約束を守って声を上げず、背格好の似た人を見つけては駆け寄りその度に別人であれば、いつしか先に帰ってしまったのではと考えにとらわれ外を目指し

小咲…!あ…ごめんね…
（相手と思わしき子供の手を掴んで振り返らせれば全くの別人で、先ほどのパン屋にでも戻っているのだろうかと思い、パン屋を目指してもおらず「チクショウ…！」と呟けばまた走り回って。すると相手に似た背格好の子を見つけ「小咲！」と手を掴んで