ハナミズキ 2014-08-09 16:30:42 |
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◆ 魔女と王子 ◆旅路編
サラ達の3人旅が始まってから2年が過ぎていった頃、途中立ち寄った街の宿屋で事件が起きた。
何者にも屈せず、いつも毅然とし、思慮深く清楚なサラが、まさかあのような事になるとは誰も想像さえしていなかった。
「今日はこの町で1泊だな」
「二日ぶりの宿ですね。雨も降りそうですし、僕としては嬉しいです」
「クリスは雨が降らなくても嬉しいんじゃなくって?」クスクスと笑う。
食堂付きの宿屋を見つけると、3人分の部屋を取り、それぞれが自分の荷物を運び込んだ。
夕食までにはまだ少し時間があったので、旅の汚れを落とすためにお風呂につかる。
お風呂から上がった後に、サラはイアンとクリスの洗濯物を持ってきて、お風呂の残り湯で洗濯をはじめた。
「洗濯なら僕がやりますから、サラ様そんな事をなさるのはやめてください!」
クリスが半分泣きながら訴えるも、これは初めから持ち回りでやると決めた事なのでと、頑として譲らなかった。
そして何がそんなに楽しいのか鼻歌を歌いだしたのだ。
その様子を見つめる二人は、いつもの事ながら少し困惑している。
あの伝説の魔女に洗濯をさせてるなんて、知らない人が聞いたら腰を抜かすことだろう。
イアンと二人暮らしの時は、魔法でチャチャっと綺麗にしていたので、そんなことは考えもしなかったが、さすがに洗濯桶を前に置き、ゴシゴシ洗うその姿は本当にあの伝説の魔女なのだろうかと疑うばかりの一般庶民に徹していた。
洗い終わった衣類は風呂場に干し、そよ風を吹かせる魔法で乾燥を促している。
この分だと夜までには乾くだろう。
サラが洗濯をしている間に、イアンとクリスは食料と薬草の買い出しに行き、必要なものを最低限買って来るのだった。
たまに余計な物を買ってくる事もあるが、大きな金額ではない限り大目に見てもらっていた。
明日の準備もできたころ、3人は夕食を食べに食堂に下りて行った。
結構広めの食堂には大勢の人で埋め尽くされている。
泊り客もいるが、ほとんどはこの店の常連客といったところだろうか。
すでに出来上がっている者たちも大勢うかがえる。
「この店の一押しと郷土料理を適当に頼む」
「僕グランチオールがいいです」
「じゃあ私は、ミネストカポネを」
料理を頼み終わると周りを見渡し、男性客が多いことに気が付いた。
「男ばっかりだな・・・食べ終わったらすぐ出るぞ」
「イアンったら、そんなに警戒しなくてもいいじゃない」
サラは、イアンが何をそんなに警戒しているのか本当に分からなかった。
クリスはチラッとイアンの方を見るとすぐさま視線を外し
『サラ様・・・鈍感です・・・』心の中で呟きながら、イアンに心底同情をした。
注文をした料理が次々へとやってきたが、その中に何故かお酒が混じっていた。
「これは?」
「それは我が国の特産物で、葡萄酒という物です。
甘くて美味しいですよ」
イアンが一口飲んでみると、言われた通り甘くて美味しかった。
お酒というよりジュースのような感じだ。
クリスも葡萄酒を初めて飲んで、こんな美味しい飲み物がこの世にあったのかというような顔をしている。
しかし、サラだけは口をつけようとはしなかった。
どうもサラはお酒が苦手なようだ。
いたずら心が湧いたイアンは、どうにかしてサラに葡萄酒を飲ませようと試行錯誤をしているが、一向に首を縦に振らない。
なら気分だけでもと言い、ぶどうのジュースを一緒に飲もうと言い出す。
ジュースならとサラも承諾をし、注文をするが、注文をする際にこっそりとウエイトレスに耳打ちをした。
「葡萄酒をコップに1杯頼む」
何も知らないサラは、出された葡萄酒をジュースと思い込み飲んだ。
「甘くて美味しいわね。うふふふ」
『『うふふふ?』』
サラの様子が少し変だ。
たった1杯の葡萄酒で酔ったというのか、顔がほんのりピンク色になっている。
それに何か良い匂いがサラの方から漂っても来ている。
何とも言い難い甘い果実の香りだ。
サラが動くたびにその匂いは空を舞う。
匂いに吸い寄せられるかのように、周りの男たちが匂いのする方角にいるサラに視線を落とす。
「ヒュ~♪いい女だな」
「あんな女と一発やりたいもんだ」
などの下品な言葉も出始めた。
それ見た事かとイアンは早々にその場からサラを連れて立ち去ろうとした時
