胡蝶 2014-09-12 22:42:07 |
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朝の少し冷たい風が、頬を撫でる。夏はもう過ぎ去ったのだろうか。ついこの間まで、天気予報ではまだまだ暑い日は続く…というようなことを言っていたが。「天気予報もアテになんないねー…」軽く身震いをして、そう呟く。規定のブラウスの上に来たキャメル色のセーターの袖を引っ張り、「これが俗に言う萌え袖だね…!」などと呟いていると「…何やってんのアンタ。」目の前のドアが開いた。出てきたのは、怪訝な表情をした幼馴染み--片瀬 イツキ。「あ、いっちゃんおはよー。いや、巷で噂の萌え袖とやらをあたしも試してみたくなって。」「萌え袖、ねぇ…」大して興味はないのだろう、ローファーを履きながら、端正な顔を崩さずに彼女は言う。「あれ、今日1時間目って何だったっけ?」「さぁ…」取り留めもない会話をしながら歩き出す。(ドラマとか漫画だったら、こういう時に隣歩くのはイケメン幼馴染みくんなんだよねー。)幼馴染みに歩幅を合わせながら、“ドラマとか漫画”と現実とのギャップについて考える。
何気ない、日常の朝--のハズだった。
((拙くてすみません…!
とりあえず、こんなモンかな。沢山の方からご参加いただけたら嬉しいです!
それではレス解禁!!
参加したいなーと思ったけど、時間の不足+主さんの文章が上手で気後れしてしまい…(苦笑)
テーマやジャンルなんかも決まってなくて、自由な感じなんでしょうか?
((>3様
遅れました、申し訳ありません…!参加していただけるだけで嬉しいです!←
はい、説明にもあるようにここのルールと最低限のチャットマナーを守れていれば後は“何でもアリ”です(笑)テーマもジャンルも自由ですし、文章量の規定なども特にはありません。
無理はなさらず、お時間のある時に暇つぶし程度にどうぞ!(笑)
私もまだまだ雛ですので…それでもお褒めの言葉、有難うございます。
…誤字等は雰囲気で読み取ってくださいませ(笑)←
渡り廊下を過ぎて、西棟に入る。そのまま真っ直ぐ歩き、突き当たりを右に曲がると、そこにあたしたちの教室―1年A組がある。
((支援も兼ねてw あまりに短く、無難な感じの文章ですが、ちょっと書かせて貰いました。他にも参加者が現れると良いですねぇ(´∇`*)))
ドアを開ければ真っ先に「片瀬さん、おはよー。」「はよ、イツキちゃん。」ヘラヘラと緩い笑みを浮かべながら、男子生徒達がイツキに挨拶して。栞は視界に入っていないのか--身長が低い故仕方ないのかもしれない--全く話しかけてこない。(萌え袖も大した効果ないなぁ…)どこか不満そうな表情になり。「1時間目さぁ、数学だよね。宿題やってきた?」頷くだけの素っ気ない反応を返すイツキ。どんなに無愛想な対応をしても“クールビューティー”と認識されるのだから美人は得である。
イツキは男子生徒を振り払い、栞は“萌え袖”を直して各々の席に着く。--その時、栞は“異変”に気がついた。
((>5様
支援有難うございます!!
いえ、上でも申し上げた通り、参加していただけるだけで嬉しいです!
((因みに>1の“あたし”=“栞”です(笑)
「…?」
あたしは席に着いたまま、自分の腕とその下の机の表面を交互に見つめた。
「影が…ない?」
小さな声で呟いた瞬間、さっきまでの室内の喧騒を遮って悲鳴が響いた。続いて男子の誰かが叫ぶ。
「上!上だ!!」
思わず天井を見上げると、そこには一つ目で大きな口をした真っ黒な怪物が張り付いていた。
「ハァァーー」
怪物は軽く息を吐くと、次は一気にあたりの空気を吸い込む。
「フシュゥー」
すると教室中の影という影が黒い霧となって浮かびあがり、怪物の口に吸い込まれていった。
(影を食べる妖怪なんだ…!)
