マトリョシカ← 2014-05-09 02:38:41 |
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『─黒子っち ! 見て見て、これ凄くないスか! ?』
『あはは、黒子っちと居るとやっぱ楽しいっスわ !』
『ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ! ! 黒子っちは毎日、一生懸命練習を重ねて努力してここまで来たんだ! 卑怯な手を使うアンタ等と一緒にすんなよ!』
『─大丈夫っスよ、黒子っち。俺はいつでも黒子っちの味方だから!』
僕と一緒に居て"楽しい"と笑ってくれた
いつだって僕を庇ってくれて、辛い時は何時も傍に居てくれた。
そんな黄瀬くんから笑顔を奪ったのは、誰… ?
─ああ、僕だった
君に、一生消えない"傷"を残してしまった…。
ごめんなさい、黄瀬くん──。
空を見上げれば、雲はひとつもない。
前なら、大好きだったはずの景色なのに
今は、大嫌いだ
だって、思い出してしまうから
頭に焼きついて離れない
"あの時の光景"を
朝、体育館に入っていつも通り練習に移る。
パス回しが主なスタイルとなっている僕は、皆から良く思われていない
"実力"、"才能"が一番だからだ
でも、分かってる
今よりもっと強くならなければいけないと。
「一旦休憩だ」
赤司くんの指示により休憩に入った。
外の空気を吸いに行こうと出口を見た時
「黄瀬……くん…?」
足が固まった
どうして
「─久しぶり、黒子っち」
君が此処に居るんですか……?
「──、」
僕は黄瀬くんを無視して
彼の横を通り過ぎた
視界に入った黄瀬くんの膝。
ずっと折り曲げられていて
震えていた
座っているだけでも、辛そうで
車椅子のタイヤに当てられていた手も
震えていた
それは、手足に十分な力を入れられなくなってしまったからだ
──僕のせいで
話し掛ける資格もないから
彼を無視した
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