「イアン~・・・こっち見てぇ~」
イアンの顔を両手で挟むように置くと、クイッと自分の方に振り向かせる。
その時、雨模様だった空から突然の雷鳴が鳴り響いた。
「いやああああ!」
雷が大っ嫌いなサラはイアンに抱き付いて涙目になっている。
「いや!イアン!助けて・・・」
うるんだ瞳で上目づかいに、イアンの胸元で震えていたサラがイアンの顔を見上げていた。
ほんのりピンク色の頬、うるんだ瞳、普通の男ならたまらなく美味しいシチュエーションだ。
イアンといえどもそれは変わりがない。
だが、ここは宿屋の食堂だ。
大勢の視線がある中、平常心を保たなければ後々面倒なことになるのは重々承知していた。
イアンにしがみ付き離れないサラを、イアンはお姫様抱っこをしながら部屋まで連れ帰った。
サラを部屋に運び込み椅子に座らせた。
先ほどの雷はすっかり鳴りやんでいる。
しかしサラはイアンの服を掴んだままいまだ離そうとはしない。
そこにクリスが遅れてやって来た。
「イアン様、サラ様は大丈夫ですか?」
そう尋ねながらも、部屋の中いっぱいに漂う果実のような甘い匂いに、クリスはどことなく変な気分になる。
何故か動機が激しくなり、顔が火照る。
たぶんサラのクリスを見つめる視線のせいだろう。
うるんだ瞳でクリスの方を見ながら、ゆっくりと椅子から立ち上がり、ヨタヨタとクリスに向かって歩き出した。
クリスの目の前まで来て立ち止まると、サラより首一つ分高い身長のクリスを、潤んだ瞳で見上げながら
「クリスって可愛いお顔をしてるのね・・・食べちゃいたい・・」
そう言ったかと思うと、いきなり顔を掴んで引き寄せ、頬にキスを落とした。
驚いたのはクリスだけではない。
イアンも驚きを隠せない。
普段のサラからは想像もつかない事をしたのだから。
我に返ったイアンは、すかさずクリスからサラを引きはがし、再び椅子に座らせようとするが、サラはそれを拒みイアンを抱きしめた。
「イアン・・・抱っこ♪」子供のようにイアンに甘えて見せる。
「ねぇ~イアン~、抱っこ~。抱っこして~♪」
そう言いながらイアンの手を引き、ベッドに座らせた。
ベッドに腰を掛ける状態で座っているイアンの膝の上にサラが有無を言わさず乗り、そのままイアンにしがみ付いている。
イアンの胸元から少し顔を外し上目づかいに見ながら
「イアン・・・」
名前を呼んだかと思ったらいきなり口づけをしてきた。
イアンもサラから発せられるこの甘い香りに夢うつつの世界に入りそうだったが、クリスが居る事に気が付き、サラを引き離そうとするが、本気のサラには勝てるはずもなく、抵抗するのが精いっぱいだった。
クリスはというと、その場にいつまでも居てはいけないような気がしたので、気を利かせて出て行ってしまった。
二人っきりの部屋、むせ返るような甘い果実の香り、それでもイアンは、いくら自分が好きな人でも、酔ってるサラを相手に最後の一線を越えるのはルール違反のような気がしたので、そこは何とか持ちこたえたが、サラの方は理性がぶっ飛んでしまっているため、何回もキスをしてくる。
「もっと・・・」
そのうち軽いキスから徐々に深いキスへと変わっていった。
口を軽く開けてキ口づけを誘うサラ。
それに応えるかのようにイアンの方から口づけをする。
酸素を供給する為に口を外せば、糸が引くほどの濃厚な口づけだった。
小一時間ほど経ったころ、満足したのかサラの寝息が聞こえてきた。
あのむせ返るような甘い香りも消えている。
いったい何が起こったのか全く分からないイアンだったが、一つだけ分かった事があった。
サラに酒は飲ませるな!だ。
イアンはサラをベッドに寝かせると、自分の部屋に戻り、アクシデントとはいえ嬉しくてしょうがない様子で、なかなか寝付けないでいた。
翌朝、サラに昨日のことを聞かれたが、二人とも言葉を濁して何も言えなかった。
「私・・・ジュースを飲んだ後から記憶がないんだけど・・・なんかあった?」
「「えっ?!」」
「何かあったのね」
「あったと言うか、なかったと言うか・・なぁ?」
「はっはい!」
ピンときたサラは
「もしかして昨日、ジュースじゃなくて葡萄酒を飲ませなかった?」
「「えっ?!」」明らかに動揺をしている。
「やっぱり・・・。私がお酒を飲まない理由を教えてなかったものね。
私にはお酒が体質的に合わないのよ。
お酒を飲むとね、媚薬を飲んだみたいになっちゃうの。
甘い香りがしたでしょ?
