海堂、俺だ…分かるか？【特定の方待ち/募集は無し】

なんとか
あれから5分以内には
この部屋を設置できたが

まぁ
後は海堂次第だな…

乾先輩・・・。
すみません、お邪魔します・・。

すいません
は、いらないだろ？

気にしなくていい…

・・・。（こくっとうなずいて）

プライベートも
いろいろあるようだからな

俺は海堂が
少しでも気持ちが楽になるなら
それでいい…

何か要望があれば
遠慮するなよ？

俺を見つけて助けて下さった事・・・礼を言います・・。
（どこか声を震わせて）

ほら、まただ
（苦笑して）

さっきも言っただろ？
お前は真面目過ぎだって…

それに
生きていれば必ず誰かを傷つけるが
生きていれば必ず誰かに巡り会う

今回たまたま
俺は海堂を見つけたが
もし今度
俺が不在の時お前が迷ったとしたら
その時また誰かに巡り会う

誰かに巡り会えばまた傷つける・・。
でも・・生きているのなら仕方のない事なんですね・・。

桃城は・・幻のようだった・・。
（部屋のカーテンをそっと開けて）

あの場所の桃城に会う前・・・
俺には恋人がいた・・。
乾先輩も読んだでしょう・・・。
俺を暗闇に突き放して自然消滅を狙われた・・。
俺の希望は大きく崩れて
毎日が悲しみで包まれていた・・。
そうして彷徨っていたらあの場所の桃城に会った・・。
どこか似ていた。
桃城は俺を助けようとしたのに
俺はそれを拒んだ。
当然の報い・・・。

傷つくのが怖いままだと 先に進めないな…
（眼鏡をかけ直し）

悲しみを乗り越える強さを
10代で身につけないとな…

桃城も
そこまで弱くはないはずだ

海堂のことも
恨んだりはしていないだろうし
今も好きだと思う…

どうしてそんなこと分かるんスか・・。

ん？
おいおい…俺も恋愛くらいするぞ？

（少し考え）

俺が桃城の立場なら
そうだな…と

・・・（しばらく相手をじっと見つめて）

桃城の幸せを祈ることしか・・・できない・・。

好意を踏みにじるような事をした俺を
まだあいつが好きだなんて・・・。（そっと目を閉じて俯き）

（すまん 充電器を探していた）

相手の幸せを祈ることは
大切なことだし
これからも続けるといい…

なにも
全ての別れが
怒りや憎しみとは限らないよ、海堂

最初の恋人を・・・
俺は憎もうとした・・・。

誰もかれも傷つけるようになったのは
あいつのせいだって・・・。

でも・・・憎んでいても
何にもならない・・・。
わかっているんスけど・・・涙が止まらなくなる・・。

毎日・・・泣くしかないから・・・。

考えていることと、思っていることと
実際にやってしまったこと…違ったりするからな

恋愛は理屈じゃない…

・・・（こくっとうなずいて）

でも今日乾先輩が話を聞いてくれた・・・。



・・・良かった・・・。（微笑み）

ここは海堂のために開いたんだ…
いつでも来るといい

俺がその時不在でも
一日一回は来る

約束する…
（微笑んで）

ありがとうございます、乾先輩・・。
（そっと相手の手を両手で握って）

俺も来ます、
約束します・・・。（微笑み）

…よかった

少しは前向きに慣れた感じだな
偉いぞ、海堂…

・・・（少し照れた様に微笑んで）

巡り合わせって不思議っスね・・・。
これからずっと泣いて過ごすはずだったのに・・・。