(テーマもジャンルも自由ってことで思いっきり突飛な展開にしてみました。空気読めてなかったらさーせん← ダメだったら無視してー)
良いだけ影を食べた怪物は満足したのか、不気味に素早く動いて、壁を伝って廊下へと逃げ出した。1-Aの生徒たちは変に明るい教室に残された。
「うわぁああぁぁあっ!!」「助けて…っっ、誰かあっ!!」男女の悲鳴が入り混じる。どれが誰の声だか分からない--高い声も低い声も、全てが土砂のように鼓膜を通りすぎる。頭が…痛い。瞬く間に教室は地獄絵図と化した。
逃 げ ろ
脳が命令を出す。恐怖心からか動かない体--背中を冷たい汗が伝う。その時、ふいに後ろから腕を掴まれた。
「パニックになったら怪我する。」「--いっちゃん…」
----
「♪」機嫌が良いのか鼻歌を歌い、口角を上げフワフワと浮遊しつつ1年A組の教室を見つめる少年が1人窓の外にいたことには、誰も気づかなかった。
((>7様
こういった展開は割と好きなので(笑)、大歓迎ですよ、有難うございます!
もう本当に何でもアリなんで!←
怪物が消えたあとも栞はイツキに腕を掴まれたまま尚も硬直していた。足は震えがくがくしており、イツキに手を離されたらへたりこんでしまいそうであった。
(何だったんだ今のは…)混乱する頭でそう思ったとき、廊下から物音が聞こえた。続いて怪物の声と思わしき絶叫。
それに驚いて、騒然としていた教室が静まり返った。何人かの女子のすすり泣く声だけが聞こえる。
イツキは冷静な眼差しであたりを伺っているようだった。
廊下から強い風が吹き抜けるような音がし、真っ黒な霧が大量に教室に吹き込んできた。栞は思わず目を閉じて悲鳴をあげた。他の生徒の声と混じり、耳が痛くなる。
「やれやれ、この程度の魔物相手に馬鹿馬鹿しい」
目をあけると教室の入口あたりに1人の男子…宇田 亮一が立っており、教室内には影が戻っていた。どうやら、さっきの怪物は宇田が退治してくれたようだった。
窓の外では、1人の少年がその様子を見て、つまらそうな顔をし、何か一言呟いたあと(多分、何だつまらないとかそんな台詞)何処かへと飛び去っていった。しかし、それはこの時点では誰も知らないことだった。
(助かったんだ…)安堵感がゆっくりと沸いてくる。だが、その次の瞬間
「ん、良かっ…」言いかけたイツキの声。腕から手が離れる感触。
「いっちゃん?…!?」
イツキが倒れた。
そこで気付いた。あたりのものには全て影が戻っているのに…イツキにだけ…
影がないままだった。
倒れたイツキを揺さぶるが、彼女は苦しそうに不規則な呼吸をするばかり。白い肌に、漆黒の長い睫は影を落とさないままだ。「ねぇ、皆っ…」辺りを見回すも、どの生徒も影が戻ってきたことへの安心感か此方には目もくれない。--ただ1人、宇田 亮一を除いて。「宇田くん…?」宇田の存在に気づき、怯えたように見上げては彼の制服の袖を震える手で掴み。「いっちゃんが…」恐怖で頭が回らないのか、それだけ言う。宇田は静かにイツキの側にひざまずいた。
宇田は事もなげに言った。
「そんなに怯えるほどのことじゃないって。ちょっと安静にしてたら、すぐ起きるよ」
ようやく周りの皆もこちらの異変に気付いたらしく、無数の視線や「え、片瀬さん…?」というような声が聞こえる。
「おい、皆大丈夫か!?」
少し慌てた様子で担任も含め、何人かの教師が教室に入ってきた。
(面白そうだから短いけど参加させてもらたw)
「起きる…?え?影は…?」栞が片言の言葉で問うと、宇田は答えた。
「それは別に何とかしないと戻らないけど(笑)」
その後、イツキはやってきた教師たちによって保健室へと運ばれていった。精神的に動揺を受けた者は多かったが、彼女以外に体調不良等になった者はいなかったため、午前中の授業は通常通りに行われた。