その匂いを嗅ぐとね、嗅いだ人も媚薬を盛られた様になっちゃうのよ」
二人はお互いの顔を見合わせる。
「あなた達は大丈夫だった?」
「クリスは早々に逃げたから平気だけどさ、俺なんか・・・」
そう言ってシャツのボタンを2つ外して、肩を見せた。
肩には赤く散りばめられた模様が数か所残っていた。
「それ・・・もしかして私がやったの?」
イアンは軽く頷いた。
「ごめんなさいイアン・・・」
申し訳なさそうに謝る。
「俺は別にいいんだ。嬉しかったし」
そう言ったか言わないかのうちに、やばい!と思い顔を真っ赤にした。
そして付け足すように
「今度酒を飲む時は、二人っきりの時に頼むわ。
他の奴が迷惑するからな」
「ひっどーい!そこまで酷くないと思うんですけどぉ~・・・」口を尖らせながら少し拗ねて見せた。
この時から少しづつイアンとサラの気持ちが縮まっていくのだった。
イアンがサラを異性として好きだという事は、もう何年も前から自覚をしていた。
サラも、イアンの事を家族という関係か切り離れ、一人の異性として見始めていたことに気が付いた。
長い年月を一人で生きてきたサラにとって、初めての感情であり経験であった。
―― 完 ――
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◆ 時空の彼方 番外編 ◆
夕月が千年前の過去から戻って三年後。
高校も卒業をし、今は国帝館大学の文学部神道学科で学んでいる。
今でこそ女性の宮司も認められてはいるが、戦前まではその存在を認められてはいなかった。
したがって今もなお、宮司になっている人は男性が多い。
なぜなら、女性の宮司は、実家が神社でもない限りはその職に付く事が出来ないからだ。
夕月の場合は、実家が神社である事と、幼い時からその才があり、生まれながらにして仕鬼を持つという恵まれた環境におかれていた。
しかし、この国帝館大学の神道学科は、全寮制であったため、夕月も寮に入る事になった。
神道科全体でも40名ほどなのだが、その中に居る女子は、夕月を含め三人しかいない。
残りの37名は男子だ。
したがって、男子寮と女子寮に分かれる事はなく、同じ階に男子と女子の部屋が分かれているだけになる。
部屋も基本二人部屋なので、一人だけ個室として使う事になるが、夕月の場合、仕鬼である白夜が付いてきてしまっているので、二人で一部屋を使っていた。
夕月が入学をしてきた時、「明階」の位を持つ教授が驚く。
夕月と白夜の周りには、金色の光が見えていたからだ。
入学をして間もない、何の修行もしていない学生たちには見る事も感じる事も出来なかったが、九尾の白狐姿でちょこんと夕月の足元に座っている白夜の姿も見えていたのだった。
この学校は、動物持ち込み禁止ではあったが、白夜だけは例外の様だ。
それに、他の学生とは違い、知識も豊富で、基礎的な学問はすべてマスターしていた。
教授にすれば教える事など何もないに等しい。
しかし、この学校を卒業しない限り、神職に付く事が不可能なので、夕月は進学をする事に決めたのだった。
一時ではあるが、あの稀代の陰陽師、安倍 晴明に手ほどきをしてもらった事のある夕月の方が、ある意味、教授より物事を良く知っていた。
祝詞にしてもそうだ。
昔の、あの長ったらしい祝詞を、一字一句間違えずに言う事が出来る。
仙術や星詠みも、あの晴明仕込みだ。
教授は、何かと夕月を研究室に呼んでは、逆に物を訪ねる事も珍しくはなかった。
しかし、何も知らない同級生や上級生たちにしてみれば面白いわけがない。
教授に特別扱いをされているようにしか見えないのだから。
それでも気さくに話しかけ、裏表のない夕月に、少しずつ心を開いていき今に至ると言う訳だ。
大学に入り二年も経つと、同級生たちも徐々に霊力や法力を身に着け始める。
その頃になると、夕月の側にはいつも九尾が居る事に気付く者も現れた。
初めは狐に祟られているのかと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
その狐は大人しく、夕月の言う事を素直に聞いている。
あまりにも穏やかな表情で夕月の側にいるのもだから、触りたがる人もいたが、手を差し出したとたんに怖い顔になり唸り始めるのだった。
そしてそれが単なる狐ではなく、使役されている式神だと思い始めるのであった。
普通の人間が、仕鬼など持つはずがないと、頭から思い込んでいたからだ。
この神学校に入学した者の中には、夕月と同じく実家が神社のため、仕方なく入って来た者もいる。
