── Dependence ── (bl/教師×生徒)

─…ん…、(背に回される腕と己を迎え入れようとする様子にいとおしさが増し、後頭部に回した手でゆっくりと頭を撫でるようにしながら口付けを深めていこうとしたその時、不意に何処からか着信音が鳴り。それがテーブルに置いたままの己のスマホからであると気付くと渋々唇を離し、最後にもう一度軽く啄むように口付ければ、“待ってろ”とでも言うように頭をぽんと撫でスマホを取りにその場を離れ)

ん…。(与えられる口付けや撫でる手付きが気持ちよく、心地良さに身を委ねながら口付けを甘受するものの不意に音が鳴り響けば驚いたように肩が跳ね。唇が離れて音の原因が相手のスマホであることが分かれば、ホッと肩を降ろすと同時に邪魔をされたようで残念に思う気持ちもあったが相手からそれを宥めるように再度口付けられると機嫌は回復に、素直に頷き相手の戻りを待ち)

─…なんだ、またお前か。悪いが今日は付き合えねェぞ。なるべく手短に話せ。(テーブルの上のスマホを手にし表示されている名前を見れば軽く溜め息をつき。相手はよく電話をしてくる友人であり、悩みと称した愚痴を延々と聞かされる事も屡々で。長い付き合いという事もあり普段は何らかの作業をしながらも愚痴に付き合ってやるのだが、今日だけはそういうわけにいかず。可愛い恋人を放置してまで話し相手になる気など更々なく、相手の様子を窺うようちらりと視線をやって頭を掻けば、己を待つだけの相手をただ気遣うつもりで声をかけ)
…誠、先に寝室行ってろ。ベッド使って構わねぇから。俺は後から行く。

え、あ…うん。分かった。(電話の相手は女性なのか男性なのか分からないが、口調からして親しい間柄であることは予想出来れば誰なのだろうかという疑問や不安がごちゃ混ぜになりながらもプライバシーにまで踏み込む訳にもいかず、なるべく聞き耳を立てないようにとテレビに集中しようし。不意に声を掛けられては電話が終わったのだろうかと期待して振り返るが期待とは裏腹に寝室へと促されると素直に頷き、リビングを出て相手の部屋へと向かい)

ああ…まぁ程々に頑張れよ。(今日に限って割と深刻な悩みを語る友人を蔑ろにするわけにいかず付き合う中時計を気にし。リビングを後にする相手の後ろ姿を見送ってから思いの他時間が経過してしまっている事に気付き、どうにか話を切り上げ通話を終了させ。先に寝室へ向かうよう声をかけた際、振り返ったその表情が何処と無く期待を帯びたものだった事に気付かないわけなく。相変わらずの従順さに少しばかり罪悪感を持ちつつ、相手が一人待つ寝室へと向かい)

…電話の相手、誰だろ。(電話の相手は誰なのか、自分に聞かれたくないから寝室へと向かわせたのだろうかと本来ならば同じ職場の者、つまり教師仲間からの電話であればテストの事や成績の事、学生である自分に聞かせてはならないことがあるから退室させたという考えは直ぐに思い浮かぶだろうというのに期待してしまっていた分独りになってしまうと悶々と悪い考えばかりが浮かんでしまい、広いベッドの上で毛布に包まりボソッと呟き)

─…悪いな、待たせた。(寝室の扉を開けると、ベッドの上大人しく毛布にくるまる相手を視界に捕らえ。そんな姿にさえ愛しさ感じては僅かに頬を緩めるも、待つ時間というのは長く感じるもの。相手が横たわるベッドへと近付けば、先ずは謝罪を口にしながら頭を撫でるように指を通して)

ん…、電話もう大丈夫？(早く戻って来ないだろうかとシンとした室内で相手の帰りを待っていると、扉が開いて待ち望んでいた相手がベッドへと歩み寄ってき。謝りながら頭を撫でる相手を見上げてはもう電話は大丈夫なのだろうかと問い掛け)

大丈夫だから来たんじゃねェか。…先に寝ててくれても良かったんだぞ。(待たせた割に口をついて出る言葉は可愛いげの欠片もなく。すんなり寝かせる気など毛頭ない癖に、素直な恋人を前につい意地悪をしたくなってしまい、髪を撫でていた指で今度は唇をそっとなぞりながら心にもない事を口にし)

