カタブツは金持ちお坊ちゃまの言いなり　ml

寝ているところ悪いんだが、私は会社に行くから最低限のことだけでも教えようと思ってね。…君はこれから外出するかは分からないが、鍵を一つ渡しておくことにする。あと、一応…私の連絡先も。リビングのテーブルに置いておくから、無くさないように。(やはりまだ眠気には勝てず、突然声を掛けたこともあって眠たそうに目を擦り此方を見る彼に、屈んで視線を合わせて話始める。鍵は必要に応じてだが、三つあるうちの一つを彼に持たせ、自由に部屋を出入り出来る権利を与えた。社会人か学生かは分からないが、年相応だったら日中は外に出るはずだろうと考えたから。それに連絡先が一通り書かれた名刺を加えて直ぐに連絡を取れるようにした。頭に入っているのかは別だが、言い分だけ告げると「眠いのならまだ寝てなさい。私はもう少ししたら出る。」と腕時計に視線を落とし時計の針を気にして。)

う…もう出てっちゃうの？うん、今日、大学も…行かな…。(意識は朧げながらも此方を気遣い目線を合わせてくれる行為にじわりと嬉しさを感じる中、手のひらに載せられた鍵をまるで幼児のように無意識に握り、時計盤は見えないが眉を顰めて腕時計を見遣る。しかしそうしている内に牽制していたはずの睡魔が働き始め、口の中でもごもごと上記を発すると力尽きたかの如く瞼を下ろし、それ以上は何も言えなくなって。)

(/二日間来れずに申し訳ありませんでした。遅くなりましたがお返ししておきますね。)

嗚呼、また夜に話そう。学校か？遅れないように。(視界は朧気で渡した鍵を握る手を見れば、思わず笑みがこぼれてしまい、学校があるらしく口走った言葉を聞けば諭すように出来るだけ穏やかな口調で告げる。名刺を彼の枕元に置いて部屋を後にすると朝食を食べ、出勤して。)


(/大丈夫ですよー！此方は出勤してしまいましたが、シチュ的にどういう方向にしたいか願望ありますか？)

(/久巳さんが帰って来るのはこの日も前日と同じ夜遅くでしょうか？一応私の想像としてはそうと見込んだお坊ちゃまが2限だけ済ませてお昼を食べた後、夕飯としてお菓子を大量に買い込んだ上そのゴミを散らかして怒られる…というのが浮かびました。)

(/連投すみません！お気遣いに対してお礼を申し上げるのを忘れてしまいました。寛大なお言葉大変嬉しいですが、これからは一日一レス出来るよう頑張りますね。これにお返事は要りません。スペース消費申し訳ありませんでした。)

(/シチュの件はこちらも賛成です！いつもアイデアをくださり、ありがとうごさいます！此方から切り替えさせてもらいますね！　治人くんの背後さんは寛大な方でとても遣りやすいので、ちっとやそっとじゃキャラリセを急がないのでゆっくり返して貰っても大丈夫ですよ。)





……あ、そうか。そういえば居るんだったな。(また今日も終電前だが帰りが遅くなってしまい、自宅へとたどり着くとドアを開け、リビングに明かりが灯っているのを目にして、昨日から自分と同居することになった彼のことを思い出す。昼間、休憩中に管理人の叔父へと問い合わせ詳細を聞いた上で渋々了承してしまった手前きちんと話し合ってお互い生活し易いようにと意気込み、リビングへと続くドアを開けて。)

…あー、おかえりー。今日もまた遅かったねー。(個包装のお菓子の包みや食べ終わったプリンの器などが散乱するリビング、ソファーの上でポテトチップスとしては三袋目の期間限定“博多めんたいこ味”を食べながら深夜ノリのバラエティー番組を見ている中、帰って来た相手に視線を寄越さないまま心ここに在らずな挨拶をした後塩味のついた指先をぺろりと舐めて。)



(/此方こそありがとうございます、凄く嬉しいです！私も主様とのやり取りがとても楽しいので、これから先も長くお付き合い出来たらと思っています。)

なっ…、これは何だ…。(リビングの扉を開けて真っ先に飛び込んできたものはテーブル上に広がる食べ物の包装紙や容器といったゴミ。肝心な彼はソファーで寛ぎながらテレビを見て、此方にも視線を向けずにお菓子を食べていた。衝撃的な光景が広がり疑問しか生まれず、口走ったのはやはり疑問系の言葉。「……言っておくが此処は私の家だ。テレビを見るな、お菓子を食べるなとは言わない。だが、共同スペースは汚すな。君が好き勝手に振る舞うのなら私は一切干渉しないし、昨日のように夜な夜な尋ねられても構わないからな。」先程まで考えていたお互い過ごしやすく…という考えは吹き飛んだ。今日も出来るだけ早く帰宅をしようと切り上げてきた苦労も、気遣いも無駄だという事が分かれば注意を促し口調は荒く、眉間に皺を寄せ一刻も早く背を向け寝室へと向かい。)