そういう者は、式神使いの夕月と結婚をすれば、自分は遊んで暮らせると考える者もいて、執拗にアプローチしてくる者も居た。
勿論そんな男子には目もくれなかったのだが、あまりのしつこさに白夜が切れて、とうとう人型を取るようになった。
人型を取った白夜の容姿に勝てる相手などおらず、やっと静かな日常が戻って来たと言うところだろう。
が・・・・・・。
男子は静まり返ったが、今度は逆に女子が騒ぎ出した。
「鬼頭さん、その人っていつも一緒に居る式神よね?名前とかあるの?」
「白夜って言うのよ」
「白夜君って言うんだ・・・かっこいいよね」
「ねぇねぇ、白夜君。白夜君の好きな食べ物って何?」
「夕月の「気」」
即答をする。
「「気」って?」
「生命エネルギーの様なもんだ」
「へぇ~♪それって、私にもあるんでしょ?食べてみたいと思わない?」
「はぁ?俺を殺す気か?!」
白夜は少しムッとして答えた。
「あ・・ごめんね。白夜は私以外の「気」は毒になるから摂取出来ないのよ」
「なぁ~んだ。つまんないの!」
夕月と白夜は顔を見合わせながら苦笑いをする。
白夜は、夕月が授業でいない時には、一人で学校内をぶらぶらしている。
ブラブラしていると、決まって他の学科の女子達に声を掛けられ、何かと食べ物を貢がれていた。
まぁ、ていのいい餌付けだろう。
餌をあげて懐かせれば、自分の方に気を引けると思っていたのだろうが、現実は思い通りにいかないようだ。
貰ったおやつはすべて持ち帰り、夕月と一緒に食べていた。
このころになると、白夜は寝る時も人型のままその姿を保つようになる。
ベッドが一つ空いているので寝るのには何の問題もない。
そして夏休みに入ると、国帝館の系列である神社に修業として二か月ほど行かされるのがこの学校の習わしだった。
当然、白夜も夕月に付いて行く。
あらかじめ学校の方から報告を受けていた神宮の人達は、白夜を見るなり深く敬礼をし、その姿を見ようと大勢の神官や見習いたちが押し寄せてき、遠巻きに見つめている。
夕月は白夜の耳元でヒソヒソと話し出した。
「ねぇ・・ここって晴明神社よね?」
「あぁ・・・」
「また来ちゃったね・・・w」
「クソッ・・・ここには二度と来たくなかったんだがな」
白夜にとってここは、嫌な思い出しかない場所である。
「あっ!そういえば私、ここでやる事があったんだった」
不意に思い出したのか夕月が呟いた。
「前にここで、晴明様と約束をしたのよ。千年は持つ結界を張り直すって」
「結界って千年ももつのかよ」
「晴明様が張った結界は千年間もったわよ?」
「お前に出来るのか?」
「出来る!・・・と、思う」
少し自信なさげの様だ。
「私ね、千年前に晴明様と一緒に結界を張る修業をしてたのよ。
コツは教わったから、あとは白夜次第だって言ってたの」
「俺しだいってどういうことだよ」
「白夜と私の絆が深ければ深いほど強力な結界が張れるんだって」
晴明が言っていた「絆」とは、互いに信頼し合い、お互いを思いやる心の事を言っていたのだったが、この時の二人には、もっと違う別の事を考えていたようだ。
「絆か・・・夕月はいいのか?」
「・・・・うん。」
小さく頷くその顔は売れたトマトの様に真っ赤になっていた。
晴明神社での修業は、日の出とともに行う祝詞に始まり、境内の掃除や社内の掃除、食事の支度などが基本で、祈祷やお祓い等の手伝いもある。
十人一班に分かれており、その日のお祓いは夕月達の班が手伝いをする事になった。
やって来たのは若い女性で、一目見て生霊に取り付かれているのが分かった。
何かに怯えるような青白い顔色。
何日も寝ていないのか、足元はフラフラとしている。
付き添いで一緒に来た母親の肩に寄りかかりながら、拝殿に足を踏み入れ、指示された場所に座る。
宮司たちの祓詞が始まった。
(かけまくもかしこき)
掛けまくも畏き
(いざなぎのおおかみ)
伊邪那岐大神
(つくしのひむかのたちばなの)
筑紫の日向の橘の
(おどのあはぎはらに)
小戸の阿波岐原に
(みそぎはらえたまいしときに)
禊祓へ給ひし時に
(なりませる)
生り坐せる
(はらえどのおおかみたち)
祓戸の大神等
(もろもろのまがごと)
諸々の禍事
(つみけがれあらんをば)
罪穢れ有らむをば
(はらえたまい きよめたまえと)
祓へ給ひ清め給へと
(まをすことを)
白す事を
(きこしめせと)
聞こし食せと
(かしこみかしこみもまをす)
恐み恐みも白す
訳
お言葉に出すのも恐れ多いのですが、
イザナギさまが黄泉の国から戻られまして、
