... 2014-07-16 19:12:49 |
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(我慢の限界に達しようかという寸でのところで、突如の解放。己の懇望が受け入れてくれたと思った男は強張った身体を脱力し、安堵の息を吐いて。つまり、彼の身体の変化には気付いていない。「お、おう」と返事。が、何だか慌てたように身体を洗う姿が気に掛かる。急にどうしたのか。そそくさと浴槽へ行ってしまう背中を訝しげに見送って。その頃になれば、身体も落ち着いてきを取り戻し、彼の悪戯によって中途になっていたため、自分のタオルでまだ洗っていない箇所を拭っていると、突如響き渡る声。驚き、背を伸ばして浴槽の方を見遣るも、座った姿勢からでは彼を確認出来ず。「大丈夫か……?」と、相手が気掛かりに思いつつシャワーで泡を流すと、タオルを腰に巻き、浴槽へと移動して。口元まで湯に浸かる彼を目視して微かに目を丸くするもそのまま湯に入り、彼の現状を知らない男は何の躊躇も無く隣へ行って)
――どうした? 具合悪い? 浸かり過ぎるとのぼせるぞ?
(おはようございます^^ 昨日も有難うございました。本日もよろしくお願い致します!
いえいえ、ニマニマさせていただいております(危険)
愚息は気付いていないようなので、気にせずどうぞどうぞ(←))
(訂正:
己の懇望「が」受け入れてくれた → 己の懇望「を」受け入れてくれた
身体も「落ち着いてきを」取り戻し → 身体も「落ち着きを」取り戻し
相手「が」気掛かりに思いつつ → 相手「を」気掛かりに思いつつ
確認する前に誤って投稿してしまいました!なので細かくてすみません!(平謝り))
─っふ、...平気平気。
(ぶくぶくと湯の中で空気吐き出すも、彼が隣へと来れば自然と脚を閉じる始末。漸く湯から口元出せば酸素吸い込み隣を横目に上記告げ。彼が心配そうに此方へ問いを掛けるも、内心は焦燥感で一杯。今この状況がバレてしまったら明らかに原因は彼との接触で起こりうる欲情しか検討が付かないからだ。己に欲を持たれてる事を彼が気付いたなら確実に身の危険を感じるか否か、少なくとももう二度と此の様に話せない気がした。彼を想う気持ちから男として身体の欲も出てきてしまう。これまた初めての体験であり、自分でも動揺してしまい自然と身体強張って「鮫島は心配性だなー。さんきゅ、でもほんとに平気だから。」と小さく笑って背にある壁にて凭れ掛かる。次いでふと気になった事がある故に、極自然と問い掛けて)─そういや、鮫島ってモテる割りにはあんま恋愛話とか聞かないよな。付き合ってる奴とか、好きなやつとかいないの?
(ニマニマしていらっしゃるんですか((
鮫島くんが鈍感?で地味に天然(純粋)な所がとてもかわいいらしいです←
此方の子は色々とふしだらで、お相手させて申し訳ないくらい(ぷるぷる
うおお、なんか全然違和感なくて気づかなかった私って一体...(←)
了解ですっ)
――分かった。もし気分悪くなったら、すぐ言えよ?
(彼がそう言うならと、内心気掛かりではあるものの、小さく笑う表情見れば、男も同じく口元緩く弧を描き、上記を告げ。そして彼の額、無造作に貼り付く髪を指先で分けてやろうか。男は湯の中で胡坐をかき、隣の彼に釣られるよう、無意識に壁へ背を預ける。毛先から落ちる雫を拭うように、片手で髪を掻き上げていると、不意に彼から質問が。視線を流し彼を一瞥すると、徐にまた正面へ戻して)
ああ――……昔はいたけど、今はいないよ。
(彼の言葉に昔の誰かを思い出しているのか。瞬き緩く、静かに答えて)
(はい、大概くち半開きです(←)
素直で素敵な久城くんと接するうちに、初期設定より大分丸くなった感のある愚息ですが^^;、そう仰っていただいて恐縮ですっ
いやいやいや!お相手していただいて、本当にいつも光栄に思っておりますですよっ
主様は自動補完能力が高いのですね!さすがです!
