主 2014-02-26 01:17:07 |
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(人が変わったかのように話し出す相手の言葉に幼馴染二人して顔を見合わせ)
【司馬昭】
お、おう…。
【王元姫】
先生には伝えてあるから…それは構わないけど。(お互い戸惑いながらもそれぞれ頷き、三人で保健室に向かえば扉をノックして)
失礼します、……丁度誰も居ないみたい。(中を確認してから鍾会らを手招き入室して)
【司馬昭】
……おいおい、さっきのあれマジで言って
【王元姫】
茶化さないで、子上君。(言い掛ける司馬昭を制し、手近な椅子を引いては相手の前に座り)…スピリチュアルな事は専門ではないけれど…私で良ければ、聞かせてもらえるかしら。
【司馬昭】
…俺だって別に茶化すつもりはねぇよ。(拗ねつつ自分も椅子を引けば、背を丸めて腰掛けて)…そこまでマジな顔してるんだ。聞いてやらない訳には行かないだろ?
お話しましょう…私の全てを。
…昔の事です。戦乱が有った世でした。私は…司馬昭殿の部下でした。王元姫殿と仲が悪く不釣り合いでしたよ。貴方は愚痴を良い、疑う事も有りました。でも、貴方がお目付け役に成って…変わりました。…幼馴染みの司馬昭殿に言うのも何ですが…好きでした。…でも王元姫殿は…司馬昭殿の許婚でしたから…無理でしたよ。…私は王元姫殿に別れを言い、姜維と反乱を起こしました。…最初は王元姫殿を人質に取るつもりでしたが、貴方方に勝てる筈も無いので帰しました。私は…司馬昭殿と戦い…負けたんです。…私は裏切り者何ですよ。…これが…私の全てです。(息を切らさず夢に出た事と前世の全てを話した。)
(途中司馬昭が何度か口を挟もうとするもその度に王元姫に黙らされ、二人揃い最後まで話を聞けば暫し沈黙して)
【司馬昭】
…………(ごくりと息を呑み、真剣な顔を隣の幼馴染に向けて)…………俺の嫁?
【王元姫】
子上君。
【司馬昭】
冗談だって。んな睨まなくたっていいだろ(沈黙に耐え切れずかました冗談は滑るどころか幼馴染の真顔の一声により瞬殺され、肩を竦め。とはいえ二人ともなかなかその後に続く言葉が出て来ず、暫く間を置いた後改めて鍾会に向き直り)
…あのよ、鍾会。俺は前世は信じてないが、前世を完全に否定する理由も持ってない。だからお前の言う前世っていうのが本当の事かは知らないが、お前が嘘をついてないって事ぐらいは分かる。…あ〜、その……つまりだ。(話しながら考え、纏まらぬ内容にもどかしげに頭をがしがしと掻きつつ)
…裏切りだの何だの後ろ暗い事が多かろうが!…それはもう、今のお前が背負っているものじゃないし、わざわざ背負いに拾いに行くようなもんでもない。お前からこの話を聞いたところで、俺たちが変わる事もない。…そうだろ、元姫。
【王元姫】
…ええ。(司馬昭の言葉に首肯し、鍾会の目を真っ直ぐ見て言葉を紡ぎ)
今まで抱えてきたものが一度に出てきて、重さを感じているのは分かるけど。…それでも今のあなたは裏切り者なんかじゃないし、何の引け目を感じる必要もない。『鍾会君』は『鍾会君』よ。私たちに前世があったとしても、今の私たちは自分たち以外の何者でもないんだから。
…むしろ、ここは私たちに話す事で『今』と『前世』の整理がつけられて良かったと考えるべき…ね?(微笑み首傾げて)
そうですね。私は…私…ただそれだけです。貴方方も変わらない。だから…前世の記憶は必要ありませんよ。…でも…王元姫殿が好きだった気持ちは…今も変わりませんよ。…例え貴方が…前世の記憶が無くても…ね。(二人の言葉に頷きながら最後は小さい声で呟く)
【王元姫】
……鍾会君、
【司馬昭】
おっ、もう昼休みか(王元姫の言葉を遮りチャイムの音を聞けば、鍾会の心を知ってか知らずか椅子を立ち上がり)
じゃ、俺は賈充とメシ食う約束してるからな。後はよろしくって事で(さっさと席を立ち部屋を出れば去り際に一瞬だけ顔を扉から覗かせ)鍾会、お前はまだ無理するなよー
【王元姫】
あ…行ってらっしゃい…。(茫然と幼馴染を見送れば、言いかけた言葉を繋ぐタイミングを逃しどうしようかと悩むものの鍾会の方を向き)
…鍾会君はどう?お昼、行けそう?
