ハナミズキ 2014-07-29 20:56:35 |
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少女の名前は早苗、高校2年生。
学校生活は順調だけど、周りの子に合わせてるから、言いたい事もあまり言えないの。
自己主張を強く出せば、仲間はずれになりそうで恐い。
一人はいや。
私はそんなに心が強くないから。
でも最近、友達や周りに合わせてる生活が、少し苦痛になってきたの。
うわべだけの友達・・・そんな気が・・・最近する・・・。
本音で話せる友達がほしい。
周りを気にしないで、話をしたい。
でも、現実では無理・・。
そんな勇気、私にはないから・・・。
家に帰っても、両親が共働きなので、夜まではいつも1人きり。
宿題や勉強をしても、まだあり余る1人の時間。
そんな時はパソコンをおもむろに開き、適当なサイトをいろいろと見ていた。
そして、ふと思い立ったのが、ラインは元々知ってる友達同士でやるけど、チャットは?
チャットなら顔も知らない人とやるから、もしかしたら本音で話せる人がいるかも。
知らない人と話す?
どーしよう。
私に出来るかな?
危なくないかな?
話すだけなら危なくはないよね。
そんな風にパソコンの前で自問自答する事1時間。
わたしは、勇気を出してチャットの世界に足を踏み入れてみる事にした。
初めて見るそこは、いろんな名前の部屋があった。
女の子大歓迎
誰か良い事しようよ←良い事ってなんだ?(笑
熟女カモーン
などなど・・・。
そこで一番無難そうな部屋を選んでみた。
誰でも歓迎(雑談部屋)だった。
恐る恐るその部屋に入ってみる。
一応、挨拶の仕方は知っていたので
「こんにちはー♪お邪魔してもいいですか?」
と、声をかけてみた。
あいにくと部屋には、主であると思われる人が1名いただけだった。
そして返事はない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何度か呼びかけてみたけど、どうやら留守のようだった。
その部屋を出ようか、それとも誰か来るまで待とうか考えてると、1人の男性が入ってきた。
その人の名前は『まめ』、なんか陽気な人だった。
「ちーっす」
「こんにちは」
「あれ?主は?また寝てんのか?w」
「わかりません。屍のようです・・」
とんちんかんな返事をした私を気に入ってくれたのかどうかは分からないけど、しばらく二人で話をした。
『まめ』は、私より一つ上の高3で、偶然隣の県に住んでいる事がわかった。
同じ高校生と言う事もあって、意外と話ははずんだ。
学校あるあるや、もうすぐ文化祭なので、どんなイベントがあるとか、話は尽きなかった。
そこにもう1人現れた。
「おっす。今日はお前らだけか?」
「そーだよ。みんな忙しいんじゃね?」
「ふーん。お前新入りか?」
そう言いながら入ってきた人の名は『さい』といった。
『さい』は私よりも2つ上の大学生だと『まめ』が教えてくれた。
本音で、何でも話せる友達がほしい、もちろん女の子で。
ところが、なぜか仲良くなったのは男の子。
――― あれぇ~?あれれれぇ~?? ―――
なんか当初の予定とは違うけど、まいっかw
そのうち女の子の友達もできるさ!
そう呑気に構えていた私だった。
しかしその部屋は、女の子というよりは女性と言ったほうが良い感じのお姉さまたちがほとんどだったのだ。
相談や悩み事には的確なアドバイスを頂く事もしばしば。
さすが経験者であるw
朝6時、携帯の目覚まし時計が勢いよく鳴り響く。
――― ピピッ・・・ピピピッ・・・ピピピピッ ―――
「・・・・ん・・あと5ふん・・・」
眠気とけだるさで、なかなか脳が起きてくれない。
連日、午後7時半まで、学校で文化祭の準備にあけくれ、その後は、9時頃まで近くにある公園にて、各クラスが披露するダンスの練習をやっている。
疲れた・・・。
家に帰り、遅い食事とお風呂をすませると、パソコンに触るのは早くても10時を過ぎてしまう。
それが最近の唯一の息抜きになっていた。
「こんばんは」
「やっときたかw
最近遅くね?」
まめが、嬉しそうに出迎えてくれた。
「この子が噂のJKかw
お初!w」
部屋の主と、まめの他に、お姉様たちが数名と知らない人が2人ほどいた。
彼らはもっぱら、仕事での人間関係について議論してたり、愚痴を言ってたりで、私とまめには、入っていけないような大人の会話だ。
その話を聞きながら、大人にも大人の悩みがあるんだなぁと、当たり前のことを考えながらボーっとしていた。
大人と話すのは、知らない事もたくさん知れるので、楽しいと言えば楽しい。
でも、やはり気を使い少し疲れるのも本音だ。
その日、二人のうちの1人の男性が、お酒を飲んでるらしく、少しきわどい会話の流れにもっていった。
「なぁ、お前ら幾つの時に初体験した?」
お姉様たちは、ノリノリで次々に答えていった。
「高1だよ~ん」
「私は19だったな」
「まじで!?うちは、中3w
好奇心で幼馴染とやろうっていってさwww」
と、初体験暴露体験へと発展していった。
すると突然その男性が、私にも話を振ってくるではないか。
「サナは、高2だっけ?
てことはぁ~
とっくにやっちゃってるよなwニヤニヤ」
と、笑いながら聞いてきた。
これが、マメやサイなら
「バッカじゃないの!?
この変態!!」
とでも言って、逃げるところだけど、相手は大人の男性、それもお酒が入り少々性質が悪くなっているためそうもいかない。
答えに困ってると、私にとってはないすタイミングでサイが入ってきた。
入ってくるなりいきなり、サイにも先ほどの質問を、お姉様たちにされ
「はぁ?そんなの中坊ん時にとっくにやってんに決まってんだろ」
何の躊躇も迷いもなく即答してるサイに対し、お姉様たちからは、サイは鬼畜だ!やりちんだ!と散々いわれていたけど、結局その後、その話を私に振ってくることはなかった。
サイ様・・・ありがとう!
学校が終わり、家に帰ってチャットをするも、前回の事が少々トラウマ化しており、お酒の入った男の人は少し苦手になってしまった。
でも、そう言うエロモードに突入すると、なぜかマメが張り切りだして、お姉様方に甘えまくっていた。
その様子を男性陣が面白そうに茶化す。
「カナさんのそのDカップに埋もれてみた~い」
「マメには10年早いわ!」
「マメちゃん、うちが添い寝したげるよ~♪」
「添い寝だけで済むと思ってます?チカさんw」
さりげなくマメのやらせてトーク炸裂。
「マメ、チカは俺のもんやからガキはとっとと寝ろw」
その話を見ながら、私は
『マメって女なら誰でもいいのか?』
などと思ってしまった。
たまに私の方に話が振られそうになると、必ずマメかサイが助け舟を出してくれた。
「サナ、今度デートしようぜ、デート」
「ええええ?!顔も知らないのに無理じゃないですか?」
「アド交換してシャメ送りあえばいいやんか」
私は、見ず知らずの人にそこまでする気はなかったので断ろうとした時に
「テツさんってロリコンだったんすか?
サナみたいなガキとデートしたってたかられるだけっすよw
俺の予想だと、サダコ並みのロン毛ににきび満載のチビだと思うっすよw
こんなの連れて歩いたらテツさんが笑われるからやめといた方がいいっすwww」
言いたい放題である・・・。
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