朱里 2014-01-13 09:07:28 |
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・佐々木 朱里(仮名)
○×県生まれ。
17歳。高2。
家族:父親と私。
容姿:下さがりのショートヘア。目は若干つり目、中の中。
性格:いつも笑って、少し毒舌。
最初は私だけの紹介にします。後々、他の人も紹介します。
1996年6月19日。
○○病院にて、1つの命が舞い降りた。
名前は朱里…
父親が名前を付けた。
朱里は母親に抱かれ、元気に泣いている。
感動的な場面だ。
皆が幸せそうに笑っている。
「生まれてきてくれてありがとう」
――私が生まれて3年。
…家族は崩れかけていた。
原因は母の浮気。
父と母は別居を始めた。
離婚はしなかった。
いや、離婚は出来なかった。
私が居たから。
その頃、私は父と母の間を行き来していた。
二人は仕事をしていたから私は父の所でも、母の所でも、結局は独りだった。
当時の私はこの状況に疑問を抱いた。
「ねぇ、パパ。なんでママとお家バラバラなの?」
父は目尻を下げ、眉をハの字にした。
3歳の私にどう説明したらいいのか困ったのだろう。
「―…大丈夫。今はバラバラだけど、また一緒に暮らせるよ」
父は私の頭をポンポンと撫でた。
「ホント?」
「ホントだよ」
父は優しい笑みを浮かべながら言った。
またママとパパと暮らせる。
もう寂しい思いをしなくていいんだ。
「だから、今はもう少し我慢してな?」
「うんっ!朱里、我慢するっ」
私は父にギュッと抱きついた。
―この頃の私は疑う事もなかった。
子供は無知で純粋だ。
父の言う事は絶対だと思っていた。
また三人で暮らせると思っていた。
この先の未来が悲惨な事になる何て誰が気付いたでしょうか…
――私は相変わらずパパとママの所を行き来していたある日のこと。
「ねぇ、朱里。今日は一緒にお出かけに行こっか」
いつもお仕事でママとお出かけすることはなかった。
ママとお出かけするのは今日が初めてだ。
「行く!」
私は嬉しくなり、笑顔で言った。
「じゃあ、ママお出かけの準備するから待っててね?」
「分かった!」
私の返事を聞くとママはニコッと笑い、準備を始めた。
ドコ行くのかな。
動物園かな…遊園地かな。
楽しみだなぁ♪
―ピンポーン…
…お客さん来たのかな?
「ママー!誰か来たよ!」
すると、ママは急いで玄関へと向かった。
誰だろう…
しばらくすると、ママが部屋へ戻ってきた。
「ママー、誰だっ…」
ママの後ろには知らない男の人がいた。
「―朱里。この人は真幸さん、ママのお友達なの。今日一緒にお出かけするのよ。仲良くしなさいね」
ママは変わらず笑顔で言った。
「朱里ちゃんかぁ、可愛い名前だね。よろしくね」
真幸さんは笑みを浮かべながら手を伸ばしてきた。
「―っいや!」
私はママの後ろへと隠れた。
…この人、怖い。
「朱里ダメじゃない。ちゃんと挨拶しないと」
ママは私を責めるようにキッと睨み付けた。
「…ごめんなさい」
何で私が怒られるの…?
「カナ、別に良いよ。いきなりだったから驚いたんだよ」
「真幸、ごめんね。私少し焦り過ぎたみたい…あなたと早く仲良くなってもらいたくて」
「焦らずゆっくりいこう」
真幸さんはそう言ってママをギュッと抱き締めた。
イヤだ…ママ。
ママが遠くに行っちゃう。
私のママ…取らないで!
「朱里?どうして泣いてるの?」
ママは目を見開き、私をジッと見つめた。
私…泣いてるの?
泣いていると自覚した瞬間、私は涙が次から次へと零れ落ちてきた。
「…ヒック…うわぁーん!」
「ちょっと…どうしたの?…ほら、泣き止みなさい」
ママは私の頭を優しく撫でた。
それでも、私は泣き止まず声が枯れるぐらい大きな声で泣いた。
「ウルサイ!頭に響くのよ!早く泣き止みなさい!」
すると、さっきまで私を優しく撫でてくれていた手が大きく振りかぶり私の顔を思いっきり叩いた。
私は突然の痛みとママに叩かれたショックで更に泣いた。
「ちょっとカナ、少し冷静になれよ!朱里ちゃん大丈夫だよ」
「だって…泣き止まないんだもの。真幸さんその子放っておきましょ」
ママは私を冷めた目で一瞥し、自分の部屋へと入った。
「ちょ、カナ!…朱里ちゃんごめんね」
真幸さんは申し訳なさそうな表情をし、ママの部屋へと入っていった。
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