気を付けてまいりますので、今後ともよろしくお願い致します^^)
っ、ん。そういう鮫島こそ。案外逆上せるのはそっちかもしれないし。
(くすくすと笑いながら紡いでいると、不意に触れられる其の指先にぴくりと肩ほんの僅かに震わせ。脚を未だしっかり閉じた侭、隣の彼へ顔向け見つめていれば、髪掻き上げる姿を視界に捉える。ふと彼へ手を伸ばしては、前髪全て上げて顔覗き込んでじっと見詰め「なんか、普段は誠実な爽やか男子ですって感じだけど、こうやってすると...バーテンダーにいる大人の人か、喫茶店にいるオーナーさんみたい。...、...似合ってる。」最後の言葉は語り掛けるというより独り言の様に呟き手を離して湯の中へ。問いの答えには、彼でも矢張り彼女はいたんだと当たり前の事であっても胸が少しもやもや。自然と表情も心底嬉しくなさそうな色合いを帯び、己的には平常心装った形で言葉紡いで)─そっか。...その子の...、その子のどんな所が...いや、何でもない。
(更に気になった事があった。問い掛けようとすでに口は走っていたものの、これ以上知りたくも無い内容だとも思う自分もいた。知ったらもっと気持ちが曇る。彼に思われていたその子が羨ましい。素直にそう思ってしまったのか、溜め息ひとつ)
(ちょ、ならば私はあぼーんとしてます(
おおお、それでもやはり素敵です!
ただ、ボ ケているだけかと(←)
いえいえ、こちらもいつもみすばっかりで.,.さて、これはお返事ないでも構いませんよっ
)
もしそうなったら、久城が助けてくれるんだろ?
(彼の微笑みが移り、双眸細めながら、前髪整える手をそっと引き戻し。すると、今度は彼の方が己の髪に触れ。じっと見つめ紡がれた言葉に小さく瞬くと、「そう? じゃあ、これからはこれで学校に来ようかな、なんて――、……」冗談混じりに返せば、不意に聞こえた呟きに思わず口を結ぶ。独り呟くような声色の変化に、一瞬鼓動が跳ねたからだ。突然そんなことをストレートに言われたら、些か照れ臭い。すっと視線を外すと、汗で濡れた顔面を両手で拭った。纏い付くその気恥かしさを拭い去るように)
その子、ていうか、年上の人だったけど――……、……? どうした? やっぱり気分悪い?
(更に重なる問い掛けに、当時を回想する男の声は落ち着いている。正面を向いた状態であったため、彼の溜め息聞こえて、すっと視線を横へ流した。問い掛ける声はいつもと同じに聞こえたが、今、視界にある彼の表情はどこか曇っている。男は微かに眉を顰めると、そんな顔を覗き込むようにして、心配そうに上記たずねて)
勿論─、鮫島がいきなりオールバックで学校来たら女子はキャーキャーうるさいと思うけど、先生は皆吃驚しそー。
(案の定助けるつもりだ。軽く頷いて。彼の冗句にはぶ、と吹き出しつつ脳裏にてその場面が淡々と流れる。前へ視線を戻すと、湯からもんもんと沸き上がる蒸発した其れ。意味もなくただ見詰めていると段々ぼー、と自然に双眸が細まり「...鮫島って年上好みなの?...」若干吐息交えた声色で問う。何処か力無く額を手の甲で拭いつつ)
いや、平気。なんだけど。ほんとに─ちょっと逆上せたかも。
(若干項垂れた様に俯けば、視界が若干ぼやける始末。耳まで紅潮する其れは羞恥心でも何でも無く、矢張り逆上せたのが原因だったらしい。そろそろ出ると言わんばかりに身体に力を入れ立ち上がろうと腰持ち上げてはぐわんぐわんと一層来る其れの感覚に若干よろけ)─。
(彼がこちらの冗談に乗ってくれば、男も可笑しそうにハハと一笑する。浴槽に満たされた湯から立ち昇る蒸気に包まれながら、「好みっていうか、好きになった人がたまたま年上だっただけだよ」と返すも、その言葉を向けた先の相手、耳まで赤くなり、ぼーっとした様子が気に掛かる。「大丈夫か?」と、相手が立ち上がるのに合わせて、己も腰を持ち上げた矢先、平衡を失い掛けた身体に気付けば、双眸見開き、咄嗟に抱き留めた。肩越しに「大丈夫かっ?」と心配する声は、先程のそれより強味を増して)
――取り敢えず出よう。足元気を付けて。
(今は彼の意見を聞く前に、この熱気から少しでも早く遠ざける方が先決と判断。彼の手首を掴むと己の肩に腕を回すようにし、肩を貸す。もう一方の手で腰を支えながら、浴槽から出て。その様子に気付いた他の生徒が心配そうに声を掛ければ、「ありがとう。大丈夫」と返しつつ、自分一人で彼を支える。鍛えられた男の体は、彼の重さが多少乗ろうともバランスを失うことなく、やがて脱衣所へと辿り着き)
――久城、大丈夫? 部屋まで肩貸すけど、それより先生呼ぼうか?