(/前世夢は多分未練を強く残している部分が主に反映されるのかなぁと、二人分の夢を描写をしながら何と無く思っております。/本日のところはこれにて失礼いたしますね!お相手感謝です、おやすみなさいませ〜!)
司馬昭殿…余計な事を。
…私なら心配入りません。…お昼…一緒に食べましょう?(王元姫に微笑み行きましょうと言う/そうですね♪お疲れ様でした!)
…ええ。じゃあ私は教室にお弁当取りに行って来るから、屋上で落ち合いましょう。(話すことを話した為か心無し雰囲気が穏やかになったように感じられる相手の対応に嬉しいような気恥ずかしいような複雑な感情覚えつつ、二人分の椅子を元の位置に戻せば保健室を後にして)
これください。(購買の弁当を買い、階段を上り屋上にたどり着く。)…元姫が来るまで待ってるか…。(設置された長椅子に座り王元姫を待つ)
…鍾会君?ええ、大分具合は良くなったみたい。午後には復帰できると思うわ。ーーごめんなさい、今日は先約があるから…また今度ね。(教室に入れば既に弁当を広げていたクラスメイトの女子達に声を掛けられ、当たり障りなく受け応えつつランチボックスを持ち出しては屋上へ向かい)
…お待たせ。(相手の姿を見つければ其方に歩み寄り、長椅子という形状上当然隣りに腰掛ける他無いという事実に一瞬躊躇し)……隣、いいのかしら。
じゃあ…(距離感に迷いつつも隣に座れば自分も持参したランチボックスの包みを開き、蓋を取れば中には小ぶりなサンドイッチが詰められていて)
…鍾会君。(膝上のサンドイッチに目線を落としたまま手を付けず、隣の相手に話し掛け)食べながらで構わないから…少しだけ、話を聞いてくれる?
(相手の回答を待っては、ゆっくりと口を開き)
……実を言うと、私もあなたと似たような夢を見る事があるの。戦争が絶えない、そんな世の中で自分が暮らしている夢。
…夢って不思議よね。普段想像もしていない、でたらめに物事が進んで行く世界なのに自分もちゃんとその夢の中で『役割』を理解しているんだもの。
……夢の中の私は、大国の重臣の娘だったわ。それこそ、幼い頃に結婚の相手が決められているような。(一度言葉を区切り隣の相手の反応を見て)
…確証は無いわ。(小さくかぶりを振り)でも、あなたの夢の話を聞いてから考えると…そう、なのかもしれないわね。
とにかく、私は許婚が決められていた事自体には不満はなかったの。あの世界では普通の事だったし、許婚の家に迎えられてからも皆良くしてくれたし…
…ただ…一人、気になる人ができて……さ、最初は仲が良いどころか険悪で、よく反目し合ってたんだけど…でも、気づいたらどうしてか…い、色んな意味で目が離せなくなってて!(目を逸らし僅かに顔を赤くし早口に捲し立ててから、ふと表情を無くし顔を伏せ)
…でも、その人は死んでしまった。私は引き留める事もできなかった。…その気になれば無理矢理にでもついて行けた筈なのに、それもできなかった。……いいえ。私は許婚やその家族、自分の身内とその人を天秤に掛けて…ーー結局、見殺しにしたのよ。(最後は消え入りそうな声で告げ)
-…元姫。(王元姫の切な気な顔を見ては空を見上げ呟く)…私も…だ…。私も…愚痴を言ったり喧嘩する相手が居たから…一人じゃ無いって…初めて気付いた。許婚でも…好きだった…。…でも私は…期待を裏切り…殺そうとした。…殺せる筈も無かった。人質にも取らなかった。泣かせたく無かったからな。…あのとき居た私は…「全てを手に入れたかった」だけだ…。…何も手に入れられなかったんだな…。
…『鍾会殿』。(俯いたままぽつり、と呟いた名は何故かいつもと異なる呼び方でありながらどこか懐かしい響きを秘めており。しかしすぐさま顔を上げれば、真っ直ぐ相手と向き合って)
いいえ、違うわ。…違うの。それはあくまで夢の中の、『あったかもしれない』前世の話であって私たちの事ではない。…私は裏切られていないし、泣いてもいない。大望を抱くのは難しい時代かもしれないけど…その代わり、今のあなたは掛け替えのない『あなた』自身を持っているのだから。…そう…まだ、失っていない。(目を閉じ、噛み締めるように独りごちて)
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