主 2013-11-30 15:59:21 |
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(気落ちした様な様子を見、悪い事をしてしまったかな、と罪悪感に苛まれ顔を歪めるも、相手が話し始めると真面目な顔付きになり息を潜めて聞く体勢に入り。滅多に言われない言葉に「はは、そんなに優しくないですけどね」と照れ混じりの苦笑をすれば、一度深呼吸して背筋を伸ばし「楠川環と申します。…なんちゃって」と雰囲気を作って優雅に一礼したのち、悪戯っぽく笑って肩を竦め)
この神社の守神をしてきたんだ。2000年位(果てしなく遠くにある記憶を一つ一つ掘り返すように慎重に話をして。優しくないと謙遜する彼を目を細めて見れば『君みたいに信じてくれた人、二人目だよ。他に何百人も会ってきたけど信じてくれたのは君でたった二人』心底辛そうな表情で苦虫を噛み潰すように言って。ふざけた調子で自己紹介をする相手を見て面白そうに笑うと『環か。良い名前を貰ったね』と)
ずいぶん、長いですね(想像出来ない位長い時間。昔は栄えていたのだろうが今はもう人が来ない、何年間独りだったのだろう、そう考えると誰に言うでもなく寂しげに言葉を洩らして。こういう時どうするのが最善か分からないが「理解者がいないって辛いですよね…。その人、いい人ですね」と自身も辛そうな顔をし、腕を伸ばして優しく頭を撫で。「そうですか?たまに変って言われますよ」と言いながらも良い名前、と言われて表情を輝かせ、名前が好きなのかどこか誇らしげで)
そう。長い間生きてきた。だから、人間の良いところを沢山知れた。…悪いところも、もっと沢山(寂しげに言葉を洩らす彼を見、クスリと笑えば君がそんな顔しなくていいのに、と言うような顔をしながら左記を述べて。『変な人間だったよ、他の人は俺を避けるのにその人だけは俺に笑ってくれるんだ』そう呟き頭を撫でてくる相手の手を遠慮がちにどかせば触らない方が良いよ、と。変な名前、と言う彼に『両親が付けてくれた名前でしょ?変なんて言っちゃいけないよ。…俺なんか、"神流祇"として生きてきた時間が長すぎて、本名忘れちゃった』と相手を羨むように苦笑いで言って)
…人間は醜い生き物だ、って良く言いますからね(相手の話に感情移入してしまい、言葉を聞く度に段々辛い表情になって行き。話の切れ目にとうとう俯き、言いたい事は色々あったが自分の中でまとめ切れず、結局どこかで聞いた言葉を口に出して。「へえ、素敵な人じゃないですか」素直にそう思った事を言い微笑んで、触らない方が良い、との言葉は無視し、今度は退かせない場所にしようと服の袖を握り。「はいはい。…本名あったんですね」相手の説教じみた言葉に適当に相槌を打ったが、重い話にどう返せば良いか分からずそうとだけ言って)
君は…人間である自分も醜いと思っているの?(辛い表情になっていく彼に話を中断しようと口を紡ごうとしたが相手の発した言葉に反応しそう聞いて。『…もう、死 んじゃったけどね』昔の想い人の顔も思い出せないまま俯き、服の裾をつかむ彼に君は不幸になりたいの?と。『流さないでよ。……日本の神は元々人間だった、って話も多いんだよ』適当に相づちを打った相手にこのやろーと笑うと昔のことを思い出すような表情で)
そうですね。醜さの塊だと思ってますよ(突然何だと思ったが、顔を上げて自嘲の笑みを浮かべ、少しも迷う事なくすらすらと答えて。答え終われば、どうしてこんな質問を?と言う表情をして。「てことは、ずっと昔の人ですか」そうだろうとは思うが、もしかすると最近の人かも、と思い確認しようと訊き、それは嫌ですね、と言うが手を離す事なく軽く笑って。「丁重にお断りします。…人間が神に?それは初耳ですね」ふざけてお辞儀しながら答え、相手の表情を見て綺麗だな、と目を細め、神話の本でも読んでみようか、と腕組みして考え)
"自分の醜さと付き合える人こそが最も強い"…か(相手の返答を聞き昔の想い人がいつだったか言っていた言葉を思い出して呟く。聞きたいような表情をする相手に君は強いのか知りたかったからさ、と答えて。『…もう、100年は越えるかなあ』来ると思っていた質問にやっぱり、と言うように笑うと一瞬悲しそうに顔を歪ませて。嫌なら触らないで、不幸になるからと答えると『そう?残念だよ。……俺も人間だったんだ、でも、生きるのが怖くて…』と喋りながら小刻みに体を震わせて)