(顔を僅かに横向け、逆上せた様子の彼を心配そうに見つめながら優しく聞いて)
たまたまね...
(何処か納得した模様。そしてよろめいた身体が自然と何かに支えられる。彼の声が耳元で響く中、若干朦朧とした意識で平気だと伝えるかの如く「ん。」とだけ返事。だが、矢張り上手く立てない。自然と彼へ身を任す形になると保歩幅合うようにゆっくり歩き出し。やがて脱衣所へつくと、自然と火照った身体に先程よりも幾分か涼しい空気が肌へ触れ、朦朧とした意識も除々に引き戻される始末。「...ごめ、鮫島。...もう、平気。なんか本当軽く逆上せただけだから。」と参った様に眉下げながら小さく笑い、申し訳なさ気な表情。次いでゆっくりと彼から身を離して近くの壁は凭れ吐息漏らして)さんきゅ、ほんともう大分平気だし。
(先程紅潮していた頬も耳も、先程よりは治まってきたらしい。早くも顔色が元の色へ戻っていって。然し、まだその場から動く事無く背中を壁に預け)さて、服着替えてそろそろ戻る?
(彼の『平気』との返事を聞いても、「そう……?」と、男の心配そうな表情は変わらず。次いで己より離れようとする気配を感じれば、取り敢えず彼の意向に任せ手を解くが、ずっと注意深く様子を見ていて。でも、先程より大分顔色が戻っている気がする。彼の言う通り、軽く逆上せただけかもしれない。そう思い至ると、漸くほっと小さく安堵の息を吐いた。――どうも彼のことになると心配してしまう自分がいる。今回だけじゃない。昨日の昼休みだって、保健室のことだって。本より責任感は強いが、授業をサボるなんて初めてだった。それで、挙句の果てに『おかん』と言われてしまった訳だが。別段、誰かに指摘されることなんて今まで無かった。何でだ。何か違うのか。分からない。でも、気に掛かるんだ)
(傍らの壁に凭れたまま動かない彼を見つめながら思考が巡っていた。男は徐に手を伸ばし、その甲で彼の頬に優しく触れてみる。具合は回復してきているようだが、まだ風呂から上がったばかり、その温かさが直ぐに伝わって。柔らかでありながら、真摯な色を孕む男の視線)
――あんまり無理しないで? 俺……久城のこと、なんか、すぐ心配しちゃうみたい、だから――
(静かに声が響く。思考の末、結局明確な理由が見つけられなかった男は、今の思いをそのまま素直に相手へ伝えた。思いを告げた後、数秒彼を見つめれば、すっと手を戻して。「……部屋戻ろうか」と、遅ればせながら彼へと返事する声は、いつものそれで)
もうそんな心配そうな顔すんなって。ひと平気。
(壁に凭れ掛かった侭未だ此方を尽きずに心配した表情で見詰める彼。本当に心優しい彼だ。一番の魅力といえば、人を大切にする所なんだろうな、なんて現状で無関係な事を思いながら己の状態をしっかりと彼へ報告。不意に伸びた手の行方を視線で追うと其の柔い感覚に、胸の奥で熱が籠る始末。すぐ彼へ視線戻せば其の言葉に目丸くして肩揺らす。嬉々とした気持ちが溢れる前に驚きが先だった模様。)─ッ!...、...そっか。...無理はしない、あんま鮫島に心配掛けたくないし。
(告げ終えると漸く壁から離れ荷物のある籠の所へ移動。バスタオルで頭部、身体、と順に拭けばラフな黒半ズボンに僅かに模様有る白Tシャツを着ていく。やがて着替え終えてしまえば頭にバスタオル被せた侭、彼を見ていつでも部屋へ向かえる様にして)─。
(先ほど彼が真剣に述べてくれた其れ、今更の如く嬉々感が溢れる─共に彼を想う気持ちでさえ溢れそうになって怖い。自分の胸の中にいつまでも仕舞っておいて、彼とただ一緒にいたいのだ。それでも溢れそうになるこの気持ちを胸の箱に押し込む度苦しくなる。そんな思考からか、自然と表情が曇っていく。視線はやや斜め下であり片手に荷物持ったままで)─。
(不器用な言葉を発してしまった、という自覚はあった。けれど、相手は僅かに驚いた様子でありながら、それを受け止め、応えてくれた。彼の言葉が、男を微笑ませる。「――うん」と一言。されど、その一言に、嬉しさが穏やかに滲んでいた)
