BL‐カカオフィズは貴方に捧ぐ‐

(今追っている姿が探していた幼馴染みであると言う根拠は何処にもないが、後をつけていればぼんやりと確信のような物が芽生えてきて。そこでふと一軒のバーと思しき店の前で立ち止まる相手に合わせて一旦足を止め、その様子を見ていると相手の姿は扉の向こうへ消えて行き。初めて見る土地の初めて来た店だが、恐らく警戒心なんか微塵も感じておらず後先考えずに行動しているのだろう、躊躇いもなく至って平然と扉を開けてみれば目当ての相手は直ぐに目に留まり。会わなくなって何年経っただろうか、すっかり大人びているが間違いなくその姿は幼馴染みで、驚きのあまり刹那硬直するも急に弾かれたように店内に足を踏み入れれば周りは見えていないかの如くその背に思いっきり飛び付き)
智尋っ!!

(/大丈夫ですよー*)

(/すみません、本日はもう眠気が酷いのでこれにて落ちさせて頂きます;;今回は初回ですのでごあいさつさせて頂きましたがこれから当方はこのような予告等無しで落ちるような所謂置きレスが主流となりますのでご了承下さいませ^^;
レスは後程時間が空いたとき等に返させて頂きますので！
ではこれにて失礼します、お休みなさい^^)

(/すみません、本日はもう眠気が酷いのでこれにて落ちさせて頂きます;;今回は初回ですのでごあいさつさせて頂きましたがこれから当方はこのような予告等無しで落ちるような所謂置きレスが主流となりますのでご了承下さいませ^^;
レスは後程時間が空いたとき等に返させて頂きますので！
ではこれにて失礼します、お休みなさい^^)

(/了解です!!此方も主に置きレスになりそうですので大丈夫ですよ*はい、お待ちしております!!お休みなさい^^*)

うおッ!?っ、な…おま、何で…ッ！
(自分好みの男を目敏く見つけその傍へと歩み寄り、その彼と話をするために同じテーブルにグラスを置いたか置かないか、そんなぎりぎりの危ないタイミングで背中に強い衝撃を感じると危なっかしくがたついたグラスをテーブルに残したまま体勢を保てず勢いのままに転倒し。成人男性である以上それなりの耐久はあるつもりだったのにそれを上回る程の衝撃に驚きの声を漏らすとその大元を確認すべく振り向けば、そこに居た成長こそしているものの懐かしい面影のある人物で。しかしその彼が何故都会に出てきているのか、何故よりにもよってこんなところに来ているのか、混乱から若干頭が回っていないのか短い単語ばかりを口にしながら驚きを隠せないとばかりに口をぱくぱく開閉させれば倒れこんだ体勢で相手の方に上体を捻ったまま暫し動きを硬直させて。)

うわっ?!
(飛び付いたは良いもののまさか倒れ込んでしまう形になるとは思いもよらず、咄嗟に床に手をついて相手を下敷きにしてしまう事態は回避し。故に何だか覆い被さっているような構図になってしまったが無論本人はそんな事気にも留めず、目の前で驚きを隠せずにいる相手が矢張り幼馴染みだったとわかれば途端に軽く目を見開いて嬉しそうに笑い。「うわぁー久し振りー!!超会いたかったー!!」と一人で騒ぎ始め、にこにこと終始笑顔で話始めれば徐々に興奮故か無意識に身を屈め距離を縮めて行き、そのまま事の次第を簡単に説明して)
いやぁ智尋が大学の近くで働いてるって聞いてさー、ちょっと探してたら見付けちゃってー!!運命かな?!これ運命だよな?!

ッ近い！一旦落ち着けこの馬鹿が…っ！
(脳内に混乱を招いた大きすぎる衝撃は未だ余波を残すのか一旦冷静になる等という何時もの自分らしい妥当な考えよりもまず先に、目前に近付いてくる相手の顔に僅かに頬に赤みを差せば困ったように眉を寄せたまま相手の首もとに肘を立てた腕を水平に押し当てるようにして大型犬宜しくじゃれつく相手を制し。幾ら若気の至りとはいえ一度は恋い焦がれ、諦めをつけてはいるが未だに好意を寄せる彼が都会暮らしですっかり男癖の悪くなった自身にこうも近付いてくれば自制も何もあったものではない。一先ず上体をきちんと起こし相手に落ち着くようにと言う半面自身も少し混乱した頭を冷静にさせるべく息を吐き、そこで漸くこの騒動で自分達を好奇の眼差しで見つめる野次馬が出来ていることにはっと気付き。此処では此処の自分を作っていたのに目の前の彼の発言のお蔭でそのうちの偽名やらの幾つかが壊れてしまったであろうことに小さく舌打ちをし、それから上に乗った相手を押し退け立ち上がると困惑や怒り、呆れなどが混ざったような表情を浮かべながら「…早く立て。話は聞いてやるから一旦此処出るぞ。悪目立ちし過ぎだ。」との言葉と共に座り込んだ相手に片手を差し出して。)

