主 2014-02-26 01:17:07 |
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その…鍾会殿。(食器を抱え部屋を後にしようというところで動きを止め、相手より少し視線を逸らしつつぎこちなく言葉を選び)
迷惑でなければ、だけど。…またお茶を用意するぐらいの事はしてもいいかしら。
ええ。…また明日。(返答を聞くとそのまま背を向け、平静を装いつつ敢えてゆっくりと部屋を出、扉を閉めて)
……ひとまずは…前進、でいいのかしら。(緊張やら気恥ずかしさやらで熱くなった頬に手を当て呟き)
…こんな顔、人には見られたくないわね……早く片付けに行かないと。(頬だけで足りず片手で顔を覆っては落ち着くのを待ち、少しして気を取り直せばその場を後にして)
(食器を片付け終え、サボり癖のある許婚は果たしてどうしているかと司馬昭の部屋を訪れては、細く開けた扉の隙間から書机に突っ伏している後姿を見つけ盛大に溜息をつき)
……子上殿…ちゃんと仕事は終わらせたの…?(そっと中に入り乱雑に積まれた書簡の山から一つ取って開いてみては、一応済ませてはあるらしい事を確かめ元に戻して)もう…やればできるのに、溜め込むんだから。(苦笑しつつ、まるで子供を褒めるかのように起きる気配の無い司馬昭の頭を柔らかな手つきで撫で)
司馬昭殿…失礼しますよ。………!!すみませんね。私は邪魔の様なので、司馬昭殿に渡しておいて下さい。…では。(扉に軽くノックし入ると司馬昭と王元姫が居たことに気付き王元姫に書を渡し去ろうとする)
っ、鍾会殿(入室して来た相手に気付けば咄嗟に司馬昭の頭から手を離し)
え、ええ…ありがとう、渡しておくわ。…(任されるまま書を受取るも直ぐ引き返そうとする相手には何か言いたげな顔をして、しかし何を言うべきか言葉が出て来ず立ち尽くし)
鍾会殿…(結局何も言えぬまま相手の背を見送るだけに留まり、それでも胸中は何故か焦燥感に似た感情に満たされどうしようもない息苦しさを抑え込むように受け取った書を抱え込んで)
【司馬昭】
……んー…元姫か…?(立て続けの来訪者の気配に流石に目が覚めたか、起き上がり凝り固まった身体を伸ばしつつ振り返り)…どうしたんだよ妙な顔して…面倒な小言なら要らないぞ、この仕事ならこの通り、
【王元姫】
鍾会殿から追加よ。
【司馬昭】
……マジかよ…。(無慈悲に差し出された書にがっくりと項垂れ)
…急ぎの件でなければ、今日はここまでにしてもいいんじゃないかしら。もう陽も落ちてきた事だし…明日も逃げ出さずにちゃんとやればの話だけど。(窓の外に目を遣り情けを見せるも、一瞥向けてはしっかりと釘を刺して)
【司馬昭】
はいはい、分かった分かった。(観念したように両手挙げ)あ〜、だりぃ…俺少し寝るから、飯の時間になったら起こしてくれ(言うなり回答は要らないとばかりそのまま再度机に伏し)
【王元姫】
少しって、さっきまで寝てたじゃないの…。(呆れながらもこれ以上咎めるのは止めておき、積まれた書簡の束を一部抱えて)
仕方ないわね…他の人に迷惑が掛かるから、出来上がった分は持って行くわよ。いいわね?
【司馬昭】
おー…任せた。(伏せたまま片手だけひらひらと振り)
【王元姫】
………。(書簡を持って廊下に出、止まれば沈みそうになる思考を振り払うべく背筋を伸ばして届先を目指して前を進み。ただ、よもやその先の曲がり角に鍾会が居るとは思いもせず)
……鍾会、殿…?(角を曲った先で既に戻った筈の相手が座り込んでいるのを見つければ思わず足を止め、次の瞬間には考えるよりも先に傍に屈み込み)
鍾会殿!?どうしてこんな所で…どこか具合でも悪いの?(書簡など構わずその辺に放り出し、相手の肩に手を置き心配顔で問い掛け)
そんな事を言っても…ここに居たら別の誰かが来るわよ。(返答に戸惑いながらも返せば、どうしたものかと辺りを見回し)確か、あの部屋は今は空いていたはず…落ち着くまで、少し休んだらどうかしら。(手近な空き部屋を視線で示し提案し)
ちょっと、…鍾会殿!(払われた手を伸ばし相手を引き留めようとするも制止には至らず只々宙に浮かせるばかりで、暫し茫然とその場に座り込み)どうしたっていうのよ……なんで、(拒絶された際の声が酷く悲痛なもののように聞こえ、同時に司馬昭の部屋を出る際の相手の様子を思い返しては息を詰まらせ)……原因は、私…なの…?(それきり床を見詰めたまま沈黙し、短くも長い時間そうした後漸く思い出したように書簡を拾い集め立ち上がり)
……届けないと。(拾った書簡の中に鍾会宛のものを見つけ、僅かに視界が滲むもかぶりを振れば自分に言い聞かせるよう呟き)…やる事は、きちんとこなさないと。
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