(部屋に戻る身支度を整える。黒の無地Tシャツに、白いラインが入った黒長ズボンの出で立ち。着替えが終わったのは、彼の方が少しばかり早いくらいで。男は首にバスタオルを掛けると、待つ相手の元へ。「行こうか」と、声掛けようと開いた口が中途で止まる。視線の先の表情。掛けるはずの言葉は消え、徐に口を結んだ。この曇った表情は何回か見た気がする。その度に胸が苦しくなったことも覚えている。今だってそうだ。眉根が僅かに歪む。視線落とす彼の視界に入るよう、少しばかり屈んで、そっと顔を覗き込んだ)
…………久城……?
(ぽつりと、優しく、彼の名だけを紡いで)
(訂正了解しました! 大丈夫ですよ~^^
本日はこれにて失礼いたします^^
いつも楽しい時間を有難うございます。
おやすみなさいませ~)
─っ、ん?あ、御免御免。行こうか。
(彼の着替える姿を視界の端に捉えつつ、ぼーとしていると突如視界の目前に映る彼の顔に漸く我に帰りバッと見て上記伝える。また彼に心配を掛けさせてしまった様だ。心配無い、と言わんばかりに薄く笑み浮かべて彼と共に歩き出す)
なんか、こういうの修学旅行って感じがするわ(部屋へ戻る道を歩み続けながら、ふと思ったことを口にするとそう遠くは無いが故に、部屋へと着き扉を開く。すると己の端末機に着信音。あ、と若干足早に中足踏み入れ荷物の所へ移動すると端末機を片手に取りつつ荷物置いて。鳴り響いていた着信音もぴたりと止まり、履歴を確認するとそこには遊び人の元彼女からので。「ちょっと、電話来てたからしてくる。」と変わりない様子で告げて部屋から出ていき)
(昨日はすみませぬ!
そして、おはようごいますっ)
(薄く笑みを浮かべる彼を見て、男も同じく微笑んだ。心配なのは心配だが、し過ぎるのも彼に負担かもしれない。思いは胸に秘め、「――おう」と呼応し、並んでその場を後にしようか)
そうだな。修学旅行も久城と一緒がいいな。楽しそう。
(思ったことを素直に述べる男。想像しているのか、楽しげに頬を緩ませて。やがて部屋へ辿り着けば、携帯の着信音が。己のものでなければ彼のだろう。足早に音の鳴る方へ向かう彼の後で、男はいつもの歩調で己の鞄へと進む。軽く屈んで荷物を置くと同時、掛かる声に顔だけ起こして、「ああ、分かった。いってらっしゃい」と短く告げ、彼を送り出す。扉が閉まるのを一瞥するとクローゼットへ歩み、空いたハンガーにバスタオルを掛けて。一つ深い息を吐く。徐に荷物の所へ戻ると、鞄より財布を取り出し、風呂上がりの飲み物でも買おうかと――逆上せた彼にも良いだろう。たしか、浴場へ向かう道に自販機があったことを思い出して。扉を開け廊下へ出ると、やや足早に歩き出し)
(おはようございます!あ、もう こんにちはですねっ
「すみませぬ」なんてことは何もないですよ^^ またよろしくお願いします。)
─。
(部屋から出た後、先程は通り過ぎた自動販売機まで歩み。今頃入浴する者も当然居ない訳で、今は人気の無い所と言ったらこの場所だろうと選んだ場。辿り着くと自動販売機の横に行き壁に凭れ掛かる。端末機片手に着信履歴に彼女の名が埋まっているのを再び直視し、興味無さ気な瞳で彼女の元へ電話を掛けた。「─もしもし。...俺だけど。」『快、なんかやってた?御免ね。...あのね...、今日もし良かったら一緒に寝ない?』彼女とはもう何人か前の関係だったが、別れた際でもこうして稀に一夜を過ごす事があった。然し暫くの間は連絡を取り合っていなかった為、これからもそうであるのかと思っていた己にとっては予想外。無論別れてからは己から連絡を取った事は無く、気分だった時にだけ彼女の相手をして遣るというだけの事で)
...。
(彼女の誘いに目を伏せ「無理。今学校行事で泊まってるし。」『えっ、そうなの?...ごめんね、...ねぇ快...寂しい。ずっと聞けなかったけど快は...もうやっぱり相手いるんでしょ?でも、また遊びだよね。それなら、私とももう一回やり直そうよ...他に彼女いても、文句言わないから、っ...』電話越しから鼻啜り何処か弱々しく呟く彼女の声。別にそれで良いんなら良いけど。─己ならそう答える、然し己の口から出た言葉は違った。「...無理。それに、あんたを抱く事はもう二度と無いから。...御免」『えっ?何で?...快?』困惑した彼女に此方はただ本音を淡々と告げていく始末。彼女もまさか己が断るとは思いもしなかったのだろう、驚き隠せない声色で問う。暫くの沈黙の間、漸く下記告げて)