…ふーん。あっそ。(謝りもせずまた空になったポテトチップスの袋を苛立ちをぶつけるかのようにぐしゃぐしゃと丸め、ゴミ箱に向かって放り投げる。案の定見当違いの方向に放物線を描いて落下したそれを興味なさ気に見遣ればソファーの肘掛けに凭れて。昨日から此処に住まう事になったのは確かだが家主は彼であり、自分は居候の身。一人暮らしの頃は今日のように好き勝手散らかし放題で住んでいたものの、他人と関わる事になれば自分の背負った“蓬田”の苗字は重い。せめて彼がリビングに戻って来ないうちに片付けておこうと緩慢な動作で立ち上がり、ゴミ箱を抱えて辺りのゴミを中に収めてゆき。そう時間は掛からず作業を終えた後、耳を澄ませて彼が戻って来る気配がないか確認するとテレビを消し、足早に与えられた寝室へと戻って行って。)

…まったく、あの子はどういうつもりなんだ。(自室に着くと溜息を吐きながら鞄をベッドに投げかけて先程の光景を思い浮かべて独り言を呟く。少し身勝手に言い過ぎてしまったかもしれないとも思うが、潔癖も混じる自分にとっては異空間で気分が悪かったのは確かだった。服装を適度に崩し、ベッドに身体を預け横になり天井を仰ぐと昨日今日の気疲れと残業続きで疲労がたまっていたのもあり、眼鏡も外さず寝息を立ててしまい。)



(/部屋に籠もってしまったので、暫くうたた寝をした後にトイレなり風呂なり行く途中に治人くんに出くわした方がいいのか、また用件を抱えて尋ねて来てくれるのか考えてみましたが、どちらがいいでしょうかね？)

(/部屋に戻っても特にする事がないので、家主が寝ている隙にシャワーを借りさせようかなと考えています。久巳さんの寝ている間に済ませてお風呂上りに廊下で会っちゃうのはどうでしょうか？一応下にそのシーンに続くロルを回しておきますが、いまいちでしたら主様のご意向に沿うので仰って下さいね。)



(自室の扉を開き後ろ手に閉めると、ベッドサイドに置かれた携帯を手に取り寝転がる。眉根を顰めた表情のまま暫くメールチェックやネットに勤しんでいたがどうしても落ち着かず、いっそ寝てしまおうとシャワーを浴びる準備を始め。昨日はそのまま寝落ちし朝に済ませたが、やはり汚れを落として就寝するのが望ましい。足元に広げられた鞄からタオルや着替えを取り出しそれらを抱えて浴室へと向かって。)
…何の匂いだろ、コレ。(ひと風呂浴びた後、ドライヤーで乾かしたものの微妙に水気の残った髪を触りながら廊下に出る。一応他人の家に居候するにあたりトラベルサイズのシャンプーやボディーソープ等用意していたのだが、あの真面目そうな彼がどんなボディーケア用品を使っているのか興味を持ち今日は黙って借りてしまった。肩から掛けたタオルを片手で握りつつ足を止めれば壁に寄り掛かり、くるくると毛先を捩って。)

──ん、…眠ってしまったのか。風呂も入ってないし、着替えすら…。(ふと、危機感に襲われ判を押したように目を覚ますと、蛍光灯の光が眩しいのと眼鏡が掛かったまま寝てしまったので半転し、眼鏡を取る。疲労がたまってしまったのか小一時間程度うたた寝をしてしまったらしく、スーツのままでベッドに横になってしまっていた。明日は休日だが、午前中だけ出社しようと考えていたため俊敏に身体を起こすと着替えを持ち、取り敢えず脱衣所へと急ぐ。勢い余ってドアを開けるとそこには帰宅早々怒鳴り散らした彼が濡れた髪の毛にタオルを掛けた姿で対面し「なっ、使っていたのか。…急に開けて悪かった。」とドアノブに手を掛けつつ後退してゆき。)



(/またアイデアを頂いてしまって…ありがとうごさいます。廊下で会うどころか洗面所突っ込んで行きましたので、今度は治人くんにああだこうだ言われそうですが宜しくしてやってくださいw)

ん、ああ。お先ー。(扉の開いた音と相手の声を耳にし振り返ると、着替えは終えていた為そこまで焦った様子は見せず間の抜けた返事をし、また鏡に向き直ってわしゃわしゃとタオルで髪を乾かす。しかしすぐさま手を止め、僅かに下唇を噛みつつ先刻の事を謝ろうかと思案するが、結局何となく言い出せずに呑み込み鏡越しに相手を見ながら「もう服着てるからいいよ。入れば？」と呼びかけた後、家主の許可なくドライヤーに手を伸ばしコンセントにそのプラグを差そうとして。)



(/いえいえ。むしろ主様のご意見を蔑ろにしてしまいすみません。廊下で会うよりドキドキしますね！此方こそ素敵なアレンジして頂いてありがとうございます。まだ自分が髪を乾かす前なのにお風呂に入っちゃうよう勧めるあたり完全に下心です…。)