あ、ごめん嬉しくってついー。
(相手が居なくなってからの高校生活、少し偏差値が高めの大学を受験して合格した事、上京と共に髪を染めた事、今までの大学生活、話したい事は次から次へと頭に浮かんでくるのだが何から話せば良いのかわからず、ひたすらに目の前に彼が居るという事実に喜びを感じるばかりで。それ故普段から冷静で居る時は少なかったが、今はいつにも増して感情が昂ってしまい制止を掛けられて漸く我に帰りへらっと頬を緩ませて何とも軽い謝罪を述べ。上体を起こす相手に合わせて身を引き中途半端に腰を上げた体制になるが、周囲の視線は全く気になっていないのか単に興味が無いのか意識を向ける余裕が無いのか、息を吐いている相手をじっと見詰めており。何だか少し雰囲気が変わった、と言うか厳密に言うと何処と無く色香を感じさせる姿に半ば見入っているのか、年相応の色気というやつだろうか、然しその辺に居る年上の男性や女性とは明らかに違った雰囲気を感じる、そんな事を考えていて。相手が立ち上がる事ではっとし見上げるも、単調な言葉とは裏腹に手を差し出してくれた事に嬉しそうにはにかんでその手を軽く握って立ち上がり。無論此処での相手の立場と言うものを全く理解していないが為に頬を緩める様子はこの場の雰囲気にそぐわぬ程呑気なもので、同様に彼の感じている感情にも気付いていないのか此処を出る、と聞けば「ん、わかった!何処行く?あ、俺こっから家に帰れないから!!」と次の目的地を問うと共にさらっと現在自分が何処に居るのかわかっていない事を伝え)

ッ、はあ!?ったく、面倒臭ぇな…。
(こんな"そのケ"のある男しか出歩かないような地帯まで相手が踏み込んできている以上まさか以前の自分と同じように道を誤ってしまったのか、と一瞬危惧したものの故郷を発った時、彼がまだ高校一年生の頃となんら変わらぬ犬か何かのようなこの様子を見る限りそれはないと断言でき。一先ず幼馴染みが自分の後を追うような馬鹿な真似をしていた訳ではないことに安堵してから、此処を出る以上どうにかしなければならないであろうまだ多分に残ったグラスを手に取れば続いて相手の口から放たれた言葉に呆れたように声を漏らし。適当にあしらって相手を帰した後また此処に戻ってくるつもりだった採算は早々に崩れ深いため息と共に前髪をくしゃりと握るとやれやれとばかりに首を振り。何にせよ人目を集めている以上さっさとこの場を退場したくて立ち上がった相手の手首に手を移しそのまま強引に連行するようにその腕を引くとグラスの返却と共に一言二言の謝罪をバーのマスターに伝えれば一度此処で相手の方を振り返り「…行くぞ。ちんたら歩くなよ、俺だって俺の時間があんだから…。」と不機嫌そうに眉をひそめながら呟くとそのまま早足で店を後にし適当な路地裏にでも向かって。)

(/すみません、どうしてもキャラの強引な性格上確定じみたロルが多くなっております;;もしもそれが不快でしたらなるべく緩和を施したいと思いますので遠慮なさらずにおっしゃって下さいね！)