本当に。本当に好きな人が出来たから─。
(いえっ、ねてしまったのでええ
はいこたらこそ!^^)
(彼が帰る前には部屋に戻っていようと足早に廊下を進む。一つ、二つ、と角を曲がった所で視界に写る自動販売機――と、その奥に彼。「あ、」と小さく口を開くも、耳に携帯を宛がっている姿を見取ると、声音を出すことは控えて。『無理。今学校行事で泊まってるし。』――はっきり声が聞こえる数歩の距離。しかし、間に自販機があるため、彼は気付かず会話を続けているようだ。間もなく話が終わるのであれば、共に部屋へ戻ろうかと、様子を見つつ、男は待機してみる。『...無理。それに、あんたを抱く事はもう二度と無いから。...御免』――男は微かに目を見張り、そしてバツが悪そうに視線を伏せた。聞いてはいけない話かもしれない。再度、気付かれていないか彼を一瞥すれば、目に付かないうちに一旦戻ろうと、そっと踵を返して。淡々とした彼の声は、さっきまで話していた友人とは思えない、知らない人のようで、居心地が悪い。「……早く行こう」と心のうちで呟きながら、角を曲がろうかという所)
『本当に。本当に好きな人が出来たから─。』
(ぴた、と足が止まる。足だけじゃない。瞬きも、呼吸も、心臓も、一瞬だけ全てが止まったような気がした。思いもよらない彼の言葉を理解するまで数秒を要し、徐に壁に背を凭れる。大切なことを知ってしまった、と僅かに鼓動がはやるのを感じ、瞬きも増えて。取り敢えず落ち着こうと、一つ息を吐いた)
(いえいえっ 睡眠は大切ですから^^
主様のペースでこれからもお相手して下さいませ~)
─。
(彼がいる事は無論気付かない。電話に集中していた為か否か、はたまた人が来るとは思いもしていなかったからか。特に気にしていなさそうに電話越しの彼女へと意識を向ける。己の言葉に更にまた驚いたのだろう『あはは...うそ...でしょ?やめてよ、そんなじょ』「ほんと。」彼女の言葉に己の言葉を重ねた。それから背凭れから僅かに離れて「俺、その人と出会って色んな事を知ったんだよ。...好きになるとこんな気持ちになるんだ、って。...俺、ほんとに調子狂っちゃってさ。別にそいつのせいじゃないし、責められないんだけど。初めての気持ちでよくわかんなくなって、辛くなったりなんかして。正直今も辛い時がある。...今まで誰かを失っても、別に痛くも痒くもなかったのに...そいつを失うかもしれない、友達でさえも要られなくなるかもしれないって思うと怖いんだ。」己の本音なんだろう。落ち着いた声色で有りながらも今にも崩れてしまいそうな程何処か切なく紡いだ。目を伏せつつ吐息一つばかり漏らす。『っ、...、...そっか。本当にその人が好きなんだね。快がそういう事言うだもん...、...あはは、ずるいよその人...私には快を本気にさせる事、出来なかったのにっ、っ...離れれば快がもしかしたら、本当は私が必要だったって思ってくれるかと思ったのに...、っ』しゃくりあげる彼女を耳に胸の奥が熱く痛む。彼女の気持ちが何となくわかる気がした。その辛さも。)─俺はそいつが好き。...だから、あんたも他の女も男ももうそういう面で絡む気は無い。...それから、ゆり。...今まで有り難う。
(それを最後に伝えると、彼女は完全に泣き崩れてしまったのか否か、一層泣く声が聞こえる。然し暫くすると『...、...ほんとだよ馬鹿...、っ。...、...なら、快...、友達、になってください。』「─勿論」こうして二言交わし、電話を切った。端末機持った手を下ろしはぁとため息をつく。だが、その溜め息は何処か安堵したかのようで、寧ろ颯爽とも捉える事が出来る値だった。よし、と元の道へ戻り角を曲がろうとした途端、彼の後ろ姿。)─あれ、鮫島?
