あきゅん 2014-08-01 17:36:46 |
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都内某所にて___残虐な殺人行為が行われた。
その手口とは、夜中、気付かれないように首を刃物で…糸鋸のようなものが現場近くから発見され、被害者のDNAが
検出されたことからそれが武器と思われた。そして、犯人は見つからず、名探偵と名高い坂峰 杣(さかみね そま)が
雇われたのだが___
「で、いくら支払ってくれるんですか?刑事さん。」
刑事の内藤 勤夢(ないとう つとむ)は困り果てていた。この探偵、腕はいいのだが金ばかり請求され、上司からも注意されていた。
「はぁ…。100万でどうだ?」
これでも高いくらいだと内藤は思う。しかし杣は首を横に振る。
「ダメ、500万。そうじゃなきゃ受け付けません、お引き取り下さい。」
「そもそも現場に足跡等は残されてなかったんですかぁ?まったく。これだから警察という組織は嫌いなんだよ、なんでも我々探偵にばかり任せる…。」
インテリアの水晶を磨きながらそう言うと、助手である 鯛田 直樹(たいだ なおき)は申し訳なさそうに内藤の方を見る。
「あ、あの…。この事件は同じ手口でまた発生するかもしれません。犯人は自分が捕まらないのをいいことにのうのうと過ごしていくと思います…。なので、それを防ぐために500万は安くないかと…」
そう告げると、坂峰の後ろに下がり、内藤にぺこ、とお辞儀をする。
「仕方ない…。坂峰くん、金は払おう、だから動いてくれ」
いつも鯛田に説得される。真に単純極まりない男だが、それがいい。
「キャッホーウ!そうこなくっちゃあですね!」
狂人じみた声をあげて杣はお気に入りの帽子をかぶるのであった。
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