悪くないかもね。 <BL>

大丈夫ですよ。子供が変な気を使わなくていいんです。
(相手が後部座席に乗ったので、“荷物は後ろに置いて、俊汰は前来たらどうですか?“と後ろを振り返り、相手に視線を向けてそう言って

…だから子供扱いが嫌なら俺の事も子供扱いするなって。
(事実相手と年が離れているのもあるが其れを未だ気にしている相手に些か不機嫌気味に返せば、相手の言葉に甘える様に荷物を置いてもう一度外へと出れば助手席へと乗り込んで)

ごめんなさい…
(相手を怒らせてしまった、と自己嫌悪すれば素直に謝り。当初と比べ、ずいぶん素直になったなぁ、と実感すれば、やはりaikoを流しながら自宅へ向かって

…怒ってないから。
(しゅん、としている様に見えたのか小さく溜息を零しては運転中の相手に邪魔しない程度に宥める様に呟き。相手の流す音楽に耳を傾けつつも外の景色を見て)

なら、良かったです。
(素直にそう思った。自分は好きな人を怒らせたくはないし、出来る限り笑っていてほしい。こんなことを考えてるとは相手には言えないが、横目で相手をチラリとみれば頬が緩み

…何?
(ふと視線を戻せば相手の笑みが見え、落ち着いた其の表情に胸を高鳴らせるも平然を装って此方を見る相手の意味を問い掛けて)

えぁ?えと、ただ見たくて見てました。
(苦笑しながら言えば自宅であるマンションが目に入り、“掃除したかなぁ、ルンバ“と考えながら駐車場へと入り慣れた手付きで駐車させ

(着いた相手のマンションをぼんやりと見上げながらも相手の運転する横顔を見守っては此れから一晩一緒である事に少なからず喜びを感じているのか無意識にも静かに表情を和らげて)

一応着きました。
(相手のほうを見れば“三階まで階段ですが、頑張りましょう“とエレベーターが故障していることを付け足して言い。

は−い。
(駐車したのが分かれば相手に顔を向けヘラリと返事し、車を降りては後部座席の扉を開けて中から鞄を取り出し肩に背負って。運転席側から出て来る相手へと歩み寄って行けばにィ、と笑い「じゃあ行こうか。」と相手の手をさりげなく取っては階段がある方へと歩き出して)

わ、あ、はい。
(自分の手を握る相手の流れるような行動に大人より大人だなぁ、と感じれば相手の手を強めに握り。“オレの部屋、想像以上に汚いですけど、そこはスルーしてくださいね“と小さく呟く。自分の脳裏には朝、脱ぎっぱなしのパジャマで着ているディズニーキャラの着ぐるみが甦ってきて

まぁ男の部屋なんてそんなもんでしょ。
(握り返される手を愛おしげに思えば少しばかり力を抜き、するっと指を滑らせては指を絡める様に手を繋いでみて。自分の部屋も綺麗とは言えない為にそんな事は気にしないとばかりにへらっとした緩い笑みを零し)

まぁ、床はかろうじて綺麗ですけど…
(絡む指と指に何とも言えない愛しさを感じて、思わず頬が緩みそうになるが、グッとこらえてキリッとした表情を保ち。笑みを溢した相手に安心するが、床はルンバがどうにかしてくれるが他が大変がことになっていることが容易く想像出来て、自分の性格を恨み

だから気にしなくていいって、いざとなったら今から適当に片せばいいだろ?
(今でも気にしている相手に小さく微笑んでは何の迷いも無い様で普通に三階へと向かう階段を上って。絡んだ指先を悪戯半分でくすぐる様に動かしては相手の表情を盗み見て)

それもそうですね…!
(相手の提案に、なるほど、と頷けばクローゼットに押し込めば万事オッケーだ、と考えて。擽りに弱いのか“ひぁっ“と声に出してしまい、急いで握っていない方の手で口許を押さえるように隠し

ッ…やば、可愛すぎるでしょ…。
(漸く納得した様な相手に安堵するも自分が軽く擽っただけで声を上げる相手と其の声に思わず僅かに息を呑んでは其の可愛らしさに参った様に目線を逸らして。悪戯したのに此方がやられた気分にもなる状態に少々戸惑って)

か、可愛くなんかないです…ｯ…!
(相手は可愛いと言ってくれるが、自分からしてみれば軽く擽られただけであんな失態を晒すような声を出してしまったことが恥ずかしい限りで。“擽られるの弱いんですから“と顔を赤くしながら言うと鍵穴に鍵を差し込みドアを開けて

…良い事聞いた。
(軽く指をくすぐった位なのにあんな声を上げる程に弱い、という情報を手に入れては相手に聞こえない様に密かに企む様な笑みを浮かべては小さく呟き。扉を開けようとする相手の隣に立っては相手の部屋を見れるというわくわく感もあって)

恥ずかしい…
(先程のことをまだ引き摺っているのかそう呟くと中に入る。2LDKの一人暮らしにしては贅沢すぎる部屋の一発目、廊下には朝着ていた覚えのあるディズニーキャラの着ぐるみが脱ぎ散らかしてある。玄関は軽くマットを敷いたぐらいで特に珍しいものはなく、相手が気づかないうちに着ぐるみを拾って

…大丈夫?
(早速中に入っては何かを拾い上げる相手の動作を見ては訝しげに相手の手元にある物を覗き込んで。拾い上げた物は何か分からなかったもののどうやら其れが布状である事に気付いては「御邪魔します。」と律儀にも呟いては部屋へと上がり込み、相手の傍へと歩み寄って)