赤ずきんちゃん 2014-09-25 21:19:57 |
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そう、ですか…(祖母の言葉を聞きながら珍しいものだと拍子抜けした様子で。無茶ばかりする、という言葉に先程の口付け思い出せば悶々とした気持ちと羞恥込み上げ、それ振り払うかの様に一人で首振り。そんなこんなでリビングへ辿り着き椅子へ腰下ろしたところ、丁度相手がティーカップ運んできて。淹れてくれた物の香りに少しばかり和み、「これは何て飲み物だ?」とカップへ視線落としながら問い掛けて。)
これ?紅茶だけど…森のハーブをいろいろ合わせて淹れてあるから。
おばあちゃんのオリジナルよ?
(飲み物の名称を聞かれるも、数種類のハーブを祖母が独自に調合して作った特製の紅茶、名称は紅茶としか答えようがなかったものの、その表情は優しくて。その時ふと思い出したようにカップを置き、祖母に、「そうだ、湿布しなきゃ。もう薬草自体は煎じてあるから。」と別室へと誘うも、「ありがとう。でもいいよ、それくらい自分でできる…お客人の相手をして差し上げなさい。」と微笑みながら制止され、そのまま別室へと向かう祖母を心配そうに見送り。扉が閉まるところまで見届ければ、視線は相手に注がれ、)
…笑っちゃうでしょ?
おばあちゃんのことになると過保護になっちゃって…自分でも情けなくって。
へぇー…(カップへ視線落としたまま相手の説明頷きながら聞き、興味津々にそのカップ手に取って。カップの縁へ唇寄せ一口飲んではその香りと味わいが気に入り無意識のうちに表情緩め。そうこうしているうちに進む相手と祖母の会話を耳に受け止めつつカップの紅茶飲み干してしまい。心配そうな表情で閉まる扉見つめる相手へ視線向けたと同時に相手も此方へ視線向けたかと思えば、情けないと言葉紡いで。その言葉に緩く首捻っては「大切な存在が居ない俺にとっちゃ、ばあちゃんとの関係は何か羨ましいけどな。」と述べて。)
あら、彼女とか居ないの?
女の落とし方慣れてそうだったけどね、サムエル。
(自分に呆れ笑いを浮かべながら、目の前のカップを手に取りそれに口を付け。そんな自分を笑うではなく、羨ましいと話した相手の言葉に顔を上げ目を丸くし。女の落とし方、というのは先程の自分への言動のことであり、たとえ脅しや威嚇のための言動であったとしても、あの言動自体にはトキめいてしまう女も少なからず居るだろう、という意図を込めた言葉であり。)
どこをどう見てそう思ったんだよ?…つーか女を落とす落とさない以前に逃げられるって。(目の前で紅茶へ飲む相手の言葉に、分からないと言うように眉間に皺寄せながら呆れた様に応えて。そんな会話しているうちに自然と先程の事思い出しては微かに頬が熱持ち始め「…お前みたいに近付いて来る方が可笑しいっつーの。」とぶっきらぼうに述べつつ相手から視線外しそっぽ向いて。)
ふーん…、ねぇ?ひょっとして照れ屋さん?
(相手の言葉に、確かに、と頷きながらもう一口紅茶を飲み、かちゃり、と小さな音を響かせながらカップを一度机に置き。自分から視線が外されれば、上記の理由を想像し、視線が絡むよう体制を変え相手の顔を覗き込みながら、悪戯な笑顔で問い掛けて相手の反応を伺ってみて。)
は、はあ!?んな訳ねーだろ!(相手の言葉が図星というわけでもないが、今の自分に当てはまっている様な気がし慌てて強めに否定して。ふと視界に入る相手の悪戯な笑みに、思わず“可愛い”なんて思いながらも再度視線逸らし「それよりおかわり。」と飲み干してしまったカップ相手へ渡して。)
ふふ、はーい。
(慌てた様子の相手の反応に、的外れな訳でもないのだろうかと推測してはくすくす笑い。渡されたカップを受け取り、ティーポットから紅茶を注いで。立ち上がる湯気から香る香りに口元を緩めながら、彼もこの紅茶を気に入ってくれたようだと嬉しく感じて。その時ふと彼が照れている理由を深く考えてしまい、さほど気にしていなかったがそれが先程の自分の行動のせいなのかと勘繰ってしまえば途端に自分も恥ずかしくなり。頬をうっすら染めながら、ふるふると首を振ってその考えを払おうとしつつ相手にカップを手渡して。)
あ、さんきゅ。(相手に空のカップ渡しては、気恥しいのか腕を組み相手から視線外したままで。礼言いつつ注いでくれたカップ受け取っては一口飲み、小さな溜め息吐いて。狼な上にこの性格もあり今まで女の子と関わる事が無かった為、良く考えたら先程のキスが初めてであったこと思い出し。そう考えると、初めてを自分からでなく相手に取られた様に感じ、何故か悔しくなってきて。「お前、キスとかした事あんのか?」と遠慮もなく直球に聞いてみて。)
…っ、な、何よいきなり!
