海堂、俺だ…分かるか？【特定の方待ち/募集は無し】

乾先輩…

いつも心に…
想っている…
（窓辺で一人呟いて）

何か言ったか？
（昼休みになり即行で戻ってきて）

あ…、い、乾先輩！？
な、何も…！（すっかり取り乱して）

…そうか
（適当に冷蔵庫にあるものでサンドイッチを二人分つくり
テーブルに置くと、自分の分は口にくわえて）

そろそろ行ってくる
海堂、ちゃんと食事はするんだぞ？
（時計を見て慌てて玄関を出て行き）

は、はい…；

ビックリした…（息をついて）
…（先輩が作ってくれたサンドイッチを食べはじめ）

乾先輩は…
明日は休みなんだろうか…

…（乾先輩の笑顔を思い浮かべて）

明日は 半日仕事だな…
（手帳を片手に現れ）

海堂 何か予定は無いのか？

俺は…

乾先輩みたいに
働ける身じゃない…
（悲しそうに俯いて）

でも自分なりに頑張ってる、大丈夫っスよ

…お前自身から
未だ身の上話、聞いていないしな…

すまない
（頭を下げ）

元気に生きてりゃ
それでいいだろ
（海堂の頭をﾎﾟﾝﾎﾟﾝと撫で）

先輩が謝ることなんて何もねぇ…

乾先輩に嫌われそうで…言えなかった
アンタの負担にはなりたくない

…俺が元気でいられるのも
先輩がいるから…（笑顔をとりつくろって）

嫌われることを怖がるな
少なくとも、俺は海堂を嫌わない
（背中をさすり）

嘘笑いは嫌いだからな…
（海堂の頬を軽く引っ張り）

先輩…

だって…
泣きそうに…なるから…
（乾先輩の胸に顔をうずめて）

俺も乾先輩を嫌うことなんて
決してない…

よしよし…
（静かに背中をさすって微笑み）

…（息をついて）

病気持ちだなんて…言っちまった
…（自分を嘲笑して）

でも…乾先輩を信じてる

この際だ
カミングアウトしよう…
（深呼吸して相手を見て）

俺も健康ではない
通院しながら身体を騙しているだけだ…

乾先輩…（目を見開いて）

そんな…
知らなかった（両手で顔を覆ってしくしく泣きはじめ）

俺は…情けない…
自分の夢を追うばかりで
社会から逃げてる…

海堂を泣かせるつもりは無かった
…すまない
（相手の背中をさすり）

夢はいつまでも追い続けろ
（優しく微笑み）
追い掛けるのは心が強い者しか出来ないんだぞ？

今は社会に背を向けているかも知れないが
いつか向き合える時が来る…

乾先輩…（泣きじゃくり）
辛い事話させてしまった…すまねぇ…

…（微笑んでこくりと大きくうなずき）
ありがとう…ございます

先輩がいるから…
毎日が怖くなくなった…（そっと抱きついて）

俺は辛くない…
会社でも社長と部長しか、俺の体調の事は話していないが…
（ヨシヨシと頭を撫で）

お前は心は強いと思う
（ハッキリ言い切り）
ただ制御とコントロールを覚えないとだな…

これくらいしか
やれないが…強く生きろ
（そっと抱き締め）

はい…（目を閉じて微笑み）

…（気持ちは…隠しておこう）