新谷 2014-07-27 22:40:27 |
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本チャットサイトにおける利用規約とマナーについての解説を読んだうえで,それらに抵触しそうな表現は慎むつもりですが,
●厳密に何を不快に思うか
●どこまでをセーフと考えるか
等は個人によって違いがあると思いますし,閲覧は自己責任で願います.あと個人的に,小中生の閲覧は勧めません.
嫌な予感がした方は引き返してください.
P-1
ドアノブを掴んだはずが、僕が握りしめたのは血のこびりついた人間の手首だった。
しかし、その手首が生えているのは僕の自宅の扉であり、しかもドアノブのあるはずの場所なのである。そこで僕は、この誰のものともしれない手首は見当たらないドアノブの代理なのだと思った。
だから、僕はその手首をひねりあげた。手応えがない。そのまま引っ張ってみるが、扉は開かない。不便なことになった。
しばらく、掴んだ手首をよじったり、折り曲げてみたりと奮闘していたが、僕の手の汗と手首についていた血が混じり、鉄臭い匂いがほんの一瞬香っただけで、扉は開かないままだった。
仕方がないので、僕は扉に鍵をかけ直し、アパートの階段を降りて、最下段に腰掛けた。誰かが来てくれるのを待つしかなかった。
P-2
僕は隣の部屋に住む新谷さんに挨拶をした。そして、一緒に階段を上り、鍵をあけ、ドアノブを回して自分の部屋に入った。
服を着替えて布団に転がると朝がくる。
鳴りやまない目覚まし時計は壊すしかないが、ばらばらにしても音はとまらなかった。
僕はそのうち、耳につく騒音が1つのネジから響いていることに気付き、困った揚句、それをティッシュで何重にも包んで輪ゴムで縛り、箪笥の中に隠しておいた。
あっちこっちに人の顔が見えたが、幻影に違いなかった。どちらにせよ、以前、不用意に目を合わせて注意を受けたことがあったので、視線を俯き加減にして行動する。
カットしたパイナップルにヨーグルトと蜂蜜をかけて朝ご飯にした。服を着替え、顔を洗ってから出かける。外は雨だったので傘を持っていきたかったが、うっかり忘れて扉を閉めてしまった。
外側のドアノブは手首のままで、ドアノブとしての機能を果たしてくれないため、僕は傘を諦め、そのまま出掛けた。
P-3
次の新月までに探し物を見つけないといけなかった。そのために仕事もやめたのに。
食べるものがなくなったので近所のスーパーに行ったが、店員は真っ黒だった。僕は新谷さんと一緒にアパートを出なかったことを後悔した。分かっているはずのことを繰り返してしまう日常に辟易していた。
何故、逃げ出さないのかと聞かれたことがあったけど、僕は自宅とこの町のことは気に入っていたからだ。それから、探し物を見つけないと、どこに行っても似たようなことが起こりそうな気がしたから。
僕は雨の音と車の音が怖かった。でも、仕方がないから買い物を終えたあとはアパートの階段のところで新谷さんが来てくれるのを待った。
P-3
僕は隣の部屋に住む新谷さんに挨拶をした。そして、一緒に階段を上り、鍵をあけ、ドアノブを回して自分の部屋に入った。
ジャケットとズボンを脱ぎ捨てた。寝なくても朝は来るのだと知っていたから怖かった。
不安な気持ちを抱えたまま、ガラパコス携帯でインターネットをしていると眠たくなってきた。
時間がないのに、僕は動くことができなかった。暇でもないのに暇つぶしのようなことを繰り返した。現実逃避と呼ばれるものだろう。
僕は現実に戻りたいと思ったが、なかなかそこに戻れずにいた。
P-4
朝がきた。僕は辛かった。歯磨きがしたかった。しかし、気力が沸かなかった。ただ、辛かった。
ゴミを出しに行きたかったが、収集時間は既に過ぎていた。鏡を見たら、肌が荒れていた。
冷蔵庫の中には乾燥したご飯があったから、僕はそれに生卵とポン酢をかけて食べた。
顔を洗って軽く歯磨きをして、アドレス帳を捨てたあと、外に出た。近くの道路を救急車がサイレンを鳴らしながら走っていったので、しばらく経ってから驚いた。
とにかく今日は新谷さんを待つことにした。なるべく、さりげなくしたかったので、僕は柵に寄り掛かって煙草をふかした。
しかし、昼になり、夜になり、次の日の朝になっても新谷さんは現れなかった。僕は疲れて、アパートの廊下に横になっていた。そして、気付いた。僕の部屋の扉から、手首が生えていることに。その所為でいくら待っても新谷さんに出会えなかったのだと、僕は今更になってから気付いた。何とも表現し難い無力感と自己嫌悪に囚われた。
《探し物を手伝ってほしい.そのために“僕”は次にどうしたら良いか》
「まずは協力してくれそうな人に情報を開示することかな」
「次のうち、どれか聞いてくれる人がいれば“僕”の持っている情報を開示します」
1)手首について
2)新谷さんについて
3)その他(自由記述)
補足として,苦情が来た場合は即刻更新をやめ,トピックは削除依頼を出します.
ボードの後に協力者が現れなかった場合も続きは更新しません.
《レスポンス アリガトウ》>13
新谷さんは“僕”の隣の部屋の住人です.社会人で20代の女の人です.
追質問があれば,自由記述でお願いします.
質問が一通り,頂けなくなったら,強制的に追記述に戻るかもしれません.
《レスポンス アリガトウ》>14
ドルドルは“僕”ですが,“僕”は自身について大雑把に話すことは苦手のようです.
p-1とウ-1という“話”については“僕”は知らないはずです.“僕”はその中の登場人物であるため.
《レスポンス アリガトウ》>17
手首は“僕”の住居の扉から生えています.先に述べたように,ドアノブがあった位置から1本だけ生えているのですが,ドアノブの代わりにはなりませんでした.
“僕”が1人でいるときには扉から生えているのですが,誰かと一緒にいるときには見ることができず,生えていたはずの場所には普通のドアノブが設置されています.
《レスポンス アリガトウ》>18
探し物については,“僕”はあまり多くのことを知りません.むしろ,少しのことですら知らないかも知れません.
しかし,「ない」ということだけは分かるものであり,見つけて手にすることで“僕”にとって良いことがありそうなもののようです.
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