-　True love　-

-貴方
あの女の子の事、1年位前に知った。仕事帰り車で通る度に1人で木の下にぽつりと淋しそうに立っていた。人待ちかﾅﾝﾊﾟ待ちかと思ったけど違うみたいだ。友達や恋人らしき人は来る気配はないし、ﾅﾝﾊﾟされても無視していたから。俺も何故こんな時間に此処に居るのか尋ねようとした。だがそうしたら、ﾅﾝﾊﾟ男と同じになる。だから見るだけ。だけど今日ﾅﾝﾊﾟしている男は結構やばい感じのお兄さんだった。...いやいや、やばいだろう。
-私
早く、早く朝になって。夢を見るから。寝たら、あの夢を見るから。1人で布団に入り眠るのが怖くてたまらない。この木は落ち着く。木は話してくれないけど、何だろう。安心する。賑やかな繁華街なのだから、こんな私でも声を掛けて来る人は居る。今日も鮮やかな色の髪、じゃらじゃら小物を付けたお兄さんが話し掛けて来た。よし、今日も無視して交わそう。そう思っていたのにお兄さんは腕を凄い力で握って来た。溜息を漏らしていたら何だか背の高い、格好いい男の人が助けてくれた。

　-　まだまだれす禁止　-