(わぁ、お優しい!有り難うございます^^)
(最後の行辺り
元の道へry=元の道へ戻ろうとする時、彼の姿が視界に入る。僅かに目見開かせて不思議そうに普段の調子で呼び掛け
すみません!!間違えてしまいましたたた)
(吐く息は長めで、少しばかり目を閉じる。誰かに向けた大切な話を自分が盗み聞きするのは良くない。「……よし、行こう」と決め、双眸開いた刹那、再び彼の声。いけないと思う背徳感ごと、男の意識を引っ張っていく。好きな人を想う彼の言葉が、それを紡ぐ声があまりにも切なくて、男はその場を離れられなかった。そして不意に、初めて一緒に帰った時のことを思い出す。あの時、彼は付き合う人に対して『その時の暇が潰せたり、欲が満たされれば其れで良い』と言った。そして、男は言った。「久城もいつかきっと出会うよ。そういうのだけじゃ、どうしようもなくなるような人に。」と。今、彼の真っ直ぐな言葉で分かる。彼は出会ったんだ。『本当に、本当に好きな人』と。それは男もささやかに願っていたことだった。そうなったら彼にとっても良いと思っていた。そして勿論、今もそう思っている。でも、それだけではなかった。――こんなに想われている誰かが羨ましい――。そんな思いが頭を過ぎり、男は思わずハッとする。「何だ……今の……」と思いながら、眉根を顰め、手の甲を口元へ宛がった。「友人が誰かに取られると思っているのか? ……子供じゃあるまいし」と思考が巡る中、無意識に皮膚を噛み、痛みに思惟が中断する。手に刻まれた小さな歯型。「……何考えてるんだ」と、自分でもよく分からない思いに飽きれて溜息を吐き、だらんと手を下ろす。友人に心から好きだと思える人が出来た、それが自分も嬉しい、それで良いじゃないか。眉間の歪みもそのままに短く息を吐くと、凭れた背を戻して、今度こそ帰ろうとした矢先、また耳に届くは彼の声――『あんたも他の女も男ももうそういう面で絡む気は無い』。……『男も』? 人の好みに偏見はない。しかし実際に聞くと、さすがに些か驚くもので。「……久城はそういうタイプなんだな」と咀嚼するのに時間を要していれば、またまた彼の声。しかし、それは電話口の相手へではない。明らかにこちらへ向けられたものだった)
――、……あ、久城……
(戻るタイミングを失った男は、まんまと彼に見つかってしまった。内心驚きに大きく心臓跳ねるも、努めて平静を装い)
……風呂入ったから、喉、乾いて……ほら、久城も軽く逆上せてたし。飲み物あったらいいかな……て。それで、ちょうど今来たら、ちょうど久城が電話終わったみたいだったから……ちょっと、待ってた。
(盗み聞きをしておいて、「好きな人出来たんだな、おめでとう」とは性格上、言えなかった。頭をフル回転させ、立ち聞きではない、己が今ここにいる理由を構築する。<今>を強めるために若干言葉がおかしいのは、次の行動を打つ早さで隠そうと、自動販売機へ足早に歩み出し。「久城、何飲む?」と財布から硬貨を取り出し、投入口へと入れてから、首を捻って彼を見る)
(訂正了解です^^)
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