黒いお狐様【非募】

そうか
(相手が舌をチロっと覗かせると苦笑しながら上記を述べて、こちらに身を委ねてくる相手の体を支えながらこちらも眠りにはつかないが瞳を閉じて静かな時間が過ぎていき

…ん？すまぬっ、少々寝過ぎたか(眠りに落ちてからしばらくしてうっすら目を開ければ現在の自分の置かれている状況を思い出して自分の身体を支えてくれていた相手を振り返っては慌てて謝罪を口にして｢ずっと私を支えて大変であったろう？｣と相手を気遣っていて

…ん…？
(相手がこちらに振り返って謝罪の言葉を口にすると、こちらもうっつらとしていたようで目を覚まして、こちらを気遣う相手の言葉に「大丈夫だよ」と言って立ち上がって「上がるか？」と言って

そうじゃなそろそろ上がるとしよう、寒くなってきたしのぅ(立ち上がり問いかける相手へとすっかり冷めてしまった湯船の中のお湯に軽く身震いをしては一つ頷いて見せて

わかった
(相手が軽く身震いしてはひとつ頷いてみせるとこちらも返すように頷いて上記を述べて、脱衣所に入るとタオルで体を拭くと、着替えて「先に行ってるからな」と行って部屋を出ていき

うむ、私もすぐ行くぞ(先に行くと言って風呂場から出て行った相手の背中へとそう呼びかけてはゆっくりと湯船から立ち上がり、手早く着替えを済ませてからリビングへと向かい、そこで相手の姿を見つけてその隣へとゆっくり腰をおろして｢湯冷めは大丈夫だったか？すまぬな、長く付き合わせ…くしゅんっ｣と気遣うような言葉と同時に軽くくしゃみをして

おいおい、大丈夫か？
(相手がこちらを気遣うような言葉をかけながらも途中でクシャミをする相手に首をかしげながら問いかけて「もう寝ようか？」と問いかけて

案ずるな、大したことではない(相手の問いに軽く手を振りながら平気だとでも言いいたげな様子でいて、しかし少し赤い顔でそう答えて｢何を言うか、夜はまだまだこれからじゃ、寝るなんて勿体無いこと出来ぬ｣とこちらは寝るつもりは毛頭ないことを宣言して

そうか？
(相手が平気だとでも言いたげな様子で赤い顔で答えると首を傾げて上記を述べて、念の為に相手の額に手を当てると「…すこし熱があるっぽいな…」とつぶやいて、相手が寝るつもりはないと宣言するが「今日はもう寝とけ」と相手の両肩を掴んで言って

そんな筈は…(少し熱があるという相手の言葉に軽く狼狽えている様子で首を横に振っては｢…どういうことじゃ…神である私が病に侵されるとは…｣なんて一人呟きながら不安そうにしていて、両肩を掴まれて強く相手に言われれば｢わ、わかったのじゃ…｣なんて渋々ながらも言葉を聞き入れて

…
(相手が軽くうろたえている様子で首を振っていると、種が違うためか自分からは何も言い出せなくて相手が不安そうにしていると「大丈夫だよ熱なんてすぐに下がるから」と落ち着かせようとしていて「ホラ、行こう」と相手の手を引いて寝室に向かって

紅葉…ありがとう、少しは落ち着いたのじゃ(相手のこちらを落ち着かせようという気遣いを感じ取れば少々無理やり笑顔を作ってはこれ以上心配をさせまいとしていて、｢うむ｣と一つ頷いて腕を引かれるままに歩みを進めて

良かった
(相手が少しでも笑顔を見せてくれるとこちらも安心したようにして上記を述べて、相手を寝室に連れて行くと「ホラ、早く寝な」と相手をベッドに寝かせて

ん…紅葉(言われるままにベッドに横になると相手の服の袖を掴まえては不安そうにぽつりと名前を呼んで｢…私が眠るまで一緒に居てもらえぬか…？｣なんて弱々しい声で呟いていて

なんだ？
(相手が自分の服の裾を掴むと不意に名前を呼ばれたので上記のように返事をして、弱々しい声で呟く相手に「あぁ、いいよ」と微笑みながら相手の手を握りしめて

ありがとう(こちらの願いを聞き入れてくれた相手に感謝の気持ちを告げては安心したような表情を浮かべて握った手をこちらからも握り返し｢…全く、神ともあろうものがこのザマじゃ、情けないのぅ｣なんてすっかり相手に甘えきってしまっている今の自分に自嘲気味に呟いては小さくため息をつき

どういたしまして
(相手が安心したような表情で感謝の言葉を表すと微笑みながら上記を述べて、自嘲気味に呟く相手に「はいはい、もー寝なさい」と言うと自分ベッドに入り相手の隣に寝て

…全く、伝染っても知らぬぞ(同じ布団に入ってきた相手へと本当は一緒に居てくれて嬉しいのだが恥ずかしさからか照れ隠しのように上記を述べて、横にごろりと転がり相手と向き合っては｢おやすみ、紅葉｣と言い終えるとサッと胸に顔をうずめるようにして

伝染らないよ
(相手が知らないと言うと苦笑気味に上記を述べて、自分の胸に顔をうずめる相手に「はい、お休み」というと相手をギュッと抱き締めて

ん…けほけほ(朝になり、目を覚ますなり咳をして上体を起こしては周りをボーっと見回していて隣に眠る相手へと視線移しては柔らかな微笑みを浮かべてその頭をそっと撫でてやり

(/時間進めました