掴み所のない僕たち【赤司×カノ】

あれ…遅いな。(これもまたお仕置きの一環とか？リップクリームを塗って完全に準備が終われば、家を後にする。すぐ隣の相手の家の前に立てば携帯を取り出して。「これがお仕置きだなんて全然わからなかったよ。」なんてメールを送れば、インターホンを押す。全く、頭いい人の考えていることはよくわからないな。なんて。←)

はーい…どなたでしょうか？…って修哉⁈(慌ただしく準備をしていれば、携帯など見る暇も無くメールが来たのも気付く事は無く。丁度準備が終わった所にこんな時に誰だろうか、チャイムが鳴り。まさか相手が迎えに来たなんて想像していなかった。ドアを開ければ、見違えた相手の姿にパチクリと瞬きをして。)

やっほー…驚いた？(どうやら驚かせる事には成功したみたいだ。ニコ、と笑ってみせると「それにしてもお仕置き酷すぎるよ。黙ってないで言ってくれれば迎えに行ってたのに。」と少しだけ不機嫌そうな表情で述べる。まぁ、昨日の電話をよく聞いてなかった僕が悪いよね。と相手の手を引っ張ると「頑張って早起きしたんだから。…で、どこ行くの？」なんて尋ねてみようか。)

ああ、吃驚した(相手が来た事にも相手の姿にも驚いた。己が女の姿でとは言ったものの、化粧や髪型まで朝の弱い相手がセットしてしたなんて、コクリと頷き。「…言ったらお仕置きにならないだろ？」本当は己が寝坊しただけなんだけど、何でか勘違いをしている様。まあ、いいかなんて誤魔化してみよう。「今日は珍しく積極的だね」手を引っ張る相手にクスっと微笑みすこし意地悪してやろうか)

似合ってるかな？(髪を弄りながら不安げに聞いてみて。「完全に引っかかっちゃったよ。」と苦笑いして。街中を歩くとすれば、話し方も少しだけ意識する。クリスマスだからか、周りらカップルだらけだ。「君が凄く驚いてたからなんか気分良くなっちゃってね。…僕たちもカップルに見えてるのかな？」なんて照れ臭そうに聞いてみよう。ドキドキと胸が高鳴るのは周りに感化されてるだけで、きっと考えすぎなんだろう。)

男とは思えないほどね(能力を使っているにしろ、本当に男なのだろうかと疑ってしまうレベル。化ける物だな、と感心して相手を見やり。「…これで恋人に見えるんじゃないかい？それに今日は″カノちゃん″とデートしようと思って来たからね」何処もかしこも見事にカップルだらけ。相手の可愛らしい発言に手を握って、此方に引き寄せてみたりして冗談っぽくいうも本当の目的を言ってあげたり。)

と言っても化粧なんて普通しないものなんだけどね。(嬉しそうに照れ笑いをしつつも、調子に乗ることはなく。「…っ、そんなかっこいいことしないでよ。外見はカノちゃん、でも中身は何時ものカノだよ。君に惚れちゃったらどうするの。」なんて顔を真っ赤にして言い。自分でも分かるほど動揺してしまっている。冗談で言ったつもりだったのに。カノちゃん、か。ということは自分は見てもらえないと言うこと。…心の何処かで寂しい、なんて思っているのは口には出さないでいて。)

…ひとつヒント。カノちゃんの方が外でもこうして堂々といちゃつけるだろう？(惚れるなんてそう簡単に言わないで欲しいんだけどな、きっと己が惑わせる事ばかり言ってるから色々と勘違いしてるんだろう。今日位ほんの少しだけ気持ちを伝えてみてはいけないだろうか。相手が意味を理解できるかは分からないが遠回しに言ってみようか。手は握ったまま離すことは無く、少し気恥ずかしいのか相手はみずに横に逸らして)

ヒント？…え？よくわからないんだけど…(手を繋いだままでいる相手。あ、そうか。分かった。きっと女友達が欲しかったんだろう。丁度クリスマスだし、そんな気持ちなんだろう。納得したような表情で相手を見れば「今日だけだよ？彼女役するの。」とニヤニヤしながら笑ってみせる。心のモヤモヤが消えもしないが、それを無視して相手のお仕置きと言う名のデートに付き合おうか。)

…君は僕をなんだと思ってるんだい(全く何も理解できていない相手。己の嘘はすぐ破ったり感が鋭かったりするのに。友情や恋愛感情においてはどうしてこうも鈍いのか。はぁ…なんて溜息をついて。どうせ己が彼女欲しがってこんな事してるんだろうとか思ってるに違いない。手を繋いでない方の手で相手の頬をむにっと摘み。「クリスマス位好きな人と一緒にいたいって僕だって思うんだよ？」とこれで通じなかったらばか認定するしかないななんて思いつつ相手の反応を伺い)

え、違ったの？(キョトンとした表情で相手を見れば、頬を掴まれるとうーっ、とだらしない声を出して。「そっか。ありがと！僕も好きだよ。」ニコ、と笑ってみせる。そりゃこっちだって相手の事が好きだ。この好き、という気持ちがどういうものかは分からないが、相手の口から言われるのは凄く嬉しかった。良いクリスマスになるな、なんて。)

…違うよ(そんなキョトン顔されても、勘違いは解けたからいいけど。何だか可笑しくて、首を横に振りクスッと微笑。「言い返さなくてもいいのに」好きなんてわざわざ言わなくてもいいのに。特別な意味じゃないと分かっているけど勘違いしそうになる。冗談地味た声で気恥ずかしそうな表情を浮かべて。)

え、何々？照れちゃってるの？(よく見ると恥ずかしそうにしている相手をニヤニヤしながら見つめる。その顔はもとの姿に戻ったように見える。「じゃぁ今日はリードしていってね？…征くん。」こうなったらとことん彼女を演じてやろう。そう思ってる自分が一番楽しそうな表情をしていることは気付いていない。)

(上げておきますねー！)

(上げます！)

(あげますねー！)

好きなんて面と向かって言われれば少しは照れたりするものだろう(己が言うのは恥ずかしいなんて感じないが、言われるのは別らしい。人から好かれるなんて経験が殆ど無いものだからか慣れておらず、顔を逸らしたまま。「そのつもりだよ、それにお仕置きだからとことん付き合って貰うからね」なんてデートとは言えお仕置きも兼ねているからか不気味な発言をして)

(お、遅れてしまいすみません！お待たせしましたー)

自分だって言ったじゃないか。(何言ってるんだとでも言いたげにキョトンとした様子で言い。それに良い所の家、顔も格好いい…性格はともかく、どこを見てもモテるであろうのに、何を言っているんだ。「今日だけだよ？」なんて人差し指を口元に持ってきて言えば、両手で相手の腕を掴んだ。)

(いえー！なんかしつこくてすいません…暇だったんで←)

言うのと言われるのは違うんだよ(幾らか告白された事があるとは言え、何の意味が無くても一番親しい者から言われれば、言うのは何とも無くても動揺してしまうもので。「えぇー今日だけ？」腕にくっついてくる相手にクスッと笑って。)

(いえいえ、大丈夫ですよ！此方こそ遅くなってしまう事多くてすみません…！)

まぁ、それは僕も同じかもね。(とはいえ自分は告白なんてされた経験などないから言えた口ではないのだが、少なくとも同意はできる。「ふふ…君には本当の僕を見てて欲しいんだよ。」なんて笑ってみせるとたまには本心を曝け出してもいいだろうか。やはり気恥ずかしいものではあるが。)

(いえー！大丈夫です！w)