罪 2014-03-24 00:04:14 |
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別に言わなくても良いのに
年上じゃなかった事には少し驚いたわ
私が彼に会ったのは中学入ってから
同じ陸上部だった事からよく話すようになったわ
彼は私と違って誰にでも優しくていつも笑っている人だった
私とは種目は違うのだけれど、彼は足が凄く速くて見る人みんなの注目を浴びていた
そして彼は気前の良い性格で沢山の女子からモテていた
私もその中の1人
2年生にあがる頃から彼は学校へ来なくなったの
彼の仲のいい友人から話を聞くと彼はどうやら股関節の病気にかかったらしい
彼は後走る事が出来なくなったの
なんでいきなりそんな病気になったのか分からなかったわ
彼はきっと落ち込んでいた
絶望していた
あの人は私と同じで走る事が大好きな人だったから
全県に行くほどの実力を持っていたのよ
私は彼を支えたくなった
一番側に居たかった
彼が学校に戻ってきた時、私は彼に告白する事にした
そして夏休み明けに彼は戻ってきた
私は驚いた…泣きそうになったわ
彼は強い薬の副作用で髪の毛が無くなり松葉杖をついていて、顔色が悪かった
彼は変わり果てていた
それでも彼は笑っていた
久しぶりって
だから私も笑ったわ
そして、私は彼を呼び出した
もちろん告白するため
でも振られた
好きな人が居るって言われた
少し悲しかったけど私は言ったわ
「振られたらいつでも来なさい」って余裕の笑みを浮かべながらね
彼は笑った
それから私と彼は気まずくなる事なく普段と同じように友人でいた
彼の病気も良くなったのか入院もほとんど無くなり松葉杖無しで歩けるようになったわ
そして卒業式私は彼に告白された
かなり驚いたわ
あの時私を振ったのは自分の病気が私を悲しませると思ったからだって
私は少し混乱したけど、彼と付き合う事にした
高校は別々だったけど休みの日は一緒に出掛けたりした
彼は私の全てを受け止めてくれた
こんなにも幸せで良いのかって戸惑ったわ
私は私の全てをあげた
でも彼は突然居なくなった
高2になる頃から連絡が途絶えたの
メールも電話も来なくなって…何回電話をかけてもつながらなかった
そんな状況が夏まで続いた
そしてある異変に気付いたわ
中学の同級生のlineのタイムラインに今までありがとう、お前の事は忘れない…など書かれていた
トプ画も中学の頃の修学旅行の集合写真に変わっていた
嫌な予感がしたわ
その時に電話がかかった
彼が死んだって
彼は病気何て治っていなかった
彼は無理をして私に会いに来ていたんだって気付いた
私が少しでも彼の異変に気付いていれば彼は死ななかったかもしれない
私は悔やんだわ
心がね、ぐちゃぐちゃしてるのいろんな感情が溢れた
悲しさ、怒り、後悔、絶望、負のオーラが止まらなくなった
彼の葬式には出れなかったわ
彼に顔向け出来なくて逃げたの怖かった
それが中学の同級生には考えられなかったのでしょうね
私達が付き合っていた事はほとんどが知っていたから
最低とか人間じゃないとか冷たいとか…彼の幼なじみにはあんたが殺したんだって言われたわ
私は否定しなかった
本当の事だったから
後から聞いた話では彼は白血病だったって話
本当の所よく分からないわ
彼が居たから私は多重人格にも虐待されてた頃の事も、耐えられた
今の私には、彼以上の感情を持てないの
全ては重い愛
こんな想いを二度としたくないから私は全ての感情を捨てたの
愛は重いものだよ
だからとても貴重なの
失ってぐちゃぐちゃになるのは当然のことだよ
でも、思うにあなたが彼に支えられてたように、彼もあなたが心の支えだったんじゃないかと思う
だから、会いに来てたのよ。確かに無理は少ししていたのかもね
でも、それ以上にあなたに会いたかったんだと思う
正直そんなに愛し合えていた罪さんが羨ましいよ
本当にドラマチックというか、映画の中のお話みたいに感じる
でも、あなたは彼を殺してなんかいない
むしろ、彼の生きる原動力になっていたんじゃないかな
そうだと良いわね
愛し合えたのかしら
何も分からないわ
映画だと主人公はきっとこの先幸せに暮らせるでしょうね
私には無理だわ
それでも彼は死んでしまったわ
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