九州の日向の橘の水辺、阿波岐原で
お体を清められました時に
お生まれになったお祓いの神様達よ、
私達に災いや災難があります場合は、
神様のお力でお祓い頂き、
清らかな身心でいられますようにとのお願い事を
どうかお聞き入れ下さいと
恐れ多くも謹んでお願い申しあげます
と、始まり、その後に長い大祓詞を唱えるのだった。
唱え始めてから三分後、その女性の体が震えだし、声とも取れない様な唸り声を出し始める。
「うううぅぅぅぅ・・・・」
更に祓詞が続くと、女性は低い声で唸りだす。
「止めろ・・・貴様ら・・・うううぅぅぅ・・・」
既に形相まで変わってきていた。
そして女性の側に、宮司二人が近寄り、一人は棒に白い紙をつけたような物で頭の周りを一生懸命に払っている。
もう一人は、女性の横に行き、背中を摩りながら問いかける。
「お前の名前は何だ。何故この者に取り付いておる」
問いかけるが、何も答えてはくれない。
それどころか、宮司に対して罵詈雑言を投げかける。
取り付いているその女の性質が悪いのか、付近に居る悪霊や魑魅魍魎たちを呼び寄せてしまった。
こうなってしまっては、並の宮司では歯が立たない。
研修にやって来ていた夕月達に、他の宮司を数人呼んで来いと言う。
みんなは手分けをして呼びに行った。
新たに宮司が五人ほど集まるが、中には霊力など全くない者もいたため、この悪霊に立ち向かえるはずもなく、逆に取り込まれていく者も出始めた。
見るに見かねた夕月が、とうとう声を発する。
「白夜!行くわよ!」
「おぅ!」
夕月は九字を切り臨戦対戦に入り、白夜はその手に黒鋼を具現化する。
「臨兵闘者皆陣裂在前 臨める兵闘う者、皆陳列れて前に在り!急急如律悪霊退散!!」
「夕月に近寄るんじゃねぇえええぇぇぇぇぇ!!」
白夜の黒鋼に夕月の呪文を帯びた呪符が張り付き、女性の中に居る悪霊だけを切り裂く。
更に夕月が呪文を唱える。
「六根清浄、急急如律令!」
周りに漂っていた魑魅魍魎たちも綺麗に消え去り、辺りの空気は浄化する。
何もできずにおたおたとしていた宮司たちと研修生は、ドラマや映画でしか見た事が無いような光景に圧倒されていたのであった。
お祓いに来た女性親子も、この一瞬の出来事に驚きはしたが、なによりも、娘の様子が元に戻った喜びの方が強く、深々と頭を下げ、涙を流しながらお礼を言った。
悪霊払いが終わり、その場に居あわせた宮司と研修生たちに羨望の眼差しで見られ、次の日から、何故か逆に、夕月に教えを乞いに若い宮司たちがやって来る事になった。
何日か過ぎたころ、夕月と白夜は神社の境内に立ち夜空を見上げていた。
「星がきれいね」
「そうだな」
「ここにはもう、晴明様は居ないのね」
「そうだな」
「白夜ってば、そうだな、しかいわないんだから・・・もぅ」
「・・・・・・・・・。」
「なぁ、夕月。少し散歩に行かないか」
「どこに?」
「昔みたいに見回りにでも行くか」
そういうと白夜は白狐化をし、その背中に夕月を載せて夜空を駆け抜けた。
「すご~い!きれ~!!」
京都の町の辺りが、まるで宝石箱をひっくり返したかのようにきらびやかに光り輝いている。
昔も良く白夜の背中に乗り、夜回りだと言ってはこき使っていたものだ。
夜空を駆け巡っている時に白夜が何を思ったのか、稲荷神社に舞い降りた。
そこの神様に二人は丁寧にあいさつをすると、神は今晩一晩泊まって行けと言う。
泊まる場所は、昔、白夜が寝所に浸かっていた社だ。
その社は今もそこに綺麗な姿で立っていた。
中に入ると、外から見た感じとは違い、とても広い。
奥の部屋には何故か寝所の用意が整っている。
二人はその好意に甘え、一晩そこに泊まる事にした。
朝日が昇る頃に晴明神社の方に戻れば問題はないだろう。
静まり返る部屋。
この社は外界とつながっていないのか、さっきまで聞こえてきていた虫の声や車の音などが一切聞こえない。
静かだ・・・・。
「・・・白夜・・・寝た?」
「いや・・。起きてる」
「どうした?」
「なんでもない・・・。呼んでみただけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・怖いならこっちに来るか?」
「・・・・・・・うん。」
夕月は初めて人型を取っている白夜と同じ布団に寝る事になった。
緊張のあまり胸の鼓動が早鐘の様になりだす。
それは白夜も同じだった。
少し体を動かすだけで、その体温が伝わってき、恥ずかしいような嬉しいような、何とも言えない感情でいっぱいだ。
ゆらゆらと、夢うつつの中、何処からともなく不快な音が聞こえて来た。
