【side翔太】
「〇〇高校から転校してきた風見翔太・・・以上です」
無愛想な奴――
恐らくそれがクラスの俺に対する第一印象だろう
俺は昔から親の仕事関係で色んな学校を転校して回っていた
仲の良い奴が出来ても転校してしまってそいつとはもう会わない、そんなことを繰り返しだった
だからだろうか、いつからか俺は他人と深く関わることを止めたのだ。話したとしても事務的なものだけ
どうせ別れて辛い思いをするのであれば最初から・・・
この新しい学校でもそうやって過ごすつもりだった・・・だけど俺はあるものに目が惹かれた
窓際の一番後ろの席・・・そこに座っている女子生徒だけ妙に浮いているのだ
まるでそこだけが別の世界かのように彼女は周りから切り離されていた
周りも彼女のことが目に入っていないように過ごしていた。
だけど俺は何故か彼女のことが気になり昼休み偶然校舎裏で見かけた彼女に声をかけたのだ――
【side〇〇】
はっきり言うと私は浮いている・・・のだろう
無愛想で口数が少ない―周りは私のことをそう思ってる
でも自分でもそう思う、私は昔から人見知りが激しくて誰か仲良くなろうと思えば性格のせいでそれが裏目に出て相手を不審に思わせてしまう
そういう事が続いたからかな・・・私はいつからか他人と距離を置くようになっていった
1人がは嫌いではない、むしろ好きだ。だから私は一人でも別に困らなかった
どうせ仲良くなれないなら最初から・・・
そんな事を思いながら私は高校生活を過ごしていた
休み時間は読書、昼休みは目立たない校舎裏で1人
それが私の日常だった
だけどある日、自分のクラスに転校生が来た
彼を見た途端私は『似てる―?』そう思った
でもどうせそう思っても何も変わらない・・・そう思って彼から視線を外した
だけど彼はそんな私の予想を超えて何故か私に話しかけてきた――
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