個人的な小説を作るトピ

◆ 01　佐江




一体、何時に電話してきたと思ってたんだ、あの馬鹿。
寝足りない俺はいつもならとっくに教室に入り
馬鹿騒ぎしている時間に目を覚ました。遅刻決定。
そしてなんとか一時限目半ば位に教師の目を盗み自席に着席。
弁当時間まではなんとか必死になって目を覚ましていたものの
午後授業は完全アウトし五時限目は見つからなくて済んだが
とうとう六時限目、それも特別恐い数学教師に見つかり
暫くの間、色色と説教されてしまった。
部室へと続く長い廊下を歩く。
ため息を一つついて部室のドアノブに手をかける。
開けようとする。でも開かないのはきっと俺が開けたくないからだ。
結局、部室のドア前に立ち止まって5分ぐらい経過した後、勢い良くドアが開いた。
「･･･何？サボろうとしてたの？」
中から出てきたのはこの部室を仕切る部長、姫野沙織。
強気な正確と決して曲がらない信念。
後はリーダーシップの取り方を良く知っており、そして一応、お嬢様だと
いうこともお伝えしておこうと思う。
「遅刻の罰は何がいいかしら。ところで遅刻したうえにプリント忘れなんて
　最悪な事態になるなんて事、ないわよね？」
俺は鞄を探る、振りして今プリントが無いことに気がついたと言わんばかりの
顔して頭をペコペコ下げる。
まぁ、プリントが無いのは当たり前で朝、自分がファイルから抜き取って
学校に持ってこなかったのだ。
呆れ顔の姫野。そんな、あんなプリントで怒るか？
「最悪、最低。遅刻にプリント忘れ。今日の罰は
　自腹で駅前のプリン色色選べる8個セットをお願いすると同時に
　皆が帰ってから部室の掃除、後はHPの悪戯書き込みの削除。
　これをしっかりして頂戴。サボったら明日はもっと
　ハードにするわよ？」
待て。おかしくないか？一番始めに罰。
HPの悪戯書き込み削除と掃除はわかるけれど何でプリンなんか
買わなくちゃいけないんだ。
結局、あんたがプリン買いに戻ってから昨日の事について
話すからと言われ、急いで買いに行った俺である。