捨て猫→拾い猫[NL]

仕方がないな
（首を横に振る相手にやれやれと言わんばかりにため息をついて相手の片方の手袋を預かればこちらの手袋もとり相手の手を握って、小首を傾げてくる相手の言葉に少し悩めば「途中までだからな」と相手を抱き上げて

おかいも、おかいものっ
(渋々と妥協してくれた相手に気付くことなく、ぎゅうっとしがみついて相手の匂いや温もりに頬を擦り寄せすっかりご機嫌となって寒さも忘れて

はぁ…
（相手が頬をすり寄せながらすっかりご機嫌になっていると、このまま甘やかしてもいいのだろうかをため息をついて、この前のバス停につけば「ほら、降りろ」と相手をゆっくり降ろして

おかいも、だいがく？
(地に足が着けば周りを見渡し、やがてバスが到着すると相手の手を握り締めながら乗り込み不思議そうに目的地を尋ね

ちがうよ、デパートだよ
（相手が手を握り締めながら不思議そうに問いかけてくれば、苦笑しながら教えて空席を見つければそこに座り相手を隣りに座らせて「いっぱいいっぱい大きいとこだよ」と教えてあげて

でぱーと？おっき？だいがくよりー？
(足をぷらぷらと揺らしては相手の膝に両手を乗せて覗き込むも、ふと前回押したボタンが目に付くと手を伸ばして押そうとしていて

そうだなー、一緒くらいかな
（相手が膝に両手をのせてきて覗き込んで来れば考えるそぶりを見せて上記のように応えて、またボタンに手を伸ばす相手に「こら、まだダーメ」と相手の手にしっぺをして

うっ、ごめん…なぁ？
(ビクリと手を引くと痛みはなかったも叩かれた箇所をペロペロと舐め、怒らせてしまったかと顔色を伺っていればデパートへ近付くにつれ乗客がやや混み合ってきて

混んできたな…
（しばらくバスが走っていればバスがバス停に停まるごとに乗客が増えてきて、すると自分の前に老婆が立てば「どうぞ」と微笑みながら席を譲って、「お兄ちゃんとお出かけかい？いいお兄ちゃんだねぇ」と老婆が相手に微笑みながら話しかけて

たかゆきやさしいの。おっきいでぱーといく。
(立ち上がった相手を不思議に思う間もなく隣にお婆ちゃんが座ると自分のことのように嬉しくなり頬を緩め、そして相手の隣へ並ぶように席を離れれば腕へぎゅっと抱き付き

お、おいおい
（席を立ってこちらの隣に抱き付いてくるとその光景にお婆ちゃんは微笑んでいて、「おやおや、お嬢ちゃんはお兄ちゃんのことが好きなんだねぇ」と相手に言って

ん、いっぱいすき。
(空いた席には人が座ってしまうも、こくっと頷いてお婆ちゃんと話しており。そうこうしていると目的地は次へ迫って

あ、小咲、次で降りるよ
（電光掲示板に次の停車駅が表示されれば相手に言って、相手を脇から抱き上げてボタンの手の届くところにまで上げて

あ…、こさきがするの…。
(喜々としていたも押す前にブザー音が響けば他の乗客が先に押してしまったようで、シュンと相手へ振り返りバスも到着して

帰りもまたできるから
（相手がシュンとこちらに振り替えると、苦笑しながら上記を述べて、バスから降りればすぐそこにデパートが立っていて「ここがデパートだよ」と手をつなぎながら言えば「さぁ、小咲、大学での約束は何だった？」相手と同じ視線の高さになって問いかけて

おっきい～。
(大学とは違って高さのある建物を口を開けて見上げ「ん、はなれない。しずかする？おみみとしっぽ、かくす…？」きゅっと手を握り締めながら、もう片方で指折り上げて小首を傾げ

そう、合ってるよ
（相手が片方の手の指を折りながら約束を言っていくと褒めてあげて「偉いぞ、小咲」と頭を撫でて「じゃあ行こうか」と相手の手を引いてデパートの中に入っていき

ふふ。いいこ？
(ゆらゆらと手を揺らしながらひっそりと尋ね、休日だからか親子連れやカップルが目立ちつつ忙しなく視線をキョロキョロさせていると「あ…！ひらひら」と服のお店へ行こうとし

いい子いい子
（相手がひっそりと尋ねてくれば微笑みながら上記を述べて、服のある店に暴走して行こうとする相手の手を握って止めさせて、「そんな焦んなくても逃げないから」と苦笑しながら言って、店まで行くと「小咲はどれが欲しい？」と問いかけて

んと、これ、このひらひら～。(憧れのスカートに声を潜めるのも忘れて白いフレアスカートを指差せば隣の相手を見上げ