…なら、遠慮無く。(どちらかというと彼が家主のようなこの状況に戸惑いつつも髪の毛を乾かす彼を背後から視線を向けると鏡越しに目が合い、無意識に目を逸らす。取り敢えずYシャツだけでも脱ごうとボタンを外せば決して広いとは言えない脱衣所に男二人で居ると圧迫感を感じてしまう。何せ普段１人で開放的に生活している分不慣れでどうしても違和感が生まれる。シャツの前を開けた状態で何を思いとどまったのか「やはり、君が髪の毛を乾かしてから来るから。終わったら教えてくれ。」とドライヤーの騒音で大概聞こえないだろうと思い、出来るだけ大きい声で耳元に向かって伝えて。)



(/私は全く気にしておりませんのでどうぞ展開していってください。要望も聞きますよ！)

わっ…――え、そうなの？俺別に気にしないよ。(鏡と向き合い熱心にドライヤーを当てているふりをしながら出来るだけ気付かれないように相手を観察していたが、一点をあまりにも注視し過ぎたせいで移動に追い付かず予期せぬ声を漏らしてしまい。しかし逆に自然で良かったかもしれないと打算的な考えを脳裏に描く傍ら一旦ドライヤーの電源を切ると、半乾きの髪を整えつつ急ごしらえのきょとんとした顔で相手を見つめ返し。それから微妙に論点からはずれたフォローをした後「男同士でしょ？」とダメ押しの一言と共に笑みを浮かべて小首傾げてみせ。)



(/お気遣い感謝です！では今後の展開について一つご意見させて下さい。このまま髪を乾かし終えた治人が脱衣所を後にしたのち、ここで顔を合わせ先程の言い争いに全く関係ない話をしたおかげで頭が冷えて、謝ろうと決意してリビングでお風呂上りの久巳さんを待つ…という感じにしたいのですが如何でしょうか？勿論これも主様のイメージと違えば取り下げますので！)

いや、君が気にしなくても私は気にするんだ。二人だと窮屈だし。(ドライヤーの電源を落とし彼は平然と答える。それがまた自分の何かを掻き立たせるのか大人気もなく反論すると唇に力を込めて紡ぎ、眉間に皺を寄せ。“男同士でしょ？”と当然の事を言われれば自分の頭の中で思考が巡る。それとこれとは関係性がないと答えを導くも上手く言えずに「…男同士だが。というか、髪の毛のほうはもう乾いてるだろ。」と強引に彼の髪の毛に触れると、今度は背後から両肩に手を乗せ彼をドアへと押しやりまるで出て行けと言わんばかりに。)




(/おおお、上手く出来るかは分かりませんがやってみたいと思います。強引に治人くんを追い出そうとしていますがご容赦ください。)

んむ、――ちょ、ちょっと…！ったく、コンセント抜けちゃったら危ないでしょ。(不意に髪へと手を伸ばされ笑顔から一転、思わず唇を噛んで小さく唸り声のようなものを漏らすと、その間に背中を押されて慌てて近場にドライヤーを置き扉を開き。不服そうに相手を見遣るも抗う程ではなく、自分としてはまだセットを終えていない髪を撫でつけながら頬を膨らませて。)



(/此方も上手く動かせるかは自信がありませんので、お互い気楽に参りましょう！それではお坊ちゃまもむくれながらそろそろリビング待機に移行させます。)

……はあ。(彼が脱衣所を後にし、溜息を一つこぼすと胸元に手をあて平然を保ちつつ脱衣し浴室へと向かい。───数10分後、火照った身体に薄手の長袖パジャマに身を包み、水分補給をしにキッチンへと向かう。先ほど出くわしてしまった彼はとうに部屋に居るだろうと、髪の毛は半分濡れたままで首にタオルを掛け、手には眼鏡を持ち、リビングに続く廊下をスリッパを引きずる音を立てて。)




(/お返事遅れてしまってすみません！此方も風呂上がりまですっ飛ばさせて頂きました。)

――…あ。上がった。(フェイスタオルを頭から被り、ソファーに体を横たえながら携帯を片手に相手を待っていると、廊下から足音が響いて来るのを耳にし徐に瞼を開ける。最初こそ適当にネットで暇を潰していたものの、下がり始めた体温のせいで段々と眠くなってしまい結局は携帯を持ったままうとうとしているだけとなっていた。現状を自分に言い聞かせるようにぽつりと上記を呟けばブラウザを閉じて、身を起こした状態で相手が入って来る時に備え。)


(/大丈夫ですよー！お返事下さって有難うございます。)

──…ああっ、まだ部屋に戻っていなかったのか。(リビングのドアから明かりが漏れている時点で気が付かなかったため勢いよく開けたドアの向こうに彼がソファーに座っているのを見るとうっかり声をあげてしまい口元に手を添える。パジャマ姿に半乾きの髪の毛という、初めて晒したラフ過ぎる姿に恥ずかしさを感じるも、キッチンのカウンター脇にある冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと蓋を開けて口付け横目で彼を見て観察し。)



(/こちらこそありがとうございまーす。)