(カップを手渡した後も、その脳内では先程の自らの行動を思い出しては掻き消してを繰り返し悶々としており。その刹那に相手から直球の質問を投げ掛けられては、まるで考えがバレたかのように感じ、ドキリと心臓が跳ね上がり。珍しく冷静さを欠いて問い返しつつ、大きく息を吐きどうにか落ち着こうと試みながら「…無いわよ、さっきのが初めて」と下手に嘘をつくこともなく視線は自分のカップに落としたままで答え。)
へぇー…つーか慌てすぎだろ。もしかしてさっきのキス思い出してた?(自分の問い掛けで強気と冷静さを保っていた相手がその姿勢崩して。それが珍しく、愉しげな笑み浮かべつつからかう様に上記述べ。それと共に相手へ手伸ばしてはカップへ視線落としたままの相手の顎へ手添え、顔上げさせて。強制的に相手と視線合わせては「初めてを狼に、なんて馬鹿だなー。」と小馬鹿にした様に言葉紡いで。)
ちょっ…!
(顎を掴まれ強制的に顔を上げさせられれば、目の前にあるのは相手の顔、会話の内容もあいまって先程の行為を思い出してしまいほんのり頬は赤らんで。抵抗しようにも力の差は歴然なため、あとは…と考え「な、何よ?貴方だって初めてだったんでしょ?こんな小娘に奪われちゃって…」と憎まれ口で返すことしかできなかったが、結局その表情は羞恥に彩られいまいち説得力には欠けていて。)
ん、だから次は俺からしようかなって。(羞恥からか頬朱に染めるその表情に自身の悪戯心が擽られ。強気な姿勢で上記述べつつ眼細めては、口許へ弧描く様に口角吊り上げて。椅子から腰上げテーブル越しに相手の方へ身を乗り出しては、ゆっくりと相手へ顔寄せ唇触れ合う際まで近付けていき。)
へ?あ、ちょっ…
(自分にとって最後の切り札のような憎まれ口も逆手に取られてしまえば最早強がる手立てもなく。先程までの冷静で強気な女の姿はなく、身を乗り出し近付いてくる相手の顔に更に頬の赤みは増しておどおどし。だが不思議と恥ずかしいだけで嫌ではなく、そこまで抵抗はすることなく、ただ戸惑ったように瞳を忙しく泳がせて。)
…ソフィ。(此方の態度にたじろいだ様に瞳さ迷わせ、其の頬赤らめながらも抵抗示さない相手。そんな相手の姿に胸の高鳴り感じつつ、顔近付けたまま囁く様に呼び掛けて。その間数秒、ふと吐息吐いたと同時に頬綻ばせ笑み零せば「…なーんてな。狼に気許したら喰われるぞ、馬鹿。」とからかう様に述べつつ軽く額小突いて。)
っ…、な、何よ…狼のくせに生意気。
(初めて名を呼ばれ、その上囁くようなその声にどきりと心臓は高鳴り。相変わらずの真っ赤な顔でその高鳴りにさえ戸惑っていれば、結局からかわれただけだと気付かされて。小突かれた額を手で押さえながら、斜め下を向いて悪態つくも、内心はやはり先程の己の心臓の高鳴りが気にかかって仕方なく。まさか私…サムエルのこと…、その考えを隠すように赤ずきんを被り直して裾を引っ張りながら「油断してたら、狼だって人間に食べられちゃうんだから」と負け惜しみを付け加えて。)
狼の癖にってどういう事だよ。(からかわれた事に対し悪態吐く相手だが、その頬は赤く染まったままで。先程までの強気な姿勢も感じられず、照れ隠しの様な仕草眺めては笑み浮かべつつ言葉紡いで。相手から離れ再び椅子へと腰下ろしては、人肌ほどの温度になった紅茶を喉へ流し込み「狼料理かー。それ不味そうだな。」と悔しそうな相手に構わず笑いながら冗談述べて。)
…そうね、そんなの作ったら即生ゴミ行き決定ね。
(余裕たっぷりに笑う相手を見ているうち、己が負けている気がして悔しくなり。こんな奴好き、なんてありえないわ、と心の中で自身に言い聞かせるうちどうにか落ち着き始めて、相手同様椅子に座り直し、カップを手にしながら、負け惜しみの意味も含まれているのか赤ずきんの下で意地悪く口角を上げながら返事して。)
生ゴミって酷い言われようだなぁ。(大袈裟に溜息吐いては、強気な態度持ち直してきた相手を挑発するよう、わざとらしく落ち込んだように言ってみて。それも束の間、相手へ視線向けては先程の笑み取り戻し「つーか、家でもそれ被んの?」と深く被っている赤いずきん指差して。)
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