ごめんって、智尋っぽいの居たから追い掛けてたら来ちゃってさぁ。
(漸く周囲に意識が向き始めたのか、きょろきょろと店内を見渡してみれば何故か多数の男性と目が合いへらりと笑っては「どーもー」なんて呑気に会釈をしていて。そんな時に相手が唐突に声を上げるものだから半ば驚きながらもそちらを見れば何やら物憂げな様子、取り敢えずあはは、と困ったように笑い此処に辿り着いてしまった経緯を言い訳の如く告げて。手首を捕まれ急に歩き出されると一瞬足を縺れさせるも体制を立て直せば歩調を合わせて歩き出し、何処に行くのかと心を踊らせているが店を出ると同時に告げられたのは早々に帰されてしまいそうな予感を匂わせる言葉。途端にその気は無くとも下がってしまう眉、折角の再会だと言うのにどうやら長く一緒に居る事はできなさそうで「じゃあ、あんまり一緒に居れねぇの…?」と無意識に悲しげな口調で問い掛けると何処か寂しそうな表情で半歩先を歩く相手を見詰めて)

(/全然大丈夫です!!寧ろきゅんきゅんしておりますっ。此方こそ何だか面倒な奴で申し訳御座いません、何かありましたら遠慮無く仰ってください!)

ッずりぃだろ、そういうの…。
(さくっと必要なことだけ伝えて後は寄り道せずにと念を押してから駅までの道程を教えて終了、としたかったというのに後ろから聞こえた声は酷く悲しげに響きその声に顔を僅かに歪めるときっと相手には聞こえないだろう程度の酷くか細い声で呟いて。こちらだって例え過去に彼に対しての恋慕の情がありそれが今でも尾をいようともそれでも大切な幼馴染みとの再会を喜び語らう位はしたい、しかしそれにはどうしても此処がどういう場所で自分がそこでどんなことをしていたのか、その性癖を口にせざるをえず。だからこそ彼にもしそのことで失望されようとも耐えうるためにさっさと話を終わらせてしまいたかった、しかしいざ店を出てからよく考えてみれば二人きりになれる場所=人通りの少ない場所=ゲイの痴情にうっかり首を突っ込みかねないのでは、という方程式が出来上がり少し歩いたところで立ち止まるとこの先向かう場所を決めあぐねてしまい。二人きりになれないでもない場所はあるにはあるが、しかしながらこれから自分はゲイで此処はゲイばかりが集まる所だ、という説明を交えるのに明らかにノンケの彼をラブホなんぞに連れ込めば確実に後で引かれてしまう。そんなことを悶々と考えたのち、苦々しく歪められた表情でゆっくりと相手に向き直ると「…ゆっくり話せる場所がねぇから今からそこに入る。…他意はねぇ、から…だから…な。」と男とも歯切れの悪い言葉を漏らすと共に立てた親指で傍に建っている目がちかちかとするほどにネオンを飾った下品なピンク色の建物を指して。)

(/平気なら良かったです;;面倒臭いだなんて、私好みのワンコ臭さがすごくツボで可愛いですよ^^
了解しました、ではこちらからも何かあった際は今回のように発言させて頂きますね。では一先ず本体は沈みます！)

＿＿…すっげえ色してんなぁ。何あれ?
(無論相手の微かな声が耳に入る事は無く恐らくこのまま帰る事になってまた暫く会えなくなってしまうんだろうな、と勝手に気分は最底辺に至るまでに沈んでおり俯いて親に叱られた子供宛らな風情で歩いており。そのせいか相手が立ち止まったのに気付かず危うく衝突しそうになるも、ぎりぎりの所で立ち止まってはどうしたのかときょとんとして彼を一瞥、程無くして対面するその表情は何やら苦々しそうな雰囲気で。どうしたのだろうかとぱちぱちと瞬きを繰り返して相手を見詰めると、酷く言いにくそうに発せられる言葉に示された建物を不思議そうに見遣って。そこにあるのは印象として派手な建物、仮に自分が都会に住んでいたならば瞬時にそこが何なのかわかったのであろうが、何分そんな物とは無縁の生活を送って来た為にどういった用途なのかがわからず、それ以前にその異様な外観の建物を“下品”と見る概念すら無く。驚いたのか軽く目を見開いて呟けば、直ぐに相手に視線を移して酷く不思議そうに問い掛け)

(/可愛いだなんて恐縮です…!!;;気に入って頂けたようで何よりです!!はい、宜しくお願い致します!!此方も本体は失礼致しますね*)

