。。 2014-04-19 22:07:31 |
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「…お茶?……桜餅、素敵…。」
(言名は私を見ながら朗らかにお茶に誘う。その姿をみて和やかに前者を述べると、突然目の前に差し出された小さなお皿に驚きの表情を浮かべる。先程まで何も持っていなかった彼なのに、魔法のようにそのお皿は現れた、私は感嘆の言葉の後者を述べる。
「ふふ、桜餅を作れるんですね、美味しそう」
目の前の桜餅を見ては胸の前に両手を結び、喜びに笑顔を浮かべる。受け取ればお皿をテーブルに乗せ、相手を誉めながらお茶が運ばれるのを待つ。
(分かります、私も久し振りにセイチャットに帰って来たのですが、琉旋様とのやり取りが新鮮に感じられ楽しいです(*´ω`*)
「あ、有り難うございます。やはり和菓子ですから日本茶が合いますのでご用意致しますが……緑茶と抹茶、どちらになさいますか?」
彼女に誉められるのが、純粋に嬉しかった。
彼女の笑顔の為に、と。
後ろに忍ばせておいた成果がこんな形で返るとは思いもしなかった。
「ちなみに桜の花言葉は″精神美″。お嬢様にぴったりですね」
そう言って。
白く、絹よりも触り心地の良い髪に桜の髪飾りを添えた。
(申し訳無いお話、初めてなんです。セイチャットも、なりきりも。なのでお手柔らかに見て下さいね(苦笑))
「ふふ…そうですね、うぅん…緑茶、でお願いします」
(嬉しそうな相手の表情にちょっと微笑む。そして相手の提案に悩むような手つきを見せれば、あまり苦いのは好みじゃない為、緑茶と一言言えば楽しみそうに笑む。
「そんな事ないですよ、…え…?」
躊躇いがちに首を左右に振ると、急に彼が私の髪に触れたので何が起きたのだろう、と言った顔で驚きの表情を見せる。
(なるほど、大丈夫ですよ私も数年前に、なのでお互い初心者です(´∀`*)
彼女の驚く顔とその仕草に髪飾りの鈴がちりん、と笑う。
白い髪に咲いた淡い花。
赤いリボンに小さい金の鈴が風が吹く度彼女の髪と共に歌い出す。
「やっぱり、お似合いだ。俺の友人に頼んで正解だったな……」
小さな頭を撫でながらつい独り言が漏れてしまう。
それに気付かずお茶の用意に移る。
緑茶の葉を急須に1さじ入れながら、カップに注ぐ準備をしながら小さく歌い口ずさむ。
「桜に揺れる淡い雪。空よりも儚い瞳は氷のように全てを写す鏡よりも聡明で」
静かに緑に揺れるカップを差し出した。
(おぉ、なんと。緊張が和らぐ心地です。姫菜様……姫菜お嬢様とお揃いなど、おそれ多くも、嬉しい限りですね。)
「桜の、髪飾り…、琉旋さん有難う御座ます…。」
(視線の端に見えるその髪飾りを見つけると、綺麗な音を奏でる鈴にふ、と微笑み、嬉しそうに一言お礼の言葉を相手に送る。そして相手の呟いた一言に驚きの表情をまた浮かべると、否定の言葉を言おうとするが楽しそうに歌を歌いだす彼にその言葉を飲み込むように噤む。
そして相手が奏でる旋律に聞き入るように瞳を閉じ、一度瞳を開けるとそこには可愛らしいカップが一つ置かれていた。
「琉旋さんも良かったら、一緒にお茶しませんか? 一人より二人の方が楽しいから…。」
小さく小首を傾げれば、尋ねるようにして笑む。
(そんな大げさですよ、そして普通に姫菜でいいんですよ(´∀`*)
「そんな……恐れ多くございますよ。それと、私は言名とお呼び下さい」
小さく傾げる姿がまるで小動物のようで、とても愛らしく写る。
旦那様が溺愛する理由が分かると一人納得しながら小さくフォークに突き刺した桜餅を口元へ運ぶ。
「お嬢様、せっかくですから、………はい。あーん」
(それでは、姫菜。自分も言名と呼び捨てで大丈夫です故(笑))
「そんな事ないですよ、私はお料理は……。…言名君、でも良いですか?」
(幼少から今に至るまで、作法や言葉遣いと云うものは身の上覚えなければいけない立場だった。
そしてもちろん、その中に料理も入っていたのだが、失敗続きで一言で言えば苦手だった。
「え…、、あーん…?」
パチパチ、と何回か瞬きをすると、差し出されたのだから食べるべきなのだろうか、と戸惑いつつ口を開く。
(おぉ、様になりますね(´∀`*) 本体も姫菜と同じく敬語が癖なので、言名君で!