格好良い言葉ですね(そっと自分の胸に手を当てて自分もそうだったら良いのにな、という羨望を滲ませて前記を述べ。相手の言葉に当て嵌めるとしたら自分は付き合えてはいないだろう、本心から俺は弱いですよ、と。「100年…昔なのか最近なのか」2000年からすれば僅かな時間なのか、そんな事を真剣に考えていたため相手の表情の変化には気付かず、能天気に考え続け。それこそ嫌です、不幸になる気はさらさら無いですし、と掴む力を強め「そりゃすいませんね。……生きるのが怖いって…大丈夫ですか!?」様子の異変に気付き、震えを止めようと相手の肩を上から押さえて)
でしょ?俺、好きなんだよ此の言葉(格好良い、と言った相手にパッと顔を輝かせてニコリと笑い言って。自分の弱さを主張する彼に、それでも自分の弱さは分かっているのは凄いと思うよ。と尊敬するような口ぶりで。『一瞬だよ、100年なんて。瞬きしていたらいつの間にか過ぎていた、位にね』自分が情けない顔をしていたことに気づき相手に悟られていない事を良いことに明るい表情を作る。君は…馬 鹿な人間だな、自分の不幸よりも他人の幸せを願うのかい?と少し抵抗を弱めると『だ、大丈夫…大丈夫だから…ちょっとすれば落ち着くから…』と焦点の定まっていない瞳で)
本当に良い言葉です。なんか、勇気が貰えるっていうか…(胸元を握り、上手く言い表せないが熱の篭った口調で言って。凄いと言われ一瞬きょとんとし、じゃ、次は弱さの克服ですね。すぐに嬉しそうに笑って目標を立て。「人間だと、一生が100年ですけどね」あまりにも違い過ぎる感覚に苦笑して。不幸を遠ざけるのは愚か者、馬鹿にはなっても愚かにはなるな、ってね。抵抗が弱まった隙に手首を掴み、得意気に祖父の受け売りを語って「いや、大丈夫じゃなさそうですけど」相手の様子は強がっている様にしか見えず焦って言い、落ち着かせるには、と考えた結果、頭を抱え込む様にして相手を抱き締めて)
……!教えてくれたその人も、同じ事言ってた(相手の感想に胸の内を熱くしながら大きめの声でそう言って。弱さの克服を宣言する相手に無言で頑張れ、と頷いて。『…100年も生きられたら、俺も幸せになれたかな?』自分の人間時代の短すぎる一生を思い出し、願いというよりは祈るような声音で前記を呟く。…もう俺知らないよ。手首を握る相手に諦めたように笑うとこっちの方が良いと手を握って。『………っ!!』突然抱きしめてきた相手に抵抗する暇もなく目を丸くさせて)
おお…もしかして俺、その人の生まれ変わりだったりして(守神なんて不思議な存在があるなら、生まれ変わりもあって良いだろう。そうだったら良いな、と思うが相手にとって大切な人を軽々しく扱うのは厳禁。冗談に聞こえる様おどけて言い。無言ではあったが相手の意思を感じ取り、力強さを感じる瞳で相手を見、小さく拳を握って。「多分、なれたでしょう。好きな人と一緒になったりして、」相手の事を思うと、すぐに言葉が出て来ない。慎重に言葉を選びぽつりぽつりと発言して。知らないと言われれば不幸上等ですよ、と不敵に口角を上げ、少し強めに握り返して。「落ち着きましたか?」ゆっくりと背中をさすりながら相手の顔を覗き込む様にして)
…言われてみれば…似てなくもない…かもしれない(相手の顔を至近距離でしげしげと見つめ小さな可能性を肯定するように呟いて。雰囲気とか喋り方とかが多少似ているように感じられる気がする。『そうだよねぇ…。俺の代わりに君には100年生きて欲しいな』多分、と言う相手にしみじみと同意すると朧気に笑い、きっとね、と小さく付け足す。口角を上げた相手に変な人、と笑うと繋がれた手を見つめて。『有り難う…もう大丈夫。』そう言い相手から離れるも目元を隠していて)
あはっ、どっちですか(全然似てない、と一蹴されると思っていたため、優柔不断ではあるが相手の言葉は意外な物で。近すぎるのも気恥ずかしく少し顔を離して俯き加減にし、相手の曖昧さに声を上げて笑い。「生きてみせますよ。でもって神にでもなりましょうか」そうすればずっと一緒にいられる。自分にとっては本気の言葉だが、相手はどうなのか分からない。相手の反応が良くない物であれ誤魔化せる様、冗談めかして言って。笑えわれた上に変とまで言われたのにそれでも笑顔で、このくらい普通ですよ、普通、と二回言い、視線を追う様に手に目線を落として。「目、見せて下さいよ」先程の異様な目をしていないか心配で、目を覆う物を退かそうと手を伸ばして)
どちらかと言えば…どっちも?(結局至近距離に気づかないまま顔を離し、腕を組んで前記を疑問符付きで述べながら小首を傾げて見せて。『そうすれば、君とずっと一緒だね!……でも、お勧めは出来ない…かな』予想外の提案をする彼に願うように薄く笑うも、その提案はあまりにも実現が難しいことで。環には、あの人に似ている彼だけには、自分が歩んできた辛い道は歩んで欲しくない。そう考えながら。普通と主張する相手の話を聞けばそうかなあ、と楽しそうに笑って見せ、彼も同じ、繋がれた手を見ていることに気づき、久しぶりだなあと思ってさ。と少し握る力を強めて。『…や、嫌だよ』手を伸ばす彼の衣擦れの音と言葉にぶんぶんと首を激しく振って。こころなしかその声も震えていて)
うーん、まあ似てるって事でいいですよね?(避けていた顔を元の位置に戻して相手の真似をして腕を組み、疑問符は付いているが異論は認めない、いう口調で言って。「どうしてですか?」自分も神になって一緒にいる事が出来れば、今度こそ相手も幸せになれるかもしれない。それなのに何故、と不満気に疑問を口に出して。もしや疑われているのだろうか。相手に限ってそれはないだろうが、極々普通の男ですよ、ときっぱり主張して、久しぶりの手の感触はどうですか?と訊きながら繋いだ手を軽く前後に振ってみて。「でも…」そこまで拒まれると無理矢理引き剥がすのも気が引ける。でも相手の事は心配で。どうするべきか迷い、伸ばした手をやり場なく揺らして)
まとめて言っちゃえばね(相手も腕を組んでいたことに気づき、内心クスリと微笑みながらそういい、腕を元の位置に戻し。『君には幸せになって欲しいから』何でと不満気に問うてくる相手に薄い笑顔のまま表情を変えずに言って。それから少し目を瞑って、また一瞬寂しそうに顔を歪めると、君に重なってしまうんだよと静かに付け足し。極々普通の…ねえ。いいなあ、そういうの…。キラキラした目で羨ましそうに彼を見やると、しみじみとした様子で呟けば、あったかい。と相手の問いにただ一言味わうように言って。『…んっ!ホントにもう大丈夫!神流祇復活!』心配を掛けてしまっていることに気付きハッと顔を上げると両手を上げて元気一杯に)
やった、似てる。その人の事、もっと教えてくれませんか?(相手と同様に腕を解いて目を細めて笑顔を作り。半ば無理矢理だが似ていると言われて更に興味を持ち、色々知りたいと思う様になり遠慮がちに頼んで。幸せか不幸かは自分で決める、と言いたいが相手は自分を気遣って言ってくれているだろう、そう思うととても言い出せず口をつぐみ。その後の言葉に見当は付いたが何か喋ろうと「誰にですか?」とだけ訊いて。神流祇さんも普通ですよ。話していると普通の人間みたいで、ごく自然にその言葉が出て来て、こうすればもっとあったかいですよ。と微笑み、もう片手も包む様に重ねて。「……復活おめでとうございます!」空元気ではないか疑わしいが自分が沈んでいても仕方ない。不安を押し殺す様に上げていた手を握り、真上に突き上げてそう言い)
いいよ。…えっとね、何から知りたい?(昔の、既に亡くなった想い人だが、こうやって興味を持ってくれる人間が居ると、あの人は確かに生きていたんだ。生きて、自分の隣に存在していたんだ。そんな思いが頭を駆け巡り、嬉しくなって。『環ぐらいの歳の時の自分と』つい口走ってしまった言葉に内心しまったと思いながらも、それでも仕様がないと相手の顔を見伺いながらぽつりと。ははっ、そう?有り難う。君のおかげだよ、こうして人間ともう一度触れあうなんて出来ないと思ってた。とこちらも微笑みながら言い、更に重なった手に本当だ、と言うように顔を明るくさせて。『せんきゅーっ!』最近覚えた、通りすがりの人間が言っていた英語という言葉を使うと誇らしげな顔をして)
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