明日菜 2014-07-21 22:06:05 |
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叫んでも届かない慟哭は
時に刻まれた峡谷にただ反響する
その音はまるで猿声のようで
しかしその声はたしかに僕であった
夕霧が霞む岩谷の中
自身という実態までもが確証のないうやむやな物へと変換されていく
日が暮れ落ちる中で揺れる蜃気楼は誰なのだろうか
僕かもしれないし、誰かかもしれない
翳したこの手はたしかにこの目に映るのに
それを見る僕の顔は決して映らない
主体性の見えないこの谷の中で
また誰かの叫び声が聞こえた気がした
~渋谷
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