紅雀 2014-08-18 23:01:30 |
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天帝の娘、織女は仕事熱心の頑張り屋でとてもとても美しい娘でした。
織女の仕事は機を織るのが仕事。
彼女は、毎日毎日休む間もなく、機を織り続けていました。
そんな織女を心配した天帝は、こう言いました。
「織女よ。ずっと機を織り続けるのは苦痛だろう。羽休みに少しばかり天の川まで散歩して見てはどうだ?」
「ですが、父様。私の作る生地を待つ人々が大勢います。私は少しでも早く皆様に私の作った生地を渡したいのです」
織女の織る生地はきめ細かく光に当たれば淡い紅色に輝くそれはそれは美しい生地であった。
そんな織女の織った生地を欲しがる者は多く、頑張り屋の彼女は夜な夜な織っていたのだった。
天帝は織女の性格を理解していたので、これ以上言っては無駄だろうと諦めました。
ですが、このまま休まず織り続ければ彼女はいずれ倒れてしまうだろう。
そう思った天帝は言いました。
「うむ。では私の代わりにある客人に会ってきてもらいたい」
「客人…ですか?」
織女は小首を傾げ、大きい瞳で天帝をみた。
「うむ。牽牛(ヒコボシ)という少年が天の川におる。彼を此処まで案内してくれないだろうか?私が行きたい所だが、腰を痛めてしまってな」
天帝は腰をトントンと叩く。
「そういう事でしたら私にお任せ下さい」
心優しき織女は、機を織るのを止め、出掛ける準備を始めた。
「有り難う。織女よ。気をつけていくんだぞ」
「はい、父様。行って参ります」
こうして、織女は牽牛の待つ天の川へと向かったのだった。
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