「そうなのですか?では、今度是非とも一緒に料理でもいかがでしょうか?」
そう言いながらちゃっかりと隣に座り姫菜の口に桜餅を入れる。
まるで人形の様な小さい口に滑り込むフォーク。
戸惑いの表情に小さく心を弾ませながらも優しく愛でるように。
視線を送る。
「どうですか、お嬢様?」
(言名君……新鮮ですね。姫菜の敬語は可愛いので好きですよ。)
「…失敗しても、…怒らないですか?」
(不安そうに相手の表情を伺うと、コテンと首を傾げて。
「…、、美味しい…!」
ゆっくりと味わいながら喉に滑り込ませれば、綻ぶようにふわりと幸せそうな微笑みを浮かべ、
隣の席に座る言名の手を優しく握れば、「すごいです…」と目を輝かせ嬉しそうに再度笑う。
(おぉう、可愛くないですよっ!可愛いのを目指しているんです(´∀`*)
今日はもう遅いので寝ますね、また明日来ます。おやすみなさい(*^-^*)ノ~~
握られた手に動揺を隠せず、更に先程の可愛らしい仕草で動揺が倍に跳ね上がる。
その小さな体を抱きしめてみたい衝動に駆られながらも必死に言葉を探した。
「失敗したら、また挑戦するだけですよ。私は厳しいですからね?……そ、それと……その、手………」
優しい温もりに限界が来てしまった。
熱い頬を自覚しながらも躊躇いがちに言う。
その白い肌を見つめながら。
(素敵だと、思いますよ?はい、お休みなさい。良い夢を。)
「…うぅ…、…頑張りますよ! あ、ごめんなさいっ」
(厳しい、と言われ怯むもこの家にはもう私にお料理を教えてくれる人なんて居ないのだから頼るしかない。ハッとしれば私は何をしているのか…、と素に戻り身体を縮こまらせながらモジモジと恥ずかしそうにする。
(素敵だなんて…! 言名君の言葉遣いも素敵ですよ(*´∇`*)
そして、こんばんわ(*´ω`*)ノ
恥ずかしそうに縮こまる姿に笑いが零れてしまう。
仕草、表情、その全てに初々しさが溢れていた。
「本当に……じゃなくて!お嬢様、せっかくですので今日からいかがですか?旦那様も奥様もお帰りは明日のお昼頃です。使用人一同、試食会など致したら喜びますよ?」
少し意地悪く微笑んでみる。
彼女の色んな表情を見てみたくて。
そして、色んな事を、知って欲しくて。
(今晩和。姫菜、素敵では無いですよ?
自分はまぁ、その……普通、もしくは下を泳ぐのが精一杯の人間ですから(笑))
「今日からですか…??、、、…みんな食べてくれるでしょうか…。」
(小首を傾げながらも不安に胸をどよめかせ、上目遣いに相手を見ながらも上記を尋ね、不安そうに言名のスーツの袖口をくぃ、と引っ張る。
そして、維持悪く笑う言名を不思議そうに見つめる。
(遅くなりました! 素敵ですよ、私よりも何倍も!!(*´∇`*)
………きゅん。
何だろう、何か変な音が聞こえた。
気のせいだと、言い聞かせながら言葉を紡ぐ。
「大丈夫です。貴女のものなら、召し上がらない者はおりません」
そう言って再び頭を撫でる。
白く柔らかい髪が手に絡まり心地よさを増す。
一すくい、口づければ甘く、柔らかな香りが広がる。
(いえいえ、そのような事は……<(_ _)>)
「私の物なら……、私挑戦してみます。」
(相手の優しい言葉から伝わるぬくもりに、あたたかさを感じ不安などとうに無かったように消えて去る。
髪を一房取られると、言名は忠誠を誓う騎士のように優しく口付ける。その行動に私の頬は紅く染まり熱を帯びる。
(いえいえありますよ^^
では、もう寝ますね…おやすみなさい(-ω-)zzz
新鮮な反応に満足し、また、一撫でする。
彼女の表情が増える度、何故か心が躍る。
『執事たるもの、私情は忘れなくてはいけません。常に、主人を思い、想わず』
学校の教訓が胸に刺さった気がした。
彼女を見やれば″挑戦する″と凛々しい顔で宣言している。
何とも、強い子だ。
「はい、私精一杯お手伝い、いえ。お教え致します」
春風の舞う。出会いの午後だった。
(お優しいですね。お休みなさい。良い夢を)
(微妙に言名から感じられる強ばった表情。何かあったのだろうか、と聞いてみたくはなったがあまり聞かない方が良いのだろう、と口を噤む。深追いはせず、私は明るく振る舞えば良いのだ、と両親にはそうやって育てられてきた。
「頼りにしてます」
ニコリ、と柔らかく微笑んで、開けられた窓から吹き込む春の風に揺らされていた。
(優しくありませんよっ! こんばんわです(´∀`*)
──キッチン
先程の感情の隠った笑顔。
教育の賜物に何となく苛つきながらも今晩の料理について話を始める。
「では、お嬢様。今晩のお料理ですが……何に致しましょう」
指定せず彼女の自由に。
ずっと箱庭で生きた彼女に少しでも自由をと。
そう思い、問いかける。
……難しい答えが返らないことを祈りながら。
(おはようございます。昨日は申し訳ありません。体調が優れずに……寝てました(笑)
(先程から何やら相手の表情が強張り、何処か忙しないものが伺える。
もしかして、やはり料理の事については嫌だったのでは…。
「そうですね…、何にしましょうか……。」
そのことばかり気になってしまい、相手の問いかけにも曖昧に答え。
どうしよう、とばかりに頭が埋め尽くされる。
(今晩和、遅くなっちゃってごめんなさい。 体調大丈夫ですか?
私は花粉症が酷くてちょっと病院にお世話になっていたので、来れませんでした。
すみません…。
考えふけっているように見える彼女の一生懸命さについつい、微笑ましくなる。
先程の言葉さえ頭から飛ぶほどに。
そして、その捉え方が間違っているとは知らずに。
「お嬢様、まずは簡単にカレーライスなどいかがでしょう?」
そう言って淡い瞳をのぞき込む。
透き通った双眸に写る自分を見ないようにしながら。
(今晩和。自分は大丈夫ですよ。姫菜こそ、大丈夫ですか?無理は禁物です。)
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