―最近、魔物が人間たちの生活圏に出没するようになった。
そういう話は聞いていたが、まさか自分が、しかも学校で遭遇することになるとは思っていなかった。
****
その昔 ―科学が最も栄華を極めた時代では― 、怪物や魔物というものは、さらにその昔々の人々の「空想の産物」だと考えられていたらしい。
しかし、発達し過ぎた科学から、強力過ぎる兵器が生まれ、それによって科学文明そのものを目茶苦茶にしてしまう大戦が起こった。すると、人々の暮らしは一気に原始的なものへと成り下がり、それまで科学の光によって、闇の中へ、闇の中へと追いやられていただけであった怪物や魔物たちが、再び人前に姿を現すようになったのだ。
栞のお祖父さんが生まれた頃には、まだ世界中に大戦の傷痕が生々しく残っていて、人々の暮らしも不便なものだったそうである。おまけに人と魔物の生活領域が重なっていたため、人が魔物に襲われることも多かったらしい。
だが、栞のお父さんが生まれる頃になると、人々は僅かに残った科学技術と、新しく発展させた魔科学を利用して復興を遂げており、栞が生まれる頃に至っては、既に魔物たちとは生活領域を異にした、人間たちの美しい文明社会が出来上がっていた。
そのため、栞が本物の魔物を見たのは今回が初めてであった。
(受け入れて貰って良かったw調子こいて背景めいたものを考えてみたり…他の人が書きやすくなるような文を書きたいな)
(嘘みたい…だってあたし、ついさっきまで“普通”の女子高生だったのに。)栞の中の“普通”が、音を立てて崩れていくようだった。上の空で受けた午前の授業が終了しては、挨拶もそこそこに教室から飛び出し、イツキの元へ向かい。
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「あーあ、つまんないなぁ。」まだ変声期を迎えていないのであろう澄んだ声で、片頬を膨らませながら不満げに少年は呟く。「…!」…が、次の瞬間目を丸くしては悪戯を思いついた子供のように笑い。その突然の思いつきにより彼の機嫌は直ったのか、また鼻歌を歌い出し。
((>13様
文章量に規定はありませんので!ご参加有難うございます。
>15様
いえ、有り難いです(笑)私もまだまだですので、お互い頑張りましょう!
((最初は少年が助けに来たのかと思ったんだが、、今はむしろ黒幕っぽいねww皆、どんな展開を想定して書いてるんだろ??))
((感想のみで迷惑だったらごめんなさい;;))
((>17様
各々の書きたいように書いていただいていますので、何とも言えませんが…これからの動きが楽しみですw
私もとりあえず感想(?)のみ…
保健室に入ると、中ではイツキと保健医が談笑していた。
「いっちゃん…!」
あたしが言うと、イツキはベッドに座ったまま、視線をこちらに寄越した。
「あー、栞。大丈夫だった?」
大丈夫だった? じゃない!心配されるべきはアンタの方だろう。たまらず、あたしが駆け寄って「具合はもう良いの!?だって先はあんなに苦しそうで…!後遺症とかはさあ…!?」腕を取ったり、何だりしながら言うと、イツキは明らかに鬱陶しそうな顔をした。
「あー、私は大丈夫だよ。がくがくしてたアンタの方が心配」そう言って、掴んだ腕を振り払った。
「なら、良いんだけど…」そう言って、気付いた。ベッドに落ちているはずのもの…やっぱり影が戻っていない。
話に入る隙を見失い、様子を見ていた保健医が口を開いた。
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