―― ぐぅぅぅ・・・きゅるるる ――
「・・・・・・・なに?いまの音・・・」
「すまん・・・俺の腹だ」
「・・・・・お腹空いたの?」
「・・・・・すまん・・・」
夕月は軽く笑いながら口づけをした。
食事となる「気」を移し終わると離れようとしたが、白夜が突然に夕月の体をひるがえし、体勢を逆転させた。
白夜に覆い被さられた夕月は、この時一つの覚悟を決める。
「・・・・白夜。愛してる・・・」
その言葉を聞いた白夜は、はにかむように笑い、今度は白夜の方から口づけをともした。ほ
その口づけは、いつもの食事を摂取するような軽いものではなく、甘く優しい、それでいて激しい口づけだ。
白夜の舌が夕月の口内にそっと入り込み、夕月の舌と絡み合う。
しばらくすると、口元が離れ、頬やおでこにキスを落としながら、唇は夕月の首元へ向かい、来ていた寝巻をゆっくりとずらしながら胸元へ再びキスを落とした。
胸元には赤く色どる星形の痣。
白夜の指がその痣をなぞる。
「・・・・・これが俺たち二人の始まりだったんだな」
「私は白夜のおかげで、今を生きてるのね・・・」
「夕月。・・・・・・・愛してる。今までも、これからも・・俺は一生お前の物だ」
そういうと白夜は夕月と結ばれたのだった。
甘く、優しく夕月を愛撫する。
初めての夕月を怖がらせないように、痛くしないように、優しく、優しく触れる。
「ぁん・・・・」
夕月の口元から甘い声が漏れる。
その声に反応したのか、白夜も限界に達してきているようだ。
「後悔はしないか?」
白夜が優しく問う。
「・・・うん・・・きて」
「優しくできなかったら、ごめん」
そういうと、十分準備の整った状態の夕月と一つになるのだった。
「っあ・・・・つぅ・・・」
激痛が走ったものの、白夜と一つに慣れた喜びの方が嬉しく、夕月はポロポロと泣き出した。
「ごめん・・・痛かったよな・・・ごめんな・・・」
「ううん。いいの。私ね、いまとっても嬉しくって幸せな気分なの」
白夜は夕月の体を抱きしめ、そのまま眠りについた。
次の日、夜明けとともに晴明神社に帰った。
二人が夜中に抜け出した事などは誰も知らないようなので、少し安心をした。
その後も順調に研修をこなし、最終日の前日に、例の結界を張り直す事にした。
その話をどこから聞いたのか、神社中の宮司が見学にやって来る。
大勢の見学者の前で、夕月と白夜は、千年は持つという結界を見事に張り直したのだった。
そして夕月は、例外中の例外ともいえる、神職の階位で、一番くらいが高いと言われる「浄階」を大学在学中に与えられる事となった。
今後この二人の間に、後継ぎとなる優秀な陰陽師が生まれることは、間違いなさそうな予感がした・・・・・・。
― 完 ―
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――― Dr,リン ――― より
◆ 秘境 ◆
このミョンレンは、各温泉宿に造られた温泉の他にも、秘境と呼ばれる温泉があるらしい。そこにも入ってみたいと思っていた鈴だったが、秘境と呼ばれるからにはとんでもなく山奥にあるに違いないと思い、諦める事にした。
案内人もなく、山に入ったならば、100%の確率で迷子になる。
それはごめんだ。
しかたがないので、近くにある温泉で我慢をする事にした。
次の日、鈴は温泉街を散歩しながら、近くにある秘境についての聞き込みを開始した。
数人の人が言うには、ここから30分ほどの所にある、川の脇から湧き出ている温泉源があると言う。
温度調節は川の水でするそうだ。
さっそく行ってみる事にしたが、鈴の怪しい行動に気が付いた和也が付いてくると言う。
「おまえ、行く気だろ」
「何の事かしら?」
とぼけて見せる鈴だったが、和也にはお見通しの様だ。
「秘境に行くなら俺も興味がある。一緒に行ってやるよ」
「・・・・・バレてたか・・。」
鈴は笑って誤魔化した。
教えてもらった道を30分かけて歩き、ようやく秘境に到着をした。
温泉街から30分足らずなのだから、人が来ても良いと思うのだが、誰にも会わず到着をする。
そして誰も温泉には入ってはいなかった。
温泉と言っても、人里離れた場所に在り、整備もされていないし着替えるような小屋もない。
裸になって温泉に浸かれば丸見えだ。
「「・・・・・・・・・・・・。」」
せっかく来たのに入れない。
いや、入れるのだが、お互い時間差で交互に入れば、温泉に浸かっていない者は寒くて凍えてしまう。
春とは言っても、まだ少し雪が残っており、寒い!
