〜男子校のひみつ(nl)〜

あ、当たり前じゃん、俺できる子だから。
(不意に寄せられた相手の顔にまたドキっとしてしまうも再び平静を装えばニッと笑って上記を返す。その笑顔の裏では不自然じゃないかな？なんて内心ハラハラしており。「あ、えっと…それじゃ体育館行ってみたいんだけど」と相手の質問にふと思い付いた行き先を話してみて

へ、へぇ、できる子ねぇ…(相手が実は女だとわかっているせいだろうか、見せる笑顔に不覚にもドキッとしてしまい、こんなのは間違いだと自身に芽生えた気持ちを誤魔化すように相手から視線を外して椅子を立ち｢わかった、行くぞ｣なんてぶっきらぼうに言ってはサッサと歩みを進めて

あっ！ちょ、待てよ！
(相手の真意など知る由もなく、ただぶっきらぼうに言葉を放ってサッサと行ってしまう相手を見ては慌てて上記を言いながら後を追う。漸く追い付いては思わず相手の手を握って「やっと追いついた〜」と一息ついてへらりと笑ってみせ

なっ、おい離せよ、周りから変に見られるだろ？(意識を一瞬でもしてしまった相手に不意に手を握られれば自分でも驚く程動揺しているのがわかって、周りを見回すフリをしながら視線をさまよわせながら上記言って、｢なんでよりによって男子校なんかに来たんだお前は…｣と独り言のように愚痴っていて

あっ！ご、ごめん…。
(元々スキンシップは好きな方の自分。指摘されて初めて顔を赤らめてぱっと手を離せば小さく謝罪する。続いて相手の愚痴る声が耳に入れば「あ、私だってこんなつもりじゃ…でもほら、案外ボロ出てないってさっき、」と周囲に聞こえない程度の声で話しては苦笑いし。どうやら自分にとってはバレるかバレないかしか観点はないらしく

バーカ、そういうことじゃねーんだよ(どうやらこちらの意図するところにはまるで気がついていないようで呆れたような表情を浮かべながらも余計な詮索を受けなくて済みそうだと内心では安堵していて｢まあいいや、着いたぞ。中入るか？｣話をしているうちに体育館前に着いていたようで相手へと上記問いかけて

？…わあ！大きいね！
折角だから中も見ときたいかな？
(そういうことじゃないと話す相手に不思議そうに首を傾げるも特にそれ以上気にする様子はなく体育館を見上げ。この学校はスポーツに力を入れているのだろうか？それまで通っていた学校のものとは比べ物にならなくて。驚きで少し普段の口調に近くなってしまうもバレるほどではなく本人も特に気付いておらず

ああ、そうかもしれないな、うちは運動部に熱をいれてるみたいだし(体育館の大きさに感心している相手横目で見ながら、そういえば自分も最初は驚いたっけななんて考えては前に聞かされた理由をそのまま相手に説明をしながら扉を開けて先に入るよう促して

ふーん、そうなんだ…。
(運動部に熱を、と聞き妙に納得しては、「ありがと」とお礼を言って促されるままに中に入る。中ではバスケやバドミントンなどの部活が行われており、練習とは思えぬほどの勢いやスピードで呆気に取られてしまい。「すげー、な。」と小さくぽつりと呟くように言い

気が済んだら行くぞ(自身は体育館へと足を踏み入れることはなく入り口近くの段差部分に腰掛けて後ろ向きのまま相手に上記告げては｢あんまりここ、好きじゃねーんだわ｣なんてポツリとこぼして

あ、うん。
(行くぞと言う相手の言葉に頷いてはすぐに相手と共に体育館を出る。それから相手の様子を気にし、自分が踏み込んでいいのかと少し迷ったが少し心配になり「体育館で…何かあったの？」と少し遠慮気味に相手に問い掛けてみて

別に大したことじゃないけどな(質問に対して特に迷う素振りも見せずに口を開けば｢部活の勧誘がウザいんだよな｣と言っては頭をバリバリと掻きながら溜め息をついて｢お前も気をつけろよ｣と念を押すように言い

なんだ、そういうことか。
それなら大丈夫！自慢じゃねぇけど俺の運動神経、中の下だから。
(何か深い事情でもあるのかと心配しながら尋ねたため、その内容に安堵する。そうしてへらっと笑っては頭の後ろで手を組み、自分の運動神経がよくないため相手のような心配はいらないと告げ。そうしているうちに授業が始まる時間が迫ってきていた

ま、だろうな(相手へとフォローを入れもせずにけらけらと笑いながら頭をポンポンと撫でてふと時計へ目をやれば｢そろそろ授業だな、頑張って来い｣なんて自分は既にサボる気満々のようで

え？魁斗は行かねぇの？
(自分の運動神経の悪さは幼い頃からのもの。分かっているであろう相手がフォローを入れてくれるはずもなく。それよりも頑張って来いという言葉の方が引っ掛かり目を丸くして聞き返す

当たり前だろ、面倒臭え(自分にとってはそれが当然のことだとでも言わんばかりに気怠そうに言って欠伸をしていて、｢何か問題あるかよ？｣なんてあくまでも反抗的な態度で言葉を続けて

だ、だって…不安、っていうか、心細い、みたいな…？
(反抗的にあくまでもサボる気の相手を見ては少したじろぎ、周囲に人が居ないのを確認しては相手の袖をゆるりと掴む。そうして俯き加減に小さい声で上記を伝え。ただでさえ初めて、しかも男子校にとあって不安だというのに、それに加えて先程の痛い程の視線が重なっているようで

はぁ…(心細そうな様子で袖を掴まれ、ため息をつくが、声の調子からして本当に不安なんだろうなとその表情からも感じとればこれ以上冷たくあしらうことも出来ず、頭をポリポリと掻きながらため息混じりに相手を振り返り｢ならとっとと行くぞ｣と相手の腕を引いて

うん！ありがと、魁斗！
(相手に腕を引かれれば少し驚いた表情をするも、それはすぐに笑顔に変わり。自分の頼みを受け入れてくれた相手の行動が嬉しいようで上記を返す。そのまま教室の方向へと2人で少し早足で進んでいき

(/すみません、遅くなりました;;)

(/上げます)