名無しさん 2014-08-09 22:45:06 |
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・・・それからすぐ、先生がとんできて、俺と栗原はキレられた。
栗原「だってこいつがよ・・・」
先生「先に手を出したのはお前だろ」
俺「ン~ゴ~」
先生「お前もふざけるのもいい加減にしろ。おまえ、はっきりいってクラスで浮いてるぞ」
まるで大松(野球選手 空気が読めない)のような先生だと思った。
でも、地獄はこの先からだったんだ。
教室に戻って、俺は開口一番『楽勝!ンゴってやったぜ!』と叫んだ。
いつもなら、クラスは俺に注目して俺から話を聞こうと集まっていた。
特に、俺の友達軍団は俺になんJ用語を教えてもらおうと必死だった。
でも、誰も俺に反応しない。
誰も俺を見ない。
栗原は一言「きめえんだよ」とつぶやいた。
クラスのお調子者集団は栗原に集まっていた。
俺は、一人だった。
金本さんと仲のいい古川さんが俺に近づいてきた。
古川「きもいんだけど。かねちゃんはもうおまえと話したくないって」
古川は以前から俺に舐めた口を聞いていた。
俺のことを影で批判していることも 知っていた。
ようするに、古川にンゴりはわからないのだ。
だから、俺は古川の言葉を信じなかった。
俺は金本さんに話しかけまくった。
でも、金本さんは答えてくれない。
――俺はキレた。
俺「ンゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオwwwwwww wwwwwwwww」
教室に響く、俺の咆哮に視線は集中した。
俺は髪を逆立て、金本さんに詰め寄った。
俺「なんで無視するだよ!」
金本さん「・・・・」
無視は継続している。
俺は何度も詰め寄った。
そうしていると、クラス委員の神戸が先生を呼んできたんです。
先生に職員室に連れ込まれる
もう俺をかばってくれなかった
そこからのことは覚えていない。
金本さんの親が家に来て、親戚のおばさんは謝った。
俺も、頭を下げた。
それから、親戚のおばさんは俺を睨みつけるようになった。 怖い。
それから今日まで、俺は教室に行っていない。
保健室登校を始めて、俺は色んな事がわかった。
むやみにンゴってはいけないこと。
ンゴりとは、悪口に似た行為ということ。
女子にンゴりは絶対禁止ということ。
でもな、それに気づいたのも遅い。
俺は中3だ。もうすぐ卒業だ。
昨日も、卒業式の練習があった。
クラスの中心人物だった俺は、もうそこには行けない。
友達が、完全にいなくなった。311の、あの時と一緒だった。
卒業式まで、僕は教室には行きませんでした。
カレー事件のこともあったし、なにより学校に行ってもくだらないと思ったのです
理由は一つ。ネットだ。
なんJにのめり込んでから、中学生の奴らがガキに見えて仕方なかったんです
ンゴりまくった結果、友達がいなくなったけど、でもそれでも後悔はありませんでした
毎日部屋にこもってなんJをするだけで心の傷が治った気がしたんです
でも、時間は有限ではなく、限られています。
とうとう、卒業式の日が近づいていたのです
親戚のおばさんも、卒業式の一週間前には僕に話しかけていた
「卒業式DELLの?」と
でも、僕は出る気なんて等々ありませんでした。
なぜなら、出る必要を感じなかったからだ
おばさんは残念そうな顔をして、おじさんと相談していました
高校を落ちて、これからどうするのか。それを僕に聞かれてもわかりません
とにかく、僕はこれからもなんJができると、むしろワクワクしていました
一日中なんJをして、オナニーして、飯を食う。こんな夢のような生活がここにはあった
今頃、学校の連中はどうしているだろうと考えるだけで、ンゴりが抑えられませんでした。
家でも当然ンゴンゴダンスはしていました。誰も見ていなくても、やりたい衝動を抑える必要がなかったからだ
そうしているうちに、卒業式が間近になった
おばさんが俺に言った
「お父さんとお母さん、妹の写真が見つかったよ」と
親戚の家に、数枚あった写真を見て、俺は泣いた
幸せだった日々
それを砕いた311の地震と津波、そして火事
俺は手を震わせた。
それを見たおばさんは「制服に写真入れておくから、卒業式出た方がお父さんたち喜ぶよ」と言った。
こっちに来て、ずっと僕を軽蔑していたおばさんがかけてくれた言葉。それに俺はさらに泣いた
「――――――ああ」
俺は、卒業式に出る決心を固めました
固めはしたけど、不安が大きかった
なんJに相談スレを何度も立てていたのは、その表れだった
でも、俺はもう負けない、そう誓った。
ボサボサだった髪を切り、卒業式の返事の練習もした
先生も、俺が卒業式に出ることを喜んでくれたように思えた。最後の歌の楽譜を、俺にくれたのだ
こうなっては燃えるしかない
俺はラスト卒業式に、全てをかけるつもりで、卒業式までの時間を過ごした
そして、卒業式の日がやってきた――――――
おばさんもおじさんも仕事のため、卒業式に出席することはできなかった。
でも、俺のポケットには、両親と妹の写真が入っている。これほどまでに心強いものはなかった。
もう怖くはなかったんです
最後に、壇上か教室でンゴンゴダンスを求める中谷コールが来るかもしれない。
そう思うと、顔がほころんだ。
その時、俺のケータイが鳴った。
――――金本さんだった
電話ではない。メールだった。
俺は金本さんからのメールに、テンションが急上昇した。
文面は「今日卒業式来るの?」と短い文だった
俺は「行くじぇい!w久しぶりに会えるンゴ~」と返信した。
俺はニコ動の実況者であるせんとすが好きだった。
しばらくして、メールが来る。
金本さんだけじゃない、クラスの多くのメイトからメールが来た。
俺は、うるっときた。
「来ないでほしい」
「卒業式来るのやめてくれ」
「お前が来ると雰囲気悪くなる」
俺は凍りついた。
みんなは、俺を歓迎してはいなかったんです
むしろ、来るなと願っていたんだ
ケータイを落として、そのままベッドに横たわった。
現実を忘れようと、俺は眠りに落ちた。
起きた頃には、もう夕方だった。
確かに、俺はンゴった。
それでも、ここまでされるいわれはなかったんです
だから、俺は起きてすぐに何か行動しようとした
でも、俺はそんなに強くない。
ハートは、限界だった。
311で一人になった俺、絆と言いながら被災地に募金を募っていた学校のメンツが、被災者を馬鹿にした。
綺麗な自分を作るため、彼らは被災地に向けて行動はしていた。
でも、身近な被災者を排除しようとしていたんだ
それが悲しくて、俺はもう、彼らと決別しようと決めて、メールとアドレス帳を消去した―――
そして今、俺は中卒ニートの生活を満喫している。
バイトはまだ早い。なにせ俺はまだ15歳だ。
おばさんもおじさんも何も言わない。被災したことによる保護か手当が支給されているからだ。
俺は生きているだけで、金を生むというわけですよ
友達なんていらない。
俺はなんJの王として、これからも被災した人たちの悲しみを伝えていく
終わりじゃきね
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