ここまで来るだけでも寒さを感じて、早く温泉に浸かり、冷えた身体を温めたいと思っていた2人だった。
すると突然和也が着物を脱ぎ出し、温泉の中に入って行く。
「はぁ~・・・生き返るな~」
鈴はその姿を見ながら言う。
「自分だけずるい!」
「ならお前も入れば?」
「えっ!?」
「入りたいんだろ?どうせ誰も見てないし入ればいいだろ」
お互い医者としての立場上、異性の裸は飽きるほど見ていた。
それに、鈴は和也の全裸を一度見ている。
いや、今回で2度見た事になる。
自分が平気で和也の裸を見ていられると言う事は、和也も別に意識はしていないだろうと思い、思い切って温泉に入る事にする。
「気持ちいい~♪」
「だろう」
「ここの温泉源は硫黄かな?水が濁ってて底が見えないし」
「臭いからしてたぶんそうだろうな」
「深さも結構あるわね」
鈴が立っていても胸元までの深さがあった。
「端の方に座れる場所があるぞ」
「じゃあ、そこに座ろっかな」
底の見えない温泉を歩いて、和也が言うその場所まで行こうとした時、急に足元が深くなり沈んでしまった。
和也の身長では首辺りまでのギリギリだったので、頭まで沈む事はなかったが、鈴の身長は和也の胸元あたりまでしかなかったために、一気に沈んでしまったのだった。
慌てた和也は鈴の側に行き、湯船の底から鈴を拾い上げる。
少しお湯を飲んでしまった鈴はむせ返り、苦しそうだ。
和也は片手で鈴を支え、もう片方の手で鈴の背中を摩っている。
「おまえ平気か?」
「ゴホッゴホゴホ・・・ちょっとぉ・・深いなら深いって言ってよね・・」
「俺は平気だったぞ?お前が小さすぎるんだろ」
「和也がでかすぎるんでしょう・・・」
そんな不毛な会話をしている時に、ふと、和也は気づいた。
鈴の体を支えている方の手が、鈴の胸に当たっている事に。
一度それを意識してしまっては、手を動かす事が出来なくなってしまったのである。
そして、いくら水の中で負荷がかからないからと言っても、温泉の微妙なぬめりがそれを許してはくれなかった。
徐々に和也の手が上へあがり、鈴の胸を捕えてしまう。
鈴の方も気が付いてはいたが、自分が騒げば和也は手を離してしまい、また温泉の中に潜ってしまうので、気が付かない振りをしていたのだった。
たわいもない話しで、お互い気を紛らわせようとしたが、和也も一応は男だ。
何とも思っていない振りをしてはいたが、身体の一部がしっかりと反応をし始めてきた。
―――― ヤバイ!! ――――
その時、そっちの方に気を取られ、手の力が一瞬抜けた。
鈴の体がまた潜りかけたが、和也は素早く両手で抱え抱き寄せた。
抱き寄せられた時、鈴は太ももに固い物が当たる気配を感じ、それが何なのかは直ぐに分かった。
が、あえてその事には追求しない鈴だった。
和也は平静を装いながら、そのままの状態で鈴を淵まで運び、腰掛岩に座らせる。
表面では何も気にしていない様に振る舞う2人だったが、内心はかなりドキドキしていた。
和也は鈴の柔らかい体に触れ、その感触が離れた今でも手に残っている。
鈴の方も、見た目より筋肉質な和也の感触と、胸の残る手の感触が脳裏から離れないのだった。
健康診断の時に、男の先生から体に触れられたり、乳がんの検査をされたりしたことはあったが、それはあくまでも仕事上の事で、事務的な触り方であった。
それと比べると、今の和也の触り方は、繊細で優しく包み込むように触れているだけであったのだ。
触り方一つでこんなにも違いがあるのかと思うほど、脳裏に焼き付いて離れないのだ。
「おぃ。あんまり長湯するとまたのぼせるぞ」
「・・・・・うん。」
2人は秘境を別の意味で(?)堪能し、宿の方へと帰って行った。
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◆ 自覚 ◆
長きに渡る日照りの為、人々の食料が無くなり、飢えで命を落とす者が増えたと訴えがあり、ソウレン皇子率いる御一行様が視察に出かけてから一週間。
食料の配給や治療により、その騒ぎはだいぶ落ち着いてきた。
鈴と和也は、ようやく身体を休める事ができ、その日の晩は車の中でのんびりとくつろいでいた。
「やっと終わったって感じよねぇ~」
「そうだな」
2人はゆったりとソファーに腰かけ、秘蔵のワインを飲んでいる。
大きな仕事をした後には、いつもやっている、一種の打ち上げの様なものだ。
普段の2人なら、そんなに酒には弱くはない。
だが今回は、睡眠時間がほとんど取れないうえに、食事もまともに取れていなかった。
心身ともに疲労していたのだ。
そのせいで、普段なら決して酔わない酒の量で、2人は酔いが回ったようだった。
人は酔っ払うと、少なからずも本音が出るものだ。
普段は喋らない人でも、この時ばかりは口が滑らかになる。
「そう言えば夕方、お前いなかったよな」