何ってお前…まあ、分かんねぇならそれで良いか。
(気まずさを堪えながら提案したというのに当の本人は此処がどういう場所なのかすら分かっていないらしい、呆れ混じりながらもそれとなく説明を加えてやろうかと一瞬考えたが言えば言ったで気まずさが倍増するだけだと悟り相手には悪い気がするがここは取り敢えず黙っておき。とはいえちんたら入室手続きをしていてはいくら相手でも何となく察してしまう可能性も否めず相手の手を引きながらパネルタッチ式の部屋の選択肢から余程危なそうなものを除いて適当に部屋を選ぶとさっさと支払いを済ませ。多少周りを気にするように視線を散らしながらも急ぎ足で選択した部屋まで向かうと半ば強引に押し込めるように相手を部屋にいれた後鍵を掛け、「ッ、あー…疲れた…何でこんなことで体力使わねぇといけねんだか…。」ここで漸く落ち着けたとばかりに大きなため息をつくとそのままふらふらと大きなサイズのベッドに顔から倒れ込むように横になって。)

え、気になるんだけど!!
(相手の言葉に耳を傾けていたと言うのに中途半端な所で話が切られると気になってしまうのも当然の事、不服げに眉を寄せると軽く頬を膨らませつつ文句を言い。急に手を引かれると驚きながらも着いていき何やらパネルを操作している相手の手元を覗き込もうとした刹那支払いを済ませてしまったらしく、再度歩き始める相手に渋々歩みを進めて。然し先程の何らかの手続きのような物と言い正体不明な内装と言い、此処が何処なのか凡そ見当がつかず辺りを見回してみようにも何故か早足な相手の歩調に合わせるのに精一杯で、「ちょっ、速いって!」と部屋に押し込まれるまで終始一人で騒いでおり。一体何なのかときょとんとして相手を見るが早々にベッドに横になってしまい、腑に落ちないような表情を浮かべるも直ぐに気を取り直すと相手の隣に寝転び頬を緩ませながら顔を覗き込んで「なぁ、まだ一緒に居れんの?」と目に見えて嬉しそうに問い掛け)

…話が長くなりそうだから入っただけだ、終わったらお前帰して俺は俺の予定に戻る。
(何も知らせぬまま此処まで強引に相手を引っ張ってきてしまったことに多少の罪悪感を感じていたが、よくよく考えれば相手がよりにもよってこんな所で自分を見つけたりしなければ此処までの苦労は必要なかったことに気付き。そう考えれば隣で頬を緩め呑気な言葉を掛ける相手が何だか憎らしくなり八つ当たり紛いにその頬をつねりながら少しだけきつい口調で素っ気なく応えるとずるずると肘を立ててから気だるげに上体を起こして。「…今からまず俺の話をする。お前の話は今度にでも聞いてやるから一先ず聞け、一応お前もこんなとこで貞操の危険なんざ感じたくねぇだろ？」片方の膝を立てそこに頬杖をつくようにして体勢を作ると緩く首をかしげて相手の方を見やりながら話を始め。まずは相手に此処がどういう場所なのか、それを説明しないかぎりは例えさっさとこの大型犬を家に帰したくとも危なっかしくて仕方ない、手間な説明にのっけから面倒臭さを感じているのか疲れたような表情を浮かべると本日何度目かのため息をつき。)

う゛ぅ…。
(身に覚えも無く唐突に頬をつねられれば成す術無しとばかりにされるがままで、続けられる言葉に残念そうに眉を下げ。然し話が長くなる、と言う事はその長い話が終わるまでは一緒に居られるのだろう。更に言えば体を起こした相手が言うにこのまま関係を絶たれてしまう訳でも無いらしい、無論端からそのつもりだったがそう考えれば少しか気分も浮上して寝転んだ体制で相手を見詰め。然し“貞操”の意味がいまいち掴めず、眉を寄せるも此処で質問を挟むと機嫌を損ねる可能性が無いとも言い切れないと判断すれば後で聞こうと一先ずは黙って相手の話に耳を傾け)

…まず、この辺一帯はゲイ…も、分かんねぇのか。つまり、あー…同性に、恋愛感情を持ってるやつがよく彷徨くとこなんだ、よ。
(漸く本題に入れると安心したのも束の間、中々話し辛い内容から幾ら自分自身がゲイだとしてもどうしても口にするのが憚られ更にはどこまでも無知で無垢な状態の相手に分かるようにと考えながら説明をするあまり何ともしどろもどろな歯切れの悪い口ぶりでの説明となってしまい。上手く話せない自分自身に苛立ちが募るのか時折がしがしと頭を掻きながら一先ずこの一帯の状況を伝えると大人しくこちらの話を聞く相手に身体を捻って向き直り「…だから、変な奴等にケツ狙われたくなかったら此処にはあんま近付くな。お前だって男なんかより可愛い女と付き合って大学生活謳歌したいだろ？」との言葉と共に相手の頭を軽くくしゃくしゃと撫でてやり。自らが口にしたことは普通の男性なら当然の事実、男同士の方が女と付き合うより遥かに希薄で異常なことだと散々理解してきたつもりだったがその相手が彼だというだけで既に捨て去ったはずの恋心が再び刺激されるように胸がぎゅっと苦しくなり。僅かに眉を寄せ困ったような表情を浮かべて彼の様子を伺えばいきなりのハードな内容に困惑しているのではと少々心配して。)

