御 前 が 、 俺 の 全 て だ か ら 。
──story──
テスト前日、部活で帰りが遅くなってしまった貴方は昇降口に急いでいた。
すると何故か教室の明かりが点いている。
消して帰ろうと教室を覗いてみれば、其処に居たのは校内どころか他校にも名を馳せる不良でありクラスメイトの主。
授業にすら出席しない彼が机に向かっている風景は異様だったが、貴方に気付かない程夢中になっていたのでそっとしておいた。
次の日、寝坊してしまった貴方はテスト開始ギリギリに遅れて登校。
慌てて座席表を確認すると其処は普段主が使っている席、特に何を思うでも無く席に座り間に合った、と一息吐いて何気無く机に視線を落とすと──
端から端までびっしりと英単語を敷き詰められた机があった。
待て、一時間目
英 語 じ ゃ な い か ?
必死に机に書かれた英単語を消ゴムで消しつつ思うのはただ一つ。
彼奴、昨日の放課後これ書いてたのか。
その張本人が教室に居ない所を見ると矢張りサボっているらしい。
その場を何とか遣り過ごし放課後怒気を隠しもせず向かったのは屋上、勢い良く扉を開けてやれば真っ先に目に入る鮮やかな金の髪。
此方を見て詰まらなさそうな表情を浮かべる主は一言、
「はッ、詰まんね」
貴方が喧嘩で気を失いかけた主を家に連れて帰り介抱するのは、それから数日後の話し。
主は決して口にしないが、ある理由から貴方に付き纏うようになり「御前が望むなら何だってしてやる」と言い出す始末。
そんな主を周りは貴方の“イヌ”と呼び始め、それに気付いていながら貴方の傍を離れない主に貴方は疑問を抱きつつ、次第に二人で居る事が当たり前になっていて──
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