「ソウレンとデートしてたの♪」
酔いが回り、少し陽気な鈴。
それとは逆に、『デート』と言う言葉に少しムッとする和也。
鈴に少し意地悪をしてやろうと、子供みたいな事を考えるのだった。
「また求婚されたんじゃないのか?」
「うん。された♪」
あっさりと答える。
「ソウレンも懲りないやつだな」
「でも可愛いとこもあるのよ?」
「ああいうのがタイプなのか?」
「まさかぁ」と、鈴はゲラゲラと笑う。
「なら、鈴のタイプの男ってどんな奴なんだ?」
和也は真顔で聞いて来るが、内心はドキドキである。
自分でもストレート過ぎる質問だったと思
「そうねぇ~、思いやりがあってぇ~、相手も事を第一に考えれる人かな?」
「それだけか?」
「そりゃぁ、背が高かったり、イケメンだったりすれば尚良いけど、問題は性格
よね」
「お前の場合は、うんと年上か年下の方が合いそうだよな」
すると鈴は、意外な事を言って来た。
「そんな事はないわよ。和也とだって合いそうだと思うけどなぁ~」
「俺? お前が俺の事好きだったとは思わなかったな」
和也がお意地悪っぽく言った。
「なによ・・・。私が和也の事好きだとおかしいの?」
鈴は口を少し尖らせながら、拗ねた様に言う。
そして目は、すでに酔っ払いのテンプレでもある様な『トロン』とした目だ。
それに、それに!現代の洋服で、露出度の高い服を着てるとなれば、普通の男なら「いただきます!」状態だ。
だがそこは、流石は和也!と褒めるべきなのだろうか。
残り少ない理性を保ち、平常心を装いながら言う。
「別におかしくはないさ。俺もお前の事は好きだしな」
そう和也が言うと、鈴はソファーから立ち上がり、トロンとした虚ろな目の状態で和也に近付いて行く。
和也は、隣に座っていた鈴がいきなり立ち上がり、自分の目の前に来た事を不思議に思ったが、そう思った瞬間に、鈴の両手が和也の肩に置かれ、そのまま向き合う形で和也の膝の上に座ってしまう。
肩に置かれた手は、するりと首に回され、鈴に襲われる形で唇を奪われた。
「んっ・・ぅんっ・・」
いきなりキスをされた和也はびっくりしたが、手に持っていたグラスをテーブルに置くと、両手を鈴の腰に回し、優しく抱きかかえる。
酒の力とは怖いものだ。
普段は同じ職場で働く同僚と言う態度を崩さなかった二人が、ほんの一瞬で恋人同士の様になってしまうのだから。
お互い好意は持ってはいたものの、それをおくびにも出さず、この1年、同じ密室で二人きりで過ごしてきたのだが、お互いの本音を知るともう止まらない。
和也が腰に回した手は徐々に下へ行き、服の中から素肌を触りだした。
その手に反応するかのように、鈴の体もピクリと跳ね上がる。
和也は鈴の反応を見ながら、唇から首筋へ、首筋から鎖骨へと、徐々にキスを移動させていった。
鈴の表情を見ると、酒のせいなのか、顔の色がピンク色に上気している。
そして、少し震えているのが分かる。
和也の家に来る前の事は分からないが、日本に来てからの鈴は、男性と付き合った事が無い。
仲が良かった男と言えば、自分と圭太ぐらいなものだった。
つまり、鈴は処女と言う事になる。
和也は出来るだけ優しく、そして怖がらせない様に細心の注意を払って鈴に触れていた。
しかし、元々残り少ない理性がどこまで耐えられるものだろうか。
そして鈴の耳元で囁いた。
「いいのか?」
鈴は無言のまま、首を縦に振り頷き、その後に蚊の鳴くような小さな声で、「うん」と言う。
それを合図の様に、和也は鈴を抱いたままベッドに移動をした。
「辛かったら言って、止めるから」
ベッドに寝かされた鈴に優しく言葉を掛ける。
鈴は首を左右に振り、「いいの。お願い」そう言って和也の首に再び両手を回すのだった。
先程までの優しいキスとは違い、お互いを求め合う様な激しいキスをする。
鈴がそのキスに溺れているうちに、一糸纏わぬ生まれたままの状態になっていた。
和也の優しく、しなやかで大きな手が心地よい。
鈴の体中に、赤い花びらが所々に咲き乱れた。
そして思わず声が出てしまう。
「ぁん・・・」
鈴の体の準備も整った頃、2人はとうとう結ばれたのだ。
「っつぅ・・・」
「止めるか?」
鈴は首を左右に振り、止めないでと言う。
そして二人は、心と体が繋がり、安心したように深い眠りについたのであった。
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許可を頂けたので、
下げコメントを失礼します(__)
でも、他に閲覧できる方法に
辿り着けましたので
アンカーは貼らず、感想のみ(^^)
ギリギリで来ましたね..//
ハナミズキさん、、エロいです..w
勿論、褒め言葉ですよ?w
今回も御馳走様でした♪
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