…同性?
(何と無く説明に困っているような相手の様子を見詰めてはそんなに複雑な内容なのだろうかと耳を傾けているも、口にされた言葉は至極シンプルだが意外性に富んだもので。驚きのあまりぱちぱちと瞬きを繰り返しながらその単語を反芻し一度天井に視線を移すと、同性とは例えば自分が幼馴染みである彼に恋愛感情を抱くと言う意味だろうか、とぼんやりと考えて。徐に此方を向く相手を視界の端に捉えると再度視線を向け、付け足される言葉を無言で聞いては不意に頭を撫でられると状況にそぐわず嬉しそうに目を細めて。相手に撫でられる感触を久し振りに感じて浮き立つ一方では説明された言葉の意味を割りと深く考えており、然し上京してまだ二年しか経っていない自分にはそれに対する背徳的な思考は無く、単純に“やっぱり都会ってすげー”等と恐らく相手よりも大分軽い受け取り方をしていて。そもそもその同性に恋愛感情を持つ男性が彷徨く場所に何故彼も混じっているのかと言う疑問点には気付いていないらしく、考えれば考えるほど謎が深まり終いには好奇心すら沸き出して不意に体を起こしては相手の方へ身を乗り出し「え、じゃあ男同士で付き合ったりすんの?」と興味津々に問い掛ける始末で)

そうなる、な…一応。
(話し相手が会社の知人だったりだとか、それなりに都会にも慣れ知識としてそういった人種がいることを知っている者ならばこの一帯の現状を聞いただけでショックを受けるなり顔面蒼白になったりだの何かしらマイナスのアクションがあっただろう。しかしそこは幼馴染みの彼らしいと言うべきか、男同士ということにだけ興味を抱いてしまっている様子に思わず苦笑すると身を乗り出す相手を落ち着かせるように肩をそっと押し返しながら彼の質問に肯定の意を返し。この様子ではそんな一帯に自分が居た、というところから自分がどんなタイプの人間かなどと繋がってはいないのだろう、あわよくば言わずにそこで察してもらえたらと考えていたもののそれは失敗に終わったらしくやはり自分から言わなければならないのかといくばか胸に鈍く重い感覚がつのって。「…だから、俺も…その、そういうタイプの人間なんだよ。…軽蔑、する…よな…。」言い出し辛さから途切れ途切れの言葉を繋ぎ漸く自身のことを相手に伝えると、これできっと以前のように手放しで甘えてきてくれることはなくなってしまうのだろうと酷く切なくなり。相手から逃げるように視線を背け気を紛らせようとするかのように不意に傍にあった枕のひとつを抱えるとそのままそれを両手でぎゅっと抱き締めながら顎を埋め。)

…え、軽蔑?何で?
(肩を押されると再度ベッドの上に座り直し、告げられる肯定の言葉に驚きを隠せないが同時に興味は益々沸き上がったようで。男同士かぁ、と色々と想像してみるが手を繋いでいる所やキスをしている所等、普通の男女と同じシーンしか思い浮かばず矢張りそう可笑しい事でも無いのだろうと判断し。それ故に相手が同性を好きなのだと知っても然して驚きはせず、極自然に納得してしまうが一方で言っている本人は至極口にするのが難しそうに見え。その様子に疑問を抱いていれば、自分が相手を軽蔑する事を前提としたような言葉にきょとんとして首を傾げて。自分の中では“同性愛”と言うものは既に教師と生徒や不良と優等生の間での恋、なんて言う少女漫画にお馴染みのシチュエーションと同じ棚に並べられており「別にそんなの、智尋だけじゃないんだろ?軽蔑する事ないじゃん」と呑気に頬を緩ませては当然だとばかりに告げ)