先に寝てるとかヤダ…。寝かせないって言ったの先生だろ。(今日の泊まりを約束したその日からずっと楽しみにしており、やっと訪れたこの日を寝てしまうだなんて勿体無い事は出来る筈もなく。寝かせないと言ったというのにそれとは逆な言葉を掛けられると、唇に触れられながらも不満気な表情を浮かべてはジッと相手見つめ)

まぁ…仮に寝てたとしても寝込みを襲えばいいだけの話だからな。(此方を見上げてくる不満そうな顔にふっと笑みを溢せば、ベッドを軋ませつつ端に腰を下ろし。頬から耳にかけて撫でるよう指を滑らせながら距離を詰めては軽く口付け微笑み。耳元に寄せた唇で「…ほら、構ってやるから場所空けろ」と、己が入るスペースを作るよう囁いて)

ッ、襲うって何するつもりなんだよ…。(此方が寝てしまっていても寝込みを襲うという相手の言葉を聞いては一気に顔に熱が集まり、そんな顔を見られるのが恥ずかしくいれば枕に顔を埋めながら端へと寄り)

何するかなんて分かってんだろ？ンな反応するくらいなんだからよ。(空けてもらったスペースへと潜り込めば枕に顔を埋める相手に緩く腕を回し。顔を隠していても、仄かに赤く色付いた耳が羞恥を訴えているようで。口角上げて瞳細めながら回した腕にきゅっと力を込めては「こっち向けよ、誠。どんな顔してるか見せろ」耳を擽るよう息を吹き掛けながら間近で見つめ)

んッ、笑うの無しだからな…。(枕に顔を埋めたままでもベッドの軋む音で相手が隣に上がってきたことが分かり、自ら顔を埋めてしまった手前もある上に顔が赤いのを見られるのが恥ずかしいという気持ちもあればどうしようかと悩み。そんな事をグルグル考える最中に抱き締められ、温もりに包まれたかと思いきや不意に耳に息を吹きかけられては驚いて身を震わせ、擽ったさに吐息が溢れ。恨めしげに顔を半分だけ覗かせてはボソリと呟き)

可愛さの余りにやけるのも無しか？(抱いた腕から伝わる反応と擽ったそうな声につい頬を緩めてしまいながら、控え目に此方を覗く相手を見つめて。相手の上に来るよう体勢変えれば「ちゃんと顔見せねぇとキスすら出来ねぇぞ」枕を抱えるその長く細い指を取り、舌先這わせながら甘噛みし)

キス出来ねぇのは嫌…。(可愛いという言葉は男にとって喜んでいいものか複雑な所ではあるものの、相手から言われると嫌だという気持ちにはならず寧ろ胸がキュ、と締め付けられると同時に顔に熱が集まってきてしまい。確かにこのままだと相手の言う通りキスが出来ないという事態に直面すれば、指に舌を這わされ恥ずかしさが込み上げながらも枕から顔を上げては相手見つめ)

─…お前の目は好きだ。バスケをしている時も、俺を見る時の目も。(漸く邪魔な物を外し、此方を真っ直ぐに見つめるその瞳を捕らえるよう直視すれば、髪に差し入れた指でそっととくように撫でながら己を惹き付ける要素の一つを口にし。深い幸福感を得られるだろう期待に高鳴る胸はそのままに距離を詰め唇を重ねて)

俺も先生の目、好きだな…あとこのサラサラの髪とかもスゲェ好き。(自分の目が好きだと言われて、嬉しいという気持ちが込み上げれば自分も相手のこの涼しげな切れ長の目やサラサラの髪が好きでいれば呟き。唇が重なり、相手の頭へと腕伸ばしてはそのサラサラな感触を楽しむように髪の毛に指を差し込みながら口付け受け)

ふぅん…見た目以外にはねェのか？(そんな風に思われていた事に勿論悪い気がする筈もなく、髪に触れられる感覚と相まって擽ったそうに、そして愛しそうに笑み返し。どうせならこの際色々訊いてみたいという思いに駆られ、柔らかな口付けを交わしながら問いかけ)

他は声が好き、特に俺を呼ぶ時の声。あと先生厳しかったりとか意地悪なとこあるけど何だかんだで俺の事心配してくれるし、優しいしとこも好き。(学校では先生という立場もあり、厳しかったりするがそれは自分を想ってくれてのことで意地悪を言われたりされても、そればかりではなく愛情も自分に与えてくれる相手の存在自体がとても好きで愛おしい、と素直に感じ取る事が出来ていては今度は自分から相手へと口付け呟き)