瀬戸幸助 2014-03-12 22:26:41 |
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…――もう皆寝ちゃったっすかね
(3月。肌寒いような生ぬるいような風が街をゆっくりと廻り、静かに駆けていく。そんな柔らかな夜風を肌で感じて歩きながら、ほぼ無意識にちらりと横を向く。すると、ぽつりぽつりと道の端に立つ街灯のせいか、辺りには真っ暗になりきれない薄ぼんやりとした闇が広がっていた。その様子はまるで、夜がどんどん更けていくことを、あまり出歩くのに適した時間ではないにも関わらず出歩く人々の視覚に訴えかけているようにだった。―――まあ、こんな時間に今この道を歩いているのは自分しかいないのだが。ところで、なぜ俺が外を歩いているのかというと、来月『4月』は始まりの季節であるため、その前の月である『3月』は、高校を卒業し就職するためにバイトをやめていく人などが多く、自分のバイト先も例外なく慌ただしかったからである。ちなみに今日出向いていたバイト先は商店街の花屋。そんな、聞こえはいいが意外と重労働なそこでの仕事を振り返り、共に暮らす仲間達のことを頭に思い浮かべる。そして溜息混じりにぽつりと上記を呟くと、己が暮らしている「ザ・
アジト」といった風体のあの場所へと、先程までより少し早足で進んだ。右へ曲がり、その後、二つ目の十字路を左。次に一つ目の小道を右へ入り、突き当たりを左へ。そして次は、今までの道ですらある程度立派に見える程、細く薄暗い路地へと足を運ぶ。薄い木製の塀とアパートの壁に挟み込まれたそこは、人一人がやっと通れるぎりぎりの幅だ。そうして、尋常ではない閉塞感のある道を、慣れた様子で黙々と進んでいく。やがて小道の中程の、木製の壁が少しだけ途切れている場所で止まり、そこに佇む「107」と書かれたドアの前に立つ。そして素早い手つきでドアノブに合鍵を差し込み、ガチャリという音が聞こえたのを確認すると、俺は静かに扉を開けた。)
((最初なのでロルがやたらと長くなってしまいました。しかし主も常にこんな長いロルを書けるわけではないので、気楽にいらっしゃってください!それと、日付が変わるまでに二人以上の参加希望者様がいらっしゃてくださった場合は、明日の午後三時半を締め切りとし、ロルテを見てお相手様を選ばせていただきます。参加希望者様がなかなか現れない場合はゆるりと待ってます。))
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