主 2013-11-16 16:15:12 |
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…家何処だ、送ってってやる。( 驚いた相手の表情を見るが少々かじかんでいる相手の手を見て眉を顰め。まだ本格的な冬ではないとはいえ先程雨に濡れたのだから、と少々心配な様で。気の抜けた返事に溜息を吐くと助手席の方を指差しては上述を告げ。教師としてはどうなのだろう、と一瞬考えるが”風邪をひきそうな生徒を送った”となればなんとでもなる。しかも自分にとって特別な相手であれば尚更で )
カイロ持って来てるので大丈夫ですよ-、( 鞄からカイロを取り出せば首を左右に振って。だがそれは使用済みで既に効果も無い物。生徒の己が相手の車に乗るなんて凄く図々しいだろうし、それに相手だって帰りが遅くなってしまう。「だから心配無用です!」 何処からその自信は来るのか自信満々に答え。其処まで己の家も遠くないし走って帰れば約15分くらいで着くだろう。これは平均の人が走ったらの予想で己が走ればどうなるかは分からないが、)
…良いから早く乗れ。( 自信満々ではあるがカイロがあるなら何故そんな手が痛々しいことになるのだろうか、と訝しげに眉間に皺を寄せてはじっと相手を見詰めて。相手が自分に気を遣っているのが薄々分かっていては少し脅す様にも聞こえるかもしれないが上記を告げて。相手の家が何処にあるかなんて分からないが家に早く着けば良い、と思ってはいるよう )
先生は心配症ですね-、( 相変わらず呑気に言うと小さく笑みを溢し、内心かなり緊張しながらも相手の車のドアを開ければ助手席に座り。折り畳み傘を畳めば鞄の中へと入れ。「先生の車暖か-い」と暖房の前に手をかざせば頬を緩ませ。だが今の現状を考えてはまた二人きりだと分かり胸が高鳴る。緊張しているせいか、先程迄寒かったせいか頬が赤くなっているが恐らく前者だろう。それを悟られない様にマフラーに顔を埋めて、)
…うるさい。( 自分でも大凡思っていた事を相手から言われれば苦し紛れかもしれないが左記を返して相手が助手席に乗って来るのを眺めて。暖房を掛けていて良かったと思いつつ「御前が外に居たからだろ、手出せ。」マフラーに顔を埋めてしまった所為で此方から顔は見れないもののやはり寒かったのだろうと判断しては寒そうに暖房の前に手をかざす相手に告げて)
..手?、( 不思議そうに首を傾げるが取り合えず相手の前に手を差し出し。相手の車の中はとても暖かいがまだ手は若干冷たい。冬は寒いから嫌だけど今日みたいな日は好きかも。こんな特別な日は今日だけかもしれないけど。自分の手と相手の顔を交互に見れば相手が何をするのか未だ分からない様で頭上にクエスチョンマークを浮かべ。それにしても先生、他の生徒達にもこんなことするのかな、なんて考えれば少しだけ嫉妬してしまう。相手は皆の先生なのだから諦めなければならないのに。)
あー…、やっぱり冷てぇな…。( 自分の言葉の意図を理解していない様で不思議そうにこちらを見ている相手に素知らぬ振りで、差し出された手を自分の手で包む様に握っては自分の手の温度とは違い其の冷たさに眉を顰めて。手袋を持ってこれば良いのに何故寒い日に限って持っていないのか、と思うものの自分より小さい其の手に微笑ましく思うのは確かで。少しでも温まる様に、と相手の指先を中心に相手の手をやんわりと握って )
わわ...ッ、先生の手大きいですね-、( 驚きのあまり一瞬全ての動作をピタリと止めるがすぐに我に返ると相手の手の温もりにふにゃりと頬を緩ませ。今、普通に接することが出来ているだろうか。マフラーに顔を埋めた侭、耳迄赤くすると自分は贅沢者だと密かに思い。相手の手と己の手を比べてはやっぱり相手の方が大きい。相手は男の人なのに綺麗な指してるし羨ましい。女の己でも羨ましくなるぐらい綺麗だ。お手入れとかしてるのかな、と不思議に思えばその侭じぃ、と見て。)
そりゃ一応年の差とか性別の差とかがあるだろ。( 自分と同じ事を考えていたのか相手の発言を聞いては相手の手元を見詰めて平然と返すものの相手の柔らかく女らしい手に可愛らしく思わない筈も無く。矢張り通常の生徒相手に対する感情ではないな、と自覚してしまっては密かに自嘲気味に苦笑を零しては暫く相手の声が聞こえない事にふと顔を上げて相手を見ると此方を凝視している事に気付き。訝しげに眉寄せては「…どうかしたのか?」と問い掛け )
あ、いえ!、先生の手綺麗で良いなぁ、と思っただけです、( 大したことでは無いと言う風に首を左右に振れば名残惜しくも相手の手を離し。相手のお陰で手も暖まったし普段は触れることは出来ない相手の手に触れることが出来たのだから一石二鳥だ。今日は良いことが有りすぎて明日が来るのがちょっと怖い。でも例え明日、不運なことばかり起こっても今日のことを思い出せばすぐに立ち直れるだろう。)
男の手を綺麗って言うのもどうだか…。( 相手から手を離されるものの相手の言葉の表現に訝しげに首傾げ。そろそろ頃合いか、と相手の方を向いていたのを前を向いては改めてエンジンをかけては、「…んで、送ってやるから道教えてくれるか?」とハンドルに手を掛けたまま相手の方に顔を向けては緩りと口元に弧を描いて。元々は寒い帰り道を少しでも早く家に着く様にする為に相手を乗せたのだと再確認して )
あ、え-と..、この道を真っ直ぐ行って突き当たりを右に曲がればすぐですよ、( 相手の言葉に苦笑しつつ問い掛けに対して前記を述べれば背凭れに身を委ね。今日、相手とこうしていられる時間は後僅か。どうしても好きという気持ちが溢れポロリと言ってしまいそうになる自分が恐ろしい。相手とギクシャクしてしまうのも嫌だし、何より何時もの様に話せなくなってしまうことが怖いのかもしれない。私の意気地無し、と心の奥底で呟けば鞄を持っている手に力を込め、)
ん、了解。( 家の場所を聞けば軽く頷き、ハンドルを握っては直に車を発進させて。意外と其処迄遠くない事に安心しつつも相手といられる時間が短い事に残念に思わない訳ではなく、けれど少し薄暗い中相手が車により無事に帰れる事を思うと先程相手を見つけれてよかった、と安堵し。今日は何かと二人きりになる事が多く、其の所為か相手への好意を再確認する機会が何かと多い。かといって教師である自分が易々と生徒にそんな思いを告げれる事がある筈も無く、思わず無言になって )
...先生って好きな人、とか居ます?、( 早くも沈黙に耐えきれなくなったのか口を開くが言ってから後悔。こんなこと聞いても自分が辛くなるだけなのに。しかし言ってしまった言葉は消せる訳も無く残ってしまう。もし相手に好きな人が居るのだったら応援しなくてはならない。表情が暗くならない様に気を付けてはいるが何故か相手の方は向けず前方を見てるだけ。怖いのはきっと答えを聞くのが怖いと思っている自分が居るからだ。情けないし、格好悪過ぎる。)
…そんな事聞いてどうするんだ?( 少しの沈黙に前を向いて運転するも唐突に話しかけられ、又其の質問の無い様に無意識乍ら困った様に眉を顰め。相手は絶対に其の質問の答が此れ又相手である事をしらないし、相手が他に好きな奴が居るかもしれない。そう考えては相手の質問の意図が分からずに思わず聞き返して。横目で相手を見ても前を見ている所為か横顔だけでいまいち表情の判別がつけ辛く、目を前に向けてはどう答えようかと悩んで )
いや、ちょっと気になっただけで...、その..嫌なら言わなくても良いんですよ?、( 流石に相手が好きだから気になった、なんて言える筈も無く慌てた様に首を横に振って。やっぱり嫌だと言われる可能性の方が高いかもしれない。相手が好きになる女性と言えば己みたいな子供では無く、綺麗な大人の女性だと思う。そんなことを考えては溜め息を吐き肩を落として。溜め息を吐けば幸せが逃げていくと良く聞くがそれが本当なのか定かではない。)
…いるにはいるけどな。( 溜息が聞こえ何やら悩んでいる様子の相手に自分も正直困ってしまい。結局の所事実はぼかしつつも正直に答えを言っては小さく一息吐いて。「…御前は?」話を追求されるよりも相手の事を聞いた方が得策と考えたからか少しの間を置いてから相手に話題を振って。実際自分なんかより相手には同級生や先輩等学生らしい恋愛の方が向いているのでは無いか。そんな考えにかられては相手の眼を見れずに )
( 諸事情により昨日は来れずにすみませんでした…! )
居る、と言えば居るんですけど..私には手の届かない人なんですよ、( 相手の答えを聞いては正直凄く辛いが仕方の無いことだと自分に言い聞かせると問い掛けに対する答えを述べ苦笑して。失恋だと分かればやはり悲しいし泣いてしまいそうになる。何時からこんなに己は弱虫だったのだろう。しかし今は相手も居るし笑っていよう。目に涙が溜まっていくのが分かるが暗いし相手には見えない筈だ。)
( / いえ、大丈夫ですよ!、私は何時でも待ってますので!、)
…そうか。( 相手から帰ってきた答えは自分と似た様な答え。それなのに後者は何処か震える様な声に聞こえて思わず視線を相手の方に遣り。やっぱり男子なのだろうか、それが相手に取っては幸せなのだろうが”手の届かない”とは一体どういう意味なのだろうか。そうやって考えているうちに突き当たり迄これば先程相手が言った通り曲がり。もうすぐ相手の家かと思うと少しばかり寂しい気もして )
( ありがとうございます、すみません…! )
あ、此処までで良いですよ-、( もう己の家が見えてきた。しかし車庫に車は無く両親はまだ帰ってない様だ。また遅くなるんだろうなぁ、と思いながらも夕飯は何時も作ってくれてる為、文句を言える訳が無く。マフラーを巻き直すと忘れ物が無いか、等と色々降りる準備をして。まだ何処と無く複雑な気持ちだが諦めるしか手段は無く吹っ切ろうとして。明日は相手と話すことが出来るだろうか。笑うことが出来るだろうか。不安を抱えながら窓の外を眺めては家はもう目の前にあり、)
( / 私も遅くなることが有るので気にしないで下さい、)
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