見えないものを抱え込もうとして 僕はまた空気を呑み込んだ。 けれど求めていたものなんか何も入ってはいやしない。 僕の内臓で溜まった空気は体内をグルグル渦巻いて 嫌悪と諦観と一緒にゲップとなって吐き出された。 この感情だって二酸化炭素なんだ。 たしかに見えないこの思いは、でもきっとたしかに存在しているのだろう。 だって君を愛したこの心